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双月の女神 第一章

ファイアーエムブレム外伝 ~双月の女神~
第一部 『ゼロの夜明け』
第一章 『契約』





契約の口付けを終え、ゆっくりと離れるルイズ。

「終わりました。ミス・ミカヤ、目を開けても大丈夫です。」
「分かりました。」

そのの言葉を聞き、目を開けたミカヤ。

「まさか契約に口付けが必要なんて、っ!?」

困ったような笑みを浮かべながらルイズに話をしようとした瞬間、身体に焼きごてを当てられたような痛みが彼女に走った。
思わずルイズは手を取ると、ミカヤの身に起こっていることを説明する。

「大丈夫です。契約完了の証に使い魔のルーンが刻まれています。」
「・・・っ。」

身を焼くような熱さは、幾度の戦場を越えたミカヤには耐えられないことではないが、平和になり、政のみに従事するようになって以来、この苦痛を受けなくなって久しい。
やがてルイズの言葉を証明するように、彼女の頭部に、サークレット越しに光を発しながら文字らしきものが刻まれる。

「・・・ふう。」

ルーンが完全に刻まれると痛みが治まり、一息つく。

「『サモン・サーヴァント』は何回も失敗したが、『コントラクト・サーヴァント』はきちんと出来たね。」

その始終を見届けたコルベールは、嬉しそうにそうルイズに声をかけた。

「く、契約を一発で成功なんて。」
「『ゼロ』のルイズ、お前は運がいいんだからな!」
「ミス・ミカヤのような『女神様』との契約なんて生意気だぞ!」

周囲の生徒達は悔しそうな表情でルイズに野次を飛ばす。

「何よ! 私だってたまにはうまくいくわ!」
「ほんとにたまによね、『ゼロ』のルイズ。今回の『たまに』で当たりを引いたからって調子に乗らないでよね。」

ルイズの反論に金髪の巻き髪の少女―――『香水』の二つ名を持つメイジ、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシがそう揶揄した。
それにいきり立ち、侮辱の言葉を返そうとしたが―――

「ミ、ミス・ミカヤ!?」

ミカヤが、ルイズをかばうように前に立つ。

「ミス・ヴァリエールへの心無い言葉は許しません。」

毅然とした姿勢でそう言い放ち、生徒達を睥睨する。
その視線に萎縮したのか、彼らは鳴りを潜める。

ミカヤは生来から人の心を読む「力」を得ている。
モンモランシー以外にも彼女と同じように考えていた生徒達の思考をも把握している。
心を読めるがために、他人を傷つけようとする意思には敏感であった。
特にルイズの姿は、かつて女神への挑戦の道程で、一国の皇帝であり、当時少女だった大切な「妹」が、言葉と現実に傷つけられ、涙した姿が重なった。
だからこその行動でもあった。

「ミス・ミカヤの言うとおり。貴族は互いを尊重し合うものだ。」

コルベールがそれに加わり、生徒達をたしなめた。
ミカヤに向き直ると、深々と頭を下げる。

「うちの生徒が申し訳ありません、ミス・ミカヤ。ミス・ヴァリエールも気を悪くしないでくれたまえ。時にミス・ミカヤ、サークレットを取っていただいても? 契約完了を示すルーンを確認致します。」
「分かりました。」

コルベールの謝罪に矛を収めたミカヤは、頭部のサークレットを外す。

「ふむ・・・珍しいルーンだな。ありがとうございました、もうよろしいですぞ。」

額に刻まれたルーン文字をひとしきり眺め、言葉をもらす。
そしてそれ以降の思考を一時保留した彼は、ミカヤに感謝の言葉を言うと、生徒達を急かすように告げた。

「さてと、じゃあ皆教室に帰るぞ。ミス・ヴァリエール、ミス・ミカヤを教室までお連れしなさい。」
「はい。」

コルベールの指示に従い、頷くルイズ。
ミカヤがサークレットをつけ直す間に、浮遊魔法『フライ』を行使し、浮かび上がった。
ルイズを除く生徒達もそれに続く。
そのまま大きな城らしき建造物―――恐らく教室がある場所へと飛んで行く。

「『フライ』や『レビテーション』を使えるのも、今回はなぁ・・・。」
「ミス・ミカヤをエスコートする役目を、何で『ゼロ』のルイズが・・・。」
「馬鹿! 滅多にそれを言うなよ!」
「そうよ、後でミス・ミカヤの怒りを買うわよ。」

生徒達はそうぼやきながらも二人から離れていった。

「・・・まったく、?」

そんな生徒達に溜め息をつくミカヤ。
すると、ルイズがこちらに思考と視線を向けていることに気づく。

「さっきは、ありがとうございました。私を、庇ってくれたんですね。」

目には涙を溜めながらも、喜びの表情を見せていた。
それを見たミカヤはルイズの傍まで歩み寄り、前からその小さな体を抱きしめた。

「・・・ずっと、つらい思いをしてきたんですね。」

心を読み、ミカヤはおぼろげながらも目の前の少女の過去を知った。
やはり、似ているのだ。普段は気高く、脆い一面を隠してきた、祖母を同じくする、大切な妹―――サナキに。

「うっ・・、えふっ、うぅえええ・・・・・!」

言われ、頭を撫でられたルイズは、感極まり、その場で泣き崩れてしまった。
そんな彼女を見て、自分がここに召喚された意味の一つがここにあると確信したミカヤだった。

しばらく、そうしていると、ルイズは涙を拭き、ミカヤ見上げ、言った。

「ミス・ミカヤ・・・。」
「何でしょう?」

そう返す彼女に、羞恥のためか赤面し、たどたどしいながらも言葉を紡ぐ。

「あの・・、その・・・、ミ、ミ、ミ、ミス・ミカヤが、めめめ迷惑でなければその・・・、普通に、接してください。それと・・・・。」

自身の心の置き所にし、かつ、自身を受け入れてもらう『魔法』を。

「『ルイズ』と、呼び捨てにしてほしいの。私も、二人だけの時はミス・ミカヤのこと、『ミカヤお姉さま』と、呼ばせてください。」

その言葉を受け、呆気に取られたが、その言葉と心を理解し―――

「分かったわ、ルイズ。」

慈愛のこもった笑みと共に了承した。

「この世界で大切な、私の、「妹」。」

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