あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

Zero ed una bambola   ゼロと人形-03


 洗濯を終えたルイズとアンジェリカはシエスタと別れて部屋に戻る。朝食まで、若干の余裕がある。

「ねぇ、アンジェ?」
「はい、何ですかルイズさん」
「あんたが持ってる。それ、その大きなケースよ。何が入ってるの?楽器?」
「この中身ですか?」

 アンジェリカはそういうとヴィオラのケースを掲げる。

「そうよ、それ」

 ルイズは楽器だったら何か弾いてもらおうと期待していた。

「ここにはAUGを入れているんです」

 オウグってどんな楽器? そう思いながらアンジェリカがケースをあけるのを待つ。

「は? なによこれ?」

 予想とは違い、ケースの中にあるのはラッパ?違う、何だろうか、ともかく楽器ではないのは確かのようだ。

「ね、ねぇアンジェ。これって何かしら?楽器・・・じゃないわよね?」
「何言ってるんですかルイズさん。これはステアーAUGですよ」
「だから!オウグって何よ!わからないから聞いてるの!」

 ルイズは思わず怒鳴ってしまう。

―しまった―

 そう思ったがもう遅い。アンジェリカはその瞳からポロポロと大粒の涙を流しはじめた。

「ごめんなさい、ルイズさん。ごめんなさい」
「え?あ、ちょ、ちょっと何泣いてんのよ」

 慌ててアンジェリカを宥めるがなかなか泣き止まない。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 壊れた人形のように同じ言葉を繰り返す。どうしたものかとルイズは悩んだ。すると突然、ドアを開けて入ってくる人影がある。

「ちょっとルイズ、朝っぱらからうるさいわよ」

 そういって人影は何の遠慮もなく部屋に入ってくる。

「あら?この子どうしたのって、泣いてるじゃない。あなた何したのよ」
「う、うるさい!なに勝手に部屋に入ってんのよキュルケ!それにあんたにはかんけいないでしょ!」
「おはよう。あなたのお名前はなんていうのかな?」
「・・・アンジェリカ」

 キュルケはルイズを無視してアンジェリカに話しかける。

「そうアンジェリカっていうの。私はキュルケ、微熱のキュルケ。愛の堕天使よ」
「なーにが愛の堕天使よ!人の使い魔に勝手に話しかけんじゃない!」
「何?あなたほんとに人間召喚したの?こんな小さい子を?」
「そ、そうよ、悪い?」
「悪くはないけど、使い魔っていえばこういうのがいいわよねぇ~。フレイム~」

 そういうと扉の影からのっそりと真っ赤で巨大なトカゲが現れた。

「うわぁ」

 アンジェリカは感嘆の声をあげた。もうその目には涙はない。

きゅるきゅる

 サラマンダーは人懐っこい鳴き声をあげ、アンジェリカに擦り寄る。

「ちょっとキュルケ危ないんじゃないの!」

 ルイズはそういうとアンジェリカを抱きかかえようとして・・・抱えられなかった。

「く、重い・・・」
「なにやってんのよルイズ。別にサラマンダーは危ないくないわよ。ねぇ~」

きゅるきゅる

 ルイズの手から逃れたアンジェリカはサラマンダーの頭を撫でていた。

「もう泣き止んだみたいね。それじゃあまたね、アンジェリカ」

 アンジェリカはバイバイと手を振って見送る。

 キュルケがいなくなるとルイズはまたも叫びだす。

「なんなのあの女は!自分がサラマンダー召喚したからって!」
「別にいいじゃないですかルイズさん。私がいるんですし」
「よくないわよ!」

 ルイズは思わずそう叫んでしまった。また泣かれる、慌てて取り繕う。

「えーとね、メイジの実力をはかるには使い魔をみるから、えーとだから優秀な使い魔がよくて、ああ、アンジェじゃダメって訳じゃないけど、ええと」
「大丈夫です。私立派な使い魔になります」

 アンジェリカはそう答える。

「でもあんた、使い魔として戦ったりできないでしょ、気持ちだけ受け取っておくわ」

 そういってみるがアンジェリカはなにやら不満顔だ。話をそらそう、ルイズは決めた。

「もうすぐ、朝ごはんだからね。食堂にいくわよ」
「わかりましたルイズさん」

 何とか話をそらせたようだ。
 アンジェリカはAUGを入れたヴィオラのケースを掴みルイズと供に部屋を出る。ルイズは食堂へ行く途中に、アンジェリカに話しかけた。

「そうだ、アンジェ。アンジェの朝ごはんだけど、食堂は貴族専用だからね。朝に会ったシエスタにでも頼んで何か貰ってきなさい」
「ではシエスタちゃんを探してきます」

 そういってアンジェリカは駆け出して行く。

「ちょっと、アンジェ!食べ終わったら部屋に戻ってなさいよー!」
「はい! わかりましたー!」

 ルイズがそう叫ぶとアンジェは元気よく返事を返した。



「おう、シエスタ。その後ろのお嬢さんは何だ?お前の妹か」
コック長のマルトーがそういって初めて、シエスタはスカートの裾が誰かに掴まれているのに気付いた。
「はぇ?あ、アンジェリカちゃん、どうしたの?」
「あのルイズさんが朝ごはんはシエスタちゃんに貰えって」
「そうなの。ちょっと待っててね。マルトーさんに何か貰えるか聞いてみるから」

 そういうとシエスタは背後にいるマルトーに話しかける。

「あの、ヴァリエール様の使い魔のアンジェリカちゃんです。朝ごはんをここで貰うように言われたそうで」
「あん?わかったよ。全く、あの貴族連中は面倒ごとはこっちに押し付けやがる。ほら朝飯だ」

 そういってパンとスープを差し出す。

「ありがとうございます」
「アンジェリカちゃんお肉とかいる?」
「いえ、これだけで十分です」

 アンジェリカはそういうとスープに口をつけた。

「どう?おいしい?」
「はい、おいしいですシエスタちゃん」
「おい、シエスタ。そんなとこで駄弁ってないで仕事しろ」
「あ、はい。わかりましたマルトーさん。じゃあまた後でね」
「またね、シエスタちゃん」

 シエスタが去ったあと、アンジェリカは黙々と食事を続けた。

「あの・・・。マルトーさん?」

 アンジェリカは食事を終え、ケーキを準備しているマルトーに話しかける。

「あん?なんだ嬢ちゃんか。このケーキが欲しいのか?悪いが今はダメだ。昼のデザートだからな。」
「そうなんですか」

 アンジェリカは無表情に答える。

「お、おう。だが安心しな。昼にはちゃんとやるからよ」
「そうですか。ありがとうございます」

 アンジェリカはやはり笑わずに答える。

「飯食い終わったんだろ。食器よこしな」

 その言葉に促され食器をマルトーに渡す。
 マルトーは内心焦っていた。シエスタがいなくなってから笑っていない。
『ヤバイ、シエスタを仕事に行かせたのがいけなかったのか?後でシエスタに何言われるか・・・』
 マルトーがそんなことを考えているとは露も知らずに、ヴィオラのケースを持って厨房を後にする。

「マルトーさん・・・マルコーさんじゃない」

 悲しそうに呟くが、その声は誰にも届いてはいない。


 アンジェリカが部屋に戻ると既にルイズは部屋に戻っていた。

「アンジェ、遅いわよ」
「ごめんなさい、ルイズさん」
「まぁいいわ。じゃあ行くわよ」
「行くってどこへですか?」
「教室。これから魔法の授業よ」



Episodio 3

Colazione deliziosa
おいしい朝ごはん


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