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「ときめき☆ぜろのけ女学園-08」(2009/08/06 (木) 14:17:13) の最新版変更点
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#navi(ときめき☆ぜろのけ女学園)
「そんなの嫌あああ!」
キリの発言に頭を抱えて狼狽するルイズ。
「ルイズ、ごめん……っ。そんなに嫌だった? もうしないよ。ね、落ち着いて」
その言葉にルイズは、今度は途端に目を見開いてキリの顔を正面から見据える。
「もうしないの!? そんなあっ!」
「だって嫌って……」
「違うのよ! そうじゃないのよ! キリが……、キリがキス上手だから、だから……っ!」
そう言うルイズの脳裏にはキリと多種多様な妖怪達とのキスシーンが次々浮かび……、
「あ゙ ー!!」
……自身の想像に耐えられなくなり絶叫した。
「ルイズ、大丈夫!? どうしたの!?」
「ねえ、今までに何人とキスしたの!? 何回したの!? 誰としたの!?」
「え……、そんなのいちいち覚えてないよ」
「い……、いちいち覚えてない……。覚えてないほど……?」
衝撃に目眩を起こしたルイズ。ただでさえ不安定な樹上でそのような事になれば当然、
「ルイズっ」
「きゃああああ!」
――ズザザザザザー
派手な音を立てて落下し、キュウリを手に反撃中のキザクラ・それを受けつつ後頭部の口でキュウリを食べているベニの背後の茂みに、脚だけ突き出した格好を晒した。
「な……、何なの」
「た……、助けなきゃ」
「あら?」
ふと気付くと、ルイズは前後左右もはっきりしない純白の世界に立ちつくしていた。
「キリ……? ねえ、どこ……?」
少し歩くと純白の空間が四角く切り取られていて、そこからかすかにキリの笑い声が聞こえてきた。
『ふふ……、あはは……』
「キリ!」
喜色満面という表情でその向こうに駆け込むルイズだったが、次の瞬間硬直する。
「あはは、ペロったら」
そこではキリ・ペロが激しくキスを交わしあっていた。
「ちょっ……、何してるの?」
ルイズの声に振り向いた2人はあっけらかんとした表情で、
「ルイズ」
「だってルイズはやだって言ったし」
「違……っ、そんな、やだ、やめて! 嫌ああああ!!」
「嫌ああああ!!」
絶叫と共に布団をはねのけてルイズは目を覚ました。
「おー、目が覚めた」
「あ……、あれ? 私……」
周囲をきょろきょろ見回し、ここが自室に敷かれた布団の上だという事を認識する。
「そうか、夢だったのね。あー、よかった……」
ほっと安堵の溜め息を吐いたルイズ。しかしその溜め息の理由に困惑する。
「ん? ……あれ? 何で? 何で夢でよかったの?」
――ガラララ……
「ルイズ! よかった、目が覚めたんだね」
するとそこに、おにぎりを山盛りにした皿を手にキリが部屋を訪ねてきた。
「キリ!!」
「お腹空いてるだろうと思って食堂行ったら、丁度ベニがおにぎり握ってて」
キリの背後から出てきたベニがルイズに軽く一礼する。
「え……」
「ルイズにお見舞いにって。ね」
「お口に合うかわからないけど……」
顔を接近させて微笑むキリに、はにかんだ表情になりつつベニも微笑む。
(何で二口女が……。まさか……)
その姿に、ルイズの脳裏にキリが下のお口をベニの後頭部の口で激しく責められている光景が浮かんだ。
「そんなの嫌あああ!」
「ルイズ!?」
顔を真っ赤にして叫んだルイズだったが、キリの言葉に我に返る。
そこで自分が見せた**に気付き、いっそう顔を赤くして頬を押さえる。
「やだ、嘘、そんなわけないじゃない! 私おかしいわっ!」
「ルイズ……、顔赤い」
キリはそっと自分の額をルイズの額に当てて熱を測る。
「熱でもあるのかな」
(し……心臓がバクバクするわ!)
「ルイズ? 苦しいのか?」
そこへルイズの異常を察したらしく、ペロもキリの肩越しにルイズの様子を見る。
「!!」
その様子を見たルイズの心中で何かが焼かれ熱く膨らんでいった。
(え、あれ、やだ、何? ペロがキリにくっついてるだけで……。嘘、今まで気にした事無いのに)
そんなルイズの心情を知ってか知らずかキリ・ベニは、
「熱があるならお粥にした方がいいかな?」
「そうだね。ありがとう、ベニ」
と親しげに会話していた。
(あ、あ、やだ、近付きすぎ!! 駄目……っ、これ以上焼いたらもちが焦げる!!)
「キリに触ったら嫌ー!! キリが他の子とくっつくのは嫌なのー!!」
凄まじい形相になって絶叫を上げたルイズに、一同は驚愕してルイズに向き直る。
「顔こわっ」
「ルイズ?」
(どうしよう。あたし……、あたし……、キリに恋してるんだわ……。女の子同士なのに……、でも……でも……)
ルイズの想いはもう止まらない。
ルイズにはキリへの溢れる想いを彼女に伝える以外の選択肢は残っていなかった。
「キリが好きなの……っ! 独り占めしたいくらい大好きなの!」
「ルイズ……」
突然の告白に驚愕を隠せなかったキリだったが、そっと微笑むとルイズの顔を真正面から見据える。
「私も、いつも元気で明るくて笑顔のルイズが可愛くて可愛くて大好きだよ」
「キリ!」
そのままキリはルイズの顔に唇を接近させていく。
「いいとこなのにっ」
「しー」
見物の最中にベニに部屋を追い出されて不満げな声を上げるペロを、ベニが静かにさせて事の次第を2人に任せる。
一方、キリはルイズの鼻に「ちょこん」という擬音がよく似合うような軽いキスをした。
「はっ、鼻っ!」
「あはは」
鼻へのキスに不満げな表情のルイズは頬を膨らませていたが、
「ルイズ?」
激しく抱きついてその勢いのままにキリの唇を奪った。
「きゃーっ!」
「ルイズ、顔真っ赤」
自分で仕掛けながら照れのあまり絶叫したルイズの顎をそっと上げて、
「我慢してるのに可愛すぎて困る……」
先程同様に軽く、しかし今度は唇にキスをする。
「我慢しなくていいのよ! だ……、だって恋人同士になるんだから!」
そのルイズの言葉に、キリは突然ルイズから手を離して俯いて沈黙した。
「………」
「キリ? どうかしたの? え? あれ? 違うの?」
「……あのね、本当は言いたくないけど、でもルイズが大事だからちゃんと言うね」
「キリ?」
「ねえ、覚えてる?」
顔を上げたキリは心底辛そうな表情で、
「私と恋人同士になるって事は、ルイズも妖怪になっちゃうんだよ! 本当にいいの?」
(私が妖怪にー!?)
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