あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの使い魔・ブルー編-17

ワルドはルイズを連れて部屋につくと、
用意されていたテーブルにつき、用意されていたワインの栓を開けると、
それを杯に注ぎ、飲み干す。

「ルイズ、君もどうだい?」

ルイズは無言でテーブルの反対側に座る。
ワルドは、ワインをもう一つの杯に注ぎ、それをルイズに差し出すと、
自分の杯に再びワインを注いだ。そして、それを掲げる。

「二人に」

ルイズは顔を紅くして俯きながらも、それに合わせた。
ワルドはその様子を見ていた。

「心配なのかい?」
「え?」
「元気がないように見える。
 ウェールズ皇太子から手紙を返して貰えるかどうか」
「……そうね、心配だわ……」
「大丈夫だよ」

ワルドはそこで一拍置く。

「僕がついてる」
「……そうね、あなたは昔から頼りになったから……」

時間が流れる。いや、時間が止まることなど無いのだから、
流れているのは当然だが。しかし、ただ無為に流れる。

「ルイズ、君も立派になったね」
「そ、そんなこと。まだまだ未熟だわ」
「僕はそう思わない」

ワルドはそこで杯を置く。

「君は昔から他の人とは違っていた」
「……そうね、昔から私は魔法が」
「そう言う意味じゃない。君は何か底知れないものがある」

ルイズが顔を上げ、ワルドを見つめる。
ワルドは真剣な表情でそれを見返していた。
端から見れば、恋人達そのものだ。

「僕はこれでもそれなりのメイジだ。
 だからこそ解る」
「まさか……」
「例えばだ、君の使い魔」
「ブルーがどうしたの?」

一息、間が挟まる。

「彼の左手に刻まれたルーン……あれは、『ガンダールヴ』という、
 伝説の使い魔の証だ。始祖ブリミルが用いたともされる
「……そんなはず無いわ、だって私は」
「ルイズ、自分に自信を持つんだ。
 君は将来、必ず歴史に残るような偉大なメイジになれる。僕が保証する」

ルイズは、顔を赤らめて、俯く。考え込んでいるのだ。

「ルイズ、この任務が終わったら、僕と結婚しよう」

驚いて、考えを中断して顔を勢いよく上げる。
ワルドは窓の月を見つめながら、静かに続ける。
ルイズにしか聞こえないような声で。

「僕は……魔法衛士隊の隊長で終わるつもりはない。
 いつかは、この国……ハルケギニアを動かすような人物になりたい」

そして、ルイズをはっきりと見据える。

「その時は、君に側にいて欲しい」

ルージュは目覚めた。
すぐに、ドアがノックされているのに気付く。
起き上がると、ドアを開ける。すると、ワルドがそこに居た。

「おはよう、使い魔君」
「おはようございます、ワルド子爵。
 ……わざわざ挨拶をしに来たんですか?」
「いや、勿論用があってきたのだ」

ワルドが部屋の中に入り、椅子に座る。

「君は、伝説の使い魔『ガンダールヴ』なのだろう?」
「何のことですか?」
「とぼけなくても良い。フーケを捕らえたその実力、気になって調べてみたのだ」
「本当に知らないんですが」
「本当に知らないのか?……説明しよう。
 『ガンダールヴ』とは、始祖ブリミルの従えし使い魔のうちの一つで、
 あらゆる武器を扱ったとされる。それに、君自身剣を自由自在に操ったと聞いた」

ルージュはまた、違和感を感じた。
フーケから聞いたなら、剣を自由自在に扱った人物はアセルスになると思ったのだ。
この男はいちいち言うことが妙だ。信用できるか?

「そこでだ、その力、試してみたい。手合わせお願いできるかな?」
「やです」
「何でかな?」
「疲れてるんですよ。それに、重要な任務の途中に
 そんな事してる余裕があるんですか?」

ワルドは黙り込む。

「……それもそうだな。仕方ない、なら今度お互い暇なときにでも」

ワルドは、席を立って、部屋の外へと出て行った。
ルージュは彼が立ち去った後も、ずっと部屋の出口を見ていた。
すると、ギーシュが入ってくる。そう言えば起きたときには既にいなかった。

「おや、そんな顔をして何かあったのかねブルー」
「……ちょっと寝覚めが悪かっただけです」

何事もなく、夜が訪れる。
酒場の一階で、通りの詩人の語る物語を聴いていた。
ギーシュ達はこの地では聞き慣れない物語を、
興味深そうに聞いていた。

「……いつしか、『ニューロード』と呼ばれるようになった」

そこで話は終わりらしい。
周囲からまばらな拍手が聞こえる。
その詩人は、次に歌を奏で始めた。

「しかし、明日出発だね」
「そうだな」

続いては来ない。元々、会話を期待してたわけでは無いようだった。
突如、悲鳴が上がった。そちらの方を見やると、火の手が上がっていた。
たいまつが転がっていて、どうやらそれが火の元らしい。
タバサとキュルケが俊敏に立ち上がる。
次いで飛んできた矢を、タバサが風を起こして防ぐ。
玄関を蹴破って入ってきた傭兵達を、キュルケが炎で吹き飛ばした。

「ぼーっとしてないで、机の下に隠れるなりなんなりしなさい!」

その言葉に、未だ呆然としていた他の客が隠れる。
階段の上から、ワルドとルイズが降りてきた。

「どうなってるの!?」
「この前の連中が、また来たって事でしょうね!」
「フーケも居たわ!」
「なら、確定的だな。アルビオンの貴族だろう」

そう言っている間にも、矢が降り注ぐ。

「どうするのよ、このままじゃジリ貧よ」
「僕に任せてくれ」

ギーシュが言う。キュルケはそれに対し、否定で返そうとしたが、
自信に満ちあふれたギーシュの顔を見て、口をつぐむ。

「なに、この場を逃げれば良いんだろう?」

そう言って、ギーシュが杖を振る。
何も起こった様子はない。

「あー、隠れてる方々、出来れば僕の言うように行動してくれんかね?」

傭兵達は、反撃が来なくなったのを見ると、
頃合いと見て、突入を開始した。
が、玄関を入ってすぐの場所で足を取られる。

「な、なんだ!?」

みると、足下がぐにゃりとしている。
どうやらメイジの内の一人が錬金でもしたのだろう。
だが、こんな物すぐに抜ければ……と、目の前にメイジが立っていた。
杖を振る。やばい、やれらたか……と思ったが、何も起こっていない。
はて?とりあえず、足を踏み出そうとするが動かない。
足元を見ると、先ほどまでぐにゃりとしていた床が、固まっていた。

「へ、だからどうしたっていうん……」
「後ろを見ろ」
「……?」

後ろを見てみる。
そこには、自分と同じように足を固定された仲間が大量にいた。
玄関がふさがれて、後続が突入することが出来ない。
外から声が聞こえる。

「窓から入れ!」

と、窓が剣や斧で破られ、そこから味方が入ろうとして……吹き飛ばされた。
さっきまでカウンターの下に隠れていた貴族達が杖を構えている。

「これで仕上げだ」

と、店長が少々でない怒りを含んだ声で言いながら、
油の入った鍋を窓だった穴に投げ込んだ。
……油?

「やばい、お前達逃げろ――」
「『ファイア・ボール』!」

彼が叫びきるまえに、後ろにいた傭兵達から悲鳴と火の手が上がる。
パニックに陥ったのか、次々と逃げ出していく。
取り敢えず、悟った。

「……やっぱりメイジに勝てるわけ無いだろう」

ギーシュの出した案に、キュルケが修正を加えたあの作戦は成功したようだった。
傭兵達が逃げまどう。その隙に、ルージュ達は店から駆けだした。ワルドが叫ぶ。

「『桟橋』に急ぐぞ!奴らが体勢を立て直さぬうちに、アルビオンへ旅発つのだ!」

全員、うなずくことで返した。
遠くから音が聞こえてくる。まるで、巨大な何かが歩み寄ってくるような……

「待ちな!逃がさないよ!」

フーケのゴーレムであった。右肩にフーケが乗っている。
キュルケが立ち止まる。それを見てブルーも立ち止まる。

「キュルケ!何してるのよ!?ブルーまで!」
「あのゴーレムを足止めするわ!」
「何を言って……」
「そっちの方が大事なんでしょ!あたしなんかに構わず行きなさいよ!」
「そう言うわけには――」
「『火』の本領は、破壊と情熱よ!あんなちゃちなゴーレム、どうって事無いわ!」
「構わない、行こうルイズ」

ワルドに言われると、ルイズは渋々ながらも走り去っていった。
キュルケはブルーに話しかける。

「何でダーリンまで残ったのかしら?」
「お前一人ではあのゴーレムの相手は無理だろう」
「そうさ、今度はあのガキもいないし、負けやしな――」

「『超 風』!」

超高熱の嵐が吹き荒れ、岩のゴーレムをあっという間に消し飛ばした。

「よし、後を追うぞ」
「……ダーリンって、凄いわね……」

そう言い、走り出そうとすると、
その先に、白い仮面の付けた男が居た。

「……ダーリン」
「ああ、あいつが傭兵を雇った奴のようだな」

男が杖を構える。
それをみて、キュルケとブルーも各々構える。

「『ファイア・ボール』!」
「『フラッシュファイア』!」

白い仮面の男に向けて放たれた炎は、
直前で男が起こした暴風によって弾かれる。
驚くべき事に、『フラッシュファイア』ですら真っ向からの暴風で受け止められる。

「なんだと?」
「……だめね、生半可な攻撃は風で弾かれちゃうわ」
「……なら……いや、しかし」

ブルーはなにやら悩んでいたが、
男が杖を再び振ろうとすると、ためらいを捨ててそれより早く、唱える。

「……『塔』!」

ブルーの魔力が放出される。
それは空に届くとさえ思うほど高くに昇る。
男はそれを見ると、暴風の防御壁を張り巡らせた。
空が光る。もはや雷と呼ぶのも相応しくない光の柱が、
空から落ちてきた。それは防御壁など無いかのように貫通する。

「なぁ―――!!?」

最後に上げかけた叫びは、
それだけで山を揺るがすような巨大な爆音にかき消された。
後には、消し炭一つ残らない。

「……まだ追いつけるかも知れん」

ブルーが走り出す。
キュルケは、顔を青ざめさせていた。


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