あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

デュエルモンスターズZERO-05

「「決闘(デュエル!!)」」

決闘が始まった。

先に動いたのは青銅のギーシュ。
口にくわえた薔薇の造花を右手に持ち替え、かれはその造花を振る。

「ゼロのルイズ! 君自身が魔法を使えなくとも、僕まで魔法を禁止したりはしまいな?  出でよ! 青銅のゴーレム ワルキューレ!!」

ギーシュは芝居がかった口調でそういうと、くすんだ色の青銅人形を召喚する。

青銅のワルキューレ 土属性 岩石族 攻撃力? 守備力?

一方のルイズは右手に6枚の札を構えたまま動かない。

「……っく」

しつこく言うが、ルイズの右手には6枚の札が握られている。
だが、悲しいことにその札全てが、今現在使うことの出来ないものばかり。

(いいか、相棒。おれのこの40枚の札……デッキは3種類のカードから構成されている。モンスター。魔法。罠の三種類だ)

ルイズは己の手札を確認する。

緑の手札が4枚。
黄土色と濃い褐色の札が一枚。

緑は魔法。
黄土色は効果を持ってはいないモンスター。
対して褐色は特殊能力を発動するモンスター。

本来なら大衆の目の前で、モンスターを召喚し、ギーシュのゴーレムをボコボコにのしてからシエスタに謝らせるつもりだった。
だが、それは適わない。

なぜか?

黄金錘に眠る、自分の使い魔の言葉を思い出す。

(いいか。相棒。モンスターカードは色々な種類がある。効果を持たない通常モンスターと特殊能力を持つ効果モンスター。
力は弱いが、何の代償なしで召喚できるモンスターを下級モンスター。
たいしてその召喚に生贄を必要とするのを上級モンスターというんだ)

ルイズの手の内にあるカード。

上級モンスター「ブラック・マジシャン」
効果を持つ上級モンスター「ギルファー・デーモン」
魔法カード「融合」
魔法カード「死者蘇生」
魔法カード「魔法移し」
魔法カード「サウザンド・ナイフ」

現状ではルイズにはモンスターを召喚することも、ギーシュのゴーレムを破壊することも出来ない。
モンスター二体は生贄が必要になるため、召喚することが叶わない。
融合は決められたモンスター同士を合成させる魔法だが、ギルファー・デーモンとブラック・マジシャンでは融合は出来ない。
死者蘇生は『墓地』と呼ばれるカードゾーンにモンスターがいなければ使う事が出来ない。
魔法移しは自分や相手のモンスターにかけられた魔法を、別の対象に移し変える魔法。
サウザンド・ナイフはブラックマジシャンが場に召喚されることで初めて効力を発揮できるカード。

専門用語では今のルイズの状態をこう表す。
『手札事故』と。

「どうしたんだい? ゼロのルイズ。降参するかい?」
「馬鹿を言わないで! あたしの辞書に降参の二文字は無いわ!」
「……残念だよ。この僕がレディに手を挙げねばならないとはね。
ワルキューレ! 彼女の手から『使い魔』を奪い取れ!!」

ゴーレムがルイズに迫る。

(3分……3分持ちこたえれば私にも勝機がある!)

相手から目をそらさず、ルイズは考える。
自分の内に眠る使い魔は言っていた。

(いいか? 相棒。魔法や、罠、モンスター効果を使わない限りモンスターの召喚やデッキからカードを引く(=ドローする)行為は自分のターンに一回しか許されない。
だが、こういう乱戦じみた決闘では自分のターンとよべるものは存在しないだろう。だから本来の自分のターンである3分が過ぎるのを待つんだ。そうすれば、また新たな可能性が開ける!)

ルイズが回想を終えると同時、ワルキューレが自分のデュエルディスク目掛け、サーベルを振る。
バックステップを取り、ぎりぎりでかわすルイズ。
とはいえ、かわせたのはまぐれのようなものだ。

ギーシュはまだ本気を出してはいないはず。

「ルイズ。君もほとほと頑固だね」
「ええ、自覚しているわ」

ギーシュはため息をつくと、薔薇の造花を振った。
青銅の戦士がまた新たに2体。

一方 ルイズに必要な時間はあと、40秒。

「もう面倒だ。ワルキューレ。その円盤を破壊しろ」

ワルキューレはサーベルの切っ先をデュエルディスクに向ける。
そのままの体勢で、スピードをつけて襲い掛かる青銅人形。

(――ッ間に合わない!)

ワルキューレの移動速度は並の人間よりも遥かに速い。
ルイズは反射的に腕を抱え、守った。

――己の体ではなく、デュエルディスクを。

ざく、と音を立てて、青銅の細剣がルイズの腕を切り裂く。

「ぐうぁぁっ!」
「なっ!?」

痛みに顔をしかめ、おもわず声を漏らすルイズ。
だが、慌てたのはギーシュの方だ。
誓って言うが、彼はルイズを傷つけるつもりは無かった。
青銅のメイジが破壊しようとしたのはあくまで「ゼロの使い魔」である。「ゼロ本人」ではないのだ。

「ああ、ルイズ! 何をやっているんだい! すぐに棄権したまえ!! 今から治療すれば、すぐ治るはずだ!」

ギーシュは貴族の女性を傷つけたとあってえらく狼狽している。
だが、駆け寄ろうとしたギーシュをルイズは手で制した。

「断るわ! これは決闘よ!!」

ゼロと呼ばれた少女はデッキに手をかける。
ギーシュはその少女の言葉を聞いて顔を引きしめると、再びワルキューレを召喚した。

「僕が一度に召喚できるワルキューレは6体までだ。この子達を使って君を無理やりにでも医務室へ連れて行く!!」

ルイズは深呼吸する。時は来た。
おそらくこのドローを逃せば、自分は6体のワルキューレに敗北するだろう。

(お願い。私を導いて!!)
「ドロー!」

懇親の力を込めて、ルイズはデッキからカードを引き抜いた。
その札を手にしている腕から血が滴り落ちる。

ルイズは血の気を失い、青い顔になりつつも凄絶な笑みを浮かべた。

「ギーシュ!」
「な、なんだい?」
「悪いけど、この決闘 私の勝ちよ! 私は手札より、魔法カード『強欲な壷』を発動!」

ルイズはドローカードを、魔法、罠を発動する場所に叩き込む。
ヴェストリの広場に、『ソレ』が召喚された。

つぼである。
ただ、とてつもなく趣味が悪い。
なんとも不細工な男がにんまりと笑った顔が掘られているのだ。
そのつぼには。

「キャアアァァア!」
「ゼ、ゼロのルイズが呪いの壷を召喚したぁぁぁ」
「目、目を合わせるなぁぁ! 呪われるぞぉぉ!」

『強欲な壷』のあまりのヴィジュアルイメージに外野は大混乱に陥る。
だが、当のルイズはそんなことは関係ないとばかりに、再びデッキに手をかける。

「強欲な壷を使用したプレイヤーはデッキからカードを二枚ドローできる。ドロー!!」

一方のギーシュは、ただ狼狽している。
彼には、この状況が理解できない。

Qあのつぼは何でしょう?
Aゼロのルイズの魔法らしいです

ルイズがドローすると同時、つぼは消えた。
そして……

「私は! 手札から魔法カード『融合』を発動する!」

ルイズは二枚のカードを墓地に送る。
さきほど、強欲な壷の効果でドローした二枚のカード。
そのカードとは。

「出でよ! 悪魔族の先鋒 バフォメット!  駆けなさい! 幻獣王 ガゼル!」

よりにもよってルイズ・フランソワーズは一番召喚してはマズイ者を呼び出してしまった。

その体には4本の人間の腕。
その背には白い羽。
頭には禍々しくねじれた二本の角。
その顔は優しさなど微塵も感じさせぬ獣のような顔。

まさしく悪魔。
名をバフォメット。

「ル、ルイズが悪魔を召喚したァァァ!」
「ギャアアアァァアァ!!」

ギャラリーも、ギーシュも、一緒になって絶叫した。
ルイズは笑みを浮かべる。

そしてもう一体。

額に角を戴き広場にふく一陣の風が、彼のたてがみを撫でる。
一角の黒きたてがみを持つ獅子 幻獣王ガゼル。

不動の如く土の属性を持つ獣族の戦士。

「げ、幻獣まで召喚したぞぉぉ!」
「ど、どうしちまったんだぁぁ!」

「ル、ルイズ。君は一体……」
「ギーシュ。貴方が馬鹿にしたこの40枚の札にはね、数多くの魔法、モンスター、そして罠が封印されているの」
「な!?」

「心配しないで、命まで取りはしないわ。 さあ、ガゼル。バフォメット。その体を一つにし、翼持つ幻獣となりなさい!!」

二体の姿が空間に溶け込むように消えた。
入れ替わりに現れるのは、バフォメットの羽にガゼルの体。
二体の頭を備えた幻獣。


「有翼幻獣 キマイラ 召喚!!」

ルイズの声に合せるようにキマイラは低く遠吠えをあげた。
その咆哮に怯える人々。

ルイズの瞳が輝く。
彼女は召喚された使い魔の目を通して見通す。

「見えるわ。あなたの青銅でできたゴーレムの強さが」

ワルキューレ 攻撃力1200 守備力1000
効果 一度に6体まで特殊召喚できる。

ちなみに、キマイラの攻撃力は2100。
ワルキューレの攻撃に比べ、遥かに高い。

「さあ、ギーシュ。行くわよ。キマイラの攻撃!」

ルイズの声にあわせ、キマイラの二つの頭が鋭い角をワルキューレと、ギーシュに向けた。

「GO!」

突進する有翼幻獣。
その攻撃はワルキューレの一体を粉々に粉砕する。

キマイラがワルキューレの一体に攻撃を加えたことで、他のワルキューレがキマイラに攻撃を開始する。
だが、青銅の剣は容易く幻獣の剛毛にへし折られ。
そ鈍い色の体は鋭い爪と牙に跡形も残すことなく大地に還った。

「あ、あ、あ、あ」

未熟なメイジはぺたん、と尻餅をつく。
彼の腰は抜けて、歯の音ががちがちと奮えていた。
もう、『青銅』には手段が残されては居ないのだ。

「降参なさい。ギーシュ・ド・グラモン。命までは取りはしないわ」
「………そ、そうさせてもらうよ」

かくかくと、まるで自身が使役していた青銅のゴーレムの様に彼は頷いた。

そして、その宣言を聞き入れると同時、青い顔をしたまま我らがヴァリエール嬢は地面に伏し、意識を手放した。




ヴェストリの広場の決闘はこれにて終着を迎える。
だが、他でもないルイズ・フランソワーズの決闘はここから始まるのだということを
彼女も、彼女の使い魔たちでさえも予測は出来なかった。

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