あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

魔法少女リリカルルイズ08


自分の部屋である学院長室でオールドオスマンはミスタ・コルベールの書いたルーンのスケッチを見ていた。
両の眉をよせ、髭をしごきながら唸っている。
「うーーーーむ」
大変真剣だ。
さっきまでミス・ロングビルに破廉恥な行いをした報復として激しい折檻を受けていた人物とは思えない。
そのミス・ロングビルは席を外してもらっているのでこの部屋にはいない。
この件は秘書に聞かせるには少し重大だ。
「ふむ、それでミスタ・コルベール。君はこのルーンからミス・ヴァリエールの使い魔を伝説の使い魔・ガンダールヴだというのかね?」
「はい、これに記された物と全く同じルーンです。間違いありません」
「ふーーーむ」
オールドオスマンは再び唸り声を上げる。
伝説の使い魔・ガンダールヴに付いての記述がある書物は極めて少ない。
コルベールの出した「始祖ブリミルの使い魔たち」も古くさいものではあるがもその一つである。
しかし、少ないながらもそれらを総合すると分かる事がある。
曰く、始祖ブリミルの用いた使い魔である。
曰く、主人が長い呪文を詠唱している間その身を守ることに特化した存在である。
曰く、千人の軍隊を1人で壊滅させた。
曰く、並のメイジでは歯が立たない。
後一つの項目を思い出しオールドオスマンはさらに唸った。
「それでじゃ。ミスヴァリエールの使い魔はどんな物なんじゃね?」
ガンダールヴの姿形については全く伝えられていない。
だが、最後の項目はガンダールヴの姿形をある程度予想させる物でもある。
「たしか……こういう感じでしたな」
コルベールはノートにペンを走らせ、簡単なスケッチを描く。
「ふーーーーーむ」
スケッチを見たオールドオスマンはさらにさらに唸る。
「大きさはどのくらいなのかね?」
「だいたい、そのスケッチと同じくらいですね。ミス・ヴァリエールは肩に乗せていました」
「ふーーーーーーーーーーーーーむ」
フェレットのスケッチを凝視し、さらに唸る。
「のう、ミスタ・コルベール」
「はい」
オールドオスマンは顔を上げ、コルベールに目を向けた。
「メイジとしての君の能力には満足しておる」
「ありがとうございます」
「教育者としての君もなかなかだと思うておる」
「ありがとうございます」
「研究者としては……まだ芽は出ておらんようじゃが、わしは見込みがあると思うておる」
「ありがとうございます」
「じゃがのう……」
オールドオスマンはスケッチを立てて机に上がってきた自分の使い魔のネズミ、モートソグニルと大きさを比べた。
「のう、ミスタ・コルベール。伝説のガンダールヴはあらゆる武器を使いこなしたと言うぞ」
「はい、私もそう聞いています」
ミスタ・コルベールに見えるように立てたスケッチを半回転させた。
「この大きさと手……いや、前足では、あらゆる武器を使うのは無理じゃろう」
「…………」
学院長室は沈黙に支配された。


「なんでよー」
ルイズは濡れた布巾で机を拭いている。
教室で爆発を起こした罰で片付けをしているのだ。
「なんでよー」
壁が拭き終わったので次はドアに取りかかる。
いつもの失敗ならこんな所まで煤がつくことはないが、今回はいつもより爆発が大きかった。
ドアそのものは壊れていないが煤で黒くなっている。
「ねー、何でなの?ユーノ」
「え?」
新しい窓枠をはめていたユーノが人間の姿で振り返る。
「だから、なんで魔法に失敗したかって聞いてるの!!」
布巾の水が辺りに飛ぶも気にせずにルイズはぶんぶん腕を振る。
「レイジングハートって私の魔法を手伝ってくれるんでしょ?それに、昨日は魔法使えてたのに何でまた使えなくなってるのよ!」
「えーと、たぶんそれはね……」
最後の窓枠をはめ終えたユーノが黒板の前に歩いていった。
チョークを一本持ち、黒板に文字を書きながら話す。
「昨日からルイズが成功した魔法は3つあるんだ。ジュエルシードの攻撃を防いだシールド、封印、それから念話の3つ」
黒板にシールド、封印、念話と書いていく。
「これらは僕らが使う魔法で発祥の世界の名前を取ってミッドチルダ式って呼ばれている」
3つを丸で囲んでその上にミッドチルダ式と書く。
「で、ルイズが失敗した魔法は2つ。コントラクト・サーヴァントと、さっきの錬金」
こんどはコントラクト・サーヴァント、錬金と書く。
「コントラクト・サーヴァントは成功したじゃない。ユーノにルーンだって刻まれてるし」
「でも、感覚の共有はできなかった。だから、不完全な成功なんだ」
「う……」
コントラクト・サーヴァント、錬金を丸で囲む。
「こっちの魔法は……なんて呼ぼうか」
「じゃあ、さっきと同じように世界の名前でハルケギニア式って呼ぶ?」
「うん、それにしよう」
それも黒板に書いていく。
「つまり、ルイズはミッドチルダ式の魔法には成功しているけど、ハルケギニア式の魔法は失敗か不完全な成功なんだ」
ユーノは黒板を叩きながら説明する。
「なんでよ?」
「レイジングハートには魔法をプログラムという形で組み込んであるんだ」
「ぷろぐらむ???」
ルイズの顔が?マークで埋まっていく。
「そうか、この世界にはプログラムという概念はないんだ。えーと……そう、レイジングハートは魔法の使い方を覚えてるんだ」
「それで?」
「使い方を知っている魔法だったらルイズのちょっとした呪文で発動させたり、ルイズが魔法を使うときに手伝ってくれるんだ」
「ふんふん」
「よく知らない魔法でも知っている魔法との共通点を見つけ出してそこからなんとか魔法を成功させようとするんだ。ミッドチルダ式にも使い魔と契約する魔法があるから……」
「そうか、だからコントラクト・サーヴァントは中途半端に成功したのね」
「うん。でも錬金はレンジングハートの知っている魔法との共通点が無かった。だから失敗したんだ」
「じゃ、じゃあ、レイジングハートに手伝ってもらってもハルケギニア式の魔法は使えないの?」
「そんなことはないよ。レイジングハートにプログラムって形でハルケギニア式の魔法を教えたら使えるようになると思うよ」
「じゃあ、ユーノ」
ルイズはユーノを指さす。
「レイジングハートに魔法を教えなさい」
「無理だよ」
「どうして!ユーノは、私の使い魔でしょ?これは命令よ」
「えーと……アクセス権限ってわかる?」
ルイズが首を振る。
ぶんぶん音がしそうだ。
「えーと……レイジングハートは僕の言うことはあんまり聞いてくれないんだ。でも、ルイズの言うことなら全力で果たそうとするんだ。魔法を教えるのも同じで、僕が言っても覚えてくれないけどルイズが言ったら覚えてくれるんだ。もちろん、さっき言ったプログラムって形で」
「だったら、私がそのプログラムっていうのが解ればいいのね?」
「そうだよ」
「教えて、そのプログラムって言うのを」
「いいけど……大変だよ。プログラムだけでなく他のいろんな事も知らないといけないし。ルイズが今まで勉強してたことと同じくらい大変な勉強になると思うよ」
それでも──
「やるわ。せっかく魔法が使えるようになったんのよ。絶対にやる」
ポケットに入れているレイジングハートをしっかり握りしめる。
「わかった。僕が知っていることを全部ルイズに教えるよ」
ユーノがルイズの目を見る。
そうやって真剣に見つめられて恥ずかしくなって来たルイズは、視線を逸らせた。
「と、当然よ。ユーノは私の使い魔なんだから」
心臓が少し高鳴っている。
なんとかごまかさないと。
「それからユーノは字を覚えて。その黒板に書いてあるの、私読めないわよ」
「あ……そうだね」
あわてるユーノを見てルイズは少し安心した。


突如ドアが開かれた。
「ルイズ、掃除終わっ……」
扉を開けたキュルケがユーノを見つける。
「あーーーーー」
ユーノを指さすキュルケが叫び終わる前にルイズは片足のスナップを聞かせてドアを蹴蹴飛ばす。
キュルケの指先ギリギリで大きな音を響かせ、ドアが閉まった。
「ユーノ、フェレットに戻って。早く早く」
「うん、わかった」
黒板の前でユーノは人間からフェレットへ。
ちょうど変身が終わった時に、キュルケがドアを開けて入って来た。
「ちょっと、ルイズ!」
怒っている。
「危ないでしょ、指はさんじゃったらどうするのよ!」
「ご、ごめんなさい。キュルケ。悪気はなかったの。偶然よ」
「それより」
キュルケが教室を見回す。
「やっぱり、あんた男がいるじゃない。掃除手伝わせてたの?」
目つきがやたら鋭い。
「そそそ、そんなはずないでしょ。男なんていないわよ」
「おっかしいわねえ」
キュルケは黒板の前に歩く。
「ここ。今、ユーノがいるところ。確かに茶色いマント着けた男の子がいたのよ」
「気のせいでしょ。気のせい」
ばれてない。ばれているはずがない……たぶん。
「まあ、いいわ」
教室を三度見回したキュルケは、やっと満足したのか出口に足を向けた。
「早く掃除、終わらせてしまいなさい」
キュルケは教室を出て行く。
フレイムがしばらくルイズ達を見ていたが、すぐにキュルケを追って行った。
「ふー」「ふー」
ルイズとユーノは揃って息をついた。


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