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#navi(Call of duty Undiscovered Country Torisutein)
「枢機卿、敵の進行状況は。」
「現在、敵は隣接している地域を低速で侵攻しております。各村の避難状況は進んでおります、が。」
枢機卿は、立ち上がり、近くにある窓に杖を向けた、方向を指しているらしい。
「あの方面から火の手が見えるのも、時間の問題です。」
「過去の小競り合いの時出来た砦で何とかなってる状態でしょうか。」
枢機卿は小さく溜息を吐いた。
「姫、あんな小砦は防壁にすらなりません、固定化すら薄れ、守る力が無いのですから。」
「では皆、何をして……。」
「――、決死の覚悟で後退戦をしてる、と言ったとこでしょうか。ヴァリエール家領土は今だ一つの領土も占領されておらず、流石烈風カリン殿と言った所でしょうか。そこを取れない為に他ゲルマニア侵攻軍の足も停滞気味になっております。」
「烈風カリンの復活ですか、それがヴァリエール家に?…………ですが。」
「それも時間の問題――ゲルマニアも、酷な事をしますな。」
枢機卿と言われた男は、それから言を止めた。
言っては更に酷と思ったのであろう。そう、この王国は先代から当代に移ったばかりで政治体制が整っていない。その状況下を見越して、攻めてきたのだ。
「何故、攻めてきたのでしょう……。」
「ゲルマニアは金があれば平民も領土を手に入れ貴族になれます。
私の推測ですが、多分ゲルマニアは今過剰領土が無く、地位を持っている者共が反発、
それを見て体制を崩されかねないと見た帝が攻めて来たのでしょう、
目的はこの領土、なれば休戦や講和など無意味、奴等が狙っているものは我が国の滅亡、でしょうな。」
しかし、ここで疑問が一つゲルマニアにおいて、金を持つ者のその数は少ない。
なら、簡単に領土不足になる事は無い。原因は、他国の金持ちがゲルマニアの領土を買い占めたという事なのだろう。
「多分、ガリアが裏にいるのでしょうな。」
「何故ガリアが?」
おおよそ、娯楽か。
それ位にしか考えていないのであろう、あのガリア国王は
話し合いをしていると、伝令が姫と枢機卿のいる方向に走ってきた。
「伝令!ガリアから食料と銃。大砲、葡萄弾の援助が来ました!」
枢機卿の顔色が変わった。
「なるほど、我が国を実験場にしたいのか。」
兵器の性能は実戦を行い始めて分かる、ガリアは魔法先進国、全体技術力も。
トリステインとは比べ物にならない。
しかし、ガリア国内も落ち着いてはいない、ガリアが今戦争状態になったら、反体制派が何時反乱を起こすかが分からない、だからトリステインを利用したと考えた。
「物資は何処に送られているのだ。」
「既に城下町からここに届いて来ております。」
「砲までもこのような短期間で飛ばしてくるとはな……。」
計画的犯行と言うのはこのことかというかのように、苦笑を浮かべた。
「それともう一つ伝令があります、王国民皆兵令により現在後方の領民から城下町の16歳から28歳までの男を強制徴兵、現在数は1万となりましたが、何分鎧と剣の数が足りなくて……。」
「分かった、武器庫から全部出す、周りの武器屋からも徴収、職人に石斧でも作らせろ、総力戦だ、急ぎたまえ」
「了解しました!」
「これが戦争ですか。」
「戦争の恐ろしさはその間、国力を消耗するしかないという事です、この戦乱が終わった後、事後処理で地獄を見ますよ。」
姫は溜息を深くついた。
「これ以上の地獄が何処にあるというんです。」
ゲルマニア陸軍のある一連隊、ラ・ヴァリエール領内
ヴァリエール領中心にむけて行軍を続けていた。
「隊長!何でこんな小鳥みたいな相手に手間取ってるんです?」
隊長は青ざめていた、何故ならここにくるまでに何連隊もが敗走して自国領内に逃げ帰っていたからであった、撤退して二度目の行軍の輩もいる、そいつらもあまりよい表情をしてはいない。
「知らないって事は、とてもとても素敵な事だ、従軍を続けたまえ」
他の連隊からは良い戦果報告が届くのに、この領内からは潰走やら撤退やらしか報告されてないのだ。
全滅という報告が無いのがマシだが、もう宣戦布告から三日、後三時間で四日となる、他の戦線を押し上げる事が出来ないのもここが落ちないからだ。
ここを落として戦線を全面に押し上げなければ輜重隊が安全に物資を輸送出来ない
そして包囲しようと各軍がこちらに向かえば、一隊一隊が領土まで逃げ帰る始末。
各個撃破されないよう、士官の数を増やせば士官が全員KIA
「もうかえりてーよ、長男になりたかった、パン屋継ぎたかったよ。」
「なんかいいました隊長?」
がくり肩を落としている時、前方に馬の群、騎兵が見えた、数は少数。
「偵察か?攻撃してくるようなら応戦をかけろ!」
気にせず行軍を続ける、すると前方の馬はこちらに向けて駆けてきた。
「応戦!槍兵を前に、槍兵は膝を突き構え!突進を防いだら横っ腹を叩け!」
言われたとおり、隊列の前に槍兵が並び、槍を構えた、馬はとがったもの、障害物には突進できない。
しかし、馬はそのまま突進をしてこず、減速、左右に広がる。
隊長は左に右に、視点を移した、すると突然隊長は後ろから殺気を感じた。
振り向こうとした瞬間、――隊長の頭は吹き飛んでいた。
「またメイジのいない隊……まったく、ゲルマニアにはメイジがいないのかしらね。」
マンティコアに乗った、高飛車な壮年から中年の女性が、杖を振り下げる。
ちなみに言うと、メイジが士官だった隊もこの女性が撃破した部隊の中にいたのだが、即効で殺してしまっていた為、メイジがいなかったようにみえたのだ。
「30年前より体が動かない、まったく。でも、ジャガイモの好色達を屠る程度、造作も無いわね。」
左右に広がった騎兵がもう一度合流をし、向きを反転してまた敵の隊列に駆けていった。
指揮系統の失った敵隊列は、馬に有効な槍兵を有効に扱う事が出来ない。
騎兵は敵の隊列と接触、既に指揮系統を崩された恐怖と、騎兵による蹂躙、敵の領域による未知、これらの要因が全て足され、士気など既になかった。
よって……。
「ば、ばけもんだぁっ!うわぁあぁ」
一人、また一人隊列から抜け出して撤退していく。
気づけば、もうその草原には騎兵と一騎のマンティコア、しかいなかった。
敵の阿鼻叫喚を背景に壮年から中年の女性が騎兵隊に命令を下した。
「追い討ちはよろしい、拠点に戻ります。縦列!」
その命令一つで、騎兵隊は即座に列を成し、拠点へと向かっていった。
「私は良くても数が少ない騎兵と馬の疲労度がピーク、私の魔法力も全盛期に比べて半分に落ちている、もって三日か……。」
その頃、ヴァリエール家屋敷
「カトレア、もう休みなさい。もう限界だろう。」
「まだ負傷者がいるなら、傷の手当がっぅ――ごほっ、ごほっ」
カトレアと言われた、病弱な女性は杖を負傷者の傷当たりに近づけると。
またスペルを唱える、傷は修復していくのだが、見て分かるように既に疲労はピークに達しており、限界が分かる。
「私の優しいカトレア、お前が死んでしまったら私はどうすればいい、お前に先立たれてしまったら父はどうすればいい。」
「ですが……、怪我してる人は、こんなにも――。」
突然体から力が抜け、床に倒れこみそうになるところを父と言われた男性が支えた。
「カトレアを部屋に。」
隣にいた執事にそれだけ言うと、執事は即座に動く。
カトレアが運ばれるのを見送ると、書斎に入っていった。
「さて、我が娘にこれだけの事をしたのだ、ゲルマニアの色痴呆共に教育してやらねばならんな。」
巨大な羊皮紙を取り出す、トリステインとゲルマニアの詳しく言うならトリステイン領土とゲルマニア領土付近の地図が書かれていた。
「現状の整理から始めよう、我が軍は訓練すら終えていない民兵が主、相手は傭兵と国軍の精兵、今は妻の恐ろしい活躍により退けてはいるが、妻も人間だ。疲労がある。国力も兵力も人口も10倍、戦略での勝利方法は耐えに耐え相手の国力が削がれ現体制が危うく継戦が出来なくなるのを待つ、それまで一切の侵攻を許さない、その侵攻を妨げる最後の砦がここ。さて、王国が馬鹿でなければ。兵の増援が来る、どれ位の規模か……敵国に侵攻して、相手から休戦を申し込んでもらうには二万以上の兵はいる。」
さて、そんな兵が急遽集まるかな。そう思いながら窓を見やる
「本国がもし、反撃作戦を練らず城下町での防衛作戦を取るのであれば、話は別だな。」
確かに、草原で接触した場合は地の利を受けれない、ただでさえ兵が少ない今。
それをする事が王国に出来るかどうか、そこが問題であった。
来なければ、最低後三日でこの地は落ちる、落ちれば士気の溜まった敵軍はきっと本国まで容赦ない進撃を続けるだろう。
「せめて後5000の兵があれば……、簡易防壁を作っている事に女子供を動員している現状は不味い。」
その窓から、土等で汚れた女子供が小さな松明を当てにただ土を積み上げていくのが見えた。
「伝統や欲に溺れてまともな政策も出さん結果がこれだ、貴族に対する年金に吸い取られて対ゲルマニア用防衛ライン予算も10年前から降りて来ない、何が空海軍だ、他に何処の国にも攻めれん軍事力の癖に無駄な数がありすぎるのだ」
実際、ここ数年トリステインの国予算はない状態に近かった。
それもそうだ、他国より人口が10分の1も少ない癖に、貴族の数だけは多く。
貿易という概念がまだ無かったとしても言って平原ばかり、伐採技術も進んでるわけでもなく、周辺に鉱山は無く、風石も無い。
農民や町人からそのまま貴族に流れているような状態、そんな状況で更に空海軍維持費に取られ、新艦建造に力を入れていた。
この小国が幾ら血を流しながら働いたとしても、他国空海軍に勝てる程の艦隊を作れる訳が無い、それなら。小型艦主体に建造し、陸軍費に回し、防衛体制を整えた方が合理的だ、というのに。
「あの王国の周りにいる馬鹿どもには理解できんのだろうな、マザリーニもマザリーニだ、周りの反発を恐れて、太った豚共の権力を崩せずにいる。」
その人にはその人の言い分があり、国からの言い分、農民からの意見、貴族の言い分がある。だから枢機卿にも、枢機卿なりの言い分がある。
それは分かってはいるが、このヴァリエール家当主の男は、憤慨せずには入られないのだ、同じ王族の血を引く者として。
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