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とある魔術の使い魔と主-行間I


行間I

「おいアレイスター!」

世界は変わってここは地球のとある都市。
当麻が少し前まで暮らしていた学園都市、その中の、窓も廊下も扉も階段もない一つのビル。
大能力(レベル四)の空間移動しか出入りする事ができない完璧な密室で一人の少年は声を荒げる。
短い金髪をツンツンに尖らせ、青いサングラスで目線を隠した少年――土御門元春であった。
「ふむ、遂に動いたか。これでプランが相当短縮できるな」
その土御門の話し相手、学園都市統括理事長『人間』アレイスターは、嬉しそうに、本当に嬉しそうに笑った。
男にも女にも見え、大人にも子供にも見え、聖人にも囚人にも見える。その『人間』は直径四メートル、全長十メートルを越す強化ガラスの中で、赤い液体と共に緑色の手術衣を着ち、逆さに浮かんでいた。
「一人で勝手に納得してないで早く答えろ。上条当麻をどこにやった?」
並の人間であったら今の言葉で全てを吐き出すであろう。それだけ覇気と怒りが込められていた。
上条当麻がいなくなった。それはつい先程の出来事である。
いち早く情報を手に入れた土御門は、アレイスターが何かをしたのだと思い、押し入ったのだ。
「心配ない。こことは別の世界へと飛ばされた」
は? と思わず土御門は口にしてしまった。
アレイスターは普段通り、いつもと変わらぬ口調で告げた事が、余計に土御門を混乱させた。
いつもなら何かの冗談であると思い、そこらへんのチューブを腹いせに抜くのだが……
それがあまりにも自然で、予定通りで悪意も冗談もなくただ真実であるように感じられる。
「なっ……いや、待て。別世界があったとしても、だ。どうやってそこへ行く? 確実に幻想殺しの能力が発動するぞ?」
土御門は別世界の存在の有無については聞かない。今までの経験からそのような質問は意味が成さないのはわかっているからだ。
「ふむ。では逆に君に聞こうか。そもそも、幻想殺しの能力はなんだ?」

「馬鹿にしてるつもりならそのガラスぶち破るぞ」
土御門はいつまでも手品の種がとけない人のように、苛立った口調で返す。例え壊れないとわかっても、その目は本気である。
「それが異能の力であるならば何でも打ち消す幻想殺し。では『異能』とは何をさす?」
アレイスターの一言に、土御門の思考は凍り付いた。
「もちろん魔術や超能力は『異能』とされているが、どうだ。それらは一体誰が決めた?」
「……何が言いたい?」
苦虫を噛み潰したような表情へと変わる。アレイスターの言っている意味が少しだけわかったのだ。
確かに幻想殺しは今まで魔術や超能力を打ち消してきた。だからそれらを一くくりに『異能』扱いした。では今回は? その過程でいくならば、今回の件も十中八九『異能』扱いに間違いない。
しかし、今まで打ち消したのは上条当麻ではない。幻想殺しという名の右手が打ち消してきた。
その右手が打ち消す対象なのかどうかを決めるのだ。つまり、今回の『異能』は打ち消す対象ではないと判断したのか?
いや、ありえない。と土御門はアレイスターの意見を即座に否定した。故に聞く。
当麻にとってプラスになる効力ですら打ち消すのだ。そのような事はあってはならない。
「君の気持ちはわかる。しかし、事実起きているのだ。そう、実際に」
アレイスターは淡く、淡く笑った。自分だけしかわからない、しかし絶対に教えようとはしない。
「心配するな、向こうでの時間の流れはこちらより圧倒的早い」
土御門がピクッと震える。今は情報が欲しい。その為ならどんなに小さな事でもこの『人間』から聞くつもりだ。
「……おい。何でお前がそんな事を知っているんだ?」
「あぁ、私は一度あそこへ行っているからな。そこで魔導書を一冊プレゼントしてやったよ」
これまた普段と変わらぬ口調で言われ、土御門は本当に言葉を失った。


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