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Zero ed una bambola   ゼロと人形-05




 食堂では他の生徒より一足遅く、ルイズが席に着いた。するとまたもルイズのそばにキュルケがやって来た。

「ちょっと!あっち行きなさいよ!」
「あなたに用はないわよ。ねぇ、アンジェちゃんは・・・」
「アンジェなら先に食事に行かせたわ。」
「それで食事の後にあんなことさせてるの?」

 キュルケが指差す先、そこにはメイド服を着たアンジェリカがシエスタと供にケーキを配っているではないか。

「な、何やってんのよ!アンジェは!」
「落ち着きなさいよルイズ!」




 コック長のマルトーは今食事をしている少女、アンジェリカが苦手だ。
 今朝初めてあったとき、その髪の色も相まってシエスタの妹と思ってしまったが、今ではそんなことは露にも思わない。
 アンジェリカの人形めいた容姿、シエスタや他のメイド達は可愛いというが理解できない。何よりもあの笑顔。機械じみたその笑顔は不気味で背筋がぞっとする。
 だからマルトーはこの少女アンジェリカが苦手だった。

「マルトーさん、マルトーさん」
「おう、どうした」

 シエスタが話しかけてくる。仕事に集中しなければ、そう思いケーキの配膳に取り掛かる。

「アンジェリカちゃんにケーキをあげてもいいですよね?」
「ああいいぜ。そのために余分に用意してあるからな」
「そうなんですか。ありがとうございます。アンジェリカちゃん、お礼は?」
「ありがとうございます。それで、あの、紅茶はないのですか?」
「紅茶?まってな、すぐに淹れてやるからよ」
「アンジェリカちゃん、紅茶好きなの?」
「はい。紅茶とケーキには幸せの魔法がかかっているんですよね」

 そういってアンジェリカは小さく笑う。機械的でない、無邪気な少女らしく笑う。
『なんでぇ。ちゃんと笑えるんじゃねぇか』
 マルトーはアンジェリカの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

「わわ」
「マルトーさん!そんなふうに撫でたら髪が乱れちゃいます」

 シエスタはそういってケーキを食べているアンジェリカの髪をすく。

「はは、すまねぇ。しかし、紅茶とケーキには幸せの魔法がかかっているか。わかってるじゃねぇかお前」

 そうだ、こういう子供がしっかり笑えるように大人達が頑張らなければならないのだ。

「アンジェリカっていったな。気に入った。いつでもここに来な、好きなもん食わしてやるからよ」
「はい、ありがとうございます」
「よかったね、アンジェリカちゃん」

 もうマルトーはこの少女、アンジェリカが苦手ではない。



「シエスタちゃん」
「何?アンジェリカちゃん」

 ケーキを食べ終えたアンジェリカはシエスタに話しかける。

「あのね、お世話になってばかりだから私もシエスタちゃんのお手伝いがしたいの」
「え?お手伝い?」

 シエスタはマルトーに目を向ける。好きにしな、マルトーの目がそう語っていた。

「じゃあねぇ、そうだ。これからケーキの配膳があるからそれを手伝ってくれる?」
「はい、お手伝いします」
「えーと、その服じゃ汚れたら困るから・・・。そうだこっちに来て着替えましょう」

 そういってシエスタはアンジェリカを連れて厨房を出た。


 着替えたアンジェリカの姿はメイド、そうまさにメイドそのものだ。

「少し小さいサイズが合ったからどうかと思ったけど、ぴったりね」
「似合いますか?」
「ええ、似合いますよ。じゃあ行きましょうか、アンジェリカちゃん」
「はい、シエスタちゃん」

 シエスタとアンジェリカは二人でケーキの配膳に取り掛かった。


「それじゃあ、アンジェリカちゃんお願いね?」
「はい!」

 シエスタがケーキを乗せた大きな銀のトレイを持ち、アンジェリカがそれを貴族達に配っていく。

「ちょっとアンジェ、アンジェ!」

 ルイズがアンジェリカに声をかける。

「どうしたんですかルイズさん?」
「どうしたじゃないでしょ?あんた何してんのよ」
「お手伝いです」
「お手伝い?」

 ルイズはシエスタに目をやる。

「あの、ヴァリエール様、そのぅ」
「ルイズさんわたしがお手伝いしたいって頼んだんです」

 答えに窮したシエスタに代わり、アンジェリカが答える。

「そ、そうならいいわ。でもねアンジェ、次からわたしに一言いうのよ」
「はいわかりました」

 そういってまたアンジェリカはケーキを配り始めた。

「やーん、アンジェちゃんかわいいー」
「き、気持ち悪い声ださないでよ。この変態ツェルプストー」



 騒がしい彼女達を尻目にアンジェリカとシエスタは淡々とケーキを配っていた。
 すると何やら貴族の少年の一団のほうからアンジェリカの足元に小さなガラス壜が転がってきた。

「落としましたよ」

 アンジェリカは拾ったガラスの小壜を指し出し、一団の中にいる金髪の、薔薇を胸に挿した少年に問いかける。

「これは僕のじゃないね。君は何を言っているんだ?」

 少年は否定するが周りにいた彼の友人達が騒ぎ出す。

「それは香水?モンモランシーの香水じゃないか?」
「するってぇーと、ギーシュはモンモランシーとお付き合いなすってるてことで?」
「ち、違うぞ!」

 ギーシュと呼ばれた少年は慌てて否定しようとしたがもう遅かった。

「ギーシュさま・・・」

 栗色の髪の少女がボロボロと涙を流しながらやって来た。

「け、ケティ。いいかい、誤解しないできいておふぉおおおおお」

 ギーシュが言い訳を言い終わる前に、手首のスナップが効いた素晴らしいビンタが彼の頬を襲う。

「さようなら!」

 ケティと呼ばれた少女はそう言い残し立ち去った。
 その様子を見届けた巻き髪の少女が静かに立ち上がり、ギーシュの席まで歩いてきた。

「ご、誤解だよモンモランシー、彼女とは遠乗りに出かけただけだよ」
「あの一年生までに手をだしたのね。うそつき!」

 モンモランシーはテーブルの上のケーキをギーシュの顔にぶつけ、そののまま去っていった。


 沈黙がその場を支配する。だがアンジェリカはギーシュが余りに滑稽でクスクスと笑ってしまった。

「僕を笑うのは誰だ!」

 ギーシュが叫ぶ。



Episodio 5

Magico della felicita
幸せの魔法


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