「ゼロの守護月天 1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「ゼロの守護月天 1」(2007/07/31 (火) 19:25:30) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
本日数十回目の爆煙が上がる。
が、今回も爆煙の中に生き物らしき影は浮かんではいなかった。
(今度もダメだったか・・・)
ルイズがそう思った直後に爆心地で何かがキラリと光ったのを見つけた。
確かめるためにも近づいて見ると、なにかが落ちていた。
「なにかしら、これ?」
爆心地に落ちていた物をおもむろに拾い上げる。それは八角形のリングだった。
その瞬間、取り巻きの生徒達から爆笑が上がった。
「いくらなんでもそんなもん召喚すんなよwww」「流石『ゼロのルイズ』、まともなものを召喚しねぇや。そこに(ry」「せめて平民を召喚しろよpgr」etcetc・・・
そんな爆笑を受け、顔を真っ赤にしながらルイズはそれを否定する。
「な、こ、これは違うわよ!ミスタ・コルベール、やり直しを・・・・・、ってあれ?このリング、向こう側が見えない?」
本来見えていなければいけない風景が、リングを通してみると真っ暗で何も見えない。
さらに詳しく調べてみようと、リングの穴を覗いていると異変が起こった。
突然、リングが鋭い閃光を放ち始めたのだ。
「え、ちょ、なんなのよ、これ!?」
突然の出来事に、とっさにリングを放り投げるルイズ。
リングはますます放つ光を強くする。
そして、ひとしきり光った後に少女がリングの中から現れた。
この不思議現象を前に、その場に居合わせた生徒全員が唖然としながらもその光景を見届ける。
銀髪の少女がルイズに傅く。
「はじめまして、御主人様。私は守護月天シャオリンと申します」
「しゅ、しゅごげってん?」
ルイズは聞いたことのない単語をオウムのように繰り返した。
「はい」
にこやかな表情で、シャオは質問に答え始める。
「空に浮かぶ月のように主から離れることなく守り続ける者という意味です。私の名前はシャオリン。シャオとお呼びください」
「ところで、御主人様。あなたのお名前は?」
シャオと名乗る少女がルイズに名前を尋ねてきた。
「ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」
「ゼロのルイズって名乗るの忘れてるぞ~」
「うっさい!!」
いつもの調子を取り戻した外野から野次が飛んできたが、シャオには聞こえていなかったようだ。
彼女は目を閉じ、黙祷しているように見える。
まぁ、実際のところルイズの名前を頭の中で反復しているだけなのだが。
「・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
しばしの沈黙が流れた後に、シャオは口を開いた。
「素敵なお名前ですね」
嬉しそうに答えるシャオを前に、ガクッと崩れ落ちるルイズ。
(この子、天然だわ・・・・)
そう思っているルイズに、今度はコルベールが声をかける。
「そろそろ契約の続きをしてもらえないかな、ミス・ヴァリエール。いいかげん次の授業が始まってしまう」
コルベールのしごく全うな意見に、ルイズは多少戸惑いながらも契約を再開し始める。
「・・・女の子だからノーカウントよね。シャオだっけ?ちょっとじっとしてて」
そう言うと、ルイズは契約のための呪文『コレクト・サーヴァント』を唱え始めた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
そして重なるルイズとシャオの唇。
「え、えっとぉ・・・」
流石に呆然となるシャオの右手には契約の証となるルーンが刻まれていた。
こうして"ゼロ"と呼ばれている少女は春の使い魔召喚を成功させたのである。
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: