「ゼロと魔王-08」(2011/10/01 (土) 09:41:24) の最新版変更点
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ゼロと魔王 第8話 聖剣杯 第一回戦
「さ〜〜あ!やって参りましたよ聖剣杯第一回戦!!実況はコルベール!」
「解説は学院長であるわしがやるぞ」
なぜかノリノリなコルベールとオールドオスマンが実況解説をしている中で、対戦者同士が睨み合っていた。
「まさか、初戦の相手があなたとはね・・・ツェルプストー!!」
そう言って今にも噛みつきそうなルイズ。
それとは対照的に、余裕そうな態度を崩した様子もなくキュルケは言う。
「初戦があなたとはね・・・これは楽勝なんじゃないかしら?」
「なんですって!?」
「だって、あなた魔法使えないでしょう?」
「ラハール!!あんた絶対に・・・・あんたなんか顔色悪いわよ?」
「初戦の相手はあれか・・・?」
「そうよ!だから絶対に勝たないといけないのよ!」
「オレ様はこの戦い棄権しようかと思うのだが・・・」
ルイズは少なからず驚いた、何せ相手が誰であろうとも突っかかりそうなラハールがそんな事を言ったのだ。
それも心なしか腰がひけているようにも見える。
「馬鹿言ってんじゃないわよ!ツェルプストー相手に棄権なんてヴァリエールの名が泣くわ!!」
「オレ様はな・・・」
「何よ?何かそれ相応な理由g・・・」
「オレ様は、ムチムチな奴が大の苦手なのだ!!」
軽くルイズが凍りついた。
それはそうだろう、まさかラハールにこんな弱点があるなんて少なくとも予想が付かなかったからだ。
だが、今思えばラハールはアンリエッタともかなり距離をとっていた気がする。
「え?・・・何それ・・・?」
「うるさい!それより、棄権だ棄権!」
ラハールがムチムチ嫌いになったのは、過去に色々あったからなのだが・・・ルイズがそんな事を知るはずがない。(詳しくは、ファミ通文庫出版の「魔界戦記ディスガイア HEART OF THE MAOH」を参照)
これが別の相手だったら、本来やる気のなかったルイズはこの提案に乗っただろう。
だが、相手がキュルケな時点で何が何でも勝たなければならないと考えているため、この提案に乗るわけにはいかない。
だから、なんとかしてラハールを戦わせる方法がないものか考える。
そして考え付いたのは・・・
「ふ、ふ〜ん、つまり相手が苦手な相手だからって逃げるんだ?」
「・・・なんだと?」
ラハールを挑発して、なんとかやる気を出させるというものだった。
だが、少なからず心配だったのは自分に後で何かあるかどうかであるが、そんなのを気にしている場合ではない。
「魔王って言っても大した事ないんじゃない?」
「ほほ〜う?あの時のオレ様の力を忘れたか?」
忘れるわけがない、あれほど恐怖したのは初めてなのだから。
「だったら、ツェルプストー倒して見せてよ。魔王だったら出来るでしょう?」
「グッ・・・しかしな・・・」
「な〜んだ、出来ないんだ」
「・・・いいだろう!やってやる!おい、早く始めろ!!」
(・・・もしかして、ラハールって結構バカ?)
とか思ったが、乗せる事には成功したのでそれで満足することにした。
「それでは、聖剣杯第一回戦ミス・ヴァリエールVSミス・ツェルプストーの試合を開始します。それでは始め!」
最初に動いたのはラハールで、剣を抜いたと同時に、手の甲のルーンが光ラハールのスピードが加速する。
「さっさと終わらせてやる!」
速攻勝負で終わらせようと考えているのだろう、真っすぐキュルケに斬りかかっていく。
だが、横からキュルケの使い魔のフレイムが吐いた炎がラハールを襲いかかる。
「チッ・・・」
それをマフラーで防いで距離をとる。
「確かにあなたは速いけど、それだけじゃ私には勝てないわよ」
「なら、これでもくらえ!『メガファイア』!!」
ファイア系の魔法のメガ級にあたるメガファイアを投げつける、当然剣を抜いてない状態だと使える魔法は初期魔法だけである。
「『フレイムボール』!」
だが、それをフレイムボールの魔法で相殺される。
力が下がったとはいえ、ラハールのメガファイアを相殺したあたり、さすがトライアングルメイジと言うべきか。
だが、相殺した本人は・・・
(ほとんどノータイムであれ?そのままぶち抜いて勝っとこうと思ったのに・・・これが東のメイジの力ってやつなのかしらね)
キュルケとしても、速攻で終わらせるつもりでいた。
この聖剣杯のルールは勝ち上がり方式で、使い魔もしくは主人を倒せば勝利なのだが、あまり一回の戦いで魔力を消耗するのは避けたい。
だから、ルイズを狙うかと思ったがラハールとキュルケの魔法は互角、それプラス相手は接近戦も出来ると来たものだからラハールから注意をそらすのは危険である。
使い魔であるフレイムは、砲台としては使えるだろうが、当然ラハールに接近戦を仕掛けられると確実に負ける。
こうなっては、相手をいかに近づかせないかが大切になってくる。
「さて、この状況どう見ますかオールド・オスマン氏」
「そうじゃのー、ミス・ヴァリエールの使い魔が使う魔法はミス・ツェルプストーが相殺できる。じゃから魔法で倒す方法をとるより、その魔法でいかに接近戦に持ち込めるかが要じゃろうな」
「ほう、それはまたなぜ?」
「ただ突っ込むだけではさっきみたいにミス・ツェルプストーの使い魔が近づけさせない、それにツェルプストーとの連携されたそれはもっと難しくなる。じゃから魔法をうまく使う必要があるわけじゃ。まあ、後はミス・ツェルプストーの魔力切れを狙うかじゃな」
「なるほど、それではミス・ツェルプストーが不利という訳ですな」
「ミス・ツェルプストー側から言ったら、一か八かで大技狙うとかしなくてはならんからな」
「なるほど、ですが大技を繰り出したとしても避けられる可能性があるのでは?」
「じゃから一か八かなのじゃよ。それに、使い魔だけでは抑えきれない可能性があるからの」
「この状況からどうなるか気になりましたな。・・・おおと!ここでミス・ヴァリエールの使い魔が動いた!」
「長期戦なんぞする気はない!すぐに決着をつけてやる!!」
ラハールがとった行動は、長期戦に持ち込むのではなく一気に勝負を決める方法を・・・つまりとりあえず突っ込むである。
だが、当然ただ突っ込むだけではなく今度はファイアの魔法を放って牽制する。
当然ファイアの魔法ではフレイムボールは相殺できないため、飛んできた魔法を避け、そこから一気に距離を詰める。
だが、そこでやはりフレイムの炎により距離を再び取らされる。
もう一度やるかと思ったら声が聞こえてきた。
「まったく・・・見ちゃいられねーな」
「む?何だこの声は?」
「こっちだこっち、おめぇさんの手に握ってるものだよ」
「握っている?剣しか・・・まさか剣がしゃべってるのか?」
「そうだよ、まあその辺の説明は後で誰かに聞きな、それよりお前完全に力押な戦い方してやがるな?」
「チマチマやっていてもしょうがないであろうが」
「それには賛成だが、もうちょっとマシな戦い方ってのがあるだろう」
「ほ〜う?それなら貴様はどんな戦い方をするというのだ?」
「ん〜?そうだな、まずお前さん使える魔法は火系統の魔法だけか?」
「基本的なオレ様の世界の攻撃系魔法は使えるが?」
「そうかい、なら氷出す魔法ないか?」
「あるが?」
「それなら今使える最高の氷系統の呪文を相手に放ちな。放ったらそれと同時に相手に斬りかかりる・・・それで勝てるはずだ」
「よく分からんがいいだろう・・・貴様名前は?」
「オイラはデルフリンガー、デルフとでも呼んでくれ相棒」
「そうか、デルフか・・・オレ様と言う魔王に使われる事をありがたく思うんだな」
「へ〜魔王ね〜、そいつは光栄だ。とりあえずあの娘っ子には負けないでくれよ魔王様」
「当然だ、オレ様は史上最凶の魔王だからな」
「あら?話は終わり?でも、その剣インテリジェンスソードだったのね。少し驚いたわ」
「そんな名前の剣のか?まあいい、今から決着をつけてやろう!」
「へ〜でも私も負けるつもりはないからその辺はよろしくね」
「言っていろ!『メガクール』!!」
ラハールは、そう言うとクール系のメガ級の魔法をキュルケに放つ。
火系統の魔法しか使えないと思っていたのを、さっきの火系統と同じレベルの魔法を放ったことに少し動揺したが、とっさにフレイムボールの魔法で相殺する。
だが、そこで問題が起きる。
「水蒸気!?しまった!フレイm・・・」
自分の使い魔を近くに呼び寄せようかと思ったが、フレイムの名前を言う前に冷たい感触を首に覚えて言葉を止める。
「オレ様の勝ちだ、降参するんだな」
水蒸気が晴れてきて、見ると自分の首に剣が押し当てられていた。
自分の負けは確定したと見ていいだろう。
フレイムは自分を巻き込まない為に、炎を吐けないみたいだ。
「・・・私の負けよ。降参」
「決まったーーーーー!!第1回戦の勝者はミス・ヴァリエールだーーーーーー!!!」
それを聞いた瞬間ラハールは急いでキュルケと距離をとっていた。
「ハァハァ・・・もう2度と近寄りたくないぞ・・・」
「まあ、とりあえず勝利おめでとうだ相棒」
「よくやったわラハール!あのツェルプストーn・・・」
そこで言葉をきったのは、今度はキュルケではなく、自分の首に剣を押し当てられたからだ。
「そういえば貴様、誰が大した事ないんだったか?」
「え、え〜っと・・・勝てたからいいじゃない。ね?」
「ね?ではないわ!!」
「まあまあ相棒、勝てたんだからいいじゃねーか」
「そういえばあんた、そのインテリジェンスソードどこから盗ってきたの?」
「盗ったのではない、倉庫にあったのをもらったのだ」
「倉庫?まあ、いいわ。それより速くここから出ましょう。次の試合が始まるわ」
「それもそうだな、行こうぜ相棒」
「分かった・・・だがさっきの事は後できっちりと教えてもらうからな?」
「え、ええ・・・(チッ!覚えてたか!)」
ラハール達が退場して行くのを冷ややかに見ているのがいた。
タバサである、もっとも、元々あまり感情を見せないからそう感じるだけかもしれないが・・・
その隣には、ローブで顔まで隠した女がいる。
「よかったわね、勝ったわよ」
「・・・そう」
「あれが勝ち上がらないとあなたは、絶好のチャンスを失くすものね。そう、あなたのお母さんを元に戻す方法が・・・ね」
「勝てば・・・」
「ええ、勝てば元に戻してあげるわ。もっとも、勝てればの話だけれどもね。まあせいぜい頑張りなさい」
すると女は人ごみに姿を消していく、それをにらみつけながらタバサは呟く。
「絶対に勝ってやる・・・!」
キュルケあたりが今のタバサを見たら驚いたであろう。
いつも感情を押し殺しているタバサが怒りという感情を見せたのだから・・・
#navi(ゼロと魔王)
#navi(ゼロと魔王)
ゼロと魔王 第8話 聖剣杯 第一回戦
「さ〜〜あ!やって参りましたよ聖剣杯第一回戦!!実況はコルベール!」
「解説は学院長であるわしがやるぞ」
なぜかノリノリなコルベールとオールドオスマンが実況解説をしている中で、対戦者同士が睨み合っていた。
「まさか、初戦の相手があなたとはね・・・ツェルプストー!!」
そう言って今にも噛みつきそうなルイズ。
それとは対照的に、余裕そうな態度を崩した様子もなくキュルケは言う。
「初戦があなたとはね・・・これは楽勝なんじゃないかしら?」
「なんですって!?」
「だって、あなた魔法使えないでしょう?」
「ラハール!!あんた絶対に・・・・あんたなんか顔色悪いわよ?」
「初戦の相手はあれか・・・?」
「そうよ!だから絶対に勝たないといけないのよ!」
「オレ様はこの戦い棄権しようかと思うのだが・・・」
ルイズは少なからず驚いた、何せ相手が誰であろうとも突っかかりそうなラハールがそんな事を言ったのだ。
それも心なしか腰がひけているようにも見える。
「馬鹿言ってんじゃないわよ!ツェルプストー相手に棄権なんてヴァリエールの名が泣くわ!!」
「オレ様はな・・・」
「何よ?何かそれ相応な理由g・・・」
「オレ様は、ムチムチな奴が大の苦手なのだ!!」
軽くルイズが凍りついた。
それはそうだろう、まさかラハールにこんな弱点があるなんて少なくとも予想が付かなかったからだ。
だが、今思えばラハールはアンリエッタともかなり距離をとっていた気がする。
「え?・・・何それ・・・?」
「うるさい!それより、棄権だ棄権!」
ラハールがムチムチ嫌いになったのは、過去に色々あったからなのだが・・・ルイズがそんな事を知るはずがない。(詳しくは、ファミ通文庫出版の「魔界戦記ディスガイア HEART OF THE MAOH」を参照)
これが別の相手だったら、本来やる気のなかったルイズはこの提案に乗っただろう。
だが、相手がキュルケな時点で何が何でも勝たなければならないと考えているため、この提案に乗るわけにはいかない。
だから、なんとかしてラハールを戦わせる方法がないものか考える。
そして考え付いたのは・・・
「ふ、ふ〜ん、つまり相手が苦手な相手だからって逃げるんだ?」
「・・・なんだと?」
ラハールを挑発して、なんとかやる気を出させるというものだった。
だが、少なからず心配だったのは自分に後で何かあるかどうかであるが、そんなのを気にしている場合ではない。
「魔王って言っても大した事ないんじゃない?」
「ほほ〜う?あの時のオレ様の力を忘れたか?」
忘れるわけがない、あれほど恐怖したのは初めてなのだから。
「だったら、ツェルプストー倒して見せてよ。魔王だったら出来るでしょう?」
「グッ・・・しかしな・・・」
「な〜んだ、出来ないんだ」
「・・・いいだろう!やってやる!おい、早く始めろ!!」
(・・・もしかして、ラハールって結構バカ?)
とか思ったが、乗せる事には成功したのでそれで満足することにした。
「それでは、聖剣杯第一回戦ミス・ヴァリエールVSミス・ツェルプストーの試合を開始します。それでは始め!」
最初に動いたのはラハールで、剣を抜いたと同時に、手の甲のルーンが光ラハールのスピードが加速する。
「さっさと終わらせてやる!」
速攻勝負で終わらせようと考えているのだろう、真っすぐキュルケに斬りかかっていく。
だが、横からキュルケの使い魔のフレイムが吐いた炎がラハールを襲いかかる。
「チッ・・・」
それをマフラーで防いで距離をとる。
「確かにあなたは速いけど、それだけじゃ私には勝てないわよ」
「なら、これでもくらえ!『メガファイア』!!」
ファイア系の魔法のメガ級にあたるメガファイアを投げつける、当然剣を抜いてない状態だと使える魔法は初期魔法だけである。
「『フレイムボール』!」
だが、それをフレイムボールの魔法で相殺される。
力が下がったとはいえ、ラハールのメガファイアを相殺したあたり、さすがトライアングルメイジと言うべきか。
だが、相殺した本人は・・・
(ほとんどノータイムであれ?そのままぶち抜いて勝っとこうと思ったのに・・・これが東のメイジの力ってやつなのかしらね)
キュルケとしても、速攻で終わらせるつもりでいた。
この聖剣杯のルールは勝ち上がり方式で、使い魔もしくは主人を倒せば勝利なのだが、あまり一回の戦いで魔力を消耗するのは避けたい。
だから、ルイズを狙うかと思ったがラハールとキュルケの魔法は互角、それプラス相手は接近戦も出来ると来たものだからラハールから注意をそらすのは危険である。
使い魔であるフレイムは、砲台としては使えるだろうが、当然ラハールに接近戦を仕掛けられると確実に負ける。
こうなっては、相手をいかに近づかせないかが大切になってくる。
「さて、この状況どう見ますかオールド・オスマン氏」
「そうじゃのー、ミス・ヴァリエールの使い魔が使う魔法はミス・ツェルプストーが相殺できる。じゃから魔法で倒す方法をとるより、その魔法でいかに接近戦に持ち込めるかが要じゃろうな」
「ほう、それはまたなぜ?」
「ただ突っ込むだけではさっきみたいにミス・ツェルプストーの使い魔が近づけさせない、それにツェルプストーとの連携されたそれはもっと難しくなる。じゃから魔法をうまく使う必要があるわけじゃ。まあ、後はミス・ツェルプストーの魔力切れを狙うかじゃな」
「なるほど、それではミス・ツェルプストーが不利という訳ですな」
「ミス・ツェルプストー側から言ったら、一か八かで大技狙うとかしなくてはならんからな」
「なるほど、ですが大技を繰り出したとしても避けられる可能性があるのでは?」
「じゃから一か八かなのじゃよ。それに、使い魔だけでは抑えきれない可能性があるからの」
「この状況からどうなるか気になりましたな。・・・おおと!ここでミス・ヴァリエールの使い魔が動いた!」
「長期戦なんぞする気はない!すぐに決着をつけてやる!!」
ラハールがとった行動は、長期戦に持ち込むのではなく一気に勝負を決める方法を・・・つまりとりあえず突っ込むである。
だが、当然ただ突っ込むだけではなく今度はファイアの魔法を放って牽制する。
当然ファイアの魔法ではフレイムボールは相殺できないため、飛んできた魔法を避け、そこから一気に距離を詰める。
だが、そこでやはりフレイムの炎により距離を再び取らされる。
もう一度やるかと思ったら声が聞こえてきた。
「まったく・・・見ちゃいられねーな」
「む?何だこの声は?」
「こっちだこっち、おめぇさんの手に握ってるものだよ」
「握っている?剣しか・・・まさか剣がしゃべってるのか?」
「そうだよ、まあその辺の説明は後で誰かに聞きな、それよりお前完全に力押な戦い方してやがるな?」
「チマチマやっていてもしょうがないであろうが」
「それには賛成だが、もうちょっとマシな戦い方ってのがあるだろう」
「ほ〜う?それなら貴様はどんな戦い方をするというのだ?」
「ん〜?そうだな、まずお前さん使える魔法は火系統の魔法だけか?」
「基本的なオレ様の世界の攻撃系魔法は使えるが?」
「そうかい、なら氷出す魔法ないか?」
「あるが?」
「それなら今使える最高の氷系統の呪文を相手に放ちな。放ったらそれと同時に相手に斬りかかりる・・・それで勝てるはずだ」
「よく分からんがいいだろう・・・貴様名前は?」
「オイラはデルフリンガー、デルフとでも呼んでくれ相棒」
「そうか、デルフか・・・オレ様と言う魔王に使われる事をありがたく思うんだな」
「へ〜魔王ね〜、そいつは光栄だ。とりあえずあの娘っ子には負けないでくれよ魔王様」
「当然だ、オレ様は史上最凶の魔王だからな」
「あら?話は終わり?でも、その剣インテリジェンスソードだったのね。少し驚いたわ」
「そんな名前の剣のか?まあいい、今から決着をつけてやろう!」
「へ〜でも私も負けるつもりはないからその辺はよろしくね」
「言っていろ!『メガクール』!!」
ラハールは、そう言うとクール系のメガ級の魔法をキュルケに放つ。
火系統の魔法しか使えないと思っていたのを、さっきの火系統と同じレベルの魔法を放ったことに少し動揺したが、とっさにフレイムボールの魔法で相殺する。
だが、そこで問題が起きる。
「水蒸気!?しまった!フレイm・・・」
自分の使い魔を近くに呼び寄せようかと思ったが、フレイムの名前を言う前に冷たい感触を首に覚えて言葉を止める。
「オレ様の勝ちだ、降参するんだな」
水蒸気が晴れてきて、見ると自分の首に剣が押し当てられていた。
自分の負けは確定したと見ていいだろう。
フレイムは自分を巻き込まない為に、炎を吐けないみたいだ。
「・・・私の負けよ。降参」
「決まったーーーーー!!第1回戦の勝者はミス・ヴァリエールだーーーーーー!!!」
それを聞いた瞬間ラハールは急いでキュルケと距離をとっていた。
「ハァハァ・・・もう2度と近寄りたくないぞ・・・」
「まあ、とりあえず勝利おめでとうだ相棒」
「よくやったわラハール!あのツェルプストーn・・・」
そこで言葉をきったのは、今度はキュルケではなく、自分の首に剣を押し当てられたからだ。
「そういえば貴様、誰が大した事ないんだったか?」
「え、え〜っと・・・勝てたからいいじゃない。ね?」
「ね?ではないわ!!」
「まあまあ相棒、勝てたんだからいいじゃねーか」
「そういえばあんた、そのインテリジェンスソードどこから盗ってきたの?」
「盗ったのではない、倉庫にあったのをもらったのだ」
「倉庫?まあ、いいわ。それより速くここから出ましょう。次の試合が始まるわ」
「それもそうだな、行こうぜ相棒」
「分かった・・・だがさっきの事は後できっちりと教えてもらうからな?」
「え、ええ・・・(チッ!覚えてたか!)」
ラハール達が退場して行くのを冷ややかに見ているのがいた。
タバサである、もっとも、元々あまり感情を見せないからそう感じるだけかもしれないが・・・
その隣には、ローブで顔まで隠した女がいる。
「よかったわね、勝ったわよ」
「・・・そう」
「あれが勝ち上がらないとあなたは、絶好のチャンスを失くすものね。そう、あなたのお母さんを元に戻す方法が・・・ね」
「勝てば・・・」
「ええ、勝てば元に戻してあげるわ。もっとも、勝てればの話だけれどもね。まあせいぜい頑張りなさい」
すると女は人ごみに姿を消していく、それをにらみつけながらタバサは呟く。
「絶対に勝ってやる・・・!」
キュルケあたりが今のタバサを見たら驚いたであろう。
いつも感情を押し殺しているタバサが怒りという感情を見せたのだから・・・
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