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#navi(日本一の使い魔)
トリステイン魔法学院のとある教室。
「ここで私達は授業を受けるのよ。あんたは使い魔なんだから後ろで見てなさいよ。」
「はいはい。そう言えば、こっちに来た時にいた竜とか訳の分からんのはどこに?」
「教室に入りきれないのとかは外にいるわ。中庭とかにいるんじゃない?」
「へーそうかい。」
二人がそんなやり取りをしていると。
「はーいケン。ルイズの子守りは順調?」
ルイズを挑発するような事を言いつつキュルケが教室に入ってきた。
それを投げキスで返す早川。キュルケの一言と早川の態度に、グレートコング
もといルイズは
「ちょっと!何で私が子供なのよ!言って見なさいよ!ケンも!」
二人は目を合わせると、
「うちのご主人様は、ああ仰っておりますがね、どう致しましょ?」
「ケンったら私に言わせるの。ズルイわねぇ。ねぇルイズ、本当に言っていいの?」
意味深な言い方をと目線のキュルケに、何が言いたいのか気付くルイズ。
「む、む、胸の事を言ってるんでしょ!?何よこの乳牛!まだこれからなんだから!
ちゃんと大きくなるんだから!きっと、、、」
「(俺はそんな意味で言ったんじゃないんがね。)」
関わると面倒だと、我関せずを決めテンガロンハットを目深にかぶる。
「それにしちゃ見事な平原ね。」
勝ち誇るキュルケ。次の言葉が見つからないルイズ。
そんな時つぶやくように声がする。
「貧乳は正義、、、」
我関せずを決め込んでいた早川は、初対面の声の主に向かい
「えーっと、どちらさんで?」
「タバサ、、、」
「俺はケン・ハヤカワ。私立探偵をやってる。」
「探偵、、、じっちゃんの名にk」
「おっと、それ以上は言っちゃいけませんぜ。」
と人差し指を振りながら早川は答える。
「(そう言えば、オサムと同じ位なんだろうが何か影を背負っているな。)」
と何かをタバサに何かを感じると、自分を探しているだろうオサムを思い出す。
「皆さん、授業を始めますよ。」
教師だろうと思われる女性が授業の開始を告げる。
生徒たちは席につくと早川は教室の後ろへ行き壁にもたれかかる。
周りを見回し呟く。
「やれやれ、奴さん達と一緒だとはねぇ。」
授業が始まると
「皆さん、春の使い魔召喚は成功したみたいですね。シュヴルーズ、こうして春の新学期に、
様々な使い魔たちを拝見するのがとても楽しみなのですよ。」
そう言いながら使い魔達を見回すと視線が早川で留まる。
「まあ、とても変わった使い魔を召喚した方がいらっしゃるみたいですね。」教師と生徒の注目があつまると、
生徒達はルイズに嘲笑を浴びせる。
その中の生徒が、
「ゼロのルイズ!召喚出来ないからって、そこらの平民雇うなよ!いくら払ったんだ?」
「なっ、何よ!風っぴきのマルコロヌ!ちゃんと成功したんだから!
あんたなんかより、よーっぽどマシなんだから!」
「僕は風上のマリコルヌだ!間違うなよゼロのルイズ!」
そのやり取りを聞いていた早川は、人差し指を振りながら
「ご主人様、そいつはいけないねぇ。そこのマルコメヌってとっちゃん坊やの事わからないのかい?
低学年の男子は好きな女の子苛めるって知らないのかい?」
「そ、そうなの?あっ!」
早川が助け舟を出してくれた事を察すると、
「あら、コロコロヌごめんね。あんたじゃ物足りないわ。気持ちだけ貰っておくわ。子供は趣味じゃないの。」
「マリコルヌ。ゼロのルイズに振られて残念だったな。」
周りから笑いが起こった所で、
「皆さんそろそろ授業を始めますよ。」
そう言い生徒達を静める。
「さて自己紹介から致しますわね。私の二つ名は赤土。赤土のシュヴルーズです。これから二年生の皆さんに
『土』系統の魔法を教えます。ところで魔法の四大系統はご存知ですね?」
「『火』『水』『土』『風』の四つです!」
生徒の答えにシュヴルーズは満足しうなずいた。
「今は失われた系統魔法である『虚無』を合わせて、全部で五つの系統があることは、皆さんも知ってのとおりです。
その五つの系統の中で『土』はもっとも重要なポジションを占めていると私は考えます。これは私が
土系統のメイジだからと言う訳では無く、生活に関わってくる多くの事を土系統の魔法で行っているからです。」
そう言うとシュヴルーズは小石を取り出し杖を振る、すると小石は金色の金属に変わる。その様子にキュルケが身を乗り出し、
「今日は皆さんに、『錬金』の魔法をおさらいしてもらいます。」
「ゴールドですか?ミセス・シュヴルーズ!」
「いいえ、これは真鍮ですわ、ミス・ツェルプストー。ゴールドが『錬金』できるのはスクウェアクラスです。
私は、トライアングルですからコールドは『錬金』できませんわ。」
「さて今日はこの『錬金』を、そうですね、ミス・ヴァリエールにやって頂きましょうか。」
そう言うと教室がざわめく。
席を立つキュルケ
「せ、せん、先生!それは危険です!」
「危険? どうしてですか?」
「先生はルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。ですが彼女が努力家ということは聞いています。気にしないでやってごらんなさい。
得手不得手は誰に出もあるのですから失敗を恐れていてはいけません。」
「ルイズ、やめて。」
「やります!」
「ミス・ヴァリエール。この石をどのような金属に錬金したいのか、
強く心に思い浮かべるのですよ。」
ルイズが杖を振る。
起こる爆発に教室は騒然となった。早川は、まさかここに地獄竜がと考えていると、
生徒達からの反応でルイズが原因だと分かる。
ルイズによる爆破でシュヴルーズは失神、教室は大破。授業は中断となりルイズに片付けが言いつけられた。
無言でルイズと早川は破片を片付けていると、ふいにルイズが呟く。
「何で私が、ゼロのルイズって呼ばれるか解ったでしょ?魔法を唱えれば必ず爆発が起きるの。
貴族なのに魔法が使えないのよ!何度も何度もどんなに練習しても、雨の日も風の日も
沢山練習したわ!なのに、なのに、」
お互いが無言になる。ルイズは諦めたように
「私なんて、世間からは認められないの!魔法が使えない貴族なんていちゃいけないのよ!
あんたも、こんな主人でがっかりしたでしょ!もう好きな所に勝手に行きなさいよ!
無理して付き合う必要ないわ。」
パチン!
「何でも世間のせいにすんじゃない!君が負けているのは、魔法の使えない貴族を認めない世間じゃなく、
これからの自分を諦めている君自身だ!
なぜ可能性を捨てる?魔法がこれからも使えないなんて誰が決めたんだ!
失敗もするだろう、だが決まってもいない事に諦めたら、今までの自分は何なんだ?
自分を呼んだ人間がこんな負け犬だったとはな。」
ルイズの頬に涙が伝う。
自分が頬を叩かれた事、自分の為に怒ってくれている事。
今までそんな事あっただろうか、、、
家族は、、、級友は、、、周りからは哀れみと、無責任な励まし。
自分の使い魔の気持ちにルイズは気付く。
使い魔の気持ちに応える為に、、、
「何よ!私、負けないんだから!主人に手を上げた事後悔させてやるんだから!
それと、、、(ありがと)、、、」
早川はルイズの頭をなでニッコリと微笑むと、涙の跡を隠す為にテンガロンハットを目深に被せる。
「ちゃっちゃと片付けますか。」
片付けを済ませると昼食の時間になっていたので食事へと向かう。
二人は席に着き昼食を進めていると、奥が騒がしくなった事に気付く。
何事かとそこにいた生徒に話を聞くと、
ギーシュと呼ばれる生徒達が話をしている所へ、落し物の小瓶を拾ったメイドが持ち主を尋ねると、その小瓶はギーシュがモンモラシーから贈られた香水が入った小瓶だとわかる。
すると、ケティと言う1年生がギーシュをひっぱたき、
更にその様子を見ていたモンモラシーが
「嘘つき」
とギーシュをひっぱたく。用は浮気がばれたとの事なのだ。ここまでは自業自得で済む話なのだが、ここから先の事で騒がしくなっているらしい。
騒ぎの方に耳を傾けると
「君が軽率に瓶を拾ったおかげで、可憐なるレディ達を傷つけてしまったよ!どう
責任を取るつもりだね!!」
と無様な八つ当たりをしている。
八つ当たりを受けている方を見ると目に涙を貯め、怯えた様子で震えていた。
早川にはその人物を知っていた。世話になったシエスタである。
正義感の強い早川はシエスタでなくとも同じ行動を取っていたのだが、
騒ぎの中心に向かうと、
「よせよ!ガキ大将。女の子をいじめると、ママにお尻をペンペンされますよ。」
早川の言葉に一瞬の静寂が訪れる。さらに追い討ちをかけるように。
「第一、おまえさんが浮気なんて真似するから自業自得じゃないか。」
「そのとおりだギーシュ!お前が悪い!ママにお尻をペンペンされるぞ。」
友人たちがドッと笑いが起こり、ギーシュの顔に赤味が差す。
「さっきから聞いていると、君は貴族に対する礼儀というものを知らないようだな」
「お前さんのような悪い馬の骨に対する礼儀なんて知りませんがね。」
さらにギーシュの顔に赤みが差し、鬼のような形相となる。
自分の非を認めないギーシュに向かってさらに早川は、
「こんな顔だがね。にらめっこでもするかい?」
周りの笑い声は更に大きくなる。
「よかろう、君に礼儀を教えてやろう。決闘だ!ヴェストリの広場で待っている」
ギーシュはクルリと体を翻し、去っていった。
シエスタがぶるぶる震えながら早川を見つめている。
「ケンさん、あなた……」
シエスタは涙を滲ませた言った。
「あなた……殺されちゃう……、貴族の人を本気で怒らせたら……」
シエスタは走って逃げてしまった。
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