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#navi(ゼロの花嫁)
「る、るいずちゃ……」
目を見開く燦。
ルイズは目の端に涙すら浮かべながら燦を睨みつけている。
その手にはくしゃくしゃに握り締められた燦からルイズへと宛てられた手紙がある。
「こんな……こんな紙切れ一枚で何がどうなると思ったのよ!」
燦に紙切れを叩きつける。痛くは無かろうがそんなルイズの様に燦は大きく怯む。
「こんな紙切れ一枚で! 私が貴女を見捨てるとでも思ったの!? 馬鹿にしないでよ!」
激昂したまま燦の襟を掴むルイズ。
「情けないっ! 情けないわサン! ……貴女の主人はそんなに頼りない!? 貴女一人を危地に向かわせて黙っているような人間だとでも思っていたの!?」
燦は子犬のように縮こまって許しを請う。
「ご、ごめんなさい……わたし……これ以上るいずちゃんに迷惑かけられんて……それで……」
「貴女は私の何なの! 答えなさいサン!」
怒鳴りつけられる度にびくっと震える燦。
覚悟を決めての行動であったが、ルイズの言葉の正しさと、何より必死さに燦は折れた。
「わ、わたしは……るいずちゃんの……使い魔……です」
その言葉が聞きたかった、そう言い聞かせるようにルイズは漸く笑みを見せる。
ゆっくりと燦の頬に手を伸ばし、氷の破片が解け僅かに濡れている髪を愛おしげに指で梳く。
「そうよ。貴女は私の使い魔なの。ならわかるわよね、私は決して自分の使い魔を見捨てるような真似はしないわ」
燦は涙目になりながら何度も頷く。
「もうこんな真似しちゃダメよ」
「うん、ごべんなざい……もうわたしせんきに……」
涙声でそう謝る燦の頭を、ルイズはゆっくりと何度も撫でてやるのだった。
燦を叱るルイズの代わりに、モット伯とはキュルケが相対する。
「お初にお目にかかります。キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーと申します」
ここでトリステインではない国の貴族が出てくるのはモット伯にとっても意外であった。
「ツェルプストー? 確かゲルマニアの……」
豊満な胸を誇示するよう両腕を殊更に内へと寄せ、艶のある微笑を見せる。
「ご存知でしたとは、光栄ですわ」
その瞬間の男達の表情を、キュルケは抜け目無く観察していた。
モット伯、超好感触。シエスタを選んだ事といいこいつおそらくおっぱい魔人だ。
隣のメイジ、反応無し。趣味故か弁えている故かは不明。更なる調査を要する。
取り囲んでいる男達、個人差はあれど概ね好感触。というか一人ぐらい弁えてる奴居なさい。仕事中でしょ貴方達。
ただそれだけで誤魔化せるはずもない。
「で、君達がどうやらこの小娘の主人らしいが、この始末どう着けてくれるのかね?」
ぐるっと見渡して周囲の状況を確認する。
どうやらハウリングボイスも使ってしまっているらしい。いよいよこれは逃げ道が無くなってきたようだ。
「そうですわね……当主自ら陳謝し、その上で損害を私達で持つ。そこまでは当然すべき事でしょう。後は……」
上目遣いでモット伯を見る。
「下手人の引渡しかしら?」
「そこまでが当然の条件だ。これだけの事をしでかしてくれたのだ、そんな程度で済ますつもりもないがな」
キュルケは笑う。ころころと愉快そうに。
「そうですか、それはそれは……ねえモット伯様、よろしければ細かい条件はもっと静かな、邪魔者も居ない場所でしません事?」
露骨に不愉快そうな顔をしたのは隣のメイジで、当のモット伯は目尻が垂れ下がり下卑た笑いを見せてくれている。
モット伯が何を言うより早くキュルケは隣のメイジに問う。
「ねえ、そこのメイジさんはどう思うかしら? みんなで話し合った方が良いと思う?」
見え見えすぎる意図を込めそんな言葉を紡ぐと、モット伯は面白いように引っかかる。
「コヤツはたかが護衛にすぎぬ! 判断は私が下す!」
そろそろ頃合。
キュルケは慇懃無礼に一礼をする。
「了解いたしました。では我等の責任者にその旨問うてみますわね」
ふいっと後ろを振り向く。
「ルイズ、穏便に済ませる最低限の条件の一つはサンの引渡しだそうよ」
ちょうどルイズと燦のやり取りが一段落ついたタイミング。
キュルケの役目は、単なる時間稼ぎであった。
「あ?」
何言っているんだこの馬鹿は。そんな顔でキュルケを睨むルイズ。
キュルケは両手を上げ、降参の意を示す。
「じゃあこの件の責任者である貴女に処理を任せるけど構わないかしら?」
「当たり前よ。サンは任せるわね」
ルイズとキュルケが位置を移動し、キュルケが燦の側に、ルイズがモット伯と相対する形になる。
すれ違いざま、キュルケがルイズをからかう。
「負けたら指差して笑うわよ」
「ふん、その指咥えて見てなさい」
まだ少しぐずっている燦を宥めるキュルケを他所に、ルイズは燦から受け取ったデルフリンガーを肩に乗せモット伯を睨む。
「勘違いがあるようだから言っといてあげる」
ふてぶてしい態度には、キュルケとの交渉で機嫌を取り戻しかけていたモット伯を、再度不機嫌時空に巻き込むだけのパワーがあった。
「まだ動ける連中も残らず張り倒されたくなければ、今すぐ、シエスタを返しなさい」
「何を小娘が……」
怒りに任せて怒鳴りつけようとするモット伯より先に、ルイズの怒声が響いた。
「ぐだぐだ言ってないでとっとと寄越しなさい! それが嫌ならどいつもこいつも叩っ斬るまでよ!」
モット伯の怒りが有頂天に達する。
トライアングルメイジである彼を怒らせる事がどれ程恐ろしい事か。
その気配を感じ取った部下達は、我先にと避難する。
残っているのは、モット伯のすぐ隣で彼を守るようにルイズ達に視線を飛ばしている男ぐらいだ。
モット伯の詠唱が始るなり、キュルケとルイズが動いた。
キュルケはレビテーションにて燦を抱えて宙を舞う。
ルイズは一直線にモット伯へと駆け寄っていく。
「愚か者が!」
ルイズの踏み込みよりも、当然モット伯の魔法の方が早い。
庭園にあった噴水の水が全て巻き上げられたかと思うと、小さく凝縮され、モット伯の眼前に集まる。
そしてモット伯がそうあれと念じると、眼前に浮いた水の塊から津波と呼んでも差し支え無い程の濁流が噴出してくる。
明らかに元の水量よりも多い。その比率の大きさが、モット伯のメイジとしての技量なのであろう。
かわす所ではない。幅六メイル、高さ三メイトルを越す大津波がルイズに襲い掛かったのだ。
これ程の水量を一詠唱で捻り出すモット伯の力量は確かな物であった。
キュルケはレビテーションが間に合い、辛うじて空高くへと退避する。
「サン、こいつはね。貴女とはちょっとだけ相性悪いのよ」
燦は水を被ると人魚へと戻ってしまうのだ。
「ひやぁ、あっぶなかったでー」
戦闘中に下半身が魚になんぞなった日には、それこそまな板の上の鯉となろう。
眼下には信じられぬ光景が広がる。
モット伯により放たれた水流は、正門へと続く小道、そしてその周囲の木々や草花を薙ぎ倒し、家を取り囲む壁へと辿り着く。
ただ流れているのではない。
濁流となり壁に叩きつけられる勢いで水はうねり、壁を跳ねた水は逃げ場を求めて上へと舞い上がる。
空高く飛んだ水飛沫は6メイルの高さにも達しているだろう。
それでも逃げ切れぬ水達は、左右へと逃れ屋敷の庭全体へと広がっていく。
もう一つの逃げ場、正門はヒドイ有様だ。
鉄製と思われる門扉は根元から剥ぎ取られ、とうに姿が見えなくなっている。
外へと至る唯一の出口に水達は殺到し、そこで圧縮された水達は更なる勢いを込めて外へと吹き出す。
水流に巻き込まれ、根元からへし折られた芯のか細い樹木は、右に左にと水の中を彷徨い、その圧力に抗しかねて一片数サントの木片と化す。
「さあて、お手並み拝見」
学園では見られぬ水魔法の極致を目の当たりにし驚愕に目を見開く燦を抱えたまま、キュルケはそう言って愉快そうに口の端を上げた。
モット伯の放った水魔法で、水圧が最も高い場所は何処であろうか。
一箇所は間違いなく正門周辺であろう。
そしてそれ以上の水圧を誇る場所が、モット伯の眼前、水球から水が生まれ出ずる場所である。
そこから三メイル程下がった所で、ルイズは地面に剣を突き刺し、この激流に逆らっていた。
『きょ、強烈ねコレ!』
両手でがっちりとデルフリンガーを掴むが、何せ頭の上まで周囲全部水である。
それもルイズを根こそぎ跳ね飛ばさんとする暴力に満ちた水だ。
一瞬でも気を抜けば手が滑って流される事は必定であろう。
それでも、無限に魔法を放つ事は出来ない。
位置的にも、モット伯からはルイズがこの場で堪えている事実は見えていまい。
ならば水が途切れた瞬間踏み込めば、次の魔法より先に斬りかかれる。
透明な水ではなく、水飛沫舞い、うねり狂う水流である為、ルイズからもその先の様子は見えていなかった。
故に見誤る。
水流が途切れた瞬間、勢い込んで踏み込もうとするルイズに向かい、モット伯ではない隣のメイジから氷の矢が放たれた事を。
ルイズも動き出していた為、何とかこれをかわす事も出来るだろう。
だがそれではダメなのだ。それだけでは、勝利を手にする事は出来ない。
「ああああああっ!!」
一瞬で腹を決めたルイズは雄叫びを上げながら、モット伯ではなく隣のメイジ目掛けてまっすぐに走り出す。
剣を持ったまま両腕を顔の前で交差し、急所への一撃を少しでも減らす。
矢が突き刺さる度前進の勢いが失われるが、両足に込めた力で再び加速を開始する。
体中の筋肉を硬化させ、何があろうと前に進む体勢が崩れぬよう固定する。
つまり、ルイズは数多放たれた氷の矢に向かって、そのど真ん中を突っ切って行ったのだ。
氷の弾幕を抜けると、最早遮る物もない。
大口を開けて間抜け面を晒すメイジの男は、それでもこの剣を受け止めようと杖を構える。
左下から振り上げ、脇の下を狙う剣の一撃に対する為杖を下に降ろした瞬間、ルイズの剣が加速し、今度は右上へと跳ね上がる。
その神速と手練の妙は、目の前でそれをされたメイジの男をして、剣が消えたと思わせる程であった。
男の左肩口にデルフリンガーの峰が全力で叩きつけられる。
「馬鹿……な、下から振り上がった剣が……何故上から……」
骨が砕ける嫌な音と共に、男は昏倒した。
すぐ隣に居たモット伯は小さく悲鳴を上げながら魔法を唱える。
幸い、目標はモット伯ではなく部下のメイジに行ったようだが、とても安心など出来ない。
詠唱の時間がもどかしく、そうこうしている間に部下のメイジが剣の一撃で倒されてしまった。
間に合え、間に合え、間に合え、間に合え、間に合え、間に合え……
それだけを心で繰り返しながら、恐怖に歪んだ顔で女に向かって手を突き出す。
メイジを斬り倒した女が、じろっとこちらを睨んだ。
『ひいいいいいっ!?』
今にも泣き叫んでこの場から逃げ出したかった。
濁流の魔法を堪え、氷の矢を全身に浴びて尚突き進むこんなバケモノの相手などしたくはない。
しかし、必死になって恐怖を堪えた甲斐があった。
ギリギリ詠唱が間に合い、こちらに飛び込んで来ようとする女に向かって、自らが最強と自負する濁流を放つ魔法を叩き込んでやれたのだから。
ほぼ距離は無し、この間合いならば最強の圧力で押し飛ばす事が出来よう。
勝利を確信した安堵で腰が抜けそうになるが、ぐっと堪えて水流を放ち続ける。
自身が放ち続けられる最長時間水流を放ち、確実に女を倒しきる。
そんな思考が、そも女への恐怖から生まれているとモット伯は気付いていなかった。
突き出した手の先からは、誰に見せても賞賛と羨望の眼差しで迎えられる水の嵐が吹き荒れている。
これを見ていると、恐怖に歪んだ自信が戻ってくる。
見よ、この圧倒的なまでの力を。
火の魔法など一瞬で消し去ってくれる、土の魔法など土砂と共に押し流してくれる、風の魔法などこの水の壁で跳ね返してくれるわ。
我が水の魔法こそが最強ぞ。
伸ばした右腕の先、そこから続く水の奔流はいつだってモット伯に絶対の貴族たる自らを思い出させてくれるのだ。
だから、手の先から放たれた水流を突き破って女の手が伸びてきたその光景を、モット伯は即座に信じる事が出来なかった。
手首がへし折れるのではないかと思える程強い力で握られた右腕。
その痛みに魔法の集中が途切れた瞬間、女の全身が水飛沫の壁から姿を現す。
腕は掴んだまま、逆の腕で握り締めた拳を振り下ろす。
一撃目で逆らう気力が根こそぎ奪い取られる。
二撃目で視界が真っ白に変わった。
三撃目で何も感じなくなった。
後はわからない。
顔が変形する程何度も殴りつけたルイズは、モット伯がその場に崩れ落ちるとようやく返り血に塗れた拳を引いた。
濡れそぼった衣服からは、じわりと血が滲んでくる。
そんな自身にさして興味がないのか、つまらなそうに周囲を見渡す。
ルイズの視線を受けた屋敷の者達は、自らの主人が倒れた事を理解すると、我先にと逃げ出した。
これだけの戦闘だ、見逃していた人間は一人とて居ないであろう。
しかしその中にシエスタの姿は見られない。
すぐにキュルケが燦を抱えたまま降りてきた。
「派手にやられたわねえ」
「うっさい。シエスタ探しに行くわよ」
二度目の水流を堪える為、大地へと突き刺してあったデルフリンガーを抜き取る。
「しっかし、娘っ子も強くなったなあ」
「娘っ子?」
戦闘直後で気が立っているルイズにぎろっと睨みつけられると、デルフリンガーは即座に降伏を申し出た。
「ルイズ! ルイズな!」
ふんと鼻を鳴らして屋敷の中へと向かおうとするルイズは、屋敷の入り口にシエスタの姿を見つけた。
シエスタは口元に手を当てて仰け反り、全身で信じられぬといった想いを表現していた。
「みなさん……どうしてここに……」
その姿を見た燦が大喜びで駆け寄り、シエスタに抱きつく。
しかし、事情を説明してくれた燦の言葉を聞いても、とてもではないがシエスタには信じられない。
貴族がこんな大騒ぎを起こしてまで平民を助けるなど、聞いた事もない。
ルイズはシエスタの様子に苦笑しながら、その頭をぽんと叩く。
「サンに感謝しなさいよ。この子が動かなきゃ私は指一本動かすつもり無かったんだから」
いまだ濡れそぼったままのルイズ、氷の矢を体に突き刺したまま平然と笑っている姿も、シエスタには信じられなかった。
余りの畏れ多さに絶望すら感じてしまう。
「ああ……ああっ! ミス・ヴァリエール! このようなお姿になってしまって……わた、私の為に……」
これは放っておいたらいつまでもこの調子であろう。それを面倒と感じたルイズは気楽な口調で語る。
「流石に少し寒いわ。帰ったらとっておきの紅茶をちょうだい。ミルクたっぷりで」
燦、ルイズ、キュルケと順にその顔を見渡した後、シエスタは腰を直角に曲げる程大きく頭を下げた。
「あ、ああ、ありがとうございます! この御恩は一生忘れません!」
燦とシエスタは馬で先に学園へと戻らせた。
残ったルイズとキュルケは並んで歩きながら、タバサがシルフィードと共に待機している場所へと向かう。
気を失っているモット伯の襟首を掴んでずるずる引きずりながら、キュルケは空を見上げる。
「ねえ、シエスタってあの状況だとどっかに閉じ込められてたんじゃないかしら?」
傷口がじくじくと痛み出しているが、キュルケにそれと悟られるのが嫌で平気な顔をしているルイズ。
「そうね。人質とかに取られてたらちょっと面倒だったかも」
キュルケはルイズと顔を合わせない。
「……いつもこういう尻拭いばかりさせてる気がするわ」
ルイズも又、前を向いたまま。
「今度何かしてあげないとね」
そこでお互い顔を見合わせる。ルイズもキュルケも超が付く真顔だ。
「でも、食事奢るだけは無しよ」
「ええもうそれだけは絶対嫌。二度と御免よあんなの」
恐らくルイズ達が屋敷の前で大騒ぎしている間に、屋敷に忍び込んでシエスタの安全を確保していたのだろう、この場に居ないもう一人の友人の、食堂での勇姿を思い出してぞっとする。
そして二人は笑いあう。
どちらもこんな日が来るなんて思ってもみなかった事であった。
二人がタバサの元に辿り着くと、タバサはシルフィードに寄りかかって座り、本を読んでいた。
何も無かった、そう言葉にせず主張しているタバサが可愛らしくて、ルイズとキュルケは二人がかりで嫌がるタバサにスキンシップを強要したりする。
そんな年頃の女の子らしい騒ぎも一段落すると、タバサはルイズに簡単な治療を施し、そして全てが終わった後で問うた。
「……それ、どうするつもり?」
まだのびたままのモット伯を指差して言うタバサに、ルイズとキュルケの二人は口角を極限にまで引き上げた意地の悪そうな笑みを見せた。
学園に戻るなりルイズはまたも医務室送りとなった。
既に水の秘薬をどうこうする持ち合わせなど無くなっているルイズに代わり、コルベールがその代金を立て替える。
となれば当然事情の説明も必要になってくる。
タバサはこの件に関わっていない事になっているので、キュルケが、やせ我慢がたたってぶっ倒れたルイズに代わって説明する。
話を聞くにつれ、頭皮まで青ざめていくコルベール。
正式な手続きに基づいて譲渡されたメイドを取り戻す為、伯爵家の屋敷に乗り込んで、伯爵含む家人を叩きのめして来た。などと聞いて正気で居られるはずもない。
当のキュルケは悪びれた様子も無く、コルベールはコルベールで怒りを通り越して眩暈すら覚えている。
キュルケは、相変わらず危機感の無い調子で最後に報告する。
「……で、こらしめる意味も含めまして、モット伯をパンツ一枚にひん剥いて、トリスタニア中央にある教会の尖塔にロープで吊るしてやりましたわ。おほほほほほっ」
からからと笑うキュルケを他所に、コルベールは絶望の余り卒倒してしまうのであった。
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