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LOG-14 聖地
ハルケギニアの東、広大な砂漠地帯に居を構える亜人種―――当人たちは、自身こそ正当かつ進んだ人種と認識しているが―――であるエルフは、その生活圏であるサハラと、西方ハルケギニアの間に広がる不毛の地に、“悪魔の門”、あるいは単に門と呼ばれる領域を有している。
即ち、ハルケギニアで始祖信仰を持つ人間たちにとっての“聖地”であり、両者が激しい奪い合いを繰り広げ、屍の山を築いた場所だ。
とは言え、数千年前にここを支配地域としたエルフの優勢はすでに絶対的であり、もはや始祖信仰と言う名の想像力と、僅かな記録を頼りにした情報しかハルケギニアには存在しない。
一方のエルフたちは、いつでも足を踏み入れることができるにもかかわらず、やはりその全容を理解できていなかった。
優勢とは言え、多大な損害を被りつつ支配力を維持したこの地域は、むしろ人の往来を極限まで制限しなければならない空白地、即ち巨大な負債となっている。
すなわち、“悪魔の門”と言う実に否定的な印象しか持たない呼称が与えられるにいたった由来がそうさせているのだ。
門から姿を現す“悪魔”…あるいは地獄の片鱗は、その名に恥じない大災厄として、現れる都度歴史に記される。
前触れなく降りかかる、あらゆる有機物が死に絶え無機物が崩壊するような散逸と混沌
その逆に、突如として生み出される、あまりに広大で精密な構造と秩序
エルフはもとより、彼らが文明を維持するうえでその力に縋らねばならない精霊たちすら、不条理の暴風の中では脆く崩れ去ってしまう。
あまりの奇怪に、常に多くの人々はこの地を手放そうと主張した。
だが、それ以上に「目に見えぬ場所で怪異が進行し、何時それがわが身に降りかかるのか分からない」と言う恐怖の方が勝った。
彼らは監視し、時としてこの異常を押し止めようと試み、金と時間、そして命を湯水のごとく消費してきた。
そうするうちに、少しずつ悪魔の残滓を持ち帰り、その異常性に対する認識を深めてきたのである。
ハルケギニアの国家が、その秘められた力に感付き、あの手この手でエルフの目を盗み持ち帰ろうとしている“場違いな工芸品”も同じ、悪魔の力の一部だ。
こうした人間側の行いも、「蛮人に過ぎた力を与えぬように」との名目を門周辺の支配力維持政策に与えている。
この状況は長い間続いていたが、ここ十数年で事態に変化が起こり始めた。
悪魔の門が活性化し、結果として東側へ被害拡大することを防ぐことも、西側への情報漏えいを防ぐことも厳しい情勢となったのだ…。
「もっとも、活性化前の最も落ち着いた時期ですらも、“悪魔”の力が発現すれば、大兵力を生贄として門近郊で釘付けにすることがせいぜいだった。
近年の活性化によって、すでに5万を超える死者が出た。失った居住地は、壊滅したものと疎開したものを足せば、両手の指では数えきれない。そしてこれからも増えるだろう」
凛とした声が響く。
荘厳だが、華やかさとは程遠いガリア王城ヴェルサルテイル宮殿。
その一角を成す薄桃色の小宮殿プチ・トロワの一室に、室内を覆う陰鬱とした雰囲気とは対極的な美貌の青年が居た。
幾つかの身体的特徴と服飾から、一目でエルフと分かる。
エルフが始祖の血を引く王家の居城に…数年前なら考えにくいことだ。
「お前たちの苦労は分かったが、その手助けをしなければならない理由が見えんな」
組み合わさった二本の杖―――ガリア国旗を背負って座する彼こそは、ガリア王ジョゼフ一世である。
エルフのような華々しさはないが、齢45とは思えぬ若々しさと鍛えられた肉体は、十分な
美貌である。
ガリア王家の持つ特徴的な青みがかった毛髪と、幼少よりの教育による本人も意識していないであろう洗練された所作は間違いなく高貴な身分のものだ。
装いも軽装ではあるがガリア王のそれである。
だが、頬杖をついて脚を組み、相手の顔も見ず果実酒の入った盃を弄ぶ姿は、あまりにも礼を失した態度で、休戦状態の敵国人を前にしたものにしても一国の王とは言い難い。
「それとも、この機に乗じて再び侵攻を企てぬようにとの懇願かな? そこまで切迫しているのなら、むしろ再び聖地奪還の火を灯したい気がしてくる」
下品に笑って、一息に杯を空にする。
「それも構わない。お前たち蛮族が軍を組織し聖地に赴くと言うのなら、もうそれを止めようと言う気は老評議会に無い……」
「なんだと?」
この程度で相手が動揺するとも思わなかったが、いたって涼しい顔で冗句を肯定されて、ジョゼフは意外そうに身を乗り出す。
「門の活性化とやらは、誇張抜きでお前たちにハルケギニアへ向ける余力を吸い上げるほどになっているのか?」
「現状ならば、辛うじて封鎖できているが、このまま事態が改善しなければ、お前たちに悪魔の門目前まで踏み込まれるのも時間の問題だろう。
だが、その深奥へと至れば、精霊すら息絶える領域だ。どれほどの数の軍勢であろうとも、生きては帰れなくなる。知って尚、やるというのなら構いはしない」
「往々にして、驚異の度合いに従い、それを乗り越え手にした物の価値も上がると言うもの。それがこちらの手に渡ることを恐れての妨害の理由でもあったはずだ。その点はもう良いのか」
「我々が利用法を見いだせなかった異物を、お前たちが手に入れたところで恐れる必要はないとの意見が、このところは多勢を占めている。
実際、相当数を保有するこのガリアでも、興味を募らせるばかりで、一向に知識は得られていないようだ」
ジョセフは「実は参っているんだ」と言って両手を広げて見せる。
「“無能王”の誹りを受けながらも、苦労して手に入れた王位を最大限に活用して“場違いな工芸品”集めに精を出していると言うのに、出来上がったのは珍妙なガラクタばかりの倉庫……
これならば、古美術集めに傾倒した方が馬鹿な貴族共への自慢程度にはなっただろうにな。最近では予算も人員も足りず、手塩にかけた庭園を手放したりもしたのだ」
言いながら、憂鬱そうにかつての庭園跡に視線を向けた。
芝居がかった調子でぶつぶつと庭園の草花の名を唱えながら、新たな葡萄酒を注ぎ、胃に流し込む。
場違いな工芸品へと使命感にも似た興味が向いてからは、この“無能王”は、土いじりどころか、国政までも放り出している。
「さらに、ハルケギニア内に現れたと言う“場違いな工芸品”の捜査に放った密偵の命もな、失うことになったのだ」
「政治を顧みない」との評価は、けっして政治における才能の欠如を意味しない。
彼は、一度意欲を持てば、一国の王として十分な能力を発揮するのだ。
こと東方における諸問題に関して、主に秘密裏の工作で日々走り回っていた。
「トリステイン王国へと派遣した密偵四人が、引き取り手の無い屍となって川に流された。別な密偵がこれを回収したが、明らかに他殺だと言う。
戦時中と言うならともかく、ただ国内で蠢動していたと言うだけで、諸外国の送り込んだ密偵を惨殺した上に、その屍をさらすことなどあるものか。
彼らはすでに息絶えた密偵を発見し、ただの身元不明死体だと思って排水と一緒に川へ捨てたのだ。国家の息のかからぬ者の仕業だ。
北花壇騎士の精鋭……四人揃えばエルフの戦士でも仕留められるほどの手練れだ。相手が蛮人対策委員長殿ほどの腕前であっても、首尾よく逃げ延びて、事の顛末を報告する程度はできよう」
また下品な笑みを浮かべて、部屋の隅に控える騎士へと呼びかける。
「そうだな、カステルモール!」
「は、はい。彼等ほどのものが、トリステインで取り上げられるような騒ぎ一つ起こさずに、その命を落とすなど、常識的に考えれば―――」
大声で笑う主君。
北花壇騎士で、同じく精鋭に数えられる男は、冷や汗をかきながら口を閉じた。
「ということだ、ビダーシャル委員長殿。任務の内容が“常識的”なものを対象としたものでなかった。もう少し詳しい情報があれば、結果は違っただろう」
語気には明らかに非難の色がある。
本心はともかく、あり合おうとしてエルフを非難する立場にあることを示すものだ。
蛮人対策委員長こと、長身と金髪を枯葉のようなローブで覆った長耳の男、ビダーシャルは至って涼しげに話を聞いている。
「妙なこととは思っていたのだ…突如としてこの手の話にはひどく疎いトリステインに立った場違いな工芸品の噂だからな。
お前たちエルフがどうしてもと頼み込んだから手を打ってみればこれだ。ぐだぐだとその脅威について説明されて、この散々な結果にも納得がいった。
場違いな工芸品どころか、シャイターン―――悪魔とやらが砂漠を越え、遥か西の地にまで這いだしてきたわけだ……誰が言い出したか、その名を“駆除系”と言うそうだな。
この期に及んで、事情についてのらりくらりとはぐらかされながら、そちらの都合に合わせて捜査などする気はないぞ」
遡ること十日。
今回と同様の会合の後、ガリア王はビダーシャルからもたらされた情報の真偽を確かめるべく、トリステインへ密偵を差し向けた。
ハルケギニア内での場違いな工芸品の招来について、おぼろげな兆候をエルフたちが観測した為、ぜひ確認のため人手を貸してほしいというビダーシャルからの依頼があったのだ。
「驚いたな。東の探索に血眼になっているとは知っていたが、こちらの目を盗んでそこまでの情報を手にしていたとは」
エルフの側は、場違いな工芸品がハルケギニア内に存在することの意味を、事細かにガリア側に説明することはしていない。
要するに、あえて迂闊な接触をさせることで、蛮人を生贄に情報を得ようという魂胆があってのことだった。
「取引の材料にでもするつもりだったか? お前たちのように、生きた姿を見た者はいないが、それらしい化石ならこの城にもいくつか収蔵されている」
「悪魔とは、駆除系に限らない。と言うより、その悪魔が災厄を引き起こすことなく、ハルケギニア奥地に潜伏していると言うのであれば、それは駆除系とは別種のものだ」
短く唸って盃を置くと「それは取引材料になる情報だ」と言ってジョゼフは更に身を乗り出し、ガリア王は玉座を投げ出さんばかりになる。
「で、いったい何者なのだ?」
興奮も高まった所で、突きつけられた一言は意外なものだった。
「奴らは人間だ。少なくとも、そのような姿をしている」
ついに立ち上がったジョゼフは、たまらず笑い出した。
「ははは! これはいいぞ、悪魔は人間に化けたわけだ!」
小ばかにした笑いではない。
これが事実であるならば驚くべきことであると気付き、そこから考えられる様々な可能性に思いを巡らせた結果、興奮と興味が溢れだしたのだ。
「目につくすべてを殺し尽くす“駆除系”ほどに、全てが単純と言うわけではない。もっとも、多くの場合その圧倒的な力に違いは無いが」
ますます愉快だと、ジョゼフは感じていた。
エルフの軍勢をもってして手に負えぬほどのものが、人と同じ知恵と姿を併せ持ち、ハルケギニア内に潜伏しているなど、のど元にある刃ほどの脅威だ。
一般に獣じみた殺意の塊と評される駆除系ではなく、人並みに頭のまわる駆除系と交戦したのであれば、手練れの密偵が騒ぎ一つ起こさず殺されるのも納得がいく。
「それで、東ではなく、ここハルケギニアにやって来た悪魔を、お前たちが追う理由は何だ? 野蛮人の国力を放っておいても削れるではないか」
「奴らは単一の種族、国家の敵対者ではない。なんと言い表せば良いものか………この世界そのものを排除しようとする“作用”、あるいは“理”だ」
長い金髪を揺らし、視線を逸らす。
発言者自身、途方もない、ばかげた内容だと自覚しているらしい。
「悪魔から世界を守るために戦っていると……ふん、エルフの頭領から任命されて遣わされた者でもなければ、聞く耳も持たないところだ」
眉唾ではあるにしても、それがエルフ側の公的な見解でると言うのなら、真っ赤なウソという事はあり得ないだろう。
仮にそれが、蛮人に向けての発言であってもだ。
「……しかし、多くの場合“圧倒的な力”は変わらないと先ほど言っていたと思うが、探し出してどうするつもりだ? 俺が送った精鋭はあっと言う間に生ゴミに変わった。
今回、ハルケギニア奥深くに侵入した悪魔に対し、あれ以上の少数精鋭を充てる余裕はもう無い。よもや大軍勢を送り込み捕り物をしろと頼みに来たわけでもあるまいな?」
「無論、危険は我々が負う」
「エルフの戦士がハルケギニアで、それもガリアの外で戦うのを幇助しろと? 馬鹿を言うな」
どれほどの外交的なリスクを背負わねばならないか、それならばいっそ自国の兵士を送り込む方が賢明だ。
当たり前の懸念だが、自身の発言の真意を誤解されたことに気付いたビダーシャルは、はっきりと告げた。
「目的はあくまで交渉だ」
「知恵を持つとはいえ、駆除系を相手に、か?」
ふっ、と短いため息をついて、ビダーシャルは後ろを振り返る。
「誰かと交渉をしようと思う時、門番代わりの木偶―――ガーゴイルに話しかけはしないだろう……必要なのは、その奥にいる主人と面会することだ」
再び玉座へ向き直ると、今までの笑みが消え、心底驚いた様子の王が居た。
悪魔などと非現実的な響きのある語を当てる一方で、この発言は駆除系を運用する国家、あるいはそれに類する組織や集団の存在を匂わせていた。
「ほう、それはまた……なんにせよ、エルフは、たった一匹の悪魔のケツを追いかけ、和平交渉でもしようと言う算段なのだな」
「それすらも甘い考えだと、評議会は結論付けている………すなわち―――」
整った目鼻が、自嘲の表情を形作る。
ジョゼフは、「まさか」と小さく息をのみ、大きく目を見開いた。
「―――我々は降伏の為に、頭を下げねばならぬ相手を必死に探しているのだ……無論、これはつい最近の決定であり、未だに極秘裏に進んでいる計画だ。
このような方針が公になれば、たちまち大論争が巻き起こり、この危機的状況に対応する余裕は失われ、拡大する悪魔の門の脅威が致命的な域に達しかねない。
すでに知っているとは思うが、エルフとて一枚岩ではない……多くの派閥・思想があり、言うまでもなく、それらは時として対立するのだ…
この手の問題は、門の活性化で様々な負担が増加し、民衆が疲弊するとともに激しさも増している」
「降伏……っ!? そこまでとは………」
自国を凌駕する国力・軍事力・技術力を併せ持ったエルフが、このような判断を下した。
悪魔がそれほどの脅威であるなら、たとえハルケギニア全土を糾合しても、彼ら以上に強気な姿勢を示すことはできない。
さらに、門から現れる悪魔について、長年の知識を持った彼ら以上に、悪魔の脅威を正しく測ることのできる人間はいないだろう。
大国ガリアとて、そのハルケギニアの三割にも満たぬ国土と国力。
比較的高い水準にある聖地についての知識も、その外縁部で場違いな工芸品をいくらか収集した程度にとどまり、生きた悪魔を目撃した者すら居ないのだ。
「となれば、ひいてはガリアを救うためにも、お前たちの交渉の場を設ける手助けをする必要があるわけか」
「その通りだ、蛮人の王よ。その結論に至ってくれたことに感謝する」
ジョゼフは腰を深く椅子に掛け、再び杯を手に取る。
夢物語にも似たエルフの話を肴に酒を飲んで、一息つく。
「ふむ……もったいぶっただけのことはある、衝撃的な告白だった―――が、見返りのことを忘れたわけではないぞ」
ビダーシャルは深く頷く。
「当然だ。この交渉に手を貸した見返りに、その場にガリアが立ち会い、意見を述べることを認めよう」
…この後、しばらくの間話を詰めていたが、委細は後日、関係部署の高官も同席して行うことにして、ビダーシャルは去って行った。
彼の姿が、衛兵とガーゴイルに囲まれて室内から消えたころ、ジョゼフは忌々しそうに鼻を鳴らす。
「カステルモール!」
「はっ」
騎士は急ぎ駆けより、王のもとでひざを折る。
「どう見る?」
「ここで述べたことは、ほぼ事実でありましょう。ただ、奴らは知る事すべてを述べず、こちらより優位に立とうとしている様子。信用してはなりません」
「だろうな……奴の発言は、ハルケギニアに伝わっている聖地にまつわる伝説―――特に、始祖ブリミルと虚無に関わる内容に全く触れなかった。
エルフ共が、虚無を悪魔に関係するものとして位置付け、それどころか、たびたびハルケギニアへ干渉しているらしいことから見て、蛮人の迷信と切り捨てているのでないことは明白。
どのようなものであるのかはまだ分からないが、これを捨ておくわけにはいかん。なにせ、聖地はエルフの手に落ちて久しいが、虚無の噂は、未だにハルケギニア内にあるのだからな。
ものにできれば、これ以上エルフに主導権を渡さずにすむだろう」
「彼の国でございますか………」
ジョゼフが思い浮かべるのは、ハルケギニアから離れたある国家だ。
高度によって隔絶される浮遊大陸に建国された、始祖より賜った正統な王権を有するアルビオン。
いま、かつてない激しい政争によって荒れ果てているこの国に、混乱の中で奇跡を起こす“虚無の担い手”の噂が立っていることを、彼は知っていた。
失われた系統、“虚無”。
それが単なる系統魔法の一つの系統と言う意味に留まらないことは伝説に謳われているが、聖地=悪魔との関係があるとすれば、虚無の価値とは既存のものとは一線を画す、相当なものに違いない。
それもこのタイミングで…ジョゼフには、聖地の活性化と虚無復活の噂が何の関係も無いとは、とても思えないのだ。
アルビオンでの政争―――聖地奪還を題目とした反乱勢力の台頭と言い、エルフが慌てて蛮人と協力関係を望むほどの悪魔の活性化と言い、随分ときな臭くなってきた。
この時期で唐突にこのような噂が立つという事は、聖地の活性化やエルフの蠢動に関係があると考えたくなるのも無理はない。
「エルフとのつながりで優位に立ったつもりでいたが…ひょっとすると、人間の世界においても、生き残りをかけて他国を蹴り落とす競争が、すでに始まっていたのかもしれんな。
悪魔から世界を守るため、種族や国境の境を超えて手を取り戦いへ!―――それもまた興味そそられる展開ではあるが、子供向けの英雄譚のように政治は行かぬものよ」
騎士カステルモールは、ガリア王が“無能王”たる所以を間近で目にした。
「まず焦点となるのは虚無、か……」
彼は、このような大事を前にして、明心躍らせる子供の眼をしているのだ・・・
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