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#navi(異世界BASARA)
気絶した男…真田幸村は夢を見ていた。
『お館様あぁー!』
『幸村あぁー!』
『お館様あぁぁぁぁぁーっ!』
『幸村あぁぁぁぁぁーっ!』
武田軍にとっては日常になっている熱血師弟の殴り合いである。
『ふはは!強うなったのぅ幸村!』
『なんの!この幸村、まだまだお館様に遠く及びませぬ!!』
『旦那~大将~朝御飯出来たよ~~早く食べちゃって~』
『うむ!行くぞ幸村っ!』
『待って下されお館様!お館様ぁー……』
「お館様ああああああっ!!」
叫び、起きてみれば、そこは自分の見知った甲斐ではなかった。
ランプ、西洋風のテーブルが目に映る。
「ゆ、夢だったのか…だがここは…確か俺は気絶して…あ…ぬぉぉ!あ、あのような事を…!」
「やっと起きた?」
「うおぉあっ!?」
突然聞こえた声に驚く。見ると、ベッドにルイズが腰掛けており、吊り上った目でこちらを見ていた。
「おおお主は…!」
「まったく、こんなに主人の手を煩わせる使い魔なんてね!服は台無しにされるし…」
(…ああ、そうだ思い出したぞ!この女子にこの世界へ連れてこられたのだった。そして…もう甲斐にも戻れぬ…)
「くっ!お館様のおらぬこの地で、俺は何処に行けば…」
「何言ってるのよ」
ルイズの言葉に幸村は顔を上げる。
「あんたはここに住むの!勝手に何処かへ行ったりしないの!」
「…そ、それはつまり…ここにいてもよいという事なのか?」
「使い魔なんだから当然でしょ!あんたにはその義務があるんだから!」
仕える主君のいないこの世界で、この女子はここにいてもいいと言った。
何者か分からぬ自分を…
「なんと…なんと………なんと情に厚いお方でござろうか!」
「なな!?何よいきなり!」
「誰とも分からぬ上、行く当てのない俺…いや!拙者にそのような情けをかけてくれるなど!是非名を聞かせてくだされ!」
突然立ち上がり、涙目でこちらを見てくる幸村にルイズは引いた。
「ル、ルイズ…ルイズ・フランソワー…」
「ルイズ殿でござるか!拙者は真田幸村と申す!この幸村、仕えるからには全力でお役に立てるよう振る舞う所存んんっー!」
感激のあまり、涙でぐしゃぐしゃになった顔でそう言うと幸村は跪く。
「そ、そう?結構物分かりがいいじゃない…」
ルイズの方は完全にドン引きしているが…
「…じゃあ私もう寝るから、朝になったら起こしてちょうだい」
「承知いたしました!!」
そしてルイズはベッドの中に入り、一方の幸村は用意されていた寝床に仰向けになった。
が、しかし…ここで幸村に1つ問題が…
「…すぅ…すぅ…」
「…………」
「…ふみゅ……ん…」
「……ね、寝付けぬ…」
彼にとってこれはちょっとした拷問である。
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