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ソーサリー・ゼロ-9

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二五四

 君の口から出たあまりに意外な第一声に、ルイズはしばらく考えこむ。
「あー、そうね。私がご飯を分けてあげたすぐ後に、決闘騒ぎになったんだっけ」
 ルイズは、花も恥らうような輝かしい笑顔を浮かべる。
「あの後も戻って来なかったから、ちゃんとご飯を食べられたかどうか心配してたんだけど、調理場でご馳走になってたのね」
 形のよい眉がわずかに吊り上がる。
「あっはっは、よかったよかった」
 この笑い声は、ひどい棒読みだ。
 君は彼女にあわせて笑うが、次に来るであろう怒声を予想して身構える。
 しかし、ルイズは怒声のかわりに、君の脚に強烈な蹴りを浴びせる。
 過去に幾多の危難を乗り越えてきた、君の鋭い勘と俊敏な身のこなしをもってしても、この一撃をかわすことはできない。
 君は向こう脛を押さえながら、しゃがみこんで声にならぬ悲鳴をもらす(体力点二を失う)。
「このバカ使い魔!駄目平民!駄犬!」
 のたうち回る君を見下ろしながら、ルイズは君を罵倒する。
「ご主人様の命令を無視して騒ぎを起こして、やっと戻ってきたと思ったら、ご飯は食べてきたですって!?」

「すげぇ、ゴーレムと渡りあった剣士を一撃で……」
「……なにが起きたんだ?」
 再び生徒たちがざわめく。
 教室内のほぼ全員の注目を浴びようとも、彼女の罵声は止まらない。
「普通、そこは謝るところでしょうが!あんたみたいに常識も礼儀もない動物には、一から躾(しつけ)が必要みたいねぇ!」

「ミス・ヴァリエール、そろそろ授業を始めたいんだが……」
 困惑した表情のコルベールが口にした言葉は、誰の耳にも届かない。六八へ。


六八

 放課後の自由時間、寄宿舎の部屋に戻った君たちだったが、怒りの収まらぬルイズは『晩ご飯抜き及び外出禁止』を君に言い渡すと、つかつかと部屋を出て行く。
 君は決闘後に昼食をたっぷりとったうえ、一食抜く程度の事態には慣れているため、この罰はそれほどの苦痛ではない。
 主のおらぬ部屋を見回し、これからどうしたものかと考える。

 ルイズの命令を無視して部屋を出る・一七五へ
 暇つぶしに部屋を掃除する・一三八へ
 椅子に腰をおろし、考えを整理する・一四九へ


一四九

 椅子のひとつに腰をおろし円卓に頬杖をついて、今日あったことを思い起こす。
 この一日で、実に多くのことが起き、多くの人に会い、多くのことを知ることとなった。

 巨大な学院、怪物を≪使い魔≫として従える若き魔法使いたち、≪四大系統≫、≪錬金≫、魔法をもつ貴族ともたざる平民の格差。
 シエスタ、キュルケ、ギーシュ、マルトー、コルベール。
 自分を下僕扱いする高慢な少女が、貴族でありながら一切の魔法を使えぬ≪ゼロ≫と、嘲笑されていること。

 しばらくして、コルベールの話を思い出す。
 ここは非常に奇妙な世界だが、その世界にとっては『異物』とでも呼ぶべき、見慣れぬ存在が出現しているという。
 そしてその『異物』は、あの闇の大地、危険なカーカバードに住まうものばかりなのだ。
 火狐、スカンク熊、沼ゴブリン……謎の死体が持っていた本というのも、カーカバード語で記されているのだろうか。
 そんなことを考えながら、君はいつしか眠りに落ちる。二六八へ。


二六八

 それからの数日間は暴力沙汰もなく、平穏無事に過ぎる(体力点を最初の値に戻せ)。
 偏屈な老人の身の回りの世話をしながら魔法を修行した君にしてみれば、年端もいかぬ少女の我儘につき合うのはそれほどの難事ではない。
 掃除や洗濯といった雑用も器用にこなす君が(これも修行時代の賜物だ)、彼女の機嫌をそこねるのは着替えを手伝わされるときだけだ。
 このときだけは、君はルイズの倫理観を堂々と非難し、結果、朝食抜きを申しつけられることも多い。
 だが、そのようなときには調理場に足を運び、マルトー料理長やシエスタの歓迎を受けながら、食事を用意してもらうのである。
 君もただ善意にあずかるのは申し訳ないとばかりに、故郷アナランドの笑い話や君自身の冒険談を披露する。

 ルイズの授業中は、彼女のそばの席につき、熱心に講義の内容に耳を傾け、自前の羽ペンと羊皮紙でメモをとる。
「平民はどんなに努力したって、爆発ひとつ起こせないわよ」とルイズは言うが、
実際にこの世界の魔法が身につかずとも、知的好奇心を満たすというのは意義があることだと君は答える。
 この世界の魔法の仕組みを知れば、もとの世界に戻る方法を見つける手がかりになるかもしれぬ、というのが君の本心なのだが。

 そうした日々を送り、このハルケギニアに召喚されてから六回目の朝を迎える。
「明日は≪虚無の曜日≫、つまり休日だから朝になっても起こさないで」と昨夜ルイズに言い付かった君が、
日課になっている朝の洗濯と剣の素振りを終えて部屋に戻ってみると、彼女はすでに目覚めており、着替えも自分で済ませている。

 いつもと違う彼女の行動に驚く君を見て、ルイズは微笑む。
「朝ご飯がすんだら、街まで出掛けるわよ。そのボロ服とか剣とか、いいかげん買い替えたいでしょ?」
 君は驚きのあまり口もきけない。
 貴族らしからぬ吝嗇(りんしょく)ぶりを示していた彼女が、下僕のために金を使うと言い出すとは。九三へ。


九三

 ルイズによると、トリステイン王国首都である城下町、『トリスタニア』までは馬で三時間ほどかかるそうである。
 君は、慣れぬ鞍の上でふらふらと揺れている。
 マンパン潜入の任務以前にも広く諸国を旅したことのある君だが、いずれの行程も徒歩が中心であり、こうやって馬を駆った経験はほとんどないのだ。
 反対に、ルイズは乗馬が楽しくてしかたがないらしく、馬を相手に四苦八苦する君を置き去りにして、どんどん先に行ってしまう。

 林道に入ったところでようやくルイズに追いついたと思った君は、木陰の下で異様な光景を目にする。
 ルイズの乗っていた馬が、横向きに倒れてもがいているのだ。
 馬と周囲の地面は、大量の血に濡れている。
 ルイズは馬のそばで放心したように座り込んでいるが、声をかけるとあわてて君のほうに駆け寄ってくる。
 なにが起きたのかを問おうとした君は、草陰に一対の眼が潜んでいるのを見出す。
 よく見ると、その眼の持ち主は不細工な獅子っ鼻を持つ、毛むくじゃらの生き物だ。
 やがてその生き物は草陰から姿を現し、君たちのほうへと近づいてくる。
 大型犬ほどの体格であり、黒と黄色い縞の毛皮で全身が覆われた獣だ。
 「なに……あれ?」
 ルイズが震えながら、当惑の声をあげる。
 君はどうする?
 ルイズを馬上に引き上げ、その場から走り去るか(二八五へ)?
 馬から降り、獣の前に立ちはだかるか(三九へ)?


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