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#navi(サイダー&ゼロ)
ギーシュVSダ・サイダーの戦いから、3日が経った。
ギーシュは傷を負っていない為、平穏な日々を過ごしていた。
ダ・サイダーはというと、水のメイジ達の力によって肉体的な傷は癒えたのだが、精神的な傷は癒えず寝込んでいた。
(ワルキューレか…この俺様が、手も足も出ずにやられるとはな…俺も『アレ』を使うべきだったか?)
「ダーリン…気にする事無いジャン」
「なぁ…メタコ…『アレ』を呼び出したら、勝てたのではないか?」
「ココアがいないのに、いざと言う時に動かなくなる可能性も有るジャン。多用は禁物ジャン」
「せめて…日本刀さえあれば…」
ルイズは、授業が終わるとヴェストリの広場に3日間向かい、ダ・サイダーの事を考えていた。
(『サーベル』・『ハルバード』それに…『日本刀』とか言ってたわね…『日本刀』がどんな武器か知らないけど、戦士なの?)
(戦士なら負けるとわかっていたはず…なのに戦いを続けたのはなぜ?)
ルイズを悩ませる理由…それは『なぜダ・サイダーが、必要にまでギーシュに食い下がったのか?』という事。
(事の発端は、メイドの不始末だった。でも矛先は、アイツに向けられた。なぜ?…かばったから)
(これはギーシュの理由であり、アイツの理由にはならない)
(守るため?…何を?…メイド?…それとも…自分の命?………わからない…アイツにプライドが有るとは思えない)
ルイズは、ダ・サイダーが戦う理由を見つけ出そうとするのだが、見つからない。
その頃ダ・サイダーは、まだ落ち込んでいた。
「はあぁぁぁぁ………」
「ダーリン!しっかりするジャン」
「もう、ほっといてくれ………」
「お宝奪って、脱出しようジャン!」
メタコの『お宝』にダ・サイダーが反応した。
「宝…か………フフフ………ハーハハハハ」
「ダ…ダーリン?」
「メタコ!今夜、決行するぞ!題して『お宝奪って、ここから脱出し、売り払いそのまま豪遊するぞ!大作戦』だ!」
「ダーリン、完全復活ジャン」
「おう!やーーーってやるぜーーー!」
かくして、ダ・サイダー発案のこの作戦は今夜決行となった。
が、ダ・サイダーと同じ宝を狙うもう一人いた。
(情報収集はこれぐらいか………今夜「噂の宝『聖なる箱』を頂くから……)
その日の深夜・・・・
この時間、トリステイン魔法学院は双月の月明かりに照らされ、そして静寂に包まれる。
魔法学院の外は、森になっており、一人の男が森の中に潜んでいた。
「『もり』に居ると、『もり』『もり』と元気なってくるなー!」
「ダーリン、最高ジャン!」
「他の奴にも聞かせてやりたいぐらいだろ?」
「今、ここに居ないなんてバカジャン」
と、一人で盛り上がっていた。
時を同じく、この魔法学院の外の森(先ほどの男とは別の場所にて)フードを被った者が、杖を抜き、詠唱していた。
一人森の中で、盛り上がっていた男はついに行動に移す。
「メタコ…『お宝奪って、ここから脱出し、売り払いそのまま豪遊するぞ!大作戦』スタートだ!」
「わかったジャン!」
男は、ポケットから笛を取り出す。
「フフフ…奏でてやろう…この俺様が…『漆黒の騎士』を操るこの俺様…偉大なる勇者ダ・サイダー伝説の始まりだ」
ダ・サイダーは、笛を吹き始める。メタコが奏でられた音色にのせ、踊り始める。
そして、メタコの口から卵が吐き出される。それをダ・サイダーが、見事にキャッチする。
「クイーーーーーーン・サイダローーーーーーーーン!!!」
卵を天高く投げつけた。投げられた卵は、上空で割れ雲を呼び、そして雷を呼んだ。
雷は激しさを増し、やがてヒョウの顔を描き、ダ・サイダーの前に落雷が発生した。
雷も止み、雲が晴れると、ダ・サイダーの愛機『漆黒の騎士・クイーンサイダロン』があった。
ダ・サイダーは、クイーンサイダロンから発せられた搭乗ビームで乗りこんだ。
フードを被った者はというと、詠唱を完成させ、土で出来たゴーレムを作り、宝物庫に向かっていた。
(今の落雷は何?警備が動いたか?)
ルイズはというと…落雷で目がさめ、ダ・サイダーが居ない事に気付き、学院中探し回っていた。
クイーンサイダロンに乗りこんだダ・サイダーは、早速宝物庫に向かうため、左右のレバーを前に押し、足もとのペダルを踏み込む。
すると、クイーンサイダロンの背後から青い炎が噴出し、猛烈なスピードで前に進み出した。
「待っていろよー!俺様が宝を頂戴してやるからなー!」
「ゴーゴー!ダーリン!お宝ゲットジャン!」
その頃…ルイズはというと…
「アイツは、いつもいつもいつもいつも…この私に迷惑かけて…一回体でわからせないと駄目なの?」
学院内を走っているルイズの外をクイーンサイダロンが、走り去る。
「今の…一体何?…何が起きてるの?…私も行かなくちゃ…嫌な予感がする」
ルイズもクイーンサイダロンが去って行った方向に向かう。
クイーンサイダロンが、宝物庫の前に一番乗りだった。
「メタコ!いくぞ!」
「待つジャン!左から、何かこっちに向かってきてるジャン」
「バカな!…何だアレは?…宝は俺様の物だー!」
クイーンサイダロンは、胸から一本の棒を取り出し、クルクルっと回転させ、棒からハルバードに形状を変え、
頭上でクルクルっと回転させ構える。構え終わると、そのまま一気に背後から青い炎を出しながら、ゴーレムに突っ込んだ。
そして・・・・ゴーレムの左腕を叩き切り、旋回し右腕を叩き切り少し距離をとる。
「ハーハハ!脆い、脆い。そんな物でこの俺様と張り合うつもりか?」
「ダ!ダーリン!再生してるジャン!」
「は?再生?…な…何だと!」
クイーンサイダロンによって切られた両腕は、再生し元の形状に戻っていた。
「再生できないぐらいバラバラにしてやる!」
クイーンサイダロンがハルバードを構えなおし、再び突っ込もうとした刹那、クイーンサイダロンのすぐ前方が爆発する。
「うわー!!何だ?…砲撃か?」
クイーンサイダロンの右腕の側で爆発が起きる。
「ダーリン…こんな物…まともに食らったら…持たないジャン!」
「わかっている!…どこだ!」
校舎の影に隠れながら、爆発を起こした人物が叫ぶ。
「ここがどこだか知ってるの!いい加減にしなさいよ!!これ以上暴れるのなら許さないんだから!!!」
この声にダ・サイダーが反応する。
「この声…まさか…あいつか?」
「間違い無いジャン!『ヒス板女』ジャン!しかもこっちだけに警告しているジャン!」
「どうすんだよ!これじゃあ…宝は盗れないじゃないか!」
「今回は、退くしかないジャン」
「退く?バカな事をいうな!ここで退いたら、アイツに奪われる!」
「爆発をかい潜って、アイツを破壊するなんて無理ジャン!」
クイーンサイダロンの左腕の側で爆発が起きる。
ダ・サイダーは左右のレバーを巧みに操り、ハルバードを棒に変えそのまま胸にしまい込む。
「ダーリン!どうする気ジャン」
「メタコ!奴を破壊し、そのまま退く。例の物を出せ!」
メタコは『タバスコ』を取り出し、ダ・サイダーに渡す。
そして、ダ・サイダーは『タバスコ』を一気飲みをする。
「グググ………アアアアアアアアアアアアアアア…カレーーー!!!」
クイーンサイダロン内にてのたうち回るダ・サイダー。
「ダーリン…この方法は、やっぱ無茶ジャン」
だが、メタコ心配をよそに、クイーンサイダロンの上部にあるレバーが降りた。
「やーーーーーーってやるぜ!!!ヤリパンサーーーーーー!!!」
ダ・サイダーは上部にあるレバーを押し込む。それは、理性を外す瞬間。
クイーンサイダロンは人型から、黒ヒョウ、パンサーへと形を変えた。
この変形は、ルイズ、そしてゴーレムを操っている者を驚かせた。
「な…何?これ…マジックアイテムなの?それとも…錬金?」
(ん?…これは何なの…段違いの速さと力…このような物は聞いた事が無い…魔法でもない…何?)
ヤリパンサー内のダ・サイダーは、血圧メイタ―をさらに上げていた。
「はあぁぁぁぁーーー!!!」
ヤリパンサーから青い炎が開放された。
「やーーーってやるぜーーー!!!」
ヤリパンサーは、ゴーレムに突進していく。
「待ちなさいよ!!!逃げる気?」
追いかけるルイズ。
「あ…もう一体居たの…」
ゴーレムを操っている者はというと・・・
(たかが、捨て身の突進…捕まえてあげる…フフフ)
ヤリパンサーと、それを受けとめようとするゴーレム。
ヤリパンサーの勢いは止まらず、そのままどこかへと走り去った。
ゴーレムは、胴体に大きな穴が開き、跡形も無く崩れた。
(チッ…走り去ったみたいだし…一旦様子を見た方がよさそうね…)
ルイズはというと・・・
「何?…何が起きたの?…何なのアレ?…」
こうして、ダ・サイダー発案「お宝奪って、ここから脱出し、売り払いそのまま豪遊するぞ!大作戦」は失敗に終わった。
『漆黒の騎士』の存在は、トリステイン魔法学院の噂となった。
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