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「蒼炎の使い魔-11」(2011/03/07 (月) 00:19:44) の最新版変更点
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ルイズたちが街に降りているころ。
一人の生徒が意識を取り戻した。
救護室
「はっ!!」
ギーシュは誰かに愛のボディープレスをされる夢に驚いて目を覚ました。
知らない天井、ではなく周りをよく見ると医療の道具が置いてあった。
救護室にでも運ばれたのだろう。
ギーシュは最近までの記憶をよく覚えていない。
決闘中にいたってはほとんど理性は残っていなかっただろう。
始まりは小さな種子だった。
朝何気なく散歩をしているとそばにいた使い魔が突然一点を見て異常におびえていた。
ギーシュが目を向けると、何か黒い点が泡のように蠢いている。
何となく「それ」近づいてしまったときにはもう遅かった。
「う、うわああああああ!!」
突然彼の体に入り込み、全身を何かに包まれた。
やがて苦痛が治まると彼は頭に鈍痛を覚えたが、代わりに異常な高揚感が湧き出ていた。
いやらしい笑みを浮かべると、その場でゴーレムを召喚した。
凄い。
詠唱も、威力も、何もかもレベルが上がっているのだ。
この時に誰か彼を助ける事が出来た者がいればこのようなことにはならなかっただろう。
しかしそれももう遅い。
彼はこのとき『黒点』の正体、『AIDA』によって感染してしまったのだ。
そのことを思い出すと次に決闘を思い出していた。
そうだ、あれは食堂で。
そこで1人の貴族を馬鹿にした。
思い出したくなくても頭に響く。
『おや、これは『ゼロ』のルイズ』
やめろ!
『平民の盾になろうとするのはどういう風の吹き回しだい?』
やめろやめろやめろ!!
『君は貴族の誇りもゼロのようだな』
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
「僕は、なんて、ことを・・・!」
自分はなんてことを言ってしまったのだろう。
守るべき存在である女性に。
貴族の誇りを自分が言える資格などないのに。
そのときの光景がよみがえる。
なぜだ、なぜ周りも止めない。
その光景を頭から離そうと彼は壁に頭を打ち付ける。
血が流れたが、彼はそれに気づかない。
先ほどのギーシュの叫びによって一人部屋に入ってきたものがいた。
「ちょっと、何しているの!?」
「・・・モンモランシー」
入ってきたのは先日愛想をつかれたはずのモンモランシーであった。
自己嫌悪の渦に入っていた時に誰か来てくれたのは彼にとって救いだっただろう。
「ああ、モンモランシー。心配かけてすまない。」
「え?いや・・・その」
彼女は何か言いたげだったが、かまわず彼は続ける
「僕は何か夢から覚めた気分だよ。頭の中がすがすがしいんだ」
「その、頭・・・」
彼は何かを思い出したかのように声を出す。
「そうだ、ミス・ヴァリエールに謝らなければ」
そういって、立ち上がろうとする。
慌てて彼女はギーシュを止めようとする。
「ちょっ、ギーシュ!待って!」
「すまないが後にしてほしい」
気づいてないの?
「その前に頭の治療よ」
「へ?」
その後錯乱したギーシュを殴って気絶させると頭の治療を適当に始めた。
ふとモンモランシーは彼の頭に包帯を巻いているときに違和感に気づく。
ギーシュから魔力が感じられないのだ。
正確に言えば彼に異常が起きてから『急に上昇した力』であるが。
数分後
再び目を覚ましたギーシュに、質問する。
あの異常な力はどうしたのかと。
「え、何のことだい?」
彼の脳はAIDAによって侵食されていた。
だから彼の頭には感染直後の事はほとんどおぼろげだったのだ。
彼は続ける。別にいつもどおりだと。
異常が起きる代わりに力が手に入る。
どの世界でも大きな力には大きなリスクがある。
彼が『本当』に暴走する前に助かったのは正に奇跡といえた。
元に戻ったと思ったら力が消えたのではなく、
力が消えたおかげで彼は助かったと彼女はそう結論した。
最初は意識不明にさせた『ゼロの使い魔』を殺したいほど憎んだが、
今ではきっと感謝の言葉を言うだろう。
さあ、この問題はこれで終わり。
だが彼女にとってもうひとつ大きな問題がある。
それは、
「あなたに聴きたいことがあるんだけど」
「ん?」
「あなたが私に言ったあの言葉は嘘だったの?」
「え”」
彼には浮気癖がある。それは認めよう。
でも今回は我慢できたが、今度は許さない。
彼は延々とモンモランシーの説教を聴く羽目になった。
怒る彼女にギーシュは謝ることしか出来ない。
ギーシュにとっての平和はまだ遠いだろう・・・。
#navi(蒼炎の使い魔)
ルイズたちが街に降りているころ。
一人の生徒が意識を取り戻した。
救護室
「はっ!!」
ギーシュは誰かに愛のボディープレスをされる夢に驚いて目を覚ました。
知らない天井、ではなく周りをよく見ると医療の道具が置いてあった。
救護室にでも運ばれたのだろう。
ギーシュは最近までの記憶をよく覚えていない。
決闘中にいたってはほとんど理性は残っていなかっただろう。
始まりは小さな種子だった。
朝何気なく散歩をしているとそばにいた使い魔が突然一点を見て異常におびえていた。
ギーシュが目を向けると、何か黒い点が泡のように蠢いている。
何となく「それ」近づいてしまったときにはもう遅かった。
「う、うわああああああ!!」
突然彼の体に入り込み、全身を何かに包まれた。
やがて苦痛が治まると彼は頭に鈍痛を覚えたが、代わりに異常な高揚感が湧き出ていた。
いやらしい笑みを浮かべると、その場でゴーレムを召喚した。
凄い。
詠唱も、威力も、何もかもレベルが上がっているのだ。
この時に誰か彼を助ける事が出来た者がいればこのようなことにはならなかっただろう。
しかしそれももう遅い。
彼はこのとき『黒点』の正体、『AIDA』によって感染してしまったのだ。
そのことを思い出すと次に決闘を思い出していた。
そうだ、あれは食堂で。
そこで1人の貴族を馬鹿にした。
思い出したくなくても頭に響く。
『おや、これは『ゼロ』のルイズ』
やめろ!
『平民の盾になろうとするのはどういう風の吹き回しだい?』
やめろやめろやめろ!!
『君は貴族の誇りもゼロのようだな』
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
「僕は、なんて、ことを…!」
自分はなんてことを言ってしまったのだろう。
守るべき存在である女性に。
貴族の誇りを自分が言える資格などないのに。
そのときの光景がよみがえる。
なぜだ、なぜ周りも止めない。
その光景を頭から離そうと彼は壁に頭を打ち付ける。
血が流れたが、彼はそれに気づかない。
先ほどのギーシュの叫びによって一人部屋に入ってきたものがいた。
「ちょっと、何しているの!?」
「…モンモランシー」
入ってきたのは先日愛想をつかれたはずのモンモランシーであった。
自己嫌悪の渦に入っていた時に誰か来てくれたのは彼にとって救いだっただろう。
「ああ、モンモランシー。心配かけてすまない。」
「え?いや…その」
彼女は何か言いたげだったが、かまわず彼は続ける
「僕は何か夢から覚めた気分だよ。頭の中がすがすがしいんだ」
「その、頭…」
彼は何かを思い出したかのように声を出す。
「そうだ、ミス・ヴァリエールに謝らなければ」
そういって、立ち上がろうとする。
慌てて彼女はギーシュを止めようとする。
「ちょっ、ギーシュ!待って!」
「すまないが後にしてほしい」
気づいてないの?
「その前に頭の治療よ」
「へ?」
その後錯乱したギーシュを殴って気絶させると頭の治療を適当に始めた。
ふとモンモランシーは彼の頭に包帯を巻いているときに違和感に気づく。
ギーシュから魔力が感じられないのだ。
正確に言えば彼に異常が起きてから『急に上昇した力』であるが。
数分後
再び目を覚ましたギーシュに、質問する。
あの異常な力はどうしたのかと。
「え、何のことだい?」
彼の脳はAIDAによって侵食されていた。
だから彼の頭には感染直後の事はほとんどおぼろげだったのだ。
彼は続ける。別にいつもどおりだと。
異常が起きる代わりに力が手に入る。
どの世界でも大きな力には大きなリスクがある。
彼が『本当』に暴走する前に助かったのは正に奇跡といえた。
元に戻ったと思ったら力が消えたのではなく、
力が消えたおかげで彼は助かったと彼女はそう結論した。
最初は意識不明にさせた『ゼロの使い魔』を殺したいほど憎んだが、
今ではきっと感謝の言葉を言うだろう。
さあ、この問題はこれで終わり。
だが彼女にとってもうひとつ大きな問題がある。
それは、
「あなたに聴きたいことがあるんだけど」
「ん?」
「あなたが私に言ったあの言葉は嘘だったの?」
「え”」
彼には浮気癖がある。それは認めよう。
でも今回は我慢できたが、今度は許さない。
彼は延々とモンモランシーの説教を聴く羽目になった。
怒る彼女にギーシュは謝ることしか出来ない。
ギーシュにとっての平和はまだ遠いだろう…。
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