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「アウターゾーンZERO-02」(2011/07/04 (月) 18:13:11) の最新版変更点
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#navi(アウターゾーンZERO)
その頃、トリステイン魔法学院は大騒ぎになっていた。
謹慎中のルイズがいなくなったことはもちろんだが、学院の一室に安置されていたはずの才人の死体が消えてなくなっていたのだ。
ルイズが殺人で捕らえられることを恐れ、証拠隠滅のために死体を持ち去ったのか?
その路線が濃厚だ。
直ちに捜索隊が組まれ、ルイズの行方を追うことになった。
もし見つかれば、重い処分は免れないだろう。
話はトリステイン総合学院は戻る。
ルイズは学院長室に通された。
「ようこそ、我が学院へ。私が当学院長のエーゲリッヒ・オティアスです」
オティアスと名乗った学院長は、にこやかな笑みを浮かべていた。
しかし、どうも面に貼り付いたような笑顔が気になる。
魔法学院のオールド・オスマン学院長よりやや若く見える。頭は禿げ上がり、コルベールといい勝負だ。
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと申します。よろしくお願いします」
「まあ、そう堅くならずに。私が、この学院の案内をさせていただきます」
オティアス学院長が自ら案内役となり、学院内を見学することとなった。
「まず、この学院は徹底した学力による実力主義を取っています。クラス分けは学力によって決まり、クラスによって生徒の待遇が違います」
学院長の説明を、ルイズは神妙な面持ちで聞く。
「テストを毎日行い、成績の悪い者は下のクラスに落ちます。ただし良い者は上のクラスに上がれます。毎日、生徒の入れ替えがあります」
「あの……質問よろしいですか?」
「はい」
「毎日生徒が変わるのでは、担任の先生は混乱しませんか?」
「大丈夫です。生徒は番号に寄って管理されています。生徒のデータは、番号とテストの成績だけですので、混乱はありません」
番号で管理……まさしく牢獄だ。
「それと、クラスによって待遇の違いがあるとおっしゃいましたが、どんなものですか?」
「はい。食事の時間、上のクラスほど食べられる食事の種類が増えます。最下位のクラスに至っては、パンと水くらいしかありません。さらに、椅子に座ることさえ許されず、床で食事をします」
「そ、そんな……」
まさしく、貴族と平民の違いだ。いや、王族と奴隷と言っていい。
「いい食事をしたければ、上に上がるしかないのです。それが実力主義です。ははは」
そんな理不尽な……と言いかけて、飲み込んだ。
もしかしたら、才人に対しても、おそらく同じことをしたのではなかったか。
理不尽を、何の疑問も持たずに才人にしようとしていたのか。
「ご覧下さい。ここが最上位のクラスの教室です」
教室はまるで、王宮の一室のようにきらびやかだった。
椅子、机、その他備品に至るまで、ピカピカに磨き上げられている。
生徒たちは張りつめた空気の中、教師の説明を聞き、ノートを取っていた。
その後、他のクラスの授業を見て回った。
魔法学院と変わらない作りの教室。これは成績中位のクラス。
下位のクラスに行くにつれ、教室のグレードが下がっていく。
「こ、これは……」
最下位のクラスを見て、ルイズは唖然となった。
机も椅子もボロボロ、生徒たちはやせ細り、まさしく囚人のようだ。
「ここに落ちたら、なかなか上がれません。そうならないために、誰もが必死なのです」
ただよってきた異臭がルイズの鼻をつく。糞尿の臭いだ。
「あ、あの……トイレは……」
「行かせませんよ」
「……!?」
「トイレには行かせませんが、衛生に関わりますので、教室の後ろの容器にさせます」
何ということを。
それは、人としての尊厳を奪うということだ。
「そ、そんなことをしたら、生徒の親が黙っていないのでは……」
生徒たちの親は、おそらく貴族のはず。平民ならともかく、貴族の子供にこんなやり方が許されるはずがない。
「大丈夫です。ここはいわゆる治外法権となっていまして、国の法律の制約を受けないのです」
「し、しかし、生徒たちは貴族なんでしょう? もし親が聞いたら……王家に報告したら……」
「ここは存在が極秘の上、箝口令が生徒や父兄に行き届いておりますので、情報漏れはありません」
どうにも信じられない。
「貴族も平民も関係なく、人生は戦いです。戦いに勝ち抜いていくためには、これが最良の教育なのです」
ルイズは唖然として声も出ない。
その時、鐘が鳴った。
「あ、休み時間ですね。このクラスにはありませんが」
「休み時間がないんですか?」
「そうです。落ちこぼれた者に、休みは必要ありません。食事と睡眠以外は休みはなしです。ではそろそろ行きましょう」
学院長に連れられ、ルイズは教室を後にした。
「ん? 君、今廊下を走りましたね」
学院長は、小走りしていた男子生徒を呼び止めた。
「あ、あのトイレに……」
「いけませんねえ、規則は守らなければ」
学院長は、廊下の脇にあった鉄棒を手に取った。
「……えいっ!!」
「ぎゃっ!!」
頭を鉄棒で殴られ、男子生徒は倒れた。頭から血が流れている。
「な、何を……!!」
ルイズは息をのんだ。
「あー、これは教育的指導です。ははは」
学院長は笑いながら答える。
「こ、これ、死んで……」
「不幸な事故というものです。心配しなくてもそれは美化委員が片付けますから。ははは」
倒れた生徒は動かない。明らかに死んでいる。
しばらくして、美化委員らしき生徒たちが、無表情のまま死体を運んでいった。
別の生徒たちが、黙々と廊下の掃除をしている。
もうルイズは言葉がなかった。
ルイズは学院長室に戻った。
「以上が、当学院の概要です。さて……」
学院長は一枚の書類を差し出す。
「あなたはすでに、特待生として、推薦入学の許可が降りています。こちらの書類にサインしてもらえれば、あなたはここの生徒になれますが……もちろん無理にとは言いません」
サインをすれば、入学できる。
でも、どうする?
ここは明らかに異常だ。
貴族の子供をまるで囚人のように扱い、教育と言って殺すことも許される。
では、魔法学院に戻るか?
しかし戻った所で、人殺しとなじられる毎日が待っているだろう。
そして、また『ゼロのルイズ』と嘲られる。
でもここなら、特待生として入学できる。もうゼロと呼ばれることはない。
学業の成績なら自信がある。成績が良ければ、少なくとも、まともな暮らしは保証されるのだ。
ルイズは決心した。
「わ……わかりました。私、ここの生徒になります! 正直言ってまだ……狐につままれたような気分ですが……気に入りました!」
「そうですか……わかりました。ではサインをどうぞ」
ルイズは渡されたペンで、書類にサインをした。
「おめでとう! 今日からあなたは当学院の生徒です」
「お世話になります!」
ルイズは頭を深々と下げた。
「……早速ですが……あなたは当学院の規則に違反しています」
「え?」
「ピンク色の髪、マントの長さ、杖の長さ、吊り目、胸の大きさ……その他諸々で……全部合わせた処罰は……」
学院長は一旦言葉を切る。
「『終身独房にて学習』、ですね。ははは」
「ご、ご冗談を……」
「冗談なんかではありませんよ。……入りなさい」
その時、学院長室のドアが開いた。
続いて、大柄な黒服の男が二人は言ってきた。
「な、何を……!!」
驚く間もなく、ルイズは両脇を掴まれてしまった。
「は、離しなさい!! こんなことをしてただで済むと思ってるの!? 私を誰だと……」
「だから言ったでしょう、ここは貴族も平民も関係ないのです」
ルイズは必死に暴れたが、男たちの力にはかなわない。
「は、離して!!」
抵抗空しく、地下室の独房に引きずられるように連れて行かれた。
「きゃっ!」
独房に放り込まれたルイズは、床に倒れた。
「や、やめて!!」
続いて鎖で手足、首までも繋がれる。
「な、なぜ!? なぜこんなことをするの!?」
「なぜだか教えてあげましょうか」
ついてきた学院長が、顔面に手をかける。
「バカ貴族のあなたには……」
学院長の顔面がはずれた。仮面を付けていたのだ。
「言っても無駄だからですよ」
現れた素顔は、ルイズがはずみで殺したはずの才人の顔だった。
「サイト!?」
学院長……才人が出て行った後、重い扉が音を立てて閉まった。
それから、連日……。
「なんだなんだ! ほとんど間違えているじゃないか!!」
「す、すみません……お腹がすいてて……」
「何度謝ったら気が済むんだ! 犬でももっとマシな物覚えだぞ!」
「ぐっ……」
「何だ、その目は! 反抗した罰として、鞭打ち30発!!」
「ぎゃああああああっ!! 痛い!! 痛い!! 許して下さいー!!」
その後……行方不明になったルイズは、結局見つかることはありませんでした。
使い魔を死なせたことを苦に逃亡したものと処理されましたが……皆さんはおわかりのはずです。
抜け出すチャンスがありながら、彼女はアウターゾーンから出られなくなってしまったことを……。
場面は日本へと移ります。
「あいててて……」
もうろうとする意識は、頭痛で次第にハッキリしてきた。
「……おっ、気がついたか。大丈夫か?」
誰かが呼ぶ声がする。
「! こ、ここはどこだ!?」
才人は弾かれるように起き上がる。すると、見慣れた景色が目に飛び込んできた。
周囲には人だかりができている。
「え? 秋葉原だけど……」
野次馬の一人が答えた。
「秋葉原? あの時俺は、召喚されて……」
あの時ルイズに暴行を受けて死んだはず……。
「君、悪い夢でも見てたのか? うなされてたよ」
「夢? じゃあ、あれは全部……夢だったのか? ……こ、これは……!」
腕には生々しい鞭の跡が残っている。ルイズにやられたものだ。それ以外は考えられない。
「一体……何があったんだ? 何がどうなったんだ?」
彼は死んではおらず、仮死状態になっていただけでした。
どうやら、それで彼はアウターゾーンから抜け出せたようですね。
さて、皆さんもハルケギニアへおいでの際は、トリステイン総合学院へ入学しませんか?
ただし、厳しい教育方針ですのでそのつもりで!
#navi(アウタゾーンZERO)
#navi(アウターゾーンZERO)
その頃、トリステイン魔法学院は大騒ぎになっていた。
謹慎中のルイズがいなくなったことはもちろんだが、学院の一室に安置されていたはずの才人の死体が消えてなくなっていたのだ。
ルイズが殺人で捕らえられることを恐れ、証拠隠滅のために死体を持ち去ったのか?
その路線が濃厚だ。
直ちに捜索隊が組まれ、ルイズの行方を追うことになった。
もし見つかれば、重い処分は免れないだろう。
話はトリステイン総合学院は戻る。
ルイズは学院長室に通された。
「ようこそ、我が学院へ。私が当学院長のエーゲリッヒ・オティアスです」
オティアスと名乗った学院長は、にこやかな笑みを浮かべていた。
しかし、どうも面に貼り付いたような笑顔が気になる。
魔法学院のオールド・オスマン学院長よりやや若く見える。頭は禿げ上がり、コルベールといい勝負だ。
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと申します。よろしくお願いします」
「まあ、そう堅くならずに。私が、この学院の案内をさせていただきます」
オティアス学院長が自ら案内役となり、学院内を見学することとなった。
「まず、この学院は徹底した学力による実力主義を取っています。クラス分けは学力によって決まり、クラスによって生徒の待遇が違います」
学院長の説明を、ルイズは神妙な面持ちで聞く。
「テストを毎日行い、成績の悪い者は下のクラスに落ちます。ただし良い者は上のクラスに上がれます。毎日、生徒の入れ替えがあります」
「あの……質問よろしいですか?」
「はい」
「毎日生徒が変わるのでは、担任の先生は混乱しませんか?」
「大丈夫です。生徒は番号に寄って管理されています。生徒のデータは、番号とテストの成績だけですので、混乱はありません」
番号で管理……まさしく牢獄だ。
「それと、クラスによって待遇の違いがあるとおっしゃいましたが、どんなものですか?」
「はい。食事の時間、上のクラスほど食べられる食事の種類が増えます。最下位のクラスに至っては、パンと水くらいしかありません。さらに、椅子に座ることさえ許されず、床で食事をします」
「そ、そんな……」
まさしく、貴族と平民の違いだ。いや、王族と奴隷と言っていい。
「いい食事をしたければ、上に上がるしかないのです。それが実力主義です。ははは」
そんな理不尽な……と言いかけて、飲み込んだ。
もしかしたら、才人に対しても、おそらく同じことをしたのではなかったか。
理不尽を、何の疑問も持たずに才人にしようとしていたのか。
「ご覧下さい。ここが最上位のクラスの教室です」
教室はまるで、王宮の一室のようにきらびやかだった。
椅子、机、その他備品に至るまで、ピカピカに磨き上げられている。
生徒たちは張りつめた空気の中、教師の説明を聞き、ノートを取っていた。
その後、他のクラスの授業を見て回った。
魔法学院と変わらない作りの教室。これは成績中位のクラス。
下位のクラスに行くにつれ、教室のグレードが下がっていく。
「こ、これは……」
最下位のクラスを見て、ルイズは唖然となった。
机も椅子もボロボロ、生徒たちはやせ細り、まさしく囚人のようだ。
「ここに落ちたら、なかなか上がれません。そうならないために、誰もが必死なのです」
ただよってきた異臭がルイズの鼻をつく。糞尿の臭いだ。
「あ、あの……トイレは……」
「行かせませんよ」
「……!?」
「トイレには行かせませんが、衛生に関わりますので、教室の後ろの容器にさせます」
何ということを。
それは、人としての尊厳を奪うということだ。
「そ、そんなことをしたら、生徒の親が黙っていないのでは……」
生徒たちの親は、おそらく貴族のはず。平民ならともかく、貴族の子供にこんなやり方が許されるはずがない。
「大丈夫です。ここはいわゆる治外法権となっていまして、国の法律の制約を受けないのです」
「し、しかし、生徒たちは貴族なんでしょう? もし親が聞いたら……王家に報告したら……」
「ここは存在が極秘の上、箝口令が生徒や父兄に行き届いておりますので、情報漏れはありません」
どうにも信じられない。
「貴族も平民も関係なく、人生は戦いです。戦いに勝ち抜いていくためには、これが最良の教育なのです」
ルイズは唖然として声も出ない。
その時、鐘が鳴った。
「あ、休み時間ですね。このクラスにはありませんが」
「休み時間がないんですか?」
「そうです。落ちこぼれた者に、休みは必要ありません。食事と睡眠以外は休みはなしです。ではそろそろ行きましょう」
学院長に連れられ、ルイズは教室を後にした。
「ん? 君、今廊下を走りましたね」
学院長は、小走りしていた男子生徒を呼び止めた。
「あ、あのトイレに……」
「いけませんねえ、規則は守らなければ」
学院長は、廊下の脇にあった鉄棒を手に取った。
「……えいっ!!」
「ぎゃっ!!」
頭を鉄棒で殴られ、男子生徒は倒れた。頭から血が流れている。
「な、何を……!!」
ルイズは息をのんだ。
「あー、これは教育的指導です。ははは」
学院長は笑いながら答える。
「こ、これ、死んで……」
「不幸な事故というものです。心配しなくてもそれは美化委員が片付けますから。ははは」
倒れた生徒は動かない。明らかに死んでいる。
しばらくして、美化委員らしき生徒たちが、無表情のまま死体を運んでいった。
別の生徒たちが、黙々と廊下の掃除をしている。
もうルイズは言葉がなかった。
ルイズは学院長室に戻った。
「以上が、当学院の概要です。さて……」
学院長は一枚の書類を差し出す。
「あなたはすでに、特待生として、推薦入学の許可が降りています。こちらの書類にサインしてもらえれば、あなたはここの生徒になれますが……もちろん無理にとは言いません」
サインをすれば、入学できる。
でも、どうする?
ここは明らかに異常だ。
貴族の子供をまるで囚人のように扱い、教育と言って殺すことも許される。
では、魔法学院に戻るか?
しかし戻った所で、人殺しとなじられる毎日が待っているだろう。
そして、また『ゼロのルイズ』と嘲られる。
でもここなら、特待生として入学できる。もうゼロと呼ばれることはない。
学業の成績なら自信がある。成績が良ければ、少なくとも、まともな暮らしは保証されるのだ。
ルイズは決心した。
「わ……わかりました。私、ここの生徒になります! 正直言ってまだ……狐につままれたような気分ですが……気に入りました!」
「そうですか……わかりました。ではサインをどうぞ」
ルイズは渡されたペンで、書類にサインをした。
「おめでとう! 今日からあなたは当学院の生徒です」
「お世話になります!」
ルイズは頭を深々と下げた。
「……早速ですが……あなたは当学院の規則に違反しています」
「え?」
「ピンク色の髪、マントの長さ、杖の長さ、吊り目、胸の大きさ……その他諸々で……全部合わせた処罰は……」
学院長は一旦言葉を切る。
「『終身独房にて学習』、ですね。ははは」
「ご、ご冗談を……」
「冗談なんかではありませんよ。……入りなさい」
その時、学院長室のドアが開いた。
続いて、大柄な黒服の男が二人は言ってきた。
「な、何を……!!」
驚く間もなく、ルイズは両脇を掴まれてしまった。
「は、離しなさい!! こんなことをしてただで済むと思ってるの!? 私を誰だと……」
「だから言ったでしょう、ここは貴族も平民も関係ないのです」
ルイズは必死に暴れたが、男たちの力にはかなわない。
「は、離して!!」
抵抗空しく、地下室の独房に引きずられるように連れて行かれた。
「きゃっ!」
独房に放り込まれたルイズは、床に倒れた。
「や、やめて!!」
続いて鎖で手足、首までも繋がれる。
「な、なぜ!? なぜこんなことをするの!?」
「なぜだか教えてあげましょうか」
ついてきた学院長が、顔面に手をかける。
「バカ貴族のあなたには……」
学院長の顔面がはずれた。仮面を付けていたのだ。
「言っても無駄だからですよ」
現れた素顔は、ルイズがはずみで殺したはずの才人の顔だった。
「サイト!?」
学院長……才人が出て行った後、重い扉が音を立てて閉まった。
それから、連日……。
「なんだなんだ! ほとんど間違えているじゃないか!!」
「す、すみません……お腹がすいてて……」
「何度謝ったら気が済むんだ! 犬でももっとマシな物覚えだぞ!」
「ぐっ……」
「何だ、その目は! 反抗した罰として、鞭打ち30発!!」
「ぎゃああああああっ!! 痛い!! 痛い!! 許して下さいー!!」
その後……行方不明になったルイズは、結局見つかることはありませんでした。
使い魔を死なせたことを苦に逃亡したものと処理されましたが……皆さんはおわかりのはずです。
抜け出すチャンスがありながら、彼女はアウターゾーンから出られなくなってしまったことを……。
場面は日本へと移ります。
「あいててて……」
もうろうとする意識は、頭痛で次第にハッキリしてきた。
「……おっ、気がついたか。大丈夫か?」
誰かが呼ぶ声がする。
「! こ、ここはどこだ!?」
才人は弾かれるように起き上がる。すると、見慣れた景色が目に飛び込んできた。
周囲には人だかりができている。
「え? 秋葉原だけど……」
野次馬の一人が答えた。
「秋葉原? あの時俺は、召喚されて……」
あの時ルイズに暴行を受けて死んだはず……。
「君、悪い夢でも見てたのか? うなされてたよ」
「夢? じゃあ、あれは全部……夢だったのか? ……こ、これは……!」
腕には生々しい鞭の跡が残っている。ルイズにやられたものだ。それ以外は考えられない。
「一体……何があったんだ? 何がどうなったんだ?」
彼は死んではおらず、仮死状態になっていただけでした。
どうやら、それで彼はアウターゾーンから抜け出せたようですね。
さて、皆さんもハルケギニアへおいでの際は、トリステイン総合学院へ入学しませんか?
ただし、厳しい教育方針ですのでそのつもりで!
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