あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

魔法少女リリカルルイズ06


食堂へ続く廊下を歩きながら、ルイズの横でキュルケはまだ笑い続けていた。
大声を上げて笑っているわけではないが、口を押さえても閉じても笑いがこぼれている。
「キュルケ、あなたいいかげんにしなさいよ」
「だって……ルイズ……かわいいって……くぷっ……ダメ、押さえられない」
よほどツボにはまったらしい。
足下ではフレイムが吹き出すキュルケに合わせて炎を吹いている。
「はぁ……」
とりあえず放っておくしかないようだ
ルイズの肩に乗っているユーノもため息を吐くような仕草をしている。
廊下を半ばまで歩いたとき、後ろから声をかけられた。
「おはよう。ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー」
「おはようございます。ミスタ・コルベール」
「おは……よ……くぷふふふっ」
またキュルケがこけたらかなわないのでルイズは手を引いてやる。
「どうしたのかね、ミス・ツェルプストーは?」
コルベールが聞いてくるのにルイズは
「いえ……そのままにしておいてあげてください」
と答えるしかなかった。
あまり言いふらして欲しい話でもない。
なので
「ああ、ところでミス・ヴァリエール」
とコルベールが話を変えてくれたのには助かった。
「コントラクト・サーヴァントはうまくできたようだね」
「はい。昨日は薬もいただいて、ありがとうございます」
「ああ、いいよ。それより君の使い魔のルーンを見せてくれないか?」
「はい」
ルイズはユーノを両手に持ってコルベールの前に出す。
コルベールはユーノをじっくり観察しはじめた。
(ル……ルイズ?)
(ユーノ、我慢しなさい)
ユーノは体中をじっくり見られているうちに脂汗が出てくるような気分になった。
突如コルベールは目を見開いた
「これはっ!!!!」
ルイズとユーノはびくっとする。
まさか何か変なところがあったのか?
アカデミー行きになるようなものなのか?
「ルーンが見つからない」
ルイズとユーノの体から力が抜ける。
(そういば、ユーノ。ルーンはどこに刻まれたの?)
ルイズは念話でユーノに訪ねる。
契約の時にユーノが痛みを訴えていたからルーンがどこかに刻まれたのはわかる。
でも、そのことはキュルケの乱入でうやむやになったままだ。
(それなら、これのこと?)
ユーノが左手を挙げる。
「ほほう、私の言うことがわかるのかな?どれどれ」
コルベールは今度は左手を凝視する。
また突如コルベールが目を見開いた。
「これはっ!!!!!!!!」
ルイズとユーノはまたびくっとする。
こんどはなに?
「ルーンが小さすぎて読めない」
ルイズとユーノの体からまた力が抜ける。
いちいち驚かしてくれる先生である。
「すまないがミス・ツェルプストー」
ようやく笑いが落ち着いてのかキュルケは涙を拭きながら振り向き、コルベールが出した虫眼鏡を持つ。
「これで、ルーンを拡大くれないかな」
「ええ、よろしいですわ」
虫眼鏡を覗き込んだコルベールは2、3回うなずく。
「珍しいルーンだな。いや、止めてすまなかったな。授業でには遅れないように」
そのまま満足そうに食堂に足を向けたが
「ああ、そうだ」
3歩も歩かないうちに振り返る。
「ミス・ヴァリエールの使い魔の食事はまだ用意できていないはずだからね……」
周りを見回し空のお盆を持って急ぐメイドを見つける。
「あのメイドに言っておくといい。用意してくれるはずだ」
コルベールはそういうと食堂に急いだ。
「じゃあルイズ、私は先に行くわ。またね」
ルイズは食堂に行くキュルケを見送ったあと、ユーノを肩に乗せ直してメイドの方に走った。


メイドに話はすでに通っていたようだ。
「はい、聞いております。それで、どのようなものをご用意すればよいのでしょうか」
それはルイズもまだ知らない。
(ねえ、ユーノ。あなた、なにを食べるの?生肉とか?)
ルイズはユーノの姿から想像する。
種々多様な使い魔達は、もちろん同じものを食べるわけではない。
肉食、草食、雑食。
魚しか食べない、にんじんしか食べないというのもいれば、中には金属しか食べないというかなりの変わり種までいる。
本来なら使い魔を召喚したすぐ後の授業で申告するものなのだが、気を失っていたユーノの食事についてはまだ伝えていない。
(生肉は食べないよ。お腹に悪いから)
(それじゃあ何を食べるの?)
(ルイズと同じものでいいよ)
貴族と同じものを使い魔に食べさせる、というのは少し抵抗があるが言葉を話すフェレットがなにを食べるかはルイズは知らないし、変なものを与えてお腹を壊されるのはいやだ。
それでもやっぱり問題がある。
ルイズは自分の日々の朝食を思い出した。
フェレットに出すには量が多い。
あれの半分も食べたらユーノのお腹がはち切れそうになるような気がした。
それに
(食堂に使い魔を入れたらいけないの)
(そうなんだ)
(用意してもらうから。後で会いましょう)
「あの、ミス・ヴァリエール……?」
ユーノとの念話が長引いてしまった。
端から見たらぼーっとしていたように見えたのだろう。
メイドがおそるおそる話してきた。
「ええ、わかってるわ。この子にはお皿一杯分。今日、私に出したのと同じものを適当に盛りつけてあげて」
「かしこまりました」
ルイズはメイドの肩に手を伸ばす。
(いってくるね)
ユーノはルイズの手を伝ってメイドの肩に移る。
「きゃっ……あ」
メイドは少しおびえたが、肩に乗ったユーノが大人しいとわかるとすぐに気を取り直した。
「じゃあ、ユーノのことは任せたわ」
「はい。ミス・ヴァリエール」
メイドはルイズが食堂に入っていくまでユーノが落ちない程度に頭を下げていた。


ユーノを肩に乗せたメイドがたどり着いたのは、食堂の裏にある厨房だった。
メイドが厨房の扉を開けると太い声が降ってきた。
「シエスタ!動物を厨房に入れるんじゃねえ」
太い声の主はこの厨房の主のコック長マルトーだ。
「これは、貴族様の……」
「使い魔でも同じだ。どうせ貴族に命令でもされたんだろうが入れるな。全くなに考えてんだあいつらは」
マルトーはオーブンを開けて焼けた肉を机の上に置く。
それを彼の弟子が次々と皿に並べ、その皿はメイドが厨房に運んでいく。
「で、なに言われたんだ?」
「今日お出ししたものと同じものを適当に盛りつけて、この使い魔にお出しするように、と」
「なにぃ!?贅沢な使い魔だな」
文句をいいながらもマルトーは棚から皿を出し、ロースとした肉の切れ端や、サラダの余りなどを乗せていく。
「ほれ、これでも出しておけ」
皿を受け取ったシエスタはユーノを厨房から少し離れたところに連れて行く。
「どうぞ。お皿は後で取りに来ますね」
そう言うとシエスタは走って厨房に戻っていく。
まだ仕事が残っていた。


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