教室にはもうほとんどの生徒が集まっていた。そして生徒の数だけ使い魔がいる。
「うわぁ」
様々な生き物にアンジェリカは目を奪われ感嘆の声をあげる。
「アンジェここに座るわよって何であんたがこっちにくるのよ!」
「いいじゃな。どこに座ろうとあたしの勝手でしょ」
「いいじゃな。どこに座ろうとあたしの勝手でしょ」
ルイズが席に着くと隣にキュルケがやってきた。
ちょうどその時、紫色のローブを身に包んだ女性が現れ、口を開いた。
ちょうどその時、紫色のローブを身に包んだ女性が現れ、口を開いた。
「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。おや、ずいぶん可愛らしい使い魔ですね。ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズがそういうと教室はどっと笑う生徒と可愛いと口に出す生徒に分かれた。
「ゼロのルイズ!召喚できないからって、可愛い女の子を誘拐してくるなよ!」
「誘拐!ふざけたこというんじゃないわよ!ミセス・シュヴルーズ!かぜっぴきがわたしを侮辱します!」
「かぜっぴきだと!俺は風邪なんか引いてない!風上の・・・」
「はいはい、みっともない口論はおやめなさい。いいですか、お友達をゼロだのかぜっぴきだの呼んではいけません」
「誘拐!ふざけたこというんじゃないわよ!ミセス・シュヴルーズ!かぜっぴきがわたしを侮辱します!」
「かぜっぴきだと!俺は風邪なんか引いてない!風上の・・・」
「はいはい、みっともない口論はおやめなさい。いいですか、お友達をゼロだのかぜっぴきだの呼んではいけません」
シュヴルーズがそういって二人を諭そうとした。
「ミセス・シュヴルーズ、ルイズがゼロは事実です。事実を言って何が悪・・・」
マリコリヌは最後までしゃべることができない。彼の口に赤土の粘土が張り付いていた。
「あなたはその格好で授業を受けなさい。では授業を始めます」
ルイズが怒鳴りあっている間、キュルケはというとアンジェリカと戯れていた。
「アンジェちゃんかわいいわね~」
キュルケはそういってアンジェリカを膝の上に乗せる。
「あら、ちょっと見かけのわりに重いわね」
少し苦しげにぼやく。そのまま授業を受けていたキュルケだったが、ようやくルイズがそのことに気付いた。
「ちょっとキュルケあんた何してんのよ。早くアンジェをおろしなさいよ」
「ええー、かわいいからもう少しだけいいでしょう」
「アンジェ、いやよね?そいつの膝の上なんて」
「ええー、かわいいからもう少しだけいいでしょう」
「アンジェ、いやよね?そいつの膝の上なんて」
ルイズがムキになってアンジェリカをキュルケから引き離そうとしているとシュヴルーズに注意されてしまった。
「ミス・ヴァリエール!私語を慎みなさい!そんなに授業が退屈ですか?」
「いえ、その」
「ならあなたにやってもらいましょう。さあこの石を望む金属に変えるのです」
「ルイズやめて!」
「いえ、その」
「ならあなたにやってもらいましょう。さあこの石を望む金属に変えるのです」
「ルイズやめて!」
思わずキュルケが叫ぶ。だがルイズはそれを無視し、緊張した顔つきで前に進み出る。
「アンジェちゃん。隠れるわよ」
「キュルケちゃん、どうしたんですか?」
「どうしたもこうもないわよ、危ないから隠れるの」
「キュルケちゃん、どうしたんですか?」
「どうしたもこうもないわよ、危ないから隠れるの」
キュルケはそういってアンジェリカを机の下に隠れさせる。
「フレイム。ちゃんとアンジェちゃんを守るのよ」
きゅるきゅる
きゅるきゅる
他の生徒たちも同様に隠れる。しかしルイズは意に介さず、自身の魔法に集中する。そして杖を振り下ろす。
シュヴルーズは常識的な教師だ。ミス・ヴァリエールが魔法を使えないという話は聞いていたし、彼女が努力家だということも知っていた。
だがしかし、誰が魔法が失敗したら爆発するなんて考えるだろうか。いや普通はそんなことは考えない。だったら事前に教えて欲しかった。ミス・ヴァリエールは魔法に失敗したら爆発を起こす、と。
爆風に吹き飛ばされる中、シュヴルーズはそんなことを考えていた。
だがしかし、誰が魔法が失敗したら爆発するなんて考えるだろうか。いや普通はそんなことは考えない。だったら事前に教えて欲しかった。ミス・ヴァリエールは魔法に失敗したら爆発を起こす、と。
爆風に吹き飛ばされる中、シュヴルーズはそんなことを考えていた。
「ちょっと失敗したわね」
―どこがちょっとだ―
皆の心が一つになった。
「ミス・ヴァリエール・・・」
「はい!何でしょうかミセス・シュヴルーズ」
「魔法が失敗したことは咎めませんが、しかし!この惨状はどういうことですか?」
「はい!何でしょうかミセス・シュヴルーズ」
「魔法が失敗したことは咎めませんが、しかし!この惨状はどういうことですか?」
シュヴルーズが指差す先、教室はめちゃくちゃだ。ルイズは目線でアンジェリカを探す。どうやら傷一つ負っていないようだ。
「大丈夫みたいね」
「どこが大丈夫みたいね、ですか!ミス・ヴァリエール!あなたには教室の片づけを命じます」
「わかりました」
「どこが大丈夫みたいね、ですか!ミス・ヴァリエール!あなたには教室の片づけを命じます」
「わかりました」
ルイズはがっくりとうなだれた。
そして生徒達は使い魔と供に教室から出て行き、教室にはルイズとアンジェリカが取り残される。
そして生徒達は使い魔と供に教室から出て行き、教室にはルイズとアンジェリカが取り残される。
「失望したでしょアンジェ?」
「はい?」
「わたし魔法が使えないのだからゼロのルイズなんて呼ばれているのよ」
「?」
「はい?」
「わたし魔法が使えないのだからゼロのルイズなんて呼ばれているのよ」
「?」
アンジェリカはよくわからないといった表情でルイズを見詰める。
「はぁ。もういいわ。そういえばあんた魔法知らないのよね?」
「はい、よく知りません。でもあの爆発はすごかったですね」
「はい、よく知りません。でもあの爆発はすごかったですね」
アンジェリカを失望させずにすんだことに安堵したものの、失敗魔法の爆発に話が変わろうとしていた。慌てて話を摩り替える。
「そ、そういえば、朝のあれ。えーとオウグだっけ? それ何?」
「AUGですか?」
「AUGですか?」
アンジェリカはヴィオラのケースからAUGを取り出し、構え、初弾を装填する。
「そうよそれ。何なの鉄砲?」
「えっとですね。これはステアーAUG、ブルパップ式の突撃銃です。全長は690mm、重量は3.3kg。5.56mmNATO弾をダブルカラムで30発装填出来ます」
「よ、よくわかんないけど、鉄砲なのよね。初めて見たわ。アンジェ、ちょっと貸してくれない?」
「えっとですね。これはステアーAUG、ブルパップ式の突撃銃です。全長は690mm、重量は3.3kg。5.56mmNATO弾をダブルカラムで30発装填出来ます」
「よ、よくわかんないけど、鉄砲なのよね。初めて見たわ。アンジェ、ちょっと貸してくれない?」
そういってアンジェリカからAUGを受け取る。
「何か話に聞いていたのと形が違うわね。どうやって撃つの?」
「ルイズさんストックを肩につけて、そうです。」
「こ、こうかしら」
「はい、それでトリガーを引けば撃てますよ」
「ルイズさんストックを肩につけて、そうです。」
「こ、こうかしら」
「はい、それでトリガーを引けば撃てますよ」
ルイズアンジェリカにいわれるままに構え、銃口を窓に向ける。
「音と反動に気を付けてくださいね。」
そしてトリガーを力一杯引く。
数百羽の鳥が一斉に羽ばたくような規則的な騒音。肩に伝わる強い反動。そして床に散らばる30の薬莢。全てが予想外だった。思わずルイズは尻餅をつく。
「ルイズちゃんだから気を付けてっていったのに」
「あ、アンジェ、あんたこれ凄いわね。びっくりしたわ」
「はい、この前はこれで敵を三人やっつけてマルコーさんにも誉められました」
「あ、アンジェ、あんたこれ凄いわね。びっくりしたわ」
「はい、この前はこれで敵を三人やっつけてマルコーさんにも誉められました」
アンジェリカは笑顔でそう答える。
「やっつけたってアンジェ、どういう・・・」
「それよりもルイズさん、早く片付けましょう。お昼ご飯に間に合いませんよ」
「そ、そうね」
「それよりもルイズさん、早く片付けましょう。お昼ご飯に間に合いませんよ」
「そ、そうね」
後で詳しく聞こう。ルイズはアンジェリカのことをよく知らない。だから彼女自身のことをもっと教えてもらおう、そう考えながら教室を片付ける。
Episodio 4
Il grande fucile dell'angelo
天使の大きな銃
天使の大きな銃