「ゼロと電流-08」(2010/05/10 (月) 13:43:46) の最新版変更点
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#navi(ゼロと電流)
「幕間~ガリアの王女~」
ガリア王都リュティスの東端にそびえる巨大かつ壮麗な宮殿ヴェルサルテイル。
さらにその中心グラン・トロワ。
ガリア王族が住み暮らす宮殿と、その中心かつガリアの政治中枢でもあるグラン・トロワ。
そこから少し離れた位置に存在する小宮殿プチ・トロワへ、一人のメイジが姿を見せた。
美男子ではあるが骨細ではない。騎士としての力強さすら感じさせるその姿は、彼の実力そのままを現していた。
彼の名はバッソ・カステルモール。ガリア東薔薇騎士団の若き花壇騎士である。
彼は今、ガリア王女イザベラへの報告を携えて現れたところだった。
「報告いたします」
王女への礼を作法通りに済ませ、カステルモールは報告書を手に取った。
報告と言っても、殆どはわかり切ったことの再確認に過ぎない。プチトロワ周辺の様子、王女の予定、グラン・トロワからの連絡などである。
カステルモールの実力ならば、ここで使い走りのようなことをしている場合ではないのだ。同年代のガリア騎士の中で屈指の使い手である彼ならば、最前線に出たとしても手柄は立て放題だろう。
しかし、彼はイザベラの側に置かれていた。
国王ジョゼフ直々の命令である。逆らうことは無論許されない。
長いが省略を許されない形式的な報告の途中で、イザベラは席を立つ。
「姫殿下?」
「もういい。次からは通常と変わったことだけ報告しなさい」
「しかし、この報告は通例として……」
「意味のない通例は廃止。私が今決めた、文句ある?」
「滅相もございません」
イザベラは気が短くやや癇癪持ちではあるが、頭は決して悪くない。
廃止するのが本当に拙いものならばそう簡単に廃止などしない。実際に無駄だと判断した上で、速攻決済しているのだ。
「それに、そろそろ完成する頃だしね」
「完成、ですか?」
そういえば、ここに来る途中の中庭では、数人の土メイジがゴーレムを作っていた。しかも、数人かがりで一つのゴーレムを作っていた。
聞いてみると「とにかく大きくて堅い土ゴーレムを作れ。動かなくてもいい」と命令されたらしい。
そこで、王女の命令なのかと尋ねてみる。
あっさりと、認められた。
「土くれのフーケが捕まったそうよ」
「トリステインでしたか。噂は聞いております」
「フーケのゴーレムを破壊したメイジがいるって話でね」
解呪でなく、破壊。文字通り、物理的な破壊だったのだ。
イザベラは、土くれのフーケ捕縛の顛末を印したという報告書の束を丸めて、自分の肩を叩いている。
「近くで捕縛を見てたガーゴイルからの報告さ」
イザベラがガーゴイルと呼ぶ少女を、カステルモールは知っている。
確かに、あの御方ならばトリステインと縁の深い場所にいらっしゃるだろう。
「挑戦しがいがあるじゃないか」
言いながら兜を被る王女に、カステルモールは微かに眉をしかめる。
色遣いのデタラメな趣味の悪い兜には、未だに目が慣れない。
あの兜こそ、ガリア王家に古来より伝わるマジックアイテムである、という噂もあるが眉唾物だ。そもそも、あの赤青黄色、三色の悪趣味な兜など、ガリアのどんな文献にも載っていない。本当に王家古来から伝わっているものなら何処かに記録があるはずだろう。
そんな兜を被ったイザベラは、さらに妙な筒を小脇に抱えて早足で歩き出す。
「カステルモール、ついておいで」
「は。お供します」
できたかい、とイザベラは中庭に顔を出す。
土メイジを指揮していた一人が、イザベラに気付くと姿勢を正し、今し方できあがったばかりだと報告する。
「で、これが本当にフーケとやらのゴーレムより堅いんだろうね」
「土のライン十数人が総掛かりで、堅固さだけを考えて作ったものです。動きこそしませんが丈夫さだけなら随一かと」
「まあいいさ」
イザベラは運んできた筒を持ち直す。
その筒を見ているカステルモールの視線に気付くと、ニヤリと笑い、
「こっちには魔法はかかってないよ。異世界の科学とやらで作られたものさ」
どうしてわかるのか、と尋ねれば、自分の被った兜を示す。
「お父様にいただいたこれが教えてくれるのさ。マシンバッハとバッハボルトの力をね」
数分後、見事に、しかしあっさりと破壊されたゴーレムを見つめ、王女は溜息をついていた。
「こんなもんか……だったら、ザボーガーってのも大したこと無いんだろうね」
ヘルメットをぺしぺしと叩きながら報告書に目を通すイザベラ。
聞き慣れぬ言葉に、カステルモールは眉をひそめる。
「失礼ですが姫殿下。ザボーガーというのは、土くれのフーケを捕縛した者の名前でしょうか?」
それだけの腕を持つメイジが一朝一夕に生まれたとは考えられない。何らかの形で名前が轟いているはずだ。あるいは、偽名か。それとも訳あって隠されていたか。
まさか一人前ですらない学生が主であるとは、カステルモールには想像もつかない。
「いいや。捕縛した奴の、使い魔さ」
「使い魔ですと?」
ならば、主がいる。使い魔の主が。その主が、どれほどのメイジなのか。
カステルモールの思いに応えるように、イザベラは唇を嘲笑の形に釣り上げた。
「どうでもいいのさ、糞忌々しいメイジのことなんて」
ルーンが怪しく輝いたような気がして、カステルモールは眉をひそめる。
「ザボーガーがなんであろうとも、それがマジックアイテムである限り、このわたしに使いこなせないはずがないんだからね」
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「私の使い魔がフーケのゴーレムを倒しました」
嘘ではない。
フーケを引き渡した後、コルベールを交えたオスマンへの報告の中で、ルイズは誇らしげに言うのだ。
「トライアングルのフーケが作ったゴーレムを、私のザボーガーが倒しました」
言葉を換えて、身振り手振りを交え、これで何回目か。
キュルケとタバサも否定はしない。嘘ではないからだ。
ザボーガーの速射破壊銃によって粉々になったゴーレムを二人は見ている。間違えようなどない。
さらに自分たちは人質になっていた。トライアングルの友人二人を救い、トライアングルの盗賊を捕まえたルイズは大金星だろう。
しかし。
キュルケは、ルイズのはしゃぎように危ういものを感じていた。
これは、キュルケの知っているルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールとは微妙に違う。
それでも、許容範囲ではあるのだけど。
力を持たずに高貴な心を育てたのなら、突然力を持てばどうなるのか。
ルイズに限ってそんなことはない、とキュルケは信じたい。
「ふむ。見事じゃ。ミス・ヴァリエール。一学生の身分でなければシュヴァリエ(騎士)の称号すら申請できるくらいじゃ」
従軍経験のない、血筋が優れているとはいえ本人は一学生に過ぎないルイズにはシュヴァリエの称号は与えられない。
そこは国の決まりなので仕方がない、とオスマンは言い、代わりにと革袋を三つ取り出す。
「だからと言うて金で解決というのは些か優雅ではないが、金銭という物が大切な物であることには誰も異議は唱えまい。これは儂からの個人的な報償じゃ」
「でも、私たちは破壊の杖は取り返せませんでした」
正確には取り返しているのだが、破壊の杖は一回こっきりの再使用不可な代物だったのだ。オスマンの手元に戻ったのは「もう二度と使えない」破壊の杖である。
「なに。これはいわば思い出の品。マジックアイテムとしての価値など儂にはどうでもいいのじゃよ」
そして、オスマンは語った。
かつて若い頃、不注意から単独でワイバーンと対峙した自分を救った謎の男の話を。
謎の男は破壊の杖を複数持ち、その一つでワイバーンを撃退。しかし既に重傷を負っていた男はオスマンの目の前で息を引き取ったと。
男の正体は未だにわからず、破壊の杖についても使い方くらいしかわからないのだ。
「逆にフーケが盗んだのがこれで良かった。他の物なら逃げられていたかもしれんからな」
武器となるものだから、再使用不可だとは知らないフーケは試し撃ちついでの攻撃を選択したのだ。
これが攻撃に使えない物なら、素直に逃走していたかも知れない。そうなっていれば追いつけたかどうか。
「追えますわ」
それでも、ルイズは言う。
「私のザボーガーなら。ヘリキャットとマウスカー、シーシャークを駆使すれば、何処へ逃げても追いつめて見せます」
ふむ、とオスマンは頷き、それ以上は何も言わずに三人に報奨金を手渡した。
「フリッグの舞踏会も近い。愉しむが良かろう」
学院長室を出た三人、塔の下へと降りた三人を迎えるのは学園の同級生たちだ。
すでに、三人がフーケを捕らえたという噂は学園中に広まっている。それも、中心とはあの、ゼロのルイズだと。
タダの木偶の坊にしか見えなかったゴーレムが、とんでもない活躍をしたのだと。
「何よ、この騒ぎは」
「それがね」
当たり前のように集団の先頭にいるギーシュ。
「皆が見たがっているのさ。土くれのフーケを懲らしめた、君の使い魔をね」
集団の中心には、デルフリンガーをくくりつけられたままのザボーガー。
「おーい。嬢ちゃん、いったい何がどうなってんだ?」
「うわっ、ルイズのゴーレムが喋った!」
「違う、あれは……インテリジェンスソードじゃないのか?」
「そんなものまで召喚してたのか」
「いや、アレはきっとゴーレムに内蔵されてたんだ」
「使い魔が喋っているんじゃないのか?」
喧々囂々の騒ぎに苦笑するキュルケと、嫌そうなタバサ。
ルイズは喜び勇んで、集団に声をかける。
「しょうがないわねっ! そんなに見たいのなら、見せてあげなくもないわよ!」
小脇に抱えていたヘルメットを被ると、インカムを引き、
「電人ザボーガー、GO!」
変形するザボーガーに感嘆の声があがる。
得意そうに説明を始めるルイズに、キュルケはほんの少し表情を曇らせる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フリッグの舞踊会は宴たけなわだった。
タバサはテーブルの上に並べられた皿それぞれの味見を終え、どの皿を腹に収めるべきかを思案している。
キュルケはワインを片手に、次々と申し込まれるダンスの申し込みを断り続けている。
そしてルイズは、一人きりでバルコニーにいた。
電人を侍らせ、大きな椅子に座って月を眺めている。
「いいのかい、こんな所で一人っきりなんて。片っ端から申し込み断るなんざ」
「いいわよ。別に」
ザボーガーに持たせたデルフリンガーに、ルイズは言う。
「不思議よね。こんなにダンスの申し込みが来るなんて」
「そりゃあ、嬢ちゃんの魅力だーね」
「魅力……ね。あ、そうか、デルフは知らないのよね」
「何を?」
「昔のここでの私」
「さあねぇ」
ワインを手酌で注ごうとすると、ビンが浮いた。
おやっと身を起こすと、シエスタがビンを持っている。
「お注ぎしますわ、ミス・ヴァリエール」
ワインの香りが、ルイズを包むように零れていく。
「ねえ、シエスタ」
「はい」
「私、変わった?」
「と、申しますと?」
「貴方の名前を覚えてから半年くらい、かな。私はその間に何かが変わったと思う?」
外見とか、言葉遣いとか、身長とか……胸とか……
「私にとっては、尊敬すべき御方、お仕えするに相応しい御方。それだけです」
「貴族らしくないから、なんて言ったら怒るわよ?」
貴族らしくない、というのは一部の平民にとっては褒め言葉である。
威張り散らす無能貴族とは違う、という意味なのだから。
しかしルイズには違う。
ルイズにとって、威張り散らす無能貴族とはすなわち貴族ではないのだ。
貴族らしくないというのは、そういった貴族たちのことを言うのである。
ルイズに対する褒め言葉はこの場合、
「真の貴族のようです」
ということになる。
そして、ルイズが目指すのもまさにそれなのだから。
今では、シエスタもそれを知っている。
魔法が使える者を貴族と呼ぶのではない。貴族として生きることを自分に課している者を貴族と呼ぶのだ。
「貴族のことは私にはわかりません。けれども、ルイズ様はルイズ様です」
それは途轍もない褒め言葉だ、とルイズは思った。
ヴァリエールの名は関係ない。貴族すら、関係ない。シエスタが見ているのはルイズ個人。そのうえで、ルイズを敬ってくれている。
「ねえ。シエスタ」
「はい」
「お料理とお酒を適当に見繕って、ここに持ってきてくれない?」
「ここに、ですか? 舞踏会はよろしいんですか?」
「ゼロと呼ばれるだけだった私には見向きもしないで、ザボーガーを召喚してフーケを捕まえたら今度は断るのも一苦労なくらいにわらわらと寄ってくる。いったい何が目当てやら。そんな人たちに興味はないわ」
大きく溜息をついたルイズにかけられる声。
「しかし、君がフーケを捕まえたのは事実なんだろう? 胸を張ればいいじゃないか」
「問題は、張るほどの胸がないのよ、この子」
「仲間」
「ふーむ。なるほどねえ。ふーむ」
「何をまじまじと見てるのかしら、ギーシュ?」
「いや、待ちたまえ。これは……誤解だ、そう、誤解だよモンモランシー!」
「見られた」
「ミス・タバサ! 君はどうして、そういうときだけ口数が増えるのかね!」
「ギーシュぅううう」
いきなり騒がしくなったバルコニー。
キュルケ、タバサ、ギーシュ、モンモランシーの登場である。
「えーと、貴女……シエスタだったかしら? 私たちの分も何か適当にお願いね」
「ハシバミを忘れずに」
「かしこまりました」
キュルケに頭を下げ、タバサのリクエストを耳に留め、シエスタはそそくさと厨房へ向かう。
「いきなり増えたねぇ、やっぱり人気あるぜ、嬢ちゃん」
「これって人気かしら?」
いつものメンバーをうさんくさそうに眺めるルイズ。だけど、その表情は先ほどと違って明るい。
「しょうがないわね、ちょうど椅子も余っているし」
タバサはさっさと椅子に座り、キュルケはそこに隣り合うように椅子を動かして座る。
モンモランシーは首を傾げるギーシュを引っ張るようにして座らせ、自分はその横に。
数分後、料理と飲み物を運んできたシエスタに強引にグラスを持たせるルイズ。
「あの、困ります。あの、まだお仕事が」
「だから、乾杯だけ。シエスタにも一緒に祝って欲しいの」
ヘルメットを被ることに最初に気付いたのはシエスタ。それについてはルイズは素直に感謝しているのだ。
それに、シエスタのお爺ちゃんが持っていたという『綺麗な絵』も、いつか確かめなければならない。
「仕事に少しくらいなら遅れても大丈夫よ。ギーシュに口説かれそうになって逃げてたって言えばいいから」
「ああ、良い考えだね。って、ミス・ツェルプストー、君はどういう目で僕を見ているんだい」
「キュルケの目は確か」
「うん。ミス・タバサ、君の寸鉄人を刺す口舌は本当に素晴らしいと思うよ。だけどそれを連続して僕に向けてもらうのは止めてもらえないかな」
「ギーシュ、いつの間にタバサとまで仲良くなったの……」
「モンモランシー、今のが仲良く見えるのかね君は……」
「というわけで」
グラスを掲げるルイズ。
「フーケを懲らしめたことと、私のザボーガーに、乾杯」
最初の一杯を一気に飲み干すと、どんとテーブルの中心にワインの瓶を一ダースほど並べるルイズ。ビンの周りには所狭しと並べられた料理。そしてハシバミサラダ。
ハシバミサラダが一人の前に重点的に置かれているが誰も気にしない。それどころか喜んでいる。
ホールの中から聞こえてくる音楽に耳を澄まし、六人の小さな食事会が始まった。
六人はすぐに五人になる。シエスタは本当に仕事中なので、仕方がない。それ以上の無理強いはさすがに横暴の域だ。
すぐに戻るわ、と言ってシエスタの後を追うルイズ。シエスタの故郷、タルブの村にあるという『綺麗な絵』を見せてもらう約束を取り付けるのだ。
残された四人のルイズが戻るまでの話題はザボーガーである。
キュルケとタバサは間近でその力を見ているが、ギーシュとモンモランシーは見ていない。
二人の言葉を信じない、と言うわけではないが、やはり信じがたいものがある。自らもゴーレム使いであるギーシュにとってはより以上だ。
だから、ギーシュはザボーガーの話を根ほり葉ほり聞き始める。
そしてキュルケは、ギーシュにある小さな出来事を告げる。
ギーシュはやや表情を曇らせると、真面目な顔で考え始める。
「……そうだね。その通りだ。僕も考えておくよ」
言葉通りに戻ってきたルイズは、四人がザボーガーの話をしていると気付くと喜んで参加した。
「同じゴーレム使いとして、是非、話を聞きたいね」
「ギーシュ、それは聞き捨てならないわよ」
やや飲み過ぎてご機嫌のルイズは言う。
「私のザボーガーは、トライアングルメイジのゴーレムを圧倒したのよ? ドットメイジのワルキューレと一緒にされては困るわ」
「なるほど」
ギーシュはこともなげに言う。
「ミス・ツェルプストーとミス・タバサの援護があったとはいえ、確かに見事だね」
「援護?」
ルイズの目が据わっている。
「そんなの、なかったわよ。二人はすぐに捕まってたんだから」
「では、君は本当に一人でフーケを倒したのかい?」
「そうよ、まさか、信じられないとでも?」
「さあ」
はぐらかすようなギーシュの言葉に、ルイズは何事か呟く。
モンモランシーは、聞こえた呟きの内容に自分の耳を疑う。そして、キュルケとタバサはお互いの顔を見た。
タバサは当然のように、キュルケは残念そうに。
「何か言ったかい? ルイズ」
「……の癖に」
「ん?」
「ドットの癖にって言ったのよ!」
「それは、僕のことかい?」
「そうよ。青銅のギーシュ、貴方のこと。ドットメイジの貴方のこと。ザボーガーに劣るゴーレムを操る貴方のこと!」
「僕に対する挑戦かい? ミス・ヴァリエール」
「貴方、フーケに勝てるのかしら? ミスタ・グラモン」
ギーシュは立ち上がる。
「酔って口が滑ったとは言わせないよ」
「酔っぱらって本音が出たのよ」
「そうかい」
己の杖でもある薔薇の造花を手に取り、いつものように気障な仕草で一礼。
「では、我が名誉を守るために。僕、ギーシュ・ド・グラモンは、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールに決闘を申し込む」
「ザボーガーに勝てる気?」
「いや、まさか」
ギーシュは不敵に笑った。
そこにいるのはいつものギーシュではない、青銅のギーシュでもない。
そこにいるのは、トリステイン正規軍の重鎮、グラモン元帥の息子だった。
「僕が勝つのは、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、君にだよ」
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