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使い魔のゼロ 第四話

第四話 覚醒する戦士

「どういうつもり?平民の癖してほんとにメイジと戦うつもりなの?」
「ああ」
「ふざけないで!勝てるわけが無いでしょう!いくらあんたが馬鹿でろくでなしだからって一応使い魔は必要なの。
さっさと謝ってきなさい、これは命令よ」
「そうです、メイジと戦ったら殺されちゃいます。
元は私のせいですし一緒に謝りますから戦うなんてやめてください。私のことなんて気にしなくてけっこうですから!」
ギーシュとの決闘を受けたゼロに対しルイズとシエスタが止めに入る。が、
「断る。これはお前のためじゃない、俺の信じるもののためだ。
それに俺は人間じゃない。戦うことしか能がないレプリロイドだ。負けはしない」
「そ、そんな……ゼロさんの馬鹿!」
ゼロを止められないことを知るとシエスタは泣きながら走り去っていった。
薄情だと責めることはできない。平民にとって貴族とはそれほどの恐怖だった。
一緒に謝りに行こうとしただけでも勇気のいることなのだ。
まして今まで平穏に生きてきた人間が急に、死に行く(と思っている)人間をそうそう見送れるはずもない。
一方ルイズは逆に不機嫌になっていた。人のありがたい忠告も無視しようというのだ、こいつは。
加えてシエスタがゼロの名を呼んだことでいっそう腹が立った。
「ああそう、じゃあとっとと死んでらっしゃい!
あんたが死ねば清々するし今度こそちゃんとした使い魔を呼べるってもんだわ!
ヴェストリの広場は向こうよ、さっさと行きなさい」
「分かった。が、ひとつ聞きたいことがある。
あまり相手を傷つけたくない。これが形式にのっとった決闘だというのなら
穏便に終わるようなルールはないか?」
「はあ、この期に及んでなに言ってんのあんたは!手加減をしたい?
手加減を頼む立場でしょうあんたは!」
「頼む」
「……いいわ、教えてあげる。貴族の決闘は杖を落としたら負けよ。
あんた強いっていうんならやってみなさいよ。できたら私の使い魔として正式に認めてやってもいいわよ。
ほら、やってきなさいよ!」
ゼロの態度に腹が立つあまりルイズは嫌味たっぷりにこういってのけた。
「分かった」
なのにこいつは昨日からの短い付き合いの中でも何度も聞いた返事をして歩いていってしまうのだ。
ゼロが去りしばらくするとルイズは悔恨の念に襲われた。
自分だってあのときのギーシュの態度には腹が立っていた。それを止めたのがあいつだ。
なのに今の自分がしていることは何だ?
あいつに向かって死んでこいなどとこれではまるで自分の嫌ったギーシュと変わらないではないか。
それにあいつは「信じるもののため」といった。
自分にも同じようなものはある。貴族としての誇りだ。そのためなら命さえかける覚悟だってある。
だというのに私はあいつの信念も理解せずにただ腹を立てるだけだったのだ。
今の自分の行いは貴族的では断じてない。
そう思うとルイズは立ち上がった。何ができるのかもよくわからなかったが足が広場へと向かっていた。

一方そのころ、コルベールは学院長室を訪れていた。
オールド・オスマンにルイズの使い魔についての発見を報告するためである。
彼は説明した。現れたルーンが特別なこと、古文書に一致するものが見られたこと、
それが伝説のガンダールヴのルーンであること。そして、
「かの使い魔は人ではないと?」」
「はい。生徒たちはみな平民がよばれたと思っていますが違います。
人が呼ばれるなど前例がないので召喚されたときに魔法で探知してみたのですが、
その反応は人のものではありませんでした。いや、それどころか亜人、幻獣のものですらありません。
まったく別の何かです。話によると本人は自分のことをレプリロイドと言っていたそうです」
「ふむ、聞いたことがないのう。まあよい。もっと調べていくしかないじゃろう。
が、ルーンのこともレプリロイドとやらのことも他言無用じゃ。
中央が知ればろくなことにはなるまい。わしらは教師じゃ、生徒を危険にさらすわけにはいかん」
「ええ」
そのときドアがノックされ、オスマンの秘書ミス・ロングビルがやってきた。
なんでも決闘をしている生徒がいるらしい。そのうちの一人は ギーシュ・ド・グラモン
そしてもう一人は件のヴァリエールの使い魔、ゼロ。
教師たちは眠りの鐘の使用許可を求めているようだがオスマンはそれを突っぱねミス・ロングビルを下がらせた。
ドアが閉まり足音が去るのを聞くとオスマンは、杖を振り、
それに呼応して鏡に、広場の様子が映し出された。

ゼロが広場へ向かうとそこには大勢の生徒がすでに集まっていた。
ゼロの姿を見るとギーシュは芝居がかったしぐさで歩み寄り口を開いた。
「やあ、よく来たね。一度きいておくが謝って許しを請うつもりはないかい?」
「ああ」
「おおいなる シツボウ…
無事に済む最後のチャンスを捨てるとは、本当に愚かだね、きみは。いいだろう。諸君!決闘だ!」
ギーシュが薔薇の造花を掲げ正式に決闘の合図をする。
周りでは歓声が沸き起こる。生意気な平民が叩きのめされることへの期待だ。
「さてと、じゃあ始めようか」
そういってギーシュは、薔薇の花を振った。
花びらが一枚宙に舞い、 甲冑を着た女戦士の形をした人形が現れる。
「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ。
さあ、やってしまえ!」
ゼロに向かってワルキューレが突進する。
が、ゼロはまったく動じずに後腰につけたバスターショットを手に取りワルキューレに向けて引き金を引いた。
元の世界ではバスターショットはすでに旧式の武器だった。
だが、それでも何発も撃てば合金製の装甲を持つメカニロイドでも破壊できる。
まして強度の低い青銅など問題にもならなかった。
エネルギーブリッドが命中して弾け、ワルキューレは一発であっさりと砕け散った。
「え……」
一瞬であたりが静まり返る。信じられないのだ、この光景が。何よりギーシュには信じられなかった。
自分のゴーレムがただの一撃で破壊されたことが。もしあれが自分に向けられたら……
「うわあーーっ!」
余裕をなくして叫び、一度に限界まで、六体のワルキューレを呼び出した。先ほどと違い各々に武器も持たせている。
それらをいっせいに突撃させるもバスターで早速二体が破壊される。
そしてゼロは、残る群れの中へ自ら飛び込んでいった。
周りの観客たちには理解できなかった。まだ距離はあった。もっとあの銃を打ち込めたはずだ。
なのになんで?何故わざわざ死にに行くようなまねをするのか。誰もがそう思った。
だが、次の瞬間、一体のワルキューレが破壊され、その手の槍を奪われていた。
最も近くにいたギーシュは見ていた。ゼロの左手がワルキューレ砕いたのを。
ゼロナックル。手のひらに埋め込まれたチップの力で敵を破壊し武器を奪う武器。
さらに、踏み込みつつ奪った槍で二体のワルキューレを貫いていく。
踏み込みつつ?ゼロは今の動きに疑問を感じた。
今、自分は動きながら槍を振るった。そう動けると感じていた。
今までの自分にはそんなことはできなかった。武器を振るうとき自分は立ち止まっていた。
止まらず自在に振るえたのはゼットセイバーだけだった。
ふと見ると手のルーンが輝いている。
理由は分からなかったがためしに最後のワルキューレに走りこみ、すれ違いざまに一閃した。
イメージどうりにワルキューレが両断される。
ギーシュは完全にパニックになっていた。相手が銃を使っていたときはまだ希望があった。
いくら強くても銃なら弾が切れたら(実際にはバスターショットは弾切れしないが)おしまいだし、
もし取り落としでもしたら相手は丸腰だ。
しかしゼロはワルキューレの群れへ突っ込み「素手で」破壊してのけた。自分はまったく傷を負うこともなく。
もはや勝ち目はなかった。そして今、すべてのワルキューレが破壊されゼロと向き合っている。
ゼロは槍を放り捨てギ-シュのほうへ向かってくる。槍を捨てたからといって何の安心にもならなかった。
まだあの銃もあるし素手でも自分を引き裂くには十分だろう。でも逃げ出せなかった。
腰は抜け全身が震え喋ることすらできない。蛇に睨まれた蛙だった。
ゼロの手が伸びる。ギーシュは死を覚悟した。
が、ゼロが掴んだのは薔薇の造花、自分の杖だった。あの状態でも取り落とさず掴んでいたらしい。
「杖を落とせば負け、だったな」
「……ああ、僕の、負けだ」
「それともう一つ、シエスタに謝っておけ」
「分かったよ、ちゃんと謝る」
恐怖のためじゃない。ただ、こうして負けたことで驕りのようなものが砕けたのを感じていた。
自然に心から受け入れることができた。
こうして決闘の幕は下りたのだった。


番外 ギーシュ散華

「諸君!決闘だ!さあきたまえ!」
「ワレハメシアナリハーッハッハッハッハッ!
セイハットウハッセフッハッドリャァ!!!」

「ギャーー!」

ティゥンティゥンティゥンティゥン

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