夜
「やっとついたわね…」
ルイズが疲れた声を上げる。
2人が学校に戻ってきたときには、すでに辺りが暗くなっていた。
元々数十分で行けるような距離ではない。
更にカイトが馬に怯えてしまうため必然的に時間がかかってしまったのだ。
2人が学校に戻ってきたときには、すでに辺りが暗くなっていた。
元々数十分で行けるような距離ではない。
更にカイトが馬に怯えてしまうため必然的に時間がかかってしまったのだ。
剣を買った後、彼女はもうひとつ物を買い与えようとしていた。
服である。
いくらなんでも同じボロボロの服だけというのは主人としてもいやだし、
カイトにひもじい思いをさせたくなかった。
だからルイズは自分の服と一緒にカイトの服も探しに行ったのだ。
カイトにひもじい思いをさせたくなかった。
だからルイズは自分の服と一緒にカイトの服も探しに行ったのだ。
カイトが服に関してはまったくの無関心だったため、かなり時間がかかってしまったが。
結局適当に平民の服を見繕って帰ろうとした時にはすでに日が暮れかけていた。
馬を元の場所に置いてきて、部屋の前に来たときに何かに気がついた。
馬を元の場所に置いてきて、部屋の前に来たときに何かに気がついた。
「何かしら、これ」
それは封筒。
誰かが自分に手紙でも書いたのだろうか。
しかし彼女にはまったく心当たりがない。
誰かが自分に手紙でも書いたのだろうか。
しかし彼女にはまったく心当たりがない。
部屋に入り中身を確認してみると…
先日の件のことで謝罪がしたい。
もし大丈夫だったら明日の夜、中庭に来てほしい。
…本当にすまなかった。
ギーシュ・ド・グラモン
もし大丈夫だったら明日の夜、中庭に来てほしい。
…本当にすまなかった。
ギーシュ・ド・グラモン
追伸 使い魔君へ
もう一度君に決闘を申し込みたい。
受けてほしい。
もう一度君に決闘を申し込みたい。
受けてほしい。
「ギーシュ!?」
それは先日、自分を散々に馬鹿にしてくれたギーシュだった。
それは先日、自分を散々に馬鹿にしてくれたギーシュだった。
あのギーシュが?私に謝罪?
何の冗談?
何の冗談?
ルイズとしては何かの冗談かと思っていた。
まるで人が違うではないか。
まるで人が違うではないか。
混乱してきたルイズにさっきから黙っていたカイトは
デルフを背中から取り出し、
デルフを背中から取り出し、
「ハアアアアア」
「何?」
「あー、『あいつはもう大丈夫』って言ってるぞ」
「?」
「何?」
「あー、『あいつはもう大丈夫』って言ってるぞ」
「?」
半ば投げやりにデルフが通訳をする。
ルイズとしては何が大丈夫なのか分からない。
ルイズとしては何が大丈夫なのか分からない。
(まあ、明日行ってみればわかるわよね)
夜ももう遅くなってきた。
今日はもう寝よう。
今日はもう寝よう。
そう思った瞬間!
「ダーリン!!」
突如現れたキュルケによって眠気が吹っ飛んだ。
「何よいきなり!」
「あら、あなたに用事があるわけじゃないわ。
用があるのはダーリンのほうよ」
「ダーリン?」
「ね~、ダーリン」
「あら、あなたに用事があるわけじゃないわ。
用があるのはダーリンのほうよ」
「ダーリン?」
「ね~、ダーリン」
いきなり入ってきて、カイトに抱きついたキュルケにルイズは当然怒った。
ライバルがいきなり自分の使い魔に色目を使い始めたのだ。
「ダ、ダーリンって何よ!?カイトにくっつかないで!!」
「あら、ダーリンはダーリンじゃない。それともなあに?嫉妬?」
「なっ!そ、そんなんじゃないわよ。わ、私はべつに…」
「なら、私が何をしても自由じゃない。ね、ダーリン。私プレゼントがあるの」
ライバルがいきなり自分の使い魔に色目を使い始めたのだ。
「ダ、ダーリンって何よ!?カイトにくっつかないで!!」
「あら、ダーリンはダーリンじゃない。それともなあに?嫉妬?」
「なっ!そ、そんなんじゃないわよ。わ、私はべつに…」
「なら、私が何をしても自由じゃない。ね、ダーリン。私プレゼントがあるの」
そう言ってキュルケは綺麗な剣を持ってきた。
デルフリンガーと見比べると天と地ほどの差がある。
デルフリンガーと見比べると天と地ほどの差がある。
キュルケはデルフを部屋に入ったときに見たので内心「勝った!」と思っていた。
そんなキュルケにカイトは一言。
そんなキュルケにカイトは一言。
「…ド#モ」
少しノイズが入ったが礼を言った。
そんなカイトを見てキュルケは満足そうに、
そんなカイトを見てキュルケは満足そうに、
「それじゃ、今日のところは帰るわ。じゃあねダーリン。あとヴァリエールも」
取ってつけたかのようにルイズに挑発して帰っていった
カイトとしては昼のようなデルフとの問答は面倒くさかったし、前の世界の仲間にも言われたのだ。
カイトとしては昼のようなデルフとの問答は面倒くさかったし、前の世界の仲間にも言われたのだ。
「いいか!?女性がプレゼントをしてきたときはどんなものでもお礼を言う!!
そしてあわよくばデートに誘うんだ!!」
そしてあわよくばデートに誘うんだ!!」
言わずもがな、女好きの銃戦士である。
デートとは何か分からなかったので、カイトはとりあえず受け取ったのだ。
デートとは何か分からなかったので、カイトはとりあえず受け取ったのだ。
キュルケが居なくなったことで部屋には沈黙の空気が流れている。
ルイズは黙っていた。
それはカイトの先ほどの応対。
今朝のことを彼女は覚えていた。
ルイズは黙っていた。
それはカイトの先ほどの応対。
今朝のことを彼女は覚えていた。
自分が何か買い与えようとしたときには『アリ@トウ』
キュルケが剣をプレゼントしたときには『ド#モ』
キュルケが剣をプレゼントしたときには『ド#モ』
この差は大きいんじゃないだろうか。
ルイズもうすうす感づいていた。
カイトは生まれたばかりではないのだろうかと。
当然外見を見れば、そんなことはないのだろうが。
どうしてもそう思ってしまうのだ。
ルイズもうすうす感づいていた。
カイトは生まれたばかりではないのだろうかと。
当然外見を見れば、そんなことはないのだろうが。
どうしてもそう思ってしまうのだ。
カイトは純粋な子供。
だから感謝の言葉を使い分けたのはかなり差があるんじゃないだろうか。
だから感謝の言葉を使い分けたのはかなり差があるんじゃないだろうか。
そんなことを考えながらカイトのほうを見る。
やはりカイトは不安そうに見ていた。
やはりカイトは不安そうに見ていた。
ふう、と彼女は息を吐くと、
「別に怒っては居ないわ」
ツェルプストーには腹が立つけどね、と彼女は付け加えた。
「別に怒っては居ないわ」
ツェルプストーには腹が立つけどね、と彼女は付け加えた。
それに、どうせキュルケが渡した剣はカイトでは使えないのだ。
とりあえずここは大人として我慢しないと。
ルイズは姉になった気分だった。
これからも分からないことがあれば教えていこう。
とりあえずここは大人として我慢しないと。
ルイズは姉になった気分だった。
これからも分からないことがあれば教えていこう。
まずは、
「いい?カイト。ツェルプストーに近づいちゃだめ」
ライバルの色目にカイトが引っかからないようにしないと。
こうして夜は更けていった…