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「魔法の国、向日葵の少女」(2011/02/16 (水) 01:55:27) の最新版変更点
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今、一瞬だが確かに見えた。煙の中に何かの影。それはつまり、その中に何かがいるという事。すなわち…
「やっと、やっと成功したわ!」
歓喜を爆発させ、ルイズが叫ぶ。失敗し続ける事…えー何回だ?まぁとにかく3桁突破してしばらくたってようやく成功したのだ。
カウンターがあれば255でストップしているところである。いやはや全く無理も無い話しである。というか延期させろコルベール。
期待と不安をない交ぜにした目でルイズは未だ煙に包まれた、自分の使い魔が召喚されたであろう一点を見つめる。
やがて、うっすらと煙が薄れてゆき、それがだんだん姿を現す。
およそ1リートだろうか?すらりと直線的に伸びたその姿はすごく健康的で、鮮やかな緑に目が奪われる。
そしてその頂上にある黄色くて丸い、まるでとても美しい向日葵のような…
ような…
「え?」
というか、とても美しい向日葵そのものだった。
「ちょ、ちょっと待ってください。やり直しでしょうコレ!植物が使い魔なんてありえないわ!」
途端に爆笑が巻き起こる。美少女に花は黄金の組み合わせだが、
その花が使い魔です、ではジョークにさえなっていない。だいたい、花に何が出来るというのだ。
「待ちたまえミス・ヴァリエール。せっかく召喚したんだ。…えーと…その」
そこでコルベールは言葉に詰まった。正直再召喚は不可だと告げるべきなのだが、さすがに植物を使い魔にさせるのは躊躇われた。
迷った挙句、コルベールの発した言葉は
「…せめてじっくり観察してからでも」
何の解決にもなってなかった。
「いくら観察したって向日葵は向日葵です!それとも観察日記でもつけろって言うんですか!
やり直しよやり直し。こんな花なんて引っこ抜いてやるんだから!」
屈辱と怒りで顔を真っ赤にしてルイズが花を引っこ抜こうと歩み寄る。
だが、その歩みは途中で止まる。
ルイズは気付いた。その向日葵の花に顔があることに。もっとも、幼児が落書きしたようなシンプル極まりない顔。
え、何よコレ。なんで顔なんか描かれてるのよ。もしかして造花?植物ですらなく造花?それって最悪じゃない?
っていうかコレってどこぞで「あらあら おやおや それからどんどこしょー」とか謎のスペルを唱えてない?
ああ畜生、自分でも何がなんだか。
だが、ルイズが呆然としていられたのはわずかな時間であった。
身に迫った危険を敏感に察したか、向日葵が激しくその体を振りだしたのだ。まるでダンスをするかのように。
「えええー!?」
断じて風のせいではない、その不思議な動きが止んだ瞬間。
呆然としていたルイズの足元から、どんな原理か無数の向日葵が一瞬にして生えてきて。
ルイズはそれに派手に吹っ飛ばされた。
「ひ っ さ つ の い ち げ き 」
地面に強かに叩きつけられたルイズは、意識を失う直前何故か脳裏にそんな言葉が浮かんだのであった。
「…というわけで、ただの向日葵ではないのは最早明白ですし、これがミス・ヴァリエールの使い魔で決定です」
吹っ飛ばされた痛みやらやるせなさやらその他諸々で涙目のルイズにコルベールは無情に告げる。
ルイズは心底嫌だったが、そう言われては他に選択肢など無い。恨みの篭った目でコルベールをしばし見つめると、
諦めの溜息を一つ付き、コントラクト・サーヴァントをするべく向日葵に向かった。
また吹っ飛ばされてはたまらないので、両手を広げ敵意が無い事を示しながら、ゆっくり、ゆっくりと近づく。
その光景は傍から見ればすごく間抜けに見えただろう事は全力で無視した。
そしてルイズは、向日葵にたどり着く。
どう見ても落書きのようにしか見えない顔だ。なんでこんなのと…と際限なく落ち込みそうになるが、
いや、そんな事を考えている場合ではない、と無理やり自分を奮い立たせ、あるいは騙して。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この物に祝福を与え、我の使い魔と成せ」
首をかしげている様に見えるその向日葵に、口付けを果たした
向日葵が、悶えていた。ルーンが刻まれる激痛にのた打ち回っているせい……なのだろう、多分。
頭…というか花の部分を葉で押えた向日葵が地面を無言で(そりゃそうなんだが)のた打ち回るのはあまりにシュールな光景であった。
「植物にも痛覚ってあるのねぇ…」
あまりにあまりな出来事が続きすぎて、ズレた感慨しか抱けないルイズであった。
「あ。終わったのね。えーと、理解しているかどうかすっごく怪しいんだけど。
これでアンタはあたしの使い魔になったの。使い魔になったからにはきっちり言うことを聞いて…」
投げやりに説明していたルイズは、ふと不穏な気配を感じ、口を閉じた。向日葵がこっちを見ているのだ。
それもただ見ているだけじゃなく、ある種の力を込めて視線を投げつけている…
人間で例えるなら「涙目でこっちを睨んでいる」といった感じだ。
ゴクリ。無意識の内に喉が鳴った。勿論、脳裏にはさっきの見事なKOが再生されている。
…えと、これはカナリ危ない状況なんじゃないんでしょうかってか助けてミスタ・コルベール?
救いを求めコルベールを見る。コルベールは海よりも深い愛情と同情の念を目に湛え。
合掌していた。
……
\(^o^)/
次の瞬間。凄まじい勢いでジャンプした向日葵のヘッドバッド(?)を見事に鳩尾に喰らったルイズは、
綺麗な放物線を描きながら学園の屋根近くまで打ち上げられ、そして物理法則に従い地面に落下した。
彼(彼女?)の名はサンフラワー。もといた世界では見た目に反してドラゴンより上位の最強の魔獣の一角だったのだが…
そんなことを知らないのがルイズの不幸だった。
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今、一瞬だが確かに見えた。煙の中に何かの影。それはつまり、その中に何かがいるという事。すなわち…
「やっと、やっと成功したわ!」
歓喜を爆発させ、ルイズが叫ぶ。失敗し続ける事…えー何回だ?まぁとにかく3桁突破してしばらくたってようやく成功したのだ。
カウンターがあれば255でストップしているところである。いやはや全く無理も無い話しである。というか延期させろコルベール。
期待と不安をない交ぜにした目でルイズは未だ煙に包まれた、自分の使い魔が召喚されたであろう一点を見つめる。
やがて、うっすらと煙が薄れてゆき、それがだんだん姿を現す。
およそ1リートだろうか?すらりと直線的に伸びたその姿はすごく健康的で、鮮やかな緑に目が奪われる。
そしてその頂上にある黄色くて丸い、まるでとても美しい向日葵のような…
ような…
「え?」
というか、とても美しい向日葵そのものだった。
「ちょ、ちょっと待ってください。やり直しでしょうコレ!植物が使い魔なんてありえないわ!」
途端に爆笑が巻き起こる。美少女に花は黄金の組み合わせだが、
その花が使い魔です、ではジョークにさえなっていない。だいたい、花に何が出来るというのだ。
「待ちたまえミス・ヴァリエール。せっかく召喚したんだ。…えーと…その」
そこでコルベールは言葉に詰まった。正直再召喚は不可だと告げるべきなのだが、さすがに植物を使い魔にさせるのは躊躇われた。
迷った挙句、コルベールの発した言葉は
「…せめてじっくり観察してからでも」
何の解決にもなってなかった。
「いくら観察したって向日葵は向日葵です!それとも観察日記でもつけろって言うんですか!
やり直しよやり直し。こんな花なんて引っこ抜いてやるんだから!」
屈辱と怒りで顔を真っ赤にしてルイズが花を引っこ抜こうと歩み寄る。
だが、その歩みは途中で止まる。
ルイズは気付いた。その向日葵の花に顔があることに。もっとも、幼児が落書きしたようなシンプル極まりない顔。
え、何よコレ。なんで顔なんか描かれてるのよ。もしかして造花?植物ですらなく造花?それって最悪じゃない?
っていうかコレってどこぞで「あらあら おやおや それからどんどこしょー」とか謎のスペルを唱えてない?
ああ畜生、自分でも何がなんだか。
だが、ルイズが呆然としていられたのはわずかな時間であった。
身に迫った危険を敏感に察したか、向日葵が激しくその体を振りだしたのだ。まるでダンスをするかのように。
「えええー!?」
断じて風のせいではない、その不思議な動きが止んだ瞬間。
呆然としていたルイズの足元から、どんな原理か無数の向日葵が一瞬にして生えてきて。
ルイズはそれに派手に吹っ飛ばされた。
「ひ っ さ つ の い ち げ き 」
地面に強かに叩きつけられたルイズは、意識を失う直前何故か脳裏にそんな言葉が浮かんだのであった。
「…というわけで、ただの向日葵ではないのは最早明白ですし、これがミス・ヴァリエールの使い魔で決定です」
吹っ飛ばされた痛みやらやるせなさやらその他諸々で涙目のルイズにコルベールは無情に告げる。
ルイズは心底嫌だったが、そう言われては他に選択肢など無い。恨みの篭った目でコルベールをしばし見つめると、
諦めの溜息を一つ付き、コントラクト・サーヴァントをするべく向日葵に向かった。
また吹っ飛ばされてはたまらないので、両手を広げ敵意が無い事を示しながら、ゆっくり、ゆっくりと近づく。
その光景は傍から見ればすごく間抜けに見えただろう事は全力で無視した。
そしてルイズは、向日葵にたどり着く。
どう見ても落書きのようにしか見えない顔だ。なんでこんなのと…と際限なく落ち込みそうになるが、
いや、そんな事を考えている場合ではない、と無理やり自分を奮い立たせ、あるいは騙して。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この物に祝福を与え、我の使い魔と成せ」
首をかしげている様に見えるその向日葵に、口付けを果たした
向日葵が、悶えていた。ルーンが刻まれる激痛にのた打ち回っているせい……なのだろう、多分。
頭…というか花の部分を葉で押えた向日葵が地面を無言で(そりゃそうなんだが)のた打ち回るのはあまりにシュールな光景であった。
「植物にも痛覚ってあるのねぇ…」
あまりにあまりな出来事が続きすぎて、ズレた感慨しか抱けないルイズであった。
「あ。終わったのね。えーと、理解しているかどうかすっごく怪しいんだけど。
これでアンタはあたしの使い魔になったの。使い魔になったからにはきっちり言うことを聞いて…」
投げやりに説明していたルイズは、ふと不穏な気配を感じ、口を閉じた。向日葵がこっちを見ているのだ。
それもただ見ているだけじゃなく、ある種の力を込めて視線を投げつけている…
人間で例えるなら「涙目でこっちを睨んでいる」といった感じだ。
ゴクリ。無意識の内に喉が鳴った。勿論、脳裏にはさっきの見事なKOが再生されている。
…えと、これはカナリ危ない状況なんじゃないんでしょうかってか助けてミスタ・コルベール?
救いを求めコルベールを見る。コルベールは海よりも深い愛情と同情の念を目に湛え。
合掌していた。
……
\(^o^)/
次の瞬間。凄まじい勢いでジャンプした向日葵のヘッドバッド(?)を見事に鳩尾に喰らったルイズは、
綺麗な放物線を描きながら学園の屋根近くまで打ち上げられ、そして物理法則に従い地面に落下した。
彼(彼女?)の名はサンフラワー。もといた世界では見た目に反してドラゴンより上位の最強の魔獣の一角だったのだが…
そんなことを知らないのがルイズの不幸だった。
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「リトルマスター2」よりサンフラワーを召喚
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