あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのトランスフォーマー5

ヴェストリの広場にて



「決闘だ決闘だ!」
「誰と誰がだよ!? 貴族同士の決闘は禁止されてるだろ?」
「ギーシュと、ゼロのルイズの使い魔の武器がらしいぜ」
と、学院史上始まって以来の仰天意味不明カードに、多くのギャラリーが集まった。
広場の中央で、造花の薔薇を口に銜え余裕の表情のギーシュと、昆虫人形態のデルフリンガーが睨み合う。
デルフの主、スタースクリームとさらにその主、ルイズの2人はそれを退屈そうに眺めていた。



「あーあ、ホントにやる気?」
『せいぜい頑張れよ、フレンジー』
『デルフリンガーだっつの!! いい加減覚えてくれよ相棒』
「雑談は終わったかね? では四の五言わず始めようか!」
銜えた薔薇を手に取るギーシュ、構えるデルフ、やっちまえと煽るギャラリー、欠伸するルイズ、
ゴングを鳴らすスタースクリーム。



ギーシュは早速、手にした薔薇の花弁を3枚、空に放ち、呪文を唱える。
放たれた3枚の花弁はそれぞれ、人サイズの人形の形に姿を変え、
甲冑を身に着けた女戦士型のゴーレムへと変貌した。



「ふっふっふ、僕の二つ名は‘青銅’! ワルキューレ達の猛威を受けたまうわぎゃぁぁ!!」
清ました顔で可憐に語るギーシュの顔面に、デルフの細足キックが炸裂した。



「ワ、ワルキューレ完全無視!?」
『キャッカッカッカ、んなもん相手にしてられるかっつーの!』
「貴様ぁ!」
そこからは、えらく泥臭い決闘となった。
デルフは自前の俊敏さでギーシュの背中をよじ登り、頭の後ろから4つの細腕で髪を弄くり回し、
続いて奇声を発しながら連続チョップを叩き込む。
負けじとギーシュはデルフの腕を掴み、そのまま地面に叩き付け、踏み潰そうと飛び掛るが、
逆にデルフに足をつかまれ、見た目からは想像も出来ない力で転倒させられる。
仰向けに倒れたギーシュに、相変わらず奇声を発しながら襲い掛かるデルフ。
お互い寝転んだ状態で、激しい格闘戦を繰り広げられた。
ギーシュは鼻血を垂れ流しながら、デルフは錆び付いた体をギシギシ鳴らせながら、2人の猛戦は続く。
この時、ギャラリーの誰もが、何故ギーシュは魔法を使って対抗しないのか疑問に感じたが、
どうもギーシュには、



「こうなれば、こんな錆小人なぞ、魔法を使わずして捻り潰してやろう!」
という妙なプライドが生まれたらしい。
ちなみに、ギャラリーの中には、呼び出されたままの3体のワルキューレ達も雑じっていた。



戦いは日が傾く頃まで続き、決闘の観覧者達も飽きてきたか、半分以上が宿舎へ帰っており、
デルフの相棒、スタースクリームすらいない。眠くなったルイズを部屋まで運んで帰ったらしい。
その場に残った観覧者達も、そろそろ夕食の時間かなと思いだした頃、
ようやく決闘が終わったらしい。勝敗は、両者ともボロボロなため不明である。
デルフとギーシュは体力を使い果たし、お互い並んで夕日を眺める様に寝転んでいた。



「ふぅ…。正直言って、驚きを隠せない。まさかその小さな体で、僕をここまで追い込むとはね」
『クェッケッケッケ、てめぇこそ、ただのキザチキンハート野郎じゃなかったんだな。結構な闘心だ』
「どうだね? この決着はまた何れにしようじゃないか。その時は、またお互い全力で叩き合おう」
『そん時ゃ、てめぇを2度と生意気口叩けないようにしてやるぜクキャッカッカッカッ』
「いいだろう。楽しみにしておくよ。」
そんな2人の光景を見て、とても付いて行けず、とっとと帰る観覧者一同であった。



「そうだ、これは友情の印の薔薇だ。受け取ってくれたまえ」
『それはいらん』




―翌日―



授業中にて、コルベールは、かつてない興奮を覚えていた。
この日、自らが苦心して開発した、自動型蛇出装置風新兵器‘ゆかいな蛇くん’を授業で披露したものの、
全くもって生徒受けせず、この素晴らしき発明が理解できんのかこのこわっぱ共が! と
怒鳴ろうとした時、今日も何故か授業を参観していた、ルイズの使い魔スタースクリームが、
ゆかいな蛇くんに興味を示したのだ。
しかもスターの話を聞くと、ゆかいな蛇くんの仕組みは、自らの体の仕組みと共通する所があり、
さらに、自身は元々は学者だったそうで、この程度の装置なら材料があれば十数分で改良できると言う。



「と、言う事はだよ、ミスタ・スタースクリーム。君が望む材料さえ揃えれば…」
『その‘ゆかいな蛇くん’を‘めっさゆかいな蛇くん’に改造する事など雑作も無い』
「ほほぉ!! 何が必要なのか言ってみたまえ、出来る限り今すぐにでも用意しよう!」
『鉄板と工具と…後は火薬でも少々使ってみるか』
「うぅむ、鉄板や工具ならいくらでも用意できるが、火薬は、ねぇ…」
『そうだ、火薬なら俺自身の右腕のガトリング砲に使うのがあったな。それを使用する』
「なんとも便利な体だ。では一寸付いて来てくれたまえ、鉄板を倉庫に取りに行くとしよう!
 ミス・ヴァリエール、しばし君の使い魔をお借りしますよ!」
と、コルベールはスターと共に、嬉しそうに教室を後にする。
それまで事の流れをただ見ていただけの、教室内の生徒達が、徐々にざわめき始めた。



「ゼロのルイズ、お前の使い魔が学者だったなんて本当か!?」
「へ!? え、ええ、どんなもんですか!」
勿論、ルイズにとっても、スターが学者だったなどとは初耳である。
しかし、こうやってスタースクリームの事実が明らかになる度に、ルイズは心底興奮した。
喋るゴーレムで、空を自在に飛び、図体の大きい割りに器用で、下僕としてもなかなか良く働き、
以前の、キュルケのフレイムとの模擬戦で戦いに長ける事も解り、さらに、学者となれば頭も良いだろう。



私の使い魔って、実は最高なんじゃないかしら。
キュルケのフレイムなんて当然目じゃないし、タバサのシルフィードもここまで万能じゃ無い。
モンモランシーのロビン? そんなの軽く踏み潰しちゃう。ギーシュのヴェルダンデ? 何それ。
口には出せないけど、大好き! 好き好き好き!! 見た目はモロ悪面だけど、そんなギャップも最高!
嗚呼、始祖ブリミル、私に最高の使い魔をお寄越しいただき、感謝だけでは事足りません、ホント…




間もなく、数枚の鉄板と工具を持って教室に戻るコルベールとスター。
2人は教壇へ下り、スターが下準備を始める中、コルベールが黒板の前へと立つ。



「では皆さん、今回の特別臨時講師、ミス・ヴァリエールの優秀なる使い魔、ミスタ・スタースクリームです!」
教室内で生徒達の拍手が響き渡る。ルイズは自分が拍手されているような感覚だった。
と、その時



『おいテメェ等! 悪い事は言わねぇ、今すぐ此処から離れるのだクキャァッ!』
何時の間にやら昆虫人形態に変形していたデルフリンガーが、教室の入り口に立って何やら警告していた。



『デルフリンガー、何が言いたいんだ?』
『相棒よぉ、おめぇの飛行能力と戦闘能力の高さは認めっけど、それ以外に関しては信用ならんクキャキャッ』
『何を根拠にそんな事を言う!』
『それはお前がスタースクリームだからだッ!』
教壇と入り口との間で2人、と言うか2体が口論する。




「あれってギーシュと互角で戦ったって言う小人か?」
「でも性格悪いってよ」
「聞く耳持つな。それより、早く始まらないかな」
と言う具合に、生徒達の殆どはデルフの言葉を無視したが、ギーシュとタバサだけはデルフの元に寄った。



『おぉう、我が友、俺の言う事を信じてくれるクァァッ』
「1度、君の言う事を真に受けてみようか。ま、なんとなく嫌な予感もするしね」
『そっちのメガネの子、始めて見るねぇ、かわいぃねぇっ』
「騒がしい」
『う゛ッ』
「ちょっと、タバサが行くならあたしも行くわよ」
と、キュルケも加わり、デルフ一同は教室から何処かへ出て行ってしまう。



「こら、君たち! まだ授業中……。はぁ、後で厳しく指導をしておかねば」
『うちの馬鹿剣が勝手をやってすまないな。所で、そろそろ初めて構わないか?』
「うむ、宜しく願おうか。では諸君、注目!」
「ちゃんとやるのよ、スターっ」
ルイズの激励に、手を振って答えるスタースクリーム。



『えー、あー、このゆかいな蛇くんは、微力ながらも火の魔法を必要とする。
 で、今回は、火薬を使い、魔法を使わずとも蛇出装置として機能できる様に改造する』
うん、なかなか様になってるじゃない、スター。
とルイズは、教壇に立ってゆかいな蛇くんをハンマーで弄るスターを温かく見守った。
コルベールはスターの発言を、一言残らず黒板に記録し、他の生徒達も物珍しさに目を放さない。



皆、私の使い魔を夢中で見てる! それだけでも、ルイズは優越感に浸った。
そして、満面の笑みで




爆風に包み込まれた―




「な、何が起こったんだ!?」
デルフリンガーに付られ、学院の外に出ていたギーシュ達が、今しがた爆発した校舎の一角を見て呆然とする。



『クェッケケケ、やっぱり失敗したか、相棒の奴』
「デルちゃん、あなたが言った通りだったわね」
『あいつ基本的にアホなんだよ、クキャキャ。一応、本当に元科学者なのにな』




『えーと、あれ? 変だな、どこで間違えた?』
教室内で、爆風が収まった中、全身煤まみれになりながらも、平然とするスタースクリーム。
隣にいたコルベールは、残り少ない後頭部の髪の毛に、火の粉が着火したため大慌てし、
生徒達は吹き飛ばされ、それぞれ苦痛を訴えてる。
そしてルイズは、一瞬何が起こったのかを判断できないまま立ちぼうけており、
爆風熱によりブラウスやスカートが破け、下着姿が露わになってしまっている事にまで気が回っていない。
その後、ルイズの顔の表情が恐ろしいトランスフォームを果たす。
それまで失敗の検討をしていたスターが、その瞬間を目撃し、ようやく己の危険が危ない事を覚る。



『ト、トランスフォォォォム!!!』



ギガゴ…



「逃げるなぁ!!」
破れた窓から空への逃亡を図ったスタースクリームに向け、ルイズが思い切り杖を投げる。
杖は、F-22に変形途中のスタースクリームの足の付け根部分の、パーツとパーツの合間にすっぽりと入り、
それが邪魔してスターは変形し切れず、複雑な姿のままで、豪快にその場に転倒する。



「スタアァァスクリイィム…この…愚か者ぉぉ!!!」
『ひぎゃあぁあ、お許し下さいぃぃ、ルイズ様ぁああ!!!!』
どこが頭なのかすらも判断できない、揉みくちゃな姿で床にのた打ち回るスタースクリームに、
ルイズが修羅の形相で1歩1歩ゆっくりと迫る。
どこから取り出したのか、両手には無数の棒や箒が握られていた。



『ルルルルイズ様、それだけは!! それだけはぁぁぁ!!!!』
何も言わず、丁度、裁縫で針刺に針や待針を刺す具合に、
ルイズは棒や箒をスターの塊に深く刺し込みまくった。



『ンがあぁあぁあぁぁ……』
哀れ也、スタースクリーム…




―その頃―



このハルケギニアという世界には、スタースクリームが元いた世界では考えられない現象が数多とある。
例を1つ言えば、とある大陸が海ではなく、空を浮び、なおかつそこが1つの国として存在する事。
その国の名を、アルビオン。
目下の所、平和な国とは言い難い。王国内にて貴族の反乱運動が勃発し、
王族と貴族派の対立が繰り広げられていたからだ。
しかし今の所、戦火が地上のトリステインやゲルマニアにまで及ぶ程でもなく、
表面上は冷戦状態を保っているが、いつ砲火を交える時が来るかと気を許せない状況であった。
そして王族は、大陸の隅に位置するニューカッスル城の地下にて、日夜、軍議に明け暮れていた。



「貴族派め等が、国民を盾に我々に降伏を要求するのも時間の問題でしょう」
「そうです。今のうちに国民達を地上に降ろすなりして、対策を立てねば」
「ですが、地上に運ぶにしろ、フネが無くては意味が無い。そのフネの殆どは、奴等に略奪されている」
「こうなれば‘トラファルガー号’もさっさと渡した方が平和的では…」
「それはならない!」
意見を即座に却下したのは、アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダー。



「トラファルガー号はアルビオン先祖代々受け継いぎ、守り通してきたフネだ。
 今ここで貴族派においそれと渡すワケには行かない」
「しかしですぞ殿下、失礼ながら、あのトラファルガー号に、我々にとってなんの利があると言うのです!?
 フネと呼ばれながらも、人は数名が乗れるがやっとで、たいして火力も無い。
 そもそも本当にフネなのですかアレは!?」
「ならば、何故貴族派は執拗にトラファルガー号を狙う? 
 売って資金にするにせよ、奴等には売れる物など他に幾らでも揃っているだろう。確実に何かある。
 例え、貴族派が終戦協定と引き換えに渡せと言ってこようと、
 私はトラファルガー号を手放す気は無い。仮初の平和では、意味は無いんだ」
「今日も同じ結論、ですか」



アルビオンの眠れぬ日々は続く―

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