その日、魔法学院ではちょっとした騒ぎが巻き起こった。
生徒達がサモン・サーヴァントを行う使い魔召喚の儀式において、
三人の…そう、計三人の人間が召喚されてしまったからだ。
生徒達がサモン・サーヴァントを行う使い魔召喚の儀式において、
三人の…そう、計三人の人間が召喚されてしまったからだ。
「はじめましてー。近衛木乃香といいますー」
「そ、そうか。僕はマリコルヌ、マリコルヌ・ド・グランドプレだ」
マリコルヌが呼び出したのは、見たことのない赤い服を着た少女。
使い魔としてはあきらかに不適格であるその少女を呼び出したマリコルヌは、しかし。
心の中で人生の凱歌を歌い上げ、始祖ブリミルに万雷の拍手を送った。
「そ、そうか。僕はマリコルヌ、マリコルヌ・ド・グランドプレだ」
マリコルヌが呼び出したのは、見たことのない赤い服を着た少女。
使い魔としてはあきらかに不適格であるその少女を呼び出したマリコルヌは、しかし。
心の中で人生の凱歌を歌い上げ、始祖ブリミルに万雷の拍手を送った。
大きな目であたりをみまわし、男子生徒の顔を無駄に赤らめさせているのは、タバサの呼んだ使い魔。
青い服、これも見たことのない服を身に纏い、実に悠然とした態度で周囲を睥睨する。
ひとまわり見終わったあと、タバサに近づいて、頭を優しく撫でた。
「タバサちゃんはちっちゃいのに、榊さんにようにとるなあ」
サカキさんというのが何者なのかよくわからないが、どうやらほめられているような気がした。
なのでタバサは、撫でるがままにさせることにする。
「私の名前は春日歩。でもなー、皆関西弁やからっておーさかーおーさかーゆうねん」
撫でられる頭がぽかぽかしてきた。まるで心まで暖めるような…絶妙の撫でテクである。
タバサは、己の呼び出したこの使い魔が大好きになった。
青い服、これも見たことのない服を身に纏い、実に悠然とした態度で周囲を睥睨する。
ひとまわり見終わったあと、タバサに近づいて、頭を優しく撫でた。
「タバサちゃんはちっちゃいのに、榊さんにようにとるなあ」
サカキさんというのが何者なのかよくわからないが、どうやらほめられているような気がした。
なのでタバサは、撫でるがままにさせることにする。
「私の名前は春日歩。でもなー、皆関西弁やからっておーさかーおーさかーゆうねん」
撫でられる頭がぽかぽかしてきた。まるで心まで暖めるような…絶妙の撫でテクである。
タバサは、己の呼び出したこの使い魔が大好きになった。
そして最後の一人、ルイズが呼び出した使い魔は、
薄白い茶色の髪に青い瞳、十字をアレンジした金色の杖、背中には黒い羽を生やしていた。
ルイズは、期待を込めてその『天使』に問いかける。
「あ、あなたはその、もしかして…天使か何かなの?魔法とか使える!?」
目を輝かせて問うルイズに、『天使』は可笑しさを耐え切れないように噴き出し、答えた。
「あはは、私は別に天使やないけど…魔法とかは結構使えるんよ?」
「本当に!?すごいわ!」
ルイズは感動した。魔法が使える使い魔なんて聞いたこともない。
おそらく自分が最初の一人となるのだろう、ルイズの名は偉大なるメイジとして歴史に刻まれるのだ!
「私の名前は八神はやて。ルイズちゃん、これからよろしゅうな」
ぺこりと頭を下げ、差し出されたはやての手をしっかりとにぎりしめ、ルイズは感涙にむせび泣いた。
薄白い茶色の髪に青い瞳、十字をアレンジした金色の杖、背中には黒い羽を生やしていた。
ルイズは、期待を込めてその『天使』に問いかける。
「あ、あなたはその、もしかして…天使か何かなの?魔法とか使える!?」
目を輝かせて問うルイズに、『天使』は可笑しさを耐え切れないように噴き出し、答えた。
「あはは、私は別に天使やないけど…魔法とかは結構使えるんよ?」
「本当に!?すごいわ!」
ルイズは感動した。魔法が使える使い魔なんて聞いたこともない。
おそらく自分が最初の一人となるのだろう、ルイズの名は偉大なるメイジとして歴史に刻まれるのだ!
「私の名前は八神はやて。ルイズちゃん、これからよろしゅうな」
ぺこりと頭を下げ、差し出されたはやての手をしっかりとにぎりしめ、ルイズは感涙にむせび泣いた。
呼び出された『三人』は、吸い寄せられるように視線をからませて、挨拶を交わす。
「なんやよく分からんけど、お互い難儀なことになってしもうたなあ」
「つかいまーって、なにすればえーんやろか」
「今日からお世話になりますー」
「よろしゅーたのみまんがなー」
「はやてちゃんは、何で飛ぶのん?」
「ところでここってどこなんかな」
「なんやよく分からんけど、お互い難儀なことになってしもうたなあ」
「つかいまーって、なにすればえーんやろか」
「今日からお世話になりますー」
「よろしゅーたのみまんがなー」
「はやてちゃんは、何で飛ぶのん?」
「ところでここってどこなんかな」
『三人』はしばし沈黙し、一つため息をついて、禁断の言葉を口に出してしまう。
「あかん…この配役にはじゅうだいな欠陥がある」
「誰が何を言っているのか。いまいち判別でけへん」
「しょーとすとーりーの限界やー」
「誰が何を言っているのか。いまいち判別でけへん」
「しょーとすとーりーの限界やー」
二つの月の下でも、『三人』はペースを崩すことなく、自分らしさ満載で生きていくのでありましたとさ。
…続く?