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「堕天召喚録カイジ 第8話」(2009/04/11 (土) 20:18:13) の最新版変更点
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第八話「予言」
(なんだっ……なんなんだっ……!
この威圧感っ……! へ、平民ごときがっ……まるで……歴戦のメイジのようなこの威圧感はっ……!)
ギーシュの予感は半ば当たっていた。カイジはこれまで何度も生死を分ける戦いを潜り抜けてきたっ……!
限定ジャンケンっ……! 橋渡りっ……! Eカードっ……! 会長との一騎打ちっ……! 地下チンチロっ……! そして、パチンコっ……!
その経験は、貴族とはいえまだ子供のギーシュを圧倒するものっ……!
汗を流すギーシュ。無理もなかった。いうなれば、これがギーシュの初陣っ……! 新兵っ……!
(的っ……! 的っ……! ククク……お前は無防備な的に過ぎないっ……!
狙って撃つだけっ……! 簡単なことだっ……!)
場に開かれたカードは六枚っ……!
いずれも『平民』のカードであった。
Eカードの勝負は実質4回っ……事実上、これが最終戦っ……!
(なんで……なんでこんなことにっ……!)
ボロ…… ボロ……
ギーシュは後悔に涙を流した。思えば、ゲームの最初から、ペースはカイジのほうにあったのだった。
ゲームの最初、ルールを説明したカイジは、奴隷側を選択すると同時に、1ゲーム限りのサドンデスを提案したのだった。
ざわ…… ざわ……
「なんだと……? 1ゲーム勝負っ……!? こいつ、馬鹿ざんすかっ……!?
1ゲームなら、皇帝を持つプレイヤーが圧倒的に有利っ……! そんなのが勝負になるかっ……!
クズっ……クズっ……クズっ……!」
ざわめく観客。ギーシュはいっそ席を蹴ってしまおうと思って、カイジに罵詈雑言を浴びせた。
だが、カイジは動揺する様子もない。むしろ、いっそうふてぶてしく笑った。
「ククク……これは俺からのハンデっ……! このゲームを初めて行うギーシュくんへのプレゼントっ……!
どうした? 有利すぎて怖いか……? ククク……」
えぇ~っ……!!
取り囲む生徒たちが声を上げた。平民……しかも使い魔が、貴族にハンデをつけてやるといいのけたのだ。
「舐められてるっ……! 舐められてるぞギーシュっ……!」
「やっつけろっ……! そんな平民に負けるのは、貴族の恥っ……!」
ギーシュに対して声援が飛ぶ。しかしその声は、ますますギーシュを椅子に縛り付けるっ……!
「やめてください、カイジさんっ! 無茶です!」
一方、カイジに声をかけたのは美心っ……! 坂崎のおっちゃんの娘っ……当年20歳っ……!
ぐにゃあ~
カイジの顔から見る見る力が抜けていく。
(はぁ~っ……! すっごい……やる気が下がる……! だって美心……美心だもん……どう見てもっ……!)
「あの……シエスタさん……。俺、平気ですから……勝ちますから……
その……厨房で安心していてください……」
「カイジさん……わたし……待ってますから」
危ない雰囲気である。
死亡フラグ……というか、生還したときに始まるペロペロ地獄っ……!
だが、ギーシュはちょっと別の感想を抱いたようであった。これだから人の趣味はわからないっ……!
「くっ……! あんな可愛いメイドまで誑かしてっ……! 許せんっ……!
このギーシュ・ド・グラモンが成敗するっ……! カードをよこせっ……!
チェックっ……! イカサマがないかどうかをチェックするっ……!」
カードをカイジの手から引ったくり、丹念に調べ始めるギーシュ。これだけ自信満々な様子では、イカサマを疑うのも当然である。
がっ……駄目っ……! イカサマらしき仕掛けはみつからないっ……!
(仕掛けや目印でないなら……協力者っ……! まさか、ルイズざんすかっ……!?
ゼロのルイズが僕のカードを覗いているんざんすかっ……!?)
慌てて周りを見回すが、ルイズらしき人影はいない。
いや……たった今、遠くから走ってくるところであった。
「馬鹿っ……! 馬鹿っ……! 馬鹿っ……! 馬鹿っ……! 貴様っ……! 使い魔の分際でっ……! 勝手に決闘だとっ……!
ふざけるなよっ……! あぁ~んっ……!? 今すぐ謝罪しろっ……! 謝罪っ……! 謝罪っ……!」
ククク……! キキキ……! カカカ……!
と奇妙な笑い声を上げながらムチを振りかざすルイズ。しかし、振り下ろしたムチは、カイジによってしっかりと掴まれた。
カイジはきっとルイズをにらむ。思わず、「ひっ」とルイズは悲鳴を上げた。
「黙れっ……! これはお前には関係ないっ……! 俺の問題……! 俺の勝負だっ……! ちょうどいい、そこでおとなしく見てろっ……! 貴族を打ち倒す奴隷の姿をっ……!
そう……人間の姿っ……! いいか、人間に貴族も平民もないっ……! 生命っ……! 闇に抗うほのかなともし火があるだけっ……!
圧倒的暗闇のなかで……身を寄せ合って生きていくしかない灯火っ……! それが生命っ……!
そんなこともわからないのは貴族でもなんでもないっ……! ただの腐敗……! ならば、俺が変えてやるっ……! この大地をっ……!
これが俺の戦いの始まりっ……! パールハーバーっ……! トラ・トラ・トラっ……! 投下っ……!」
「な、なによ? その『とら』ってのは! 訳わかんない!」
まくし立てるカイジに、ルイズが気おされつつも怒鳴る。
カイジは、そんなルイズにそっと呟いた。
「意味はわからなくていい……。伝えとけ……『ちゃんとそっちも書け』ってな……。さぁて、ギイ……じゃない、ギーシュ」
カイジはギーシュに向き直った。
「ククク……ちょっとした予言をしてやるっ……!」
「なに……予言だと……?」
思わぬカイジの言葉にギーシュがうろたえた。なぜこうまでこの平民は自信に満ちているのか。
ひょっとして、自分の知らないすごい力を隠しているのでは……?
「宣言しておこうっ……! お前は四枚目に皇帝を出し、俺が奴隷を出すっ……!
それで決着っ……! お前の命を貰う……!」
ざわ…… ざわ……
ざわ…… ざわ……
第八話「予言」終わり
#navi(堕天召喚録カイジ)
第八話「予言」
(なんだっ……なんなんだっ……!
この威圧感っ……! へ、平民ごときがっ……まるで……歴戦のメイジのようなこの威圧感はっ……!)
ギーシュの予感は半ば当たっていた。カイジはこれまで何度も生死を分ける戦いを潜り抜けてきたっ……!
限定ジャンケンっ……! 橋渡りっ……! Eカードっ……! 会長との一騎打ちっ……! 地下チンチロっ……! そして、パチンコっ……!
その経験は、貴族とはいえまだ子供のギーシュを圧倒するものっ……!
汗を流すギーシュ。無理もなかった。いうなれば、これがギーシュの初陣っ……! 新兵っ……!
(的っ……! 的っ……! ククク……お前は無防備な的に過ぎないっ……!
狙って撃つだけっ……! 簡単なことだっ……!)
場に開かれたカードは六枚っ……!
いずれも『平民』のカードであった。
Eカードの勝負は実質4回っ……事実上、これが最終戦っ……!
(なんで……なんでこんなことにっ……!)
ボロ…… ボロ……
ギーシュは後悔に涙を流した。思えば、ゲームの最初から、ペースはカイジのほうにあったのだった。
ゲームの最初、ルールを説明したカイジは、奴隷側を選択すると同時に、1ゲーム限りのサドンデスを提案したのだった。
ざわ…… ざわ……
「なんだと……? 1ゲーム勝負っ……!? こいつ、馬鹿ざんすかっ……!?
1ゲームなら、皇帝を持つプレイヤーが圧倒的に有利っ……! そんなのが勝負になるかっ……!
クズっ……クズっ……クズっ……!」
ざわめく観客。ギーシュはいっそ席を蹴ってしまおうと思って、カイジに罵詈雑言を浴びせた。
だが、カイジは動揺する様子もない。むしろ、いっそうふてぶてしく笑った。
「ククク……これは俺からのハンデっ……! このゲームを初めて行うギーシュくんへのプレゼントっ……!
どうした? 有利すぎて怖いか……? ククク……」
えぇ~っ……!!
取り囲む生徒たちが声を上げた。平民……しかも使い魔が、貴族にハンデをつけてやるといいのけたのだ。
「舐められてるっ……! 舐められてるぞギーシュっ……!」
「やっつけろっ……! そんな平民に負けるのは、貴族の恥っ……!」
ギーシュに対して声援が飛ぶ。しかしその声は、ますますギーシュを椅子に縛り付けるっ……!
「やめてください、カイジさんっ! 無茶です!」
一方、カイジに声をかけたのは美心っ……! 坂崎のおっちゃんの娘っ……当年20歳っ……!
ぐにゃあ~
カイジの顔から見る見る力が抜けていく。
(はぁ~っ……! すっごい……やる気が下がる……! だって美心……美心だもん……どう見てもっ……!)
「あの……シエスタさん……。俺、平気ですから……勝ちますから……
その……厨房で安心していてください……」
「カイジさん……わたし……待ってますから」
危ない雰囲気である。
死亡フラグ……というか、生還したときに始まるペロペロ地獄っ……!
だが、ギーシュはちょっと別の感想を抱いたようであった。これだから人の趣味はわからないっ……!
「くっ……! あんな可愛いメイドまで誑かしてっ……! 許せんっ……!
このギーシュ・ド・グラモンが成敗するっ……! カードをよこせっ……!
チェックっ……! イカサマがないかどうかをチェックするっ……!」
カードをカイジの手から引ったくり、丹念に調べ始めるギーシュ。これだけ自信満々な様子では、イカサマを疑うのも当然である。
がっ……駄目っ……! イカサマらしき仕掛けはみつからないっ……!
(仕掛けや目印でないなら……協力者っ……! まさか、ルイズざんすかっ……!?
ゼロのルイズが僕のカードを覗いているんざんすかっ……!?)
慌てて周りを見回すが、ルイズらしき人影はいない。
いや……たった今、遠くから走ってくるところであった。
「馬鹿っ……! 馬鹿っ……! 馬鹿っ……! 馬鹿っ……! 貴様っ……! 使い魔の分際でっ……! 勝手に決闘だとっ……!
ふざけるなよっ……! あぁ~んっ……!? 今すぐ謝罪しろっ……! 謝罪っ……! 謝罪っ……!」
ククク……! キキキ……! カカカ……!
と奇妙な笑い声を上げながらムチを振りかざすルイズ。しかし、振り下ろしたムチは、カイジによってしっかりと掴まれた。
カイジはきっとルイズをにらむ。思わず、「ひっ」とルイズは悲鳴を上げた。
「黙れっ……! これはお前には関係ないっ……! 俺の問題……! 俺の勝負だっ……! ちょうどいい、そこでおとなしく見てろっ……! 貴族を打ち倒す奴隷の姿をっ……!
そう……人間の姿っ……! いいか、人間に貴族も平民もないっ……! 生命っ……! 闇に抗うほのかなともし火があるだけっ……!
圧倒的暗闇のなかで……身を寄せ合って生きていくしかない灯火っ……! それが生命っ……!
そんなこともわからないのは貴族でもなんでもないっ……! ただの腐敗……! ならば、俺が変えてやるっ……! この大地をっ……!
これが俺の戦いの始まりっ……! パールハーバーっ……! トラ・トラ・トラっ……! 投下っ……!」
「な、なによ? その『とら』ってのは! 訳わかんない!」
まくし立てるカイジに、ルイズが気おされつつも怒鳴る。
カイジは、そんなルイズにそっと呟いた。
「意味はわからなくていい……。伝えとけ……『ちゃんとそっちも書け』ってな……。さぁて、ギイ……じゃない、ギーシュ」
カイジはギーシュに向き直った。
「ククク……ちょっとした予言をしてやるっ……!」
「なに……予言だと……?」
思わぬカイジの言葉にギーシュがうろたえた。なぜこうまでこの平民は自信に満ちているのか。
ひょっとして、自分の知らないすごい力を隠しているのでは……?
「宣言しておこうっ……! お前は四枚目に皇帝を出し、俺が奴隷を出すっ……!
それで決着っ……! お前の命を貰う……!」
ざわ…… ざわ……
ざわ…… ざわ……
第八話「予言」終わり
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