「侍の使い魔-16」(2009/03/15 (日) 22:37:04) の最新版変更点
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#navi(侍の使い魔)
ルイズの部屋に現われたアンエリッタは感極まったように
ひざをつくルイズを抱きしめる。
「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!」
「姫殿下、いけません、こんな下賎な場所におこしになられるなんて・・」
銀時は最初何が起こったのかわからなかったが
2人の話に聞き耳を立てるとどうやら2人は幼馴染らしいということがわかった。
ルイズもかなり偉い貴族の娘と聞いているからトリスティンの姫と幼馴染でも
おかしくはない。
2人とも思い出話に花を咲かせている。
元々姫に興味がない銀時は女の話に男が関わるもんではないと部屋の隅の
藁のベッドに腰を下ろし壁に背を預けた。
そのまま寝てしまおうかと思った。
「貴方が羨ましいわ、自由って素敵ね。ルイズ・フランソワーズ」
「なにをおっしゃいます。貴方はお姫様じゃない」
アンエリッタはルイズに近々結婚することを伝えた。
ルイズも一応祝福の言葉をだすが、アンエリッタの口調からそれが
望んだ結婚ではないというのはわかっていた。
黙って聞いていた銀時はなんとなくアンエリッタが気にいらなかった。
銀時の周りの女性は強い女ばっかりだった。
どんなつらい状況でも自分からつらいなどと言う女は一人もいなかった。
道場の存続のため、遊郭まがいの店に身を売ろうとしていた新八の姉、妙しかり
自分の命が短いにもかかわらず愛する人から身を引いた沖田の姉、ミツしかりである。
アンエリッタはいかにも同情がほしいという口調に銀時は少しイラッときた。
今の状況が嫌なら戦えば良い。
ルイズですらも魔法が使えないという状況から抜け出そうと必死に戦っているのは
銀時も良くわかっている。
だからこそルイズの味方でいようとしているのだ。
だが目の前のアンエリッタは恐らく戦おうとすらせず同情がほしいらしい。
-自己憐憫がここまでくるとイライラするな。
そんな風に自分を見ている銀時にアンエリッタは気づく。
「あら、ごめんなさい。もしかしてお邪魔だったかしら」
「お邪魔?どうして?」
「だって、そこの彼、貴方の恋人なんでしょう、いやだわ「ちょと待てぃ!!」
アンエリッタの言葉をさえぎり大声が上がったのにルイズとアンエリッタは
驚いた。
「このピンクの凶暴な生き物と俺が恋人だぁ!!冗談も休み休み言えよ。
姫さんよぅ」
銀時はアンエリッタを見て凄む。
アンエリッタは呆然としていた。
今まで自分にこんな無礼な口をきいた人間は初めてだった。
「ちょっとあんた姫になんて口を・・その前にピンクの凶暴な生き物って
誰のことだぁぁ!!」
「どう見てもお前のことだろう、クギミー目、ヒンニュー科、ツンデレー種のルイズさんよぉ」
「そんな生き物いるかぁぁ!!あんたなんかスギタ目、テンパー科、ダメニンゲン種のギントキじゃない」
「ルイズ・・?」
アンエリッタはルイズの豹変振りにも驚いた。
「え・・いやー!!違うんです、全部こいつのせいなんです。こいつが悪いんです」
姫の前でとんでもないところを見せてしまったルイズは大慌てで取り繕うとする。
「っていうか、こっちのほうが素だろ、どう考えても・・」
「もうあんたはしゃべるな!!」
「クスクス・・」
「姫様?」
アンエリッタはそんな銀時とルイズの様子を見て笑い出した。
「とても仲がよろしいんですね、2人とも」
「ちがうんです、こいつはただの使い魔なんです」
「使い魔?」
アンエリッタは再度銀時をみた。
「どう見ても人にしか見えませんが?」
「一応人です、姫様」
-一応ってなんだよ、一応って
心の中で銀時は毒づく。
「そうよね。はぁ、ルイズ・フランソワーズ、あなたって昔からどこか変わっていたけれど
あいかわらずね」
「好きであれを使い魔にしたわけではありません」
「あれって言うな!!って言うか俺も好きで使い魔やってるわけじゃないからね」
「もういいからしゃべるな」
そんなやり取りの後にアンエリッタはため息をつく。
なにやらアンエリッタには悩みがあるらしい。
しかし銀時はそのため息にわざとらしさを感じた。
ルイズはアンエリッタの悩みを聞こうとしている。
銀時は嫌な予感がした。
このパターンからいくと又なんかに巻き込まれる前振りだと気づいたからだ。
アンエリッタはなんでも無いと言っていたが結局ルイズの説得で話すことになった。
-この女最初から話す気だったんじゃねえか、話す気がなかったんならため息なんかつくなよ。
無意識でやってるとしたらなおさらたちが悪い。
「席をはずそうか」
銀時の言葉にアンエリッタは首を振る。
「いや、メイジにとって使い魔は一心同体、席をはずす理由はありません」
「チッ」
銀時は舌打ちをした。
うまく逃げようとしたが、これで巻き込まれること決定らしい。
-空気読めよな、姫さんよ。
アンエリッタの話を聞くと、アンエリッタは近々ゲルマニアの皇帝の元に嫁ぐという。
それは今内戦中のアルビオンのレコンキスタに対抗するためにもどうしても必要だという。
そのためレコンキスタはその婚姻を妨げる材料を血眼で探しているらしい。
そしてその材料とやらがあるらしい。
「おお、始祖ブリミル・・この不幸な姫をお救いください・・」
銀時はルイズとアンエリッタの演技のような掛け合いにますますイライラした。
-貴族って奴はいちいちこういう喋り方しないと話せないのか。
-っていうか姫もどこまで自分をかわいそうだと思えば気が済むんだ。
-良いから早く本題に入れ!!
その後、銀時が根気よく2人の話を聞いていくと
その材料とやらはアルビオンのウェールズ皇太子がもっている手紙らしい。
話を聞いて銀時はピンときた。
ようはアンエリッタは自分達に自分の色恋沙汰の尻拭いをやれということらしい。
強制するようなことは言ってないが、ここまで聞いて
『それは大変だな、まあがんばれや』と言えるだろうか。
銀時だったら言うかもしれないが、ルイズの性格を考えると
100%無い。
案の定、ルイズはアルビオンに行くと言い出した。
銀時はため息をつく。
-この姫さん、わかっててやってるのか。あんな言い方だとルイズの性格考えれば行くって言うに決まってる
ルイズとアンエリッタは又芝居じみた掛け合いをしながら友情を確認しあっている。
それはまるで自分達自身に酔っている様だった
銀時はそれになに白々しいものを感じながら、冷めた目で問うた。
「ああ、ちょっと良いか」
「あによ」
「そのアルビオンって俺も行くんだろう」
「当たり前じゃない」
銀時はうんざりした声で言った。
「俺もいろいろ忙しいんだけど」
「あんたいつも暇そうにしてるじゃない」
「俺は仮○ライダーとかやらないといけないし、結構忙しいの
お前だってガ○ダムとハ○テが終わったとはいえ、第2期で出番があるかもしれないし
今期は主役のやつだってあるんだろう」
「ちょっとう!!!そのネタはいい加減に自重しなさいよ!!!!」
「日○君によろしく言っといてくれ」
「だからぁぁ!!」
「あのさっきから何を?」
「いえ、姫様には関係ないことです」
銀時は正直アルビオンへは行きたくなかった。
しかし、ルイズが行くと言う以上、ついていかざる得ない。
それが銀時にとっての武士道だからだ。
-やれやれ、俺はどの世界でもピンク色の髪をした女の子の面倒みる星の下にでもいるのかね。
ルイズは友情のためだと思っっているが、銀時はとてもこれが友情だとは思えなかった。
友情というのは対等な関係で初めて成り立つ物だ。
銀時の親友、桂小太郎も良く銀時に助けを求めたり、仲間になれといってきたりするが
あくまで対等な関係においてである。
万事屋としてお願いするときは報酬も払うし、飯をおごってもらったりもする。
そして、必ず銀時と共に戦う。
しかし、今回は命がけの任務のわりに報酬もない上にこの姫は何のリスクも背負わないらしい。
こんな一方的な友情があるのだろうか。
ルイズは早朝にでも出発するという。
朝早いと聞いて銀時は、藁のベッドで寝ようとしていた。
「あの、頼もしい使い魔さん」
「ん・・」
アンエリッタの言葉にめんどくさそうに返事をする銀時
「私の大切な友達を、これからもよろしくお願いします」
アンエリッタはそっと左手を差し出した。
銀時は心底めんどくさそうな顔で頭を掻く。
「じゃあ、あんたが行けよ、姫さん」
「え!?」
もうこれにはアンエリッタは絶句するしかなかった。
ここまで自分に対して無礼な態度をとったのは銀時が初めてだったからだ。
「姫さん、実はセ○バーの英霊(サーヴァント)で宝具にエクス○リバーが
使えるとかって特技ない。それだったら姫さんが行ったほうが・・・」
ルイズはワナワナ震えている。
「あんた姫様になんて口を・・そしてそのネタはいい加減自重しなさいって行ったでしょう!!」
ルイズの怒りが頂点に達しようとしたとき突然ドアが開いた。
「きさまー!!恐れ多くも姫殿下に、なんて無礼なー!!」
入ってきたのはギーシュだった。
ギーシュは銀時に飛びかかろうとするが銀時はすでに『洞爺湖』を
かまえギーシュに向けて振った。
「ぐええ!!」
ギーシュは部屋の隅まで吹っ飛んだ。
「ああ、何かさっきからドアの向こうで覗いている奴がいるなとは思っていたけどよ」
「ちょっとこいつ盗み聴きしてたの、ギントキも気づいてたらなんで言わなかったのよ」
「めんどかったから」
「あんたねー」
「うぐぐ・・」
倒れたギーシュが立ち上がろうとする。
銀時はその顔を見て
「ところでお前誰だ?」
「何ぃー!!」
「あんた本気で行ってるの」
銀時の言葉にギーシュとルイズは驚きの声を上げる。
「どっかで見たことあるなぁとは思うんだけどよ」
「僕だよ、ギーシュだよ、ギーシュ・ド・グラモン。ほら決闘しただろう」
「ん?ショーユ・デ・グラタン?何か不味そうな名前だな」
「違ぁーう!!ギーシュ・ド・グラモンだ」
「ああ、大島君ね、久しぶり、ところでペットのポチは元気にしてる」
「原形すらとどめてねーだろう、誰だよ大島君って」
やいのやいの騒ぐギントキ達にアンエリッタは完全に置き去りにされている。
ここまで無視されたのも初めてだった。
死んだ魚のような目をしたルイズの使い魔は、マイペースの上相手のペースを
崩すのが得意らしい。
そしてルイズもだんだんその影響を受けているようだった。
この後ギーシュも姫に懇願し、ルイズについていくことになった。
さらにめんどくさいことになったと銀時はため息をついた。
-どいつもこいつも一時のテンションに身をまかせやがって
#navi(侍の使い魔)
#navi(侍の使い魔)
ルイズの部屋に現われたアンエリッタは感極まったように
ひざをつくルイズを抱きしめる。
「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!」
「姫殿下、いけません、こんな下賎な場所におこしになられるなんて・・」
銀時は最初何が起こったのかわからなかったが
2人の話に聞き耳を立てるとどうやら2人は幼馴染らしいということがわかった。
ルイズもかなり偉い貴族の娘と聞いているからトリスティンの姫と幼馴染でも
おかしくはない。
2人とも思い出話に花を咲かせている。
元々姫に興味がない銀時は女の話に男が関わるもんではないと部屋の隅の
藁のベッドに腰を下ろし壁に背を預けた。
そのまま寝てしまおうかと思った。
「貴方が羨ましいわ、自由って素敵ね。ルイズ・フランソワーズ」
「なにをおっしゃいます。貴方はお姫様じゃない」
アンエリッタはルイズに近々結婚することを伝えた。
ルイズも一応祝福の言葉をだすが、アンエリッタの口調からそれが
望んだ結婚ではないというのはわかっていた。
黙って聞いていた銀時はなんとなくアンエリッタが気にいらなかった。
銀時の周りの女性は強い女ばっかりだった。
どんなつらい状況でも自分からつらいなどと言う女は一人もいなかった。
道場の存続のため、遊郭まがいの店に身を売ろうとしていた新八の姉、妙しかり
自分の命が短いにもかかわらず愛する人から身を引いた沖田の姉、ミツしかりである。
アンエリッタはいかにも同情がほしいという口調に銀時は少しイラッときた。
今の状況が嫌なら戦えば良い。
ルイズですらも魔法が使えないという状況から抜け出そうと必死に戦っているのは
銀時も良くわかっている。
だからこそルイズの味方でいようとしているのだ。
だが目の前のアンエリッタは恐らく戦おうとすらせず同情がほしいらしい。
-自己憐憫がここまでくるとイライラするな。
そんな風に自分を見ている銀時にアンエリッタは気づく。
「あら、ごめんなさい。もしかしてお邪魔だったかしら」
「お邪魔?どうして?」
「だって、そこの彼、貴方の恋人なんでしょう、いやだわ「ちょと待てぃ!!」
アンエリッタの言葉をさえぎり大声が上がったのにルイズとアンエリッタは
驚いた。
「このピンクの凶暴な生き物と俺が恋人だぁ!!冗談も休み休み言えよ。
姫さんよぅ」
銀時はアンエリッタを見て凄む。
アンエリッタは呆然としていた。
今まで自分にこんな無礼な口をきいた人間は初めてだった。
「ちょっとあんた姫になんて口を・・その前にピンクの凶暴な生き物って
誰のことだぁぁ!!」
「どう見てもお前のことだろう、クギミー目、ヒンニュー科、ツンデレー種のルイズさんよぉ」
「そんな生き物いるかぁぁ!!あんたなんかスギタ目、テンパー科、ダメニンゲン種のギントキじゃない」
「ルイズ・・?」
アンエリッタはルイズの豹変振りにも驚いた。
「え・・いやー!!違うんです、全部こいつのせいなんです。こいつが悪いんです」
姫の前でとんでもないところを見せてしまったルイズは大慌てで取り繕うとする。
「っていうか、こっちのほうが素だろ、どう考えても・・」
「もうあんたはしゃべるな!!」
「クスクス・・」
「姫様?」
アンエリッタはそんな銀時とルイズの様子を見て笑い出した。
「とても仲がよろしいんですね、2人とも」
「ちがうんです、こいつはただの使い魔なんです」
「使い魔?」
アンエリッタは再度銀時をみた。
「どう見ても人にしか見えませんが?」
「一応人です、姫様」
-一応ってなんだよ、一応って
心の中で銀時は毒づく。
「そうよね。はぁ、ルイズ・フランソワーズ、あなたって昔からどこか変わっていたけれど
あいかわらずね」
「好きであれを使い魔にしたわけではありません」
「あれって言うな!!って言うか俺も好きで使い魔やってるわけじゃないからね」
「もういいからしゃべるな」
そんなやり取りの後にアンエリッタはため息をつく。
なにやらアンエリッタには悩みがあるらしい。
しかし銀時はそのため息にわざとらしさを感じた。
ルイズはアンエリッタの悩みを聞こうとしている。
銀時は嫌な予感がした。
このパターンからいくと又なんかに巻き込まれる前振りだと気づいたからだ。
アンエリッタはなんでも無いと言っていたが結局ルイズの説得で話すことになった。
-この女最初から話す気だったんじゃねえか、話す気がなかったんならため息なんかつくなよ。
無意識でやってるとしたらなおさらたちが悪い。
「席をはずそうか」
銀時の言葉にアンエリッタは首を振る。
「いや、メイジにとって使い魔は一心同体、席をはずす理由はありません」
「チッ」
銀時は舌打ちをした。
うまく逃げようとしたが、これで巻き込まれること決定らしい。
-空気読めよな、姫さんよ。
アンエリッタの話を聞くと、アンエリッタは近々ゲルマニアの皇帝の元に嫁ぐという。
それは今内戦中のアルビオンのレコンキスタに対抗するためにもどうしても必要だという。
そのためレコンキスタはその婚姻を妨げる材料を血眼で探しているらしい。
そしてその材料とやらがあるらしい。
「おお、始祖ブリミル・・この不幸な姫をお救いください・・」
銀時はルイズとアンエリッタの演技のような掛け合いにますますイライラした。
-貴族って奴はいちいちこういう喋り方しないと話せないのか。
-っていうか姫もどこまで自分をかわいそうだと思えば気が済むんだ。
-良いから早く本題に入れ!!
その後、銀時が根気よく2人の話を聞いていくと
その材料とやらはアルビオンのウェールズ皇太子がもっている手紙らしい。
話を聞いて銀時はピンときた。
ようはアンエリッタは自分達に自分の色恋沙汰の尻拭いをやれということらしい。
強制するようなことは言ってないが、ここまで聞いて
『それは大変だな、まあがんばれや』と言えるだろうか。
銀時だったら言うかもしれないが、ルイズの性格を考えると
100%無い。
案の定、ルイズはアルビオンに行くと言い出した。
銀時はため息をつく。
-この姫さん、わかっててやってるのか。あんな言い方だとルイズの性格考えれば行くって言うに決まってる
ルイズとアンエリッタは又芝居じみた掛け合いをしながら友情を確認しあっている。
それはまるで自分達自身に酔っている様だった
銀時はそれになに白々しいものを感じながら、冷めた目で問うた。
「ああ、ちょっと良いか」
「あによ」
「そのアルビオンって俺も行くんだろう」
「当たり前じゃない」
銀時はうんざりした声で言った。
「俺もいろいろ忙しいんだけど」
「あんたいつも暇そうにしてるじゃない」
「俺は仮○ライダーとかやらないといけないし、結構忙しいの
お前だってガ○ダムとハ○テが終わったとはいえ、第2期で出番があるかもしれないし
今期は主役のやつだってあるんだろう」
「ちょっとう!!!そのネタはいい加減に自重しなさいよ!!!!」
「日○君によろしく言っといてくれ」
「だからぁぁ!!」
「あのさっきから何を?」
「いえ、姫様には関係ないことです」
銀時は正直アルビオンへは行きたくなかった。
しかし、ルイズが行くと言う以上、ついていかざる得ない。
それが銀時にとっての武士道だからだ。
-やれやれ、俺はどの世界でもピンク色の髪をした女の子の面倒みる星の下にでもいるのかね。
ルイズは友情のためだと思っっているが、銀時はとてもこれが友情だとは思えなかった。
友情というのは対等な関係で初めて成り立つ物だ。
銀時の親友、桂小太郎も良く銀時に助けを求めたり、仲間になれといってきたりするが
あくまで対等な関係においてである。
万事屋としてお願いするときは報酬も払うし、飯をおごってもらったりもする。
そして、必ず銀時と共に戦う。
しかし、今回は命がけの任務のわりに報酬もない上にこの姫は何のリスクも背負わないらしい。
こんな一方的な友情があるのだろうか。
ルイズは早朝にでも出発するという。
朝早いと聞いて銀時は、藁のベッドで寝ようとしていた。
「あの、頼もしい使い魔さん」
「ん・・」
アンエリッタの言葉にめんどくさそうに返事をする銀時
「私の大切な友達を、これからもよろしくお願いします」
アンエリッタはそっと左手を差し出した。
銀時は心底めんどくさそうな顔で頭を掻く。
「じゃあ、あんたが行けよ、姫さん」
「え!?」
もうこれにはアンエリッタは絶句するしかなかった。
ここまで自分に対して無礼な態度をとったのは銀時が初めてだったからだ。
「姫さん、実はセ○バーの英霊(サーヴァント)で宝具にエクス○リバーが
使えるとかって特技ない。それだったら姫さんが行ったほうが・・・」
ルイズはワナワナ震えている。
「あんた姫様になんて口を・・そしてそのネタはいい加減自重しなさいって行ったでしょう!!」
ルイズの怒りが頂点に達しようとしたとき突然ドアが開いた。
「きさまー!!恐れ多くも姫殿下に、なんて無礼なー!!」
入ってきたのはギーシュだった。
ギーシュは銀時に飛びかかろうとするが銀時はすでに『洞爺湖』を
かまえギーシュに向けて振った。
「ぐええ!!」
ギーシュは部屋の隅まで吹っ飛んだ。
「ああ、何かさっきからドアの向こうで覗いている奴がいるなとは思っていたけどよ」
「ちょっとこいつ盗み聴きしてたの、ギントキも気づいてたらなんで言わなかったのよ」
「めんどかったから」
「あんたねー」
「うぐぐ・・」
倒れたギーシュが立ち上がろうとする。
銀時はその顔を見て
「ところでお前誰だ?」
「何ぃー!!」
「あんた本気で行ってるの」
銀時の言葉にギーシュとルイズは驚きの声を上げる。
「どっかで見たことあるなぁとは思うんだけどよ」
「僕だよ、ギーシュだよ、ギーシュ・ド・グラモン。ほら決闘しただろう」
「ん?ショーユ・デ・グラタン?何か不味そうな名前だな」
「違ぁーう!!ギーシュ・ド・グラモンだ」
「ああ、大島君ね、久しぶり、ところでペットのポチは元気にしてる」
「原形すらとどめてねーだろう、誰だよ大島君って」
やいのやいの騒ぐギントキ達にアンエリッタは完全に置き去りにされている。
ここまで無視されたのも初めてだった。
死んだ魚のような目をしたルイズの使い魔は、マイペースの上相手のペースを
崩すのが得意らしい。
そしてルイズもだんだんその影響を受けているようだった。
この後ギーシュも姫に懇願し、ルイズについていくことになった。
さらにめんどくさいことになったと銀時はため息をついた。
-どいつもこいつも一時のテンションに身をまかせやがって
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