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『使い魔くん千年王国』 第二章 復活

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「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」

呪文の詠唱とともに、ルイズの唇が少年の唇に重ねられる。
するとどうであろう… 少年の右手の甲には、奇妙な形のルーン(魔法文字)が、まるで家畜の焼印のように刻まれ出したのだ。
(ジュウ――――――――)
その痛みで、少年はとうとう目を覚ました!

「あんた、誰? どこの子なの?」
ルイズはしょんぼりした様子を隠せないまま、貧相な少年を見下ろして誰何した。
これから下僕になる平民なのだ。コントラクト・サーヴァント(契約)が済んだからとて、なめられるわけにはいかない。

「…………?」
少年は覚醒した。否、復活と言ってよいだろう。
彼は確かにあの時、心臓を銃弾で撃ち抜かれて死んだのだから。
(ぼくが死後復活するであろうことは、さまざまな予言書にも書かれていたとおりだが……。
 ここはどこだ? 東京や奥軽井沢ではなさそうだし……)

「ちょっと、聞いているの!? 私は急いでいるのよ!」
(この怪しいカッコウをしたやつらはなんだ? 見たところ魔法使いそのものだが、
 やつらが、というかこの騒がしいピンク髪の女が、ぼくを復活させたとでもいうのか?)
「はやく答えなさいよ! 耳がないの? 口がきけないの?
 (きぃ―――――っ わなわなわな)」

「うるさいな。人の名前を尋ねる時は、そちらから名乗るのが礼儀だろう」
ヒステリーをおこしていたルイズは唖然とした。
たかが平民の小童ごときが、貴族に開口一番言うセリフではない。

…いや、ひょっとしたら小童なのは見た目だけで、何か強大な力を秘めた存在なのかも知れない。
きっとそうだ、そうに決まっている。
なにしろこの私が全身全霊をこめて召喚した使い魔なのだから。
なんかすごいふんぞり返ってるし。


「わ、私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」
「ずいぶん長い名前だな。まあいい、ぼくは松下一郎。
 …たぶん君たちは知っているだろうが、『東方の神童』だよ。
 『悪魔くん』などとも呼ばれていたがね」

「と、東方!? あ、悪魔ですって!?(ふはっ)」

「ミス・ヴァリエール! 下がりなさい!!」
コルベールが進み出て叫ぶ。
ハルケギニアにおいて、『東方の悪魔』というだけで自己紹介は充分だ。危険極まりない。
だがルイズは狂喜した。美しいかはともかく、これほど強力な使い魔はなかなかないだろう。
ちゃんと契約もしてあるから従ってくれるはずだ。

『東方の悪魔使い』ルイズ!
なんという力と畏怖に満ちた、ミリキ的な二つ名であろう!
「嘘だろ…あのルイズがそんな凄い奴呼び出せるはずがない」
「まったく、バカバカしいことだニャー」
愚かな群衆のツブヤキも心地よいぐらいだ。うふふふふふふ。


「ぼくは悪魔ではないよ。むしろそれを使役する者だ」
「え?」
「なんだ、ぼくのことを知らずに復活させたのか?それよりここはどこだ? 君たちは何者だ?」
いぶかしげな表情を浮かべながらも、現状を確認しようとする『悪魔くん』。

コルベールが、警戒しながらも彼の質問に答える。
いまのところ暴れる様子はないが、下手に刺激するのはまずい。
「ここはハルケギニア大陸のトリステイン王国、トリステイン魔法学院。
 我々はあなたを召喚したメイジ(魔法使い)ですよ、『悪魔』くん。」

「召喚だって? まさかぼく自身が召喚されるとは思わなかったな。
 メイジはともかく、そんな大陸も国名も、知っている限り記憶にないんだが」
「お、おいおい説明するわよ! とにかく契約は済ませたんだから、
 どんな強力な悪魔でも悪魔使いでも、あんたは一生この私の下僕なんだからね!
 さあ、御主人様とお呼びなさい!」
ルイズは激しい疲労と困惑で混乱し、早く使い魔を従えたいと焦っていた……。

だが……彼は小ばかにしきった口調で拒否した。
「御主人様? これまた調子のいい話だなア。
 知識だって力だって、ぼくよりも上回ってなきゃア、
 主人でも先生でもないよ」
「なんですって!?」
「まあまあ、ミス・ヴァリエール。彼には彼の考えもあることだから」
「きみ、止めるな! こんな家ダニのような小娘……」
「家ダニ!? 家ダニとはなによ!!!」
「家ダニで気に入らなければ、シラミだって油虫だっていいんだぜ」
「ひどすぎる!!!!」
「き、きみ、口がすぎるよ」
「俺ア、こいつの高慢ちきな態度が始めっから気に入らないんだ!
 禿頭、そこをのけっ!! ぼくにはこんなものにかかづらわっていられない、
 大きな使命があるんだ!」

『悪魔くん』は額に青筋を浮かべ、奇妙な拳法のような構えをとると、
聞きなれない魔法の詠唱と精神集中を始めた!
「ミ、ミス・ヴァリエール! 早く逃げなさい!」
「なんで逃げる必要があるのです!!」
「いくぞーーーッ!!」


『悪魔くん』が暴れだしたのを見て、周りの生徒たちも驚き退いた!
 コルベールは、激昂したルイズを彼から引き離そうと、ドンと突き倒した!
「あっ」
 彼女はどすんと音を立てて倒れ、地面に頭を打ちつけてのびてしまった…。
「きゅう」

「私からよくいいきかせておきます。
 今日のところは大目に見て、助けてあげて下さい」
「…ま、いいだろう… いろいろ聞かなくてはならない事もあるだろうし」

こうして、春の召喚の儀式は終了した。
果して、彼は偉大にして強力な悪魔、または悪魔使いなのであろうか。
或は何か間違ったのではなかろうか……?

(つづく)
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