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#navi(Maximusな使い魔)
#setpagename(Maximusな使い魔 第07話)
「どこもおかしくないみたいね」
服を着終えたルイズが、鏡の前でクルッと回る。
マキシマが人の着替えを手伝うのは初めてだと言っていたが、特に問題ないようだ。
朝食をとりに向かうためにドアを開ける。
すると、褐色肌に赤髪のグラマラスな少女が、同じタイミングでドアから出てきた。
「……おはようツェルプストー」
「あら、おはようヴァリエール。あなたの方から挨拶してくるなんて珍しいじゃない。悪いものでも食べたの?」
鉢合せになった赤髪の少女に挨拶をするルイズと、からかうように返す少女。
「…たまにこっちから挨拶してみれば何で憎まれ口を叩くのよ!ハァ…。面倒だから挨拶だけしてさっさと通り過ぎようと
思ったのに…」
「サラリと酷いこというわねあなた…」
どうやらこの少女はルイズのケンカ友達のようなものみたいだ。
二人にそう言ったら全力で否定しそうだが…。
予想外に反応が薄いルイズに対して(次はどの角度で攻めようかしら)と少女が企んでいると、ルイズの後に
続けて出てきた大男に気が付く。
「あなた確かヴァリエールが召喚した…」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、マキシマをジロジロと見ながら「ふ~ん」とか「へぇ~」と呟きながら観察する。
そしてアハハハと笑い出した。
「ほんとに人間なのね。凄いじゃない!平民の使い魔なんて聞いたことないわ!」
「うるさいわね!関係ないでしょ!」
食いついた食いついた!と、内心ほくそ笑む少女。
「ごきげんよう。私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。二つ名は「微熱」
よ。気軽にキュルケって呼んで頂戴。あなたお名前は?」
「マキシマだ」
キュルケの自己紹介に短く返すマキシマ。
どうやらキュルケは、昨日の生徒たちとは違いルイズを馬鹿にしているのではなく、少しからかってその
反応を見て楽しんでいるようだ。
それにしても と、キュルケがマキシマにしなだれかかる。
「すごく大きいわね。私、たくましい男の人は嫌いじゃないわ」
「そいつはどうも。俺もアンタの事はきらいじゃあないぜ」
キュルケの艶やかな言葉に平然と返すマキシマ。
その様子を見ていたルイズが、ぷーっと頬を膨らませる。
「ちょっとツェルプストー!何私の使い魔に手を出してるのよ!」
マキシマとキュルケの間に入り二人を引き離すルイズ。
「あんたも!何鼻の下伸ばしてるのよ!」
「別にそんなつもりはないんだが…」
「言い訳しない!」
どうやらルイズには、マキシマがキュルケにデレデレしているように見えたらしい。
無論そんな事は無いのだが、今のルイズには何を言っても無駄だろう。
そんな二人を見て、クスクスと笑っていたキュルケが、今度はルイズに絡み始める。
「ウフフ…。確かに頼もしそうな平民だけど、使い魔ってのはやっぱりこうでなくちゃね」
おいで とキュルケが手招きすると、彼女の部屋からのそのそと大きなトカゲが出てきた。
体が赤く、尻尾に炎を灯したそれは、頭を彼女に撫でられると、気持ちよさそうに目を細めた。
「この子はフレイム。私の使い魔よ」
そう言いながら燃えるような赤い髪をかき上げる姿は、結構サマになっていた。
「それって…サラマンダー?」
「えぇ。それにみて?この尻尾の炎!。これだけ綺麗な色をした炎だと、きっと火竜山脈に棲むサラマンダーね」
自慢げに答えるキュルケに、悔しそうに唸るルイズ。
その様子を見て、満足そうな顔をしたキュルケが、誘うようにマキシマに話しかける。
「ヴァリエールの所が嫌になったら、私の所に来てもいいわよ?特別に使用人として雇ってあげる」
その言葉に ふむ と顎に手を当てたマキシマだったが
「せっかくだが、遠慮させてもらう。嬢ちゃんの世話をする奴が居なくなっちまうからな」
後ろ半分をルイズに聞こえないように小声で言うマキシマに、キュルケは一瞬だけ、とても優しそうな顔を
見せた。
「そ。残念ね。それじゃあ私はもう行くわ。あなたも急いだら?ヴァリエール。朝食に間に合わなくっちゃうわよ?
ただでさえない胸が、もっと痩せちゃったらどうするの?」
「あんたは一言も二言も余計なのよ!この牛!!」
ルイズをからかい、分かれ際に彼女が残した言葉を、マキシマはそっと胸にしまった。
『あの子はそんなに強くないから、守ってあげてね。頼もしい使い魔さん』
―――――――――――――――――――
「こいつは凄いな…」
マキシマが感嘆の声をあげる。
「どう?ここがトリステイン魔法学院の誇る大食堂『アルヴィーズの食堂』よ」
そう言いながら、なぜか偉そうに胸を張るルイズ。
二人はキュルケと分かれた後、当初の目的を果たす為、ここ『アルヴィーズの食堂』に来ていた。
「『アルヴィーズ』てのは何のことなんだ?」
「まわりにある小人の像たちのことよ。魔法がかかっていて、夜中になると踊ったりするらしいわよ?私は見た事ないけど…」
大体夜中に食堂になんていかないわよね と続けるルイズに、そりゃそうだ と言いながら椅子を引いてやるマキシマ。
「気が利くじゃない。まずは合格ね」
一体何に合格したというのだろうか。
「ところで俺は何処に座ったらいいんだ?この椅子じゃあ、少し小さすぎるんだが…」
しっかりとした作りの椅子だが、マキシマの大きな尻を乗せるのには若干不安がある。
体の大きなマキシマを、床に座らせるわけにもいかない。
そんな事をすれば誰もその道を通れなくなってしまう。
「そうね…。じゃあ厨房に行って何か食べさせてもらってきて?私が話を通しておくから。食事が終わったら、入り口で落ち合いましょう」
ルイズに言われた通り、厨房へと向う。
「あ!マキシマさん!」
後ろから、今朝聞いた覚えのある声で話しかけられた。
「ミス・ヴァリエールから話を聞いてきました。賄いでよかったら、食べていってください!」
元気良く微笑みかけてくる少女の正体は、シエスタだった。
言われるままに厨房の中へ入っていくマキシマを驚いた顔で見る使用人達だったが、マキシマが笑顔で挨拶をすると皆気のいい返事を返した。
そうしてテーブルに座ると、シチューのようなスープが運ばれてきた。
「悪いな。いきなり来て飯を食わせてもらっちまって」
「いいんですよ。今朝のお礼です!」
スープを口に運んだマキシマは、「ほう…」っと、感心する。
薄すぎず濃すぎない味に、適度な柔らかさの野菜。
結構手の込んだものだろう。
「こいつは美味い。特別な調味料を使ってるわけでもなさそうだが…。ここのコックはかなり料理の腕がいいみたいだな」
それを聞いたここのコック長らしきおやじが、マキシマの元へとやってくる。
「ガッハッハッハ!!お前さんなかなか分かってるじゃねぇか!そんなにデカイ体なら食う量も多いだろう?たっぷりあるからいくらでも食ってきな!!」
マキシマの広い背中をバンバンと叩き、豪快に笑いながらそういうと、もう一つ大きな皿を持ってくる。
見た目通りの、豪快な性格らしい。
「俺はここの料理長のマルトーってんだ。まぁ同じ平民のよしみだ!遠慮なんて堅苦しいもんは無しにして、どんどん食え!」
しばらく厨房は、歓迎ムード一色だった。
朝食を済ませ、シエスタたちと別れた後、ルイズに言われた通り食堂の入り口で待機するマキシマ。
なんとなく周りを見回すと、こちらの方を見てヒソヒソと何かを話す者や、睨み付けてくる生徒たちが見受けられる。
恐らく食堂の前で堂々と腕を組んで、壁に寄りかかっている平民らしからぬ態度に苛立っているのだろう。
しかし、文句を言ってくるような者は一人もいなかった。
全員、マキシマのことが怖いのだ。
平民でありながら、何処か気品漂う風格。
歴戦の戦士のような体つきに厳つい髪型。
そんな彼に、大半の生徒達は萎縮していた。
「あら?先に来てたのね」
食事を済ませたらしいルイズが食堂を出てきた。
すると、それまでヒソヒソ話をしていた者や彼を睨み付けていた者は、散り散りになって去っていく。
「…何かあったの?」
「いや…特に何も無かったが…。それより次は何かすることがあるのか?」
「普通に授業ね。アンタも来るのよ?使い魔は常に主人について行かなきゃだめなの。肝心なときにいないなんていったら、召喚した意味が無いもの」
「はいよ」
何も文句を言わないマキシマに、彼女は気を良くする。
少し機嫌がよくなったルイズと、その少し後ろを歩くマキシマは、授業がある教室へと向うのであった。
#navi(Maximusな使い魔)
#navi(Maximusな使い魔)
#setpagename(Maximusな使い魔 第04話)
「どこもおかしくないみたいね」
服を着終えたルイズが、鏡の前でクルッと回る。
マキシマが人の着替えを手伝うのは初めてだと言っていたが、特に問題ないようだ。
朝食をとりに向かうためにドアを開ける。
すると、褐色肌に赤髪のグラマラスな少女が、同じタイミングでドアから出てきた。
「……おはようツェルプストー」
「あら、おはようヴァリエール。あなたの方から挨拶してくるなんて珍しいじゃない。悪いものでも食べたの?」
鉢合せになった赤髪の少女に挨拶をするルイズと、からかうように返す少女。
「…たまにこっちから挨拶してみれば何で憎まれ口を叩くのよ!ハァ…。面倒だから挨拶だけしてさっさと通り過ぎようと
思ったのに…」
「サラリと酷いこというわねあなた…」
どうやらこの少女はルイズのケンカ友達のようなものみたいだ。
二人にそう言ったら全力で否定しそうだが…。
予想外に反応が薄いルイズに対して(次はどの角度で攻めようかしら)と少女が企んでいると、ルイズの後に
続けて出てきた大男に気が付く。
「あなた確かヴァリエールが召喚した…」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、マキシマをジロジロと見ながら「ふ~ん」とか「へぇ~」と呟きながら観察する。
そしてアハハハと笑い出した。
「ほんとに人間なのね。凄いじゃない!平民の使い魔なんて聞いたことないわ!」
「うるさいわね!関係ないでしょ!」
食いついた食いついた!と、内心ほくそ笑む少女。
「ごきげんよう。私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。二つ名は「微熱」
よ。気軽にキュルケって呼んで頂戴。あなたお名前は?」
「マキシマだ」
キュルケの自己紹介に短く返すマキシマ。
どうやらキュルケは、昨日の生徒たちとは違いルイズを馬鹿にしているのではなく、少しからかってその
反応を見て楽しんでいるようだ。
それにしても と、キュルケがマキシマにしなだれかかる。
「すごく大きいわね。私、たくましい男の人は嫌いじゃないわ」
「そいつはどうも。俺もアンタの事はきらいじゃあないぜ」
キュルケの艶やかな言葉に平然と返すマキシマ。
その様子を見ていたルイズが、ぷーっと頬を膨らませる。
「ちょっとツェルプストー!何私の使い魔に手を出してるのよ!」
マキシマとキュルケの間に入り二人を引き離すルイズ。
「あんたも!何鼻の下伸ばしてるのよ!」
「別にそんなつもりはないんだが…」
「言い訳しない!」
どうやらルイズには、マキシマがキュルケにデレデレしているように見えたらしい。
無論そんな事は無いのだが、今のルイズには何を言っても無駄だろう。
そんな二人を見て、クスクスと笑っていたキュルケが、今度はルイズに絡み始める。
「ウフフ…。確かに頼もしそうな平民だけど、使い魔ってのはやっぱりこうでなくちゃね」
おいで とキュルケが手招きすると、彼女の部屋からのそのそと大きなトカゲが出てきた。
体が赤く、尻尾に炎を灯したそれは、頭を彼女に撫でられると、気持ちよさそうに目を細めた。
「この子はフレイム。私の使い魔よ」
そう言いながら燃えるような赤い髪をかき上げる姿は、結構サマになっていた。
「それって…サラマンダー?」
「えぇ。それにみて?この尻尾の炎!。これだけ綺麗な色をした炎だと、きっと火竜山脈に棲むサラマンダーね」
自慢げに答えるキュルケに、悔しそうに唸るルイズ。
その様子を見て、満足そうな顔をしたキュルケが、誘うようにマキシマに話しかける。
「ヴァリエールの所が嫌になったら、私の所に来てもいいわよ?特別に使用人として雇ってあげる」
その言葉に ふむ と顎に手を当てたマキシマだったが
「せっかくだが、遠慮させてもらう。嬢ちゃんの世話をする奴が居なくなっちまうからな」
後ろ半分をルイズに聞こえないように小声で言うマキシマに、キュルケは一瞬だけ、とても優しそうな顔を
見せた。
「そ。残念ね。それじゃあ私はもう行くわ。あなたも急いだら?ヴァリエール。朝食に間に合わなくっちゃうわよ?
ただでさえない胸が、もっと痩せちゃったらどうするの?」
「あんたは一言も二言も余計なのよ!この牛!!」
ルイズをからかい、分かれ際に彼女が残した言葉を、マキシマはそっと胸にしまった。
『あの子はそんなに強くないから、守ってあげてね。頼もしい使い魔さん』
―――――――――――――――――――
「こいつは凄いな…」
マキシマが感嘆の声をあげる。
「どう?ここがトリステイン魔法学院の誇る大食堂『アルヴィーズの食堂』よ」
そう言いながら、なぜか偉そうに胸を張るルイズ。
二人はキュルケと分かれた後、当初の目的を果たす為、ここ『アルヴィーズの食堂』に来ていた。
「『アルヴィーズ』てのは何のことなんだ?」
「まわりにある小人の像たちのことよ。魔法がかかっていて、夜中になると踊ったりするらしいわよ?私は見た事ないけど…」
大体夜中に食堂になんていかないわよね と続けるルイズに、そりゃそうだ と言いながら椅子を引いてやるマキシマ。
「気が利くじゃない。まずは合格ね」
一体何に合格したというのだろうか。
「ところで俺は何処に座ったらいいんだ?この椅子じゃあ、少し小さすぎるんだが…」
しっかりとした作りの椅子だが、マキシマの大きな尻を乗せるのには若干不安がある。
体の大きなマキシマを、床に座らせるわけにもいかない。
そんな事をすれば誰もその道を通れなくなってしまう。
「そうね…。じゃあ厨房に行って何か食べさせてもらってきて?私が話を通しておくから。食事が終わったら、入り口で落ち合いましょう」
ルイズに言われた通り、厨房へと向う。
「あ!マキシマさん!」
後ろから、今朝聞いた覚えのある声で話しかけられた。
「ミス・ヴァリエールから話を聞いてきました。賄いでよかったら、食べていってください!」
元気良く微笑みかけてくる少女の正体は、シエスタだった。
言われるままに厨房の中へ入っていくマキシマを驚いた顔で見る使用人達だったが、マキシマが笑顔で挨拶をすると皆気のいい返事を返した。
そうしてテーブルに座ると、シチューのようなスープが運ばれてきた。
「悪いな。いきなり来て飯を食わせてもらっちまって」
「いいんですよ。今朝のお礼です!」
スープを口に運んだマキシマは、「ほう…」っと、感心する。
薄すぎず濃すぎない味に、適度な柔らかさの野菜。
結構手の込んだものだろう。
「こいつは美味い。特別な調味料を使ってるわけでもなさそうだが…。ここのコックはかなり料理の腕がいいみたいだな」
それを聞いたここのコック長らしきおやじが、マキシマの元へとやってくる。
「ガッハッハッハ!!お前さんなかなか分かってるじゃねぇか!そんなにデカイ体なら食う量も多いだろう?たっぷりあるからいくらでも食ってきな!!」
マキシマの広い背中をバンバンと叩き、豪快に笑いながらそういうと、もう一つ大きな皿を持ってくる。
見た目通りの、豪快な性格らしい。
「俺はここの料理長のマルトーってんだ。まぁ同じ平民のよしみだ!遠慮なんて堅苦しいもんは無しにして、どんどん食え!」
しばらく厨房は、歓迎ムード一色だった。
朝食を済ませ、シエスタたちと別れた後、ルイズに言われた通り食堂の入り口で待機するマキシマ。
なんとなく周りを見回すと、こちらの方を見てヒソヒソと何かを話す者や、睨み付けてくる生徒たちが見受けられる。
恐らく食堂の前で堂々と腕を組んで、壁に寄りかかっている平民らしからぬ態度に苛立っているのだろう。
しかし、文句を言ってくるような者は一人もいなかった。
全員、マキシマのことが怖いのだ。
平民でありながら、何処か気品漂う風格。
歴戦の戦士のような体つきに厳つい髪型。
そんな彼に、大半の生徒達は萎縮していた。
「あら?先に来てたのね」
食事を済ませたらしいルイズが食堂を出てきた。
すると、それまでヒソヒソ話をしていた者や彼を睨み付けていた者は、散り散りになって去っていく。
「…何かあったの?」
「いや…特に何も無かったが…。それより次は何かすることがあるのか?」
「普通に授業ね。アンタも来るのよ?使い魔は常に主人について行かなきゃだめなの。肝心なときにいないなんていったら、召喚した意味が無いもの」
「はいよ」
何も文句を言わないマキシマに、彼女は気を良くする。
少し機嫌がよくなったルイズと、その少し後ろを歩くマキシマは、授業がある教室へと向うのであった。
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