あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの使い魔・ブルー編-11

「『魔鏡』?」
「魔法を反射する、生きた鏡だ。
 死んでもその効果は残ると聞いたことがある。どうもそれらしいな」
「じ、じゃあ……どうするのよ?」
「君は術士?」

ルイズの疑問を遮る形で、緑色の髪の少女が問いかけてくる。
ルイズが不機嫌な表情をするが、その少女は意に介さない。

「そうだが」
「なら、『フラッシュファイア』ぐらいは使えるでしょ?」
「使えるが、無理だぞ」
「何故?」
「見てみろ」

と、ブルーはゴーレムを示す。左手にギトーを捕まえていた。
そのまま、巨体を動かして森の奥へ去っていく。
ルイズが叫び声を上げる。

「ギ、ギトー先生ぇー!?」
「『フラッシュファイア』を使うなら、人質ごと焼かなければならなくなる」
「そう……それは困ったね……せめて剣があれば何とかなるんだけど」
「ならこれを使え」

ブルーはそう言うと、右手に持っていたデルフを少女に手渡す。

「ちょ、相棒!?そんなにあっさり渡されると俺寂しいな」
「……あんまり使いたくないけど……まぁ丈夫そうだし、無いよりは良いか」

と、デルフを少女が受け取ると、デルフは黙り込んだ。
武器屋の時のようである。

「おでれーた。嬢ちゃん人間か?」
「半分違うよ」

訳のわからない言葉に、周囲の人間が困惑する。

「まーいい。剣の腕は確かみたいだしな!」
「……けど、君はどうするの?術が使えないんじゃ……」
「こうすればいい」

ブルーは右手を前に突き出し、唱える。

「『光の剣』」


すると、眩いばかりの光を放つ剣が、彼の右手に出現する。
デルフがその剣を見て言う。

「……おでれーた。俺の必要なさそーじゃねーか」
「お前は飾りだ」
「相棒ってば酷い」
「えーと……私はどうすればいいのかしら」
「キュルケを介抱しながら馬車で待っててくれ」
「……嫌だけど、解ったわ」

そう言うと、ルイズは倒れているキュルケに向け走り出す。
少女が、ブルーに対して言う。

「私はアセルス。君は?」
「ブルーだ」
「そう、じゃあブルー、行くよ!」

二人は駆け出……さなかった。
ブルーが一言言ったからである。

「ちょっと待て」

アセルスは駆け出そうとしたので、バランスを崩して転ぶ。
立ち上がりながら、ブルーの方を向き恨みのややこもった目をしながら言う。

「何で止まるの?」
「あのゴーレムは再生する。術者を倒した方が手っ取り早い」
「だけど、どうやって探すのさ?」
「タバサ」

ブルーは、さっきからずっと黙っていた少女に話しかけた。

「俺達があのゴーレムを食い止めてる間に、
 術者を見つけ出してくれ」
「わかった」

そういうと、いつの間にか控えていた雷竜にまたがり、飛び去る。
それを見届けてから、アセルスは言う。

「可愛い子だな」(それじゃあ行こうか)
「何を言ってるんだ?」
「……い、いや、何でもないよ」

二人は駆けだした。



『土くれのフーケ』は焦っていた。計画が丸つぶれである。
『火返しの鏡』はすぐに効果が解ったのだが、
『盗賊の指輪』は使い方も解らない。
そのための計画を立てたのだが、訳のわからないガキに邪魔された。
それだけならまだ何とかなったのだが、何故か撒いたはずの魔法学院からの追っ手まで来た。
最悪である。このまま計画を実行しようものなら、確実にばれること請け合いである。

「畜生……だが、一応あんた達に教えて貰うとするよ」

ゴーレムの去った方向に暫く駆けていくと、
見るからに怪しい小屋があった。思わず言ってしまう。

「ブルー……どう思う?」
「アセルス、どう思う」
「…………」
「…………」

二人とも微妙な雰囲気のまま黙り込む。

「まぁ、罠でも大丈夫でしょ」

アセルスは小屋に向け歩き出す。
ブルーもその後に付いていった。
小屋のドアを開けると、擦れるような音がした。
中は埃まみれで、テーブルが一つあるだけの簡素な小屋だった。
テーブルの上に小箱が一つ置いてある。
アセルスは周りを見回して何かを探していたようだが、
どうやら見つからなかったのか、少し落胆した表情を見せる。
ブルーは、小箱に近づき、そのふたを開けてみる。
中には、一つの指輪が入っていた。

「これが『盗賊の指輪』か?」
「それが貴方達の目的?」
「あとは『魔鏡』だな」
「そう……」

と、突如轟音がして上から光が差し込む。
何事かと思い上を見上げると、先ほどのゴーレムが此方を見ていた。
アセルスが小さく言う。

「好都合ね」
「……そうか?」

ブルーが突っ込む。


ルイズはおとなしく馬車で待っていることをよしとしなかった。
元々、ろくに魔法が成功しない自分である。
『魔鏡』と言うものは知らないが、自分には関係ない。
ただ、杖に誓いをかけた以上、後ろで引き下がっているだけで済ませるつもりはない。
彼女は武器屋で手に入れた細身の剣と、
自らの杖を持つと、ブルー達が駆け去った方へと走りだした。

タバサは自らの使い魔と共に、その方向へと向かった。
ゴーレムは使い魔と違い、感覚を共有することなどは出来ない。
ならば、術者はゴーレムの近くにいるのが当然である。
故に、今轟音がした方向へと飛んでいるのであった。

ブルーは剣を持つと、左手のルーンを見た。
光っている。決闘の時のように、身体が軽くなる。
恐らく、『魔鏡』はゴーレムのどこかに埋め込まれている。
ギトーとか言う教師は、背中に埋め込まれていた。
『土くれのフーケ』が『魔鏡』の詳細の効果を知ってるかどうかは知らないが、
知っているのなら人質の近くに埋めるだろう。
そう考えながら、ブルーは飛んだ。

アセルスは戦っている間のゴーレムの姿を思い出す。
何処にも『幻魔』は刺さっていなかった。
なら、どこかに埋まっているか、もしくは術者が持っているか。
取り敢えずは、目の前のゴーレムを倒すことを考えた。

フーケは仰天することになる。
小屋の中に誘い込んださっきのガキが
おかしいことはさっきまでの戦闘で解っていたが、
今度はそれ以上であった。
剣でゴーレムが次々とバラバラにされていく。
幸い再生は間に合っているものの、それがなければとっくに小山になっているだろう。
フーケは秘策を出すことにした。

「これは、後がきついんだけどね……仕方がないねぇッ!」

そう言うと、長い呪文の詠唱を始めた。


ルイズはゴーレムを目印に、走り続けていた。
右手の剣に力が入る。
そのゴーレムの近くまで寄ると、驚くものを見ることになる。
土のゴーレムが、徐々にその色と姿を変える。
土の茶色が、鋼の銀色に。
つまり、鋼のゴーレムへと姿を変えたのであった。

突如、刃が立たなくなる。
『光の剣』といえど、分厚い鋼を一太刀の元に両断することは出来ない。
途中で剣がはまり、抜けなくなる。

「ち……」

仕方なく、ブルーはさっきからとんでもない動きをしている少女に向け叫ぶ。

「アセルス!俺じゃ刃が立たない!ここは任せた!」
「ちょっ……私だって無理があるよ!」

その言葉は聞かずに、剣から手を放し、走り去る。

「おや……?」

フーケは、その走り去る男の姿を捉えていた。
その男の方が確か『指輪』を持っていたはずである。

「持ち逃げされちゃあ、たまらないね……」

恐ろしい敵から、小うるさい蠅に変わった少女を鋼の腕でなぎ払うと、
フーケは男を追わせた。

アセルスは再び殴り飛ばされていた。
鋼の拳はなかなかにいたかった。
受け身に少々失敗し、服が汚れ、擦り傷が所々に出来る。
その様子を、呆然と桃髪の少女が見つめていた。
そして、その少女が持っていた細身の剣に目を付ける。

ゴーレムに追われているブルーの姿を見つけると、タバサは急降下する。
そして、ブルーを使い魔にくわえさせると、そのまま飛び上がった。

「状況」
「指輪は見つけられたが、あの通りだ」

と、ブルーが指輪を示してみせる。
タバサはそれで解ったらしい。
が、彼女の使い魔が急に妙な様子になる。

「クーン?」
「タバサ、それだよ、それ!」
「じゃべっちゃ……」
「それも、『指輪』だよ!」
「……え?」

フーケを倒すための全てのピースが揃った。
ブルーが叫ぶ。

「アセルス!今から何が起こっても『何もしないでくれ』!」

その声を聞き届けたアセルスは叫び返す。

「私の方には今あの鋼のゴーレムを倒す手段があるわ!」
「解った、なら合図したらそれを使ってゴーレムを倒してくれ!
 『魔鏡』もこの際構わん!」
「解った!」
「ア、アセルスって言ったかしら?何が起きるの?」
「……さぁ?」

フーケはさっきのやりとりに気を取られつつも、そのゴーレムと共に竜を追っていた。
倒せる、と言っていたが、鋼の身体に、
『火返しの鏡』を持った彼女のゴーレムを破壊する方法などあるものか。
大体、そんなことをすればギトーも無事では済むまい。
恐らく、こっちの注意を逸らさせるための策だ。
フーケはそう判断した。竜が地面に降り立ったのを確認すると、足を早めた。

クーンは、その指輪を手に持つと、呟く。

「指輪よ……」

そして、上へ放り投げた。
その瞬間、光が走り、彼らと、アセルスとルイズの姿がこの世界から消えた。

フーケは、降り立ったはずの場所に、標的がいないのを確認する。
どこかに隠れてるのかと思い、自らの目で探そうとする。
突如、右手を掴まれる。後ろには、指輪を持って逃げた青年がいた。




「捕まえたぞ」
「……ッ!」

フーケは、自らのゴーレムの拳を青年へと向けようとする。
だが、その前に青年が叫ぶ。

「アセルス!恐らく『魔鏡』は人質の近くだ!」
「解った!」

空高くから、緑色の髪を逆立てた少女が、細身の剣を構えていた。

「『ファイナルストライク』ッ!」

次の瞬間、その細身の剣が輝き、放電を始める。
その剣がゴーレムに当たると、激しい音を立てて半ば程まで切り裂かれる。
その半ばほどで、『魔鏡』が刃を食い止めていた。
それも長くは保たず、魔鏡は砕け散る。
だが、それと同時に細身の剣も砕け散った。

「……はは!一時はどうなるかと思ったけど!まだ私のゴーレムは動けるよ!」

そう言い、止まっていた拳を再び振り上げ、青年に向けて再度振り下ろそうとする。
だが、それは何かよくわからない犬っぽい生物と、それが作っているらしい障壁に止められる。

「……なんだってぇ!?」
「これで詰みだ」

後ろにいる青年が、ルーンを刻む。
魔法使いでもないのに、何をしようというのか……
そう思ったが、次の瞬間思い知らされることになる。
ゴーレムの背中に埋め込んでおいたギトーが、突如『解放』された。

「……な」

もはや、驚きの声すらあまりでない。
だが、それでも障壁に阻まれていないもう一つの手を、振り下ろそうとする。
その前に、一つの声が聞こえてくる。

「『時間蝕』」

その声を聞いて、フーケの意識は停止した。


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