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ブレス オブ ファイア 0 エピローグ

ブレスオブファイア 0 ~虚無ろわざるもの~ エピローグ



――――――後の顛末について記そう。

「だはー、おでれーた!まったく何時までたっても上達しねーのな」

聖地での闘い。
その戦いで発芽した肉の枝は、数年たった今でもハルケギニアに消えぬ傷を残していた。
国々も、そこに住まう人々も、全てが疲れ果てていた。

「だーかーらー!!左手は添えるだけだっての!庶民のシュー……いや猫の手よ!わかるか!?」

魔法の力とは、傷つき悲しみに暮れる人々のために使うべきであり、それが貴族としての務めである。
私こと、虚無のルイズの言葉に賛同したアンリエッタ女王によりゼロ機関が解体、再結成され
ハルケギニア復興団が発足。
そこでまたいつも通り、何やらと色々なごたごたが起きつつも無事学院を卒業した私が団長へと据えられてしまった。
私の学友の他、学院の卒業生を始めとした貴族達、そして
人間とエルフを繋ぐ架け橋の象徴となった、テファ率いるエルフ達も復興団に参加していった。
活動の甲あってか、しばらくして人間とエルフは交易を開始し、少しづつ互いに歩み寄りを始めている。
人間とエルフが酒場で杯を交わすという、戦いの中での上辺だけの協和では見られなかった光景が
そこかしこに在った。

「いや、そうじゃねえって。すわ!おでれーた!!この芋なんか食うところねぇじゃねえか!
 だからやめときなって、絶望的に不器用なんだからよ」

団のトップに立ちながらも、率先して瓦礫の撤去や炊き出し等の泥仕事を行う私の姿を見て
人々は聖女の再来だと噂し、貴族平民の隔たりなく復興団への入団申し込みが後を絶たない。
実際のところは、私には団の運営などさっぱりできなかったのでシエスタ達の手伝いをしていただけなのだが。
以前料理を作ったときにマズイと一言切って捨てた、バカ使い魔にプライドを刺激させられたとか
そういう理由も……なくはない。

「え?え?ち、ちょっと、ルイズ……様?なんで玉ねぎの山にむかっておおきく振りかぶってるんでしょうかー?
 ちょ、厳密にやめて。あ、あ!やめ……バルス!!」

目が目がぁ、と喚くデルフリンガーを無視し完成した極彩色なおじやの入った鍋を運ぶことにする。
そうそう、デルフといえば聖地跡でその刀身がバラバラに砕けた状態で発見されていた。
どうやら先住魔法で作られていたらしく、残った破片にエルフ達の協力の下先住魔法を掛けてみたところ
この口の減らない剣は見事に復活を果たしたのだった。
まあ、以前に比べちょっとばかり可愛らしい身体になってしまっていたが。
デルフには果物ナイフ以下の体躯となり、文字通り私の懐刀となった現状を嘆く日々が続いている。
乙女の胸に抱かれるのを嘆くとは、まったく失礼な。

「やあ、ルイズ。料理は完成したのかい?え、味見しろだって?ハハ、お安いごようさ!
 むう、これは……!筆舌に尽くしがたし!!濃厚なる素材と調味料が醸し出すハーモニー!
 素晴らしき技法が舌の上で高らかにカンタービレ!おじやです!!これ以上の言葉はいるまい!
 名づけるならば……そう……デスおじ……や……」
「ギーシュゥーーーー!?」

金髪バカップルを無視する。
うん、おじやを処分できてよかった。
そういえばデルフリンガーで思い出したのだが、神鉄の剣もデルフと同時に発見されていた。
デルフは私に、そして神鉄の剣はアニエスの腰に帯刀されている。
アニエスは驚いたことに、銃士隊隊長の位をアンリエッタ女王に返還し、復興へと志願してきた。
何の意図があってそのようなことをしたか、聞くだけ野暮だろう。
今では副団長の座に収まり、私が団長としての責務を全う出来るように成長するまでの間、
団の運営を一手に引き受けてもらっている。
それだけでも頭が上がらないのだが、なんというか彼女は人を苛めて喜ぶような性癖を持っているようで
もう一人姉さまが出来たような、そんな複雑な心境である。
私が未熟であることは当然であり、そんなことよりも目下の問題としてはきゅいきゅい、もといシルフィードが
毎日もってくるお供え物をどう処分するかのほうが重要であったりする。

「はぁい!ルイズ元気してるー?」
「いいお茶が手に入った」

赤青コンビが手を振っている。
彼女達はロンについて何やら思うところがあったらしく、彼女だけでなくロンに関係したほぼすべての女性に
言えることなので頭が痛いことなのだが、偶に皆の休みが重なった時に誰と示し合わせたのでもなく、
小さなお茶会が開かれることとなっている。
タバ茶ってなによー、なんて叫び声が聞こえるが気にしない、気にしてはいけない。

そんなこんなで軽いお菓子をつまみながら、ほろ苦く甘い紅茶を飲んでホッと一息つく。
こうやって皆で集まった時、足りない何かを感じることがある。
偶に気が緩んだ時、不意に涙がこぼれそうになってしまうことがある。
いけない、こんな所で泣いては、アイツに笑われてしまう。
いいや、きっと笑いはしないだろう。彼はいつだって無表情の仏頂面だったんだから。
まったく、せめてご主人様にさよならの挨拶くらいしていきなさいよね。

こんな時は、空を見上げよう。
見れば、お茶会の席に着いていた皆も空を仰いでいる。
自然に、ぽつりと呟いた。
願うことなら、たった一日だけ使い魔となってくれた彼に、この言葉が届きますよう。


「大丈夫、きっと世界は美しいままだわ」


今日も私は世界を廻り、忙しい日々を過ごしている――――――

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