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#navi(Maximusな使い魔)
#setpagename(Maximusな使い魔 プロローグB)
まず、自分に何が起こっているのかを確かめる。
この日彼は、親友の墓参りに行くことにした。
特に彼の命日だとかではなく、ただなんとなくだ。
「よう相棒、お嬢ちゃん。何か買ってきて欲しい物はあるか?」
行儀良くテレビの前に座っている少女と、机に足を投げ出してソファに座り、ダーツを
投げている少年に声を掛ける。
「おじさん!どこか出かけるの?」
栗色の髪をした少女が元気良く質問をする。
ああ、ちょっとな と返答すると
「じゃあアイス買ってきて!いっぱいね!絶対ね!」
「わかったわかった」
苦笑気味に答えてから少年にも聞くが、
「別にねぇな……」
と、興味もなさそうにダーツを投げている。
前よりも下手になっている気がするが…。
ちなみにダーツのボードは、訳あってドアから壁に掛けなおされている。
掛けなおしたのは彼ではなく少年だ。
「チッ…」
少年の投げたダーツが、ボードに刺さりもせずに床に落ちる。
そのまま胸元から取り出したサングラスを掛けると、体を横にした。
どうやら昼寝でもするようだ。
「あ!K’!寝るんだったらクーラと遊んでよ!」
少女が少年に近づき、体を揺する。
「うるせぇ、邪魔するな」
「いいじゃん!たまには遊んでよ!おじさんも出掛けちゃうみたいだし」
彼がバイクの鍵をとり、外に出るためにドアを開けた。
少女が「遊んでよー」と、しつこく少年を揺すっている。
そこで彼は、自分の耳を疑った。
いつも無愛想でぶっきらぼうな少年が「しゃあねぇな…」と言ったのだ。
明らかに異常事態だった。あの相棒が少女の遊び相手をしてやるなど…。
「俺がダーツを4つボードに投げる。そうしたらお前はそれをとって俺のところに持って来い、そういう遊びだ」
「うん!わかった!」
彼は盛大にずっこけた。
「おじさーん!アイス忘れないでねー!!」
「はいよ」
と、一言交わして今度こそ扉をくぐる。
地下から地上に上がる階段の半ばで、後ろから「つまんなーい!!!」
という悲鳴が聞こえてきた。
墓参りを終えて、頼まれたアイスを業務用スーパーで大量に買い、後ろに積んだクーラーボックスに
アイスを詰め込み、バイクに跨る。
「……なんだ?」
思わず呟く。
目の前に大きな鏡が現れる。
不思議なのは鏡なのに、何も映っていなかった事だ。
(かなり大きな空間の歪みのようだが…一体…。この前のKOFにあった物よりもデカイぞこりゃあ……
…一人の参加選手の「空き」といい、どうなってるんだ?)
しかし彼は思考を中止しなければならなかった。謎の鏡が彼をバイクごと引きずり込み始めたのである。
「ぐおおぉぉぉぉぉ!!!」
飲み込まれまいと鏡の外側を手で掴むが、すさまじい力で吸い込まれてしまった。
(ああ……一度でいいからパフェで出来たプールを泳いでみたかった……)
と、わりとのん気な事を考えていると、周りからの視線に気が付いた。
そこには、変わった格好をした少年少女と、変わった生き物がわんさかいた。
これが彼の置かれている状況だ。
(なんだこの場所は…?空間の歪みが消えたが…。あの格好は魔法使いの仮装か?
かなり気の早いハロウィンパーティーだろうか…このアイスはお嬢ちゃんと俺の分だぞ?)
ちゃっかり自分の分のアイスも買っていたりした。
(それよりもここは何処だ?データにも無いが…まさか異次元に飛ばされちまったなんてことは……
…………ないよな………?)
正面にいた一つ目の奇妙な生き物を見ながら、自分に聞く。
意見を求める人は嫌いだが、この時ばかりは、誰かに意見を求めたかった。
改めて周囲を観察していると、何やら子供たちが揉めているらしい。
それと一人。ハゲた中年の男が熱の篭った目でこちらを見ていた。
ハゲの方は無視して、子供たちの話に耳を傾ける。
何やら平民やら魔法やらファンタジーな単語で言い争っている。
いや、言い争っているのではない。
少女が一方的に馬鹿にされているようだった。
自分に対して威張り散らしている者もいたが、聞き流す。
普段の彼ならば、別に子供の喧嘩に口なんて挟まないだろう。
しかし今日は何かが違った。
なんとなく親友の墓参りに行った
相棒は少女の遊び相手をしていた
いきなりわけのわからない場所に移動していた
彼はバイクから降り、少女に罵声を浴びせている小太りの少年にむかって歩き出す
途中、ハゲが「その前衛的なデザインの椅子!!少し見せてもらってもよろしいですか!?」
と、むさ苦しい顔を近づけてきたので かまわない と言うと満面の笑みでバイクに向って
走っていった。
気を取り直し少年の前に立つ。
するといきなり視界を奪われた少年が「なんだこりゃ」とマヌケな声を出す。
そして、視線を上へ持っていく
―――――――――― 「その辺にしておきな。坊や」
この時の少女の表情は、男の影に隠れて、誰にも見えなかった。
彼の名はマキシマ。
親友の仇を取るために体の80%以上を機械に改造したサイボーグ人間
二つ名は――――――
「鋼のヒューマン ウェポン」
#navi(Maximusな使い魔)
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まず、自分に何が起こっているのかを確かめる。
この日彼は、親友の墓参りに行くことにした。
特に彼の命日だとかではなく、ただなんとなくだ。
「よう相棒、お嬢ちゃん。何か買ってきて欲しい物はあるか?」
行儀良くテレビの前に座っている少女と、机に足を投げ出してソファに座り、ダーツを
投げている少年に声を掛ける。
「おじさん!どこか出かけるの?」
栗色の髪をした少女が元気良く質問をする。
ああ、ちょっとな と返答すると
「じゃあアイス買ってきて!いっぱいね!絶対ね!」
「わかったわかった」
苦笑気味に答えてから少年にも聞くが、
「別にねぇな……」
と、興味もなさそうにダーツを投げている。
前よりも下手になっている気がするが…。
ちなみにダーツのボードは、訳あってドアから壁に掛けなおされている。
掛けなおしたのは彼ではなく少年だ。
「チッ…」
少年の投げたダーツが、ボードに刺さりもせずに床に落ちる。
そのまま胸元から取り出したサングラスを掛けると、体を横にした。
どうやら昼寝でもするようだ。
「あ!K’!寝るんだったらクーラと遊んでよ!」
少女が少年に近づき、体を揺する。
「うるせぇ、邪魔するな」
「いいじゃん!たまには遊んでよ!おじさんも出掛けちゃうみたいだし」
彼がバイクの鍵をとり、外に出るためにドアを開けた。
少女が「遊んでよー」と、しつこく少年を揺すっている。
そこで彼は、自分の耳を疑った。
いつも無愛想でぶっきらぼうな少年が「しゃあねぇな…」と言ったのだ。
明らかに異常事態だった。あの相棒が少女の遊び相手をしてやるなど…。
「俺がダーツを4つボードに投げる。そうしたらお前はそれをとって俺のところに持って来い、そういう遊びだ」
「うん!わかった!」
彼は盛大にずっこけた。
「おじさーん!アイス忘れないでねー!!」
「はいよ」
と、一言交わして今度こそ扉をくぐる。
地下から地上に上がる階段の半ばで、後ろから「つまんなーい!!!」
という悲鳴が聞こえてきた。
墓参りを終えて、頼まれたアイスを業務用スーパーで大量に買い、後ろに積んだクーラーボックスに
アイスを詰め込み、バイクに跨る。
「……なんだ?」
思わず呟く。
目の前に大きな鏡が現れる。
不思議なのは鏡なのに、何も映っていなかった事だ。
(かなり大きな空間の歪みのようだが…一体…。この前のKOFにあった物よりもデカイぞこりゃあ……
…一人の参加選手の「空き」といい、どうなってるんだ?)
しかし彼は思考を中止しなければならなかった。謎の鏡が彼をバイクごと引きずり込み始めたのである。
「ぐおおぉぉぉぉぉ!!!」
飲み込まれまいと鏡の外側を手で掴むが、すさまじい力で吸い込まれてしまった。
(ああ……一度でいいからパフェで出来たプールを泳いでみたかった……)
と、わりとのん気な事を考えていると、周りからの視線に気が付いた。
そこには、変わった格好をした少年少女と、変わった生き物がわんさかいた。
これが彼の置かれている状況だ。
(なんだこの場所は…?空間の歪みが消えたが…。あの格好は魔法使いの仮装か?
かなり気の早いハロウィンパーティーだろうか…このアイスはお嬢ちゃんと俺の分だぞ?)
ちゃっかり自分の分のアイスも買っていたりした。
(それよりもここは何処だ?データにも無いが…まさか異次元に飛ばされちまったなんてことは……
…………ないよな………?)
正面にいた一つ目の奇妙な生き物を見ながら、自分に聞く。
意見を求める人は嫌いだが、この時ばかりは、誰かに意見を求めたかった。
改めて周囲を観察していると、何やら子供たちが揉めているらしい。
それと一人。ハゲた中年の男が熱の篭った目でこちらを見ていた。
ハゲの方は無視して、子供たちの話に耳を傾ける。
何やら平民やら魔法やらファンタジーな単語で言い争っている。
いや、言い争っているのではない。
少女が一方的に馬鹿にされているようだった。
自分に対して威張り散らしている者もいたが、聞き流す。
普段の彼ならば、別に子供の喧嘩に口なんて挟まないだろう。
しかし今日は何かが違った。
なんとなく親友の墓参りに行った
相棒は少女の遊び相手をしていた
いきなりわけのわからない場所に移動していた
彼はバイクから降り、少女に罵声を浴びせている小太りの少年にむかって歩き出す
途中、ハゲが「その前衛的なデザインの椅子!!少し見せてもらってもよろしいですか!?」
と、むさ苦しい顔を近づけてきたので かまわない と言うと満面の笑みでバイクに向って
走っていった。
気を取り直し少年の前に立つ。
するといきなり視界を奪われた少年が「なんだこりゃ」とマヌケな声を出す。
そして、視線を上へ持っていく
―――――――――― 「その辺にしておきな。坊や」
この時の少女の表情は、男の影に隠れて、誰にも見えなかった。
彼の名はマキシマ。
親友の仇を取るために体の80%以上を機械に改造したサイボーグ人間
二つ名は――――――
「鋼のヒューマン ウェポン」
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