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「無から来た使い魔-2」(2007/08/24 (金) 17:22:19) の最新版変更点
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「ふにゃ!」
バッツは、奇声を上げながら目を覚ますと周りにはクルルと同じくらいか、それよりもやや年上位の少年少女達が自分を囲んでいた。
「な、なんだ?」
バッツは、わけも分からないまま起きようとした…が、
「やっと、起きたわね!」
「へ?」
「へ?じゃないわよ!まぁいいわ、あなたは一体何者?」
ルイズとしては、召喚したばかりのときは何処の平民か聞こうと思っていたのだが周りの彼の評価が【臆病者の傭兵】で固定されているため、
平民かどうかよりも、一体何をしていた人物か聞き、自分が【臆病者を召喚したメイジ】でないことを証明するために、このような質問に変わったのであった。
「えっといきなり何者って言われても、俺はバッツ=クラウザーただの冒険者、としか言いようがないんだけど・・・」
「ふーん、冒険者ねぇ、まぁ臆病者の傭兵じゃないだけましか・・・」
バッツは臆病者という言葉に対して、心の中でまぁ確かに俺は臆病者であってるんだけどなーと、思ったが口に出すことはしなかった。
彼は、ムーアの村の奥になぜかいた謎の老人に自分は勇気があるなら左の箱を、臆病者であれば右の箱を開けるが良いと、
言われ、彼は迷わず臆病者の箱を開けた青年であった。
お互いややずれた納得をするとルイズは、コントラクト・サーヴァントを行うため呪文を唱えながらバッツへ顔を近づける。
「い~い?ただの冒険者が貴族にこんな事されるのは、一生ないのだから・・・」
「へ?なんで君は呪文唱えながら顔を近づけてくるのデスカ?」
「お~いルイズ、今度もそのきれいな盾に、キスするなよ~」
「き、キスぅ?」
どうすればいいか混乱しているバッツにある生徒の言った「キス」という単語でさらに混乱が増し周りにとっては喜劇ルイズにとって悲劇が起こる
スッ
ビシィ!
バッツは侍を極めた証であるしらはどりをルイズの頭に決めそのままモンクを極めた技カウンターを手に持ったチキンナイフで決めた!
「やばい!…ってあれ?こいつ切れ味が…貰った時くらいまで落ちてる!?」
「なにするのよ!痛いじゃないの!貴族に対してこんなことしてただで済むと思ってないでしょうね!」
「え?ああ、これは条件反射というか本能というか…ってそれよりキスって何だよ!?」
「仕方ないじゃない!コントラクト・サーヴァントは呪文とキスで成立するコモンルーンなんだから!」
「いやだからなんで俺にそんなわけの解らない魔法を掛けようとするんだよ!?」
「しょうがないじゃない!サモン・サーヴァントで現れたのがあんただったから、コントラクト・サーヴァントもあんた以外には掛けられないのよ!」
「へ?サモン・サーヴァント?」
「そうよ!自分の使い魔を呼ぶ呪文なのに、あんたみたいな平民が呼び出されただけでも迷惑なのに!頭を掴まれた挙句そのなまくらで殴られるなんて最悪よ!」
「ああ、ええっとなんといったら言いか解らないけど…ごめん」
バッツはとりあえず、回りの少年少女の冷やかす声を無視し、自分の目の前にいる少女が言ったことを、自分なりに考える。
1.自分は無に取り残されていた。
2.彼女は使い魔(多分召喚獣かなにか)を呼ぼうとしていた。
3.なぜか無にいた自分を、ここに呼び出す結果になった。
4.と、なると彼女は自分にとっては命の恩人である。
5.それなのに自分は(とっさだったとはいえ)酷いことをしてしまった。
結論
彼女の依頼(コントラクト・サーヴァントを掛けられる)位いいんじゃないか?
まぁ「使い魔」という単語が気になるが、自分達が使ってきた召喚魔法と大して変わりないものだろうと、バッツは判断した。
実際は、元の世界に帰る直前で無理矢理攫われた挙句、奴隷とほとんど変わりない扱いになるのは、バッツが知るはずがなかった。
一方バッツそんなこと考えているとは知らないルイズは、
1.使い魔を呼び出したのにコントラクト・サーヴァントを行おうとしたらいきなり反撃を食らった。
2.しかしこっちが怒ったら簡単に謝って来る。
結論
どうすればいいんだろうか…
「ええっと、今度はさっきみたいなことはしないから、もう一度えーっと、コントラン・サーヴァントだっけ?それを掛けてもいいよ」
「ホントに!?」
「ああ、本当だ」
「それじゃ行くわよ!我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」
ルイズはいきなりコントラクト・サーヴァントを掛けても良いと、言われるとは思っていなかったため、
バッツが「コントラクト・サーヴァント」を「コントラン・サーヴァント」と間違えていることに気づかず、呪文を唱え今度こそバッツと唇を合わせた。
「これで終わりか?・・・ってあちぃ!」
「静かにしなさい!ただ使い魔の証が刻まれてるだけよ!」
「いやまぁ、いきなりだったから驚いただけで…まぁこれくらいならクルルのファイアの方が熱いし…」
「やっと成功したな!ゼロのルイズ!」
「いやいやただの冒険者だから、成功したんじゃないのか?まぁそれまでに2回も失敗してるんだしな!」
「そうだな!召喚されたのが幻獣とかのたぐいだったら、絶対失敗してたぜ!」
周りの生徒達は、コントラクト・サーヴァントに成功したルイズに対して、冷やかしていた。
そしてバッツの熱が消える頃には、彼の左手に使い魔としてのルーンが刻まれ終わる。
「おや、これはなかなか変わった形のルーンですね…」
「あ、ちょっとあんたここにる子供達の引率だろ?いくらなんでもあんなふうに悪口を言わせたままにしてもいいのか?」
「え、ええ確かに君の言う通りですね、私としたことが珍しい現象に少々混乱していのでね・・・こら!貴族たるもの、そのような中傷をすることを恥と思いなさい!」
コルベールの一喝で周りの騒いでいた生徒達は静かになる。
「それでは春の使い魔召喚も無事成功に終わりましたので次の授業に遅れないように帰りますよ」
コルベールのその一言でルイズとバッツ以外の生徒達は空を飛び学園へと帰って行く、
「えーっと、君の事なんて呼べばいいんだ?」
「ルイズよ学園に行くから着いてきなさい」
「へ?」
「へ?じゃないわよ使い魔が、主人の近くにいなくてどうするのよ?」
「いや使い魔っていうか召喚魔法って必要なときに呼ぶもんじゃないのか?」
「何わけの解らない事を言ってるのよ!いいから付いて来なさい!」
そういうと、ルイズは空を飛んでいる他の生徒達を羨ましそうに見た後、ずんずんと歩いていった。
それを見たバッツはルイズは時魔法が使えないだけと思い、
「もしかしてルイズ…空を飛びたいのか?」
「なっ!?何言ってるの!私だってフライやレビテーションくらい使えるわよ!」
「いや、ルイズが空を飛んでる奴等を羨ましそうに見てたからつい…」
「そ・そんなわけないでしょ!」
図星を突かれ動揺しながら歩いていくルイズに対し、バッツは【フライ】や【レビテーション】など知らない魔法に対してやや引っかかりを憶えたが、
仲間達とクリスタルを守る旅をするまでは、魔法に対してはまったくの無知であった、彼は自分の知らない魔法なんだろうと納得し、
目の前のやや不貞腐れたルイズを見て、意地を張った時のクルルを思い出し苦笑をルイズに見られないようにし、ルイズに付いて行くのであった。
そしてしばらく歩ていると不意にルイズが、
「…ねぇバッツ、もし私が飛びたいって言ったら、あなたはわたしを飛ばすことが出来るって言うの?」
「ん?…まぁ出来ないことはないぞ。まぁさすがに魔法では無理だけどな」
「じゃ・じゃあわたしが飛ぶことがあなたできるって言うの!?」
「あ、ああそうだけど」
「じゃ・じゃあ、しゅ主人として命令するわ!わ・私を学園まで飛ばしなさい!」
「まぁいいけどお前自分でも飛べるのになんでわざわざ俺に頼むんだ?」
「そ・それは使い魔の出来ることを確認するのも主人としての役目だからよ!」
「ん、じゃあ了解しましたルイズ様」
バッツはそういうと自分の道具袋を取り出す。
中には本来はエクスデス達との戦いで集めた色々な武具などがあったのだが、彼が無に取り残されたときに多くの武具が無の空間に流れており、
残っているのはポーションなどの薬、薬の材料、ベル、竪琴くらいである…まぁ1本だけ剣があるのだがこれは後々彼を窮地に立たせるのだがこれはまた別話で、
彼は残ってるアイテムの中から、乙女のキッスと呼ばれる薬(?)と毒消しを調合した薬をルイズに掛ける。
「きゃあ!…わ・私飛んでるわ!」
「まぁ、そりゃ飛べる薬だし…」
「薬って事は…バッツ、あなた薬士なの!?」
「うーん、冒険者をやってたら薬士の真似事必要になって一生懸命薬に関して学んだからある意味薬士でもあるかな?」
彼はクリスタルの欠片に眠りし伝説の薬士の力をマスターしているので嘘とは言い切れないが本当でもないのであった。
最も正直に話しても正気を疑われて終わりになる可能性の方が高いのも事実であるのでこの判断は悪い物ではないだろう。
「へー、そういうものなの?」
実際この世界では平民が薬を扱うことはかなり稀ではあるが、存在しているのだが、普通のメイジ達は知らないことが多い。しかし幸か不幸かルイズの姉の一人は、
体が弱く、色々な水のメイジや薬士などに診てもらっていたため平民の中にも薬士がいる事を知っていたので彼女はバッツの言葉も素直に信じた。
ちなみに本来バッツのいた世界での空を飛ぶ方法は、バッツが調合した薬の他には飛竜、飛空挺、黒チョコボそして時空魔法であるレビテトくらいしかないのだが、
今現在、飛竜、飛空挺、黒チョコボはここには無く、自動的に調合した薬かレビテトの魔法しかないのだが、
彼はレビテトを扱える時魔道士になっていた期間が極端に短く、使える時魔法はスピード、スロウ、リジェネだけであった。
よって彼がルイズを飛ばす方法は薬士の力を使った調合による薬しかなかったのである。
そのような事情を知らないルイズは上機嫌に空を飛び学園へ向かいバッツもその後を追った…無論高所恐怖症の彼はマントを翻しながら走り、彼女を追うのであった。
そのようなほほえましい様子を、風竜に乗った少女が見ていたことは、彼らは知る余地も無かった。
おまけ
「ところでさっきまで気づかなかったけど、バッツあなたなんで髪の中に隠すようにリボンを付けてるの?」
「い、いやこれ、見た目は女の子用で恥ずかしいけど防具としては、結構良いものなんだよ。隠してるのは良い大人の男が、堂々とリボンを頭にしてたら普通引くだろ?」
「まぁ、それはそうだけど何もリボンの形で付けなくてもはちまきみたいに付ければ良いじゃない?」
「いやこれは、一種のマジックアイテムみたいなもんで、この形で付けないと意味ないんだよ・・・」
「そ、そうなの・・・大変なのね・・・」
「ふにゃ!」
バッツは、奇声を上げながら目を覚ますと周りにはクルルと同じくらいか、それよりもやや年上位の少年少女達が自分を囲んでいた。
「な、なんだ?」
バッツは、わけも分からないまま起きようとした…が、
「やっと、起きたわね!」
「へ?」
「へ? じゃないわよ! まぁいいわ、あなたは一体何者?」
ルイズとしては、召喚したばかりのときは何処の平民か聞こうと思っていたのだが周りの彼の評価が【臆病者の傭兵】で固定されているため、
平民かどうかよりも、一体何をしていた人物か聞き、自分が【臆病者を召喚したメイジ】でないことを証明するために、このような質問に変わったのであった。
「えっといきなり何者って言われても、俺はバッツ=クラウザーただの冒険者、としか言いようがないんだけど・・・」
「ふーん、冒険者ねぇ、まぁ臆病者の傭兵じゃないだけましか・・・」
バッツは臆病者という言葉に対して、心の中でまぁ確かに俺は臆病者であってるんだけどなーと、思ったが口に出すことはしなかった。
彼は、ムーアの村の奥になぜかいた謎の老人に自分は勇気があるなら左の箱を、臆病者であれば右の箱を開けるが良いと、
言われ、彼は迷わず臆病者の箱を開けた青年であった。
お互いややずれた納得をするとルイズは、コントラクト・サーヴァントを行うため呪文を唱えながらバッツへ顔を近づける。
「い~い? ただの冒険者が貴族にこんな事されるのは、一生ないのだから・・・」
「へ? なんで君は呪文唱えながら顔を近づけてくるのデスカ?」
「お~いルイズ、今度もそのきれいな盾に、キスするなよ~」
「き、キスぅ?」
どうすればいいか混乱しているバッツにある生徒の言った「キス」という単語でさらに混乱が増し周りにとっては喜劇ルイズにとって悲劇が起こる。
スッ
ビシィ!
バッツは侍を極めた証であるしらはどりをルイズの頭に決めそのままモンクを極めた技カウンターを手に持ったチキンナイフで決めた!
「やばい! …ってあれ? こいつ切れ味が…貰った時くらいまで落ちてる!?」
「なにするのよ! 痛いじゃないの! 貴族に対してこんなことしてただで済むと思ってないでしょうね!」
「え? ああ、これは条件反射というか本能というか…ってそれよりキスって何だよ!?」
「仕方ないじゃない! コントラクト・サーヴァントは呪文とキスで成立するコモンルーンなんだから!」
「いやだからなんで俺にそんなわけの解らない魔法を掛けようとするんだよ!?」
「しょうがないじゃない! サモン・サーヴァントで現れたのがあんただったから、コントラクト・サーヴァントもあんた以外には掛けられないのよ!」
「へ? サモン・サーヴァント?」
「そうよ! 自分の使い魔を呼ぶ呪文なのに、あんたみたいな平民が呼び出されただけでも迷惑なのに! 頭を掴まれた挙句そのなまくらで殴られるなんて最悪よ!」
「ああ、ええっとなんといったら言いか解らないけど…ごめん」
バッツはとりあえず、回りの少年少女の冷やかす声を無視し、自分の目の前にいる少女が言ったことを、自分なりに考える。
1.自分は無に取り残されていた。
2.彼女は使い魔(多分召喚獣かなにか)を呼ぼうとしていた。
3.なぜか無にいた自分を、ここに呼び出す結果になった。
4.と、なると彼女は自分にとっては命の恩人である。
5.それなのに自分は(とっさだったとはいえ)酷いことをしてしまった。
結論
彼女の依頼(コントラクト・サーヴァントを掛けられる)位いいんじゃないか?
まぁ「使い魔」という単語が気になるが、自分達が使ってきた召喚魔法と大して変わりないものだろうと、バッツは判断した。
実際は、元の世界に帰る直前で無理矢理攫われた挙句、奴隷とほとんど変わりない扱いになるのは、バッツが知るはずがなかった。
一方バッツそんなこと考えているとは知らないルイズは、
1.使い魔を呼び出したのにコントラクト・サーヴァントを行おうとしたらいきなり反撃を食らった。
2.しかしこっちが怒ったら簡単に謝って来る。
結論
どうすればいいんだろうか…
「ええっと、今度はさっきみたいなことはしないから、もう一度えーっと、コントラン・サーヴァントだっけ? それを掛けてもいいよ」
「ホントに!?」
「ああ、本当だ」
「それじゃ行くわよ! 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」
ルイズはいきなりコントラクト・サーヴァントを掛けても良いと、言われるとは思っていなかったため、
バッツが「コントラクト・サーヴァント」を「コントラン・サーヴァント」と間違えていることに気づかず、呪文を唱え今度こそバッツと唇を合わせた。
「これで終わりか? ・・・ってあちぃ!」
「静かにしなさい! ただ使い魔の証が刻まれてるだけよ!」
「いやまぁ、いきなりだったから驚いただけで…まぁこれくらいならクルルのファイアの方が熱いし…」
「やっと成功したな! ゼロのルイズ!」
「いやいやただの冒険者だから、成功したんじゃないのか? まぁそれまでに2回も失敗してるんだしな!」
「そうだな! 召喚されたのが幻獣とかのたぐいだったら、絶対失敗してたぜ!」
周りの生徒達は、コントラクト・サーヴァントに成功したルイズに対して、冷やかしていた。
そしてバッツの熱が消える頃には、彼の左手に使い魔としてのルーンが刻まれ終わる。
「おや、これはなかなか変わった形のルーンですね…」
「あ、ちょっとあんたここにる子供達の引率だろ? いくらなんでもあんなふうに悪口を言わせたままにしてもいいのか?」
「え、ええ確かに君の言う通りですね、私としたことが珍しい現象に少々混乱していのでね・・・こら! 貴族たるもの、そのような中傷をすることを恥と思いなさい!」
コルベールの一喝で周りの騒いでいた生徒達は静かになる。
「それでは春の使い魔召喚も無事成功に終わりましたので次の授業に遅れないように帰りますよ」
コルベールのその一言でルイズとバッツ以外の生徒達は空を飛び学園へと帰って行く、
「えーっと、君の事なんて呼べばいいんだ?」
「ルイズよ学園に行くから着いてきなさい」
「へ?」
「へ? じゃないわよ使い魔が、主人の近くにいなくてどうするのよ?」
「いや使い魔っていうか召喚魔法って必要なときに呼ぶもんじゃないのか?」
「何わけの解らない事を言ってるのよ! いいから付いて来なさい!」
そういうと、ルイズは空を飛んでいる他の生徒達を羨ましそうに見た後、ずんずんと歩いていった。
それを見たバッツはルイズは時魔法が使えないだけと思い、
「もしかしてルイズ…空を飛びたいのか?」
「なっ!? 何言ってるの! わたしだってフライやレビテーションくらい使えるわよ!」
「いや、ルイズが空を飛んでる奴等を羨ましそうに見てたからつい…」
「そ・そんなわけないでしょ!」
図星を突かれ動揺しながら歩いていくルイズに対し、バッツは【フライ】や【レビテーション】など知らない魔法に対してやや引っかかりを憶えたが、
仲間達とクリスタルを守る旅をするまでは、魔法に対してはまったくの無知であった、彼は自分の知らない魔法なんだろうと納得し、
目の前のやや不貞腐れたルイズを見て、意地を張った時のクルルを思い出し苦笑をルイズに見られないようにし、ルイズに付いて行くのであった。
そしてしばらく歩ていると不意にルイズが、
「…ねぇバッツ、もしわたしが飛びたいって言ったら、あなたはわたしを飛ばすことが出来るって言うの?」
「ん? …まぁ出来ないことはないぞ。まぁさすがに魔法では無理だけどな」
「じゃ・じゃあわたしが飛ぶことがあなたできるって言うの!?」
「あ、ああそうだけど」
「じゃ・じゃあ、しゅ主人として命令するわ! わ・わたしを学園まで飛ばしなさい!」
「まぁいいけどお前自分でも飛べるのになんでわざわざ俺に頼むんだ?」
「そ・それは使い魔の出来ることを確認するのも主人としての役目だからよ!」
「ん、じゃあ了解しましたルイズ様」
バッツはそういうと自分の道具袋を取り出す。
中には本来はエクスデス達との戦いで集めた色々な武具などがあったのだが、彼が無に取り残されたときに多くの武具が無の空間に流れており、
残っているのはポーションなどの薬、薬の材料、ベル、竪琴くらいである…まぁ1本だけ剣があるのだがこれは後々彼を窮地に立たせるのだがこれはまた別話で、
彼は残ってるアイテムの中から、乙女のキッスと呼ばれる薬(?)と毒消しを調合した薬をルイズに掛ける。
「きゃあ! …わ・わたし飛んでるわ!」
「まぁ、そりゃ飛べる薬だし…」
「薬って事は…バッツ、あなた薬士なの!?」
「うーん、冒険者をやってたら薬士の真似事必要になって一生懸命薬に関して学んだからある意味薬士でもあるかな?」
彼はクリスタルの欠片に眠りし伝説の薬士の力をマスターしているので嘘とは言い切れないが本当でもないのであった。
最も正直に話しても正気を疑われて終わりになる可能性の方が高いのも事実であるのでこの判断は悪い物ではないだろう。
「へー、そういうものなの?」
実際この世界では平民が薬を扱うことはかなり稀ではあるが、存在しているのだが、普通のメイジ達は知らないことが多い。しかし幸か不幸かルイズの姉の一人は、
体が弱く、色々な水のメイジや薬士などに診てもらっていたため平民の中にも薬士がいる事を知っていたので彼女はバッツの言葉も素直に信じた。
ちなみに本来バッツのいた世界での空を飛ぶ方法は、バッツが調合した薬の他には飛竜、飛空挺、黒チョコボそして時空魔法であるレビテトくらいしかないのだが、
今現在、飛竜、飛空挺、黒チョコボはここには無く、自動的に調合した薬かレビテトの魔法しかないのだが、
彼はレビテトを扱える時魔道士になっていた期間が極端に短く、使える時魔法はスピード、スロウ、リジェネだけであった。
よって彼がルイズを飛ばす方法は薬士の力を使った調合による薬しかなかったのである。
そのような事情を知らないルイズは上機嫌に空を飛び学園へ向かいバッツもその後を追った…無論高所恐怖症の彼はマントを翻しながら走り、彼女を追うのであった。
そのようなほほえましい様子を、風竜に乗った少女が見ていたことは、彼らは知る余地も無かった。
おまけ
「ところでさっきまで気づかなかったけど、バッツあなたなんで髪の中に隠すようにリボンを付けてるの?」
「い、いやこれ、見た目は女の子用で恥ずかしいけど防具としては、結構良いものなんだよ。隠してるのは良い大人の男が、堂々とリボンを頭にしてたら普通引くだろ?」
「まぁ、それはそうだけど何もリボンの形で付けなくてもはちまきみたいに付ければ良いじゃない?」
「いやこれは、一種のマジックアイテムみたいなもんで、この形で付けないと意味ないんだよ・・・」
「そ、そうなの・・・大変なのね・・・」
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