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「ゼロの黒魔道士-09」(2008/12/05 (金) 21:25:50) の最新版変更点
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#navi(ゼロの黒魔道士)
「じゃ、私達は宿題やってるから、中庭で他の使い魔達と遊んでらっしゃい!」
「うん、ルイズおねえちゃんも、宿題っていうの?がんばってね?」
「はいはい…あぁ、それからいいこと?使い魔の恥は主の恥なんだから、変なことしちゃダメだからね!」
「はい!」
…今日はルイズおねえちゃんの授業は午前中までしか無かったんだけど、
ルイズおねえちゃんたちは「宿題」っていうのがあって集中したいからって図書室に行っちゃった…
…学生さんって大変だなぁ…
んー…ボクは、今日は夕方まで仕事が無いし、フレイムとかと遊ぼうかなって思ってたんだ…けど…
…なんでだろ…誰かに見られている気がする…?
―ゼロの黒魔道士―
~第九幕~ とんがり帽子のその下の
ピコン
ATE ―まるみえ―
「ちょ、ちょっとっちょっと!キョロキョロしてるわよ!気づかれてるんじゃないっ!?」
「落ち着きなさいな、ルイズ…きっとまだ校内の地理に詳しくないだけよ…あぁん、キョロキョロするビビちゃんもかわい~♪」
「二人とも、声が大きい」
校舎の影、とんがり帽子を追う桃・赤・青髪の3人組
ビビの語る異国話に興味を惹かれ、一緒になって聞き入っているうちに、
なんとなく仲良くなったような気がする今日このごろ
何せここ2、3日でいつの間にか「ルイズ」だの「キュルケ」だの名前で呼び合うようになってしまったのだ
まぁ最も、その点を指摘したところで、本人達は真っ赤になって否定するであろうが
さて天気もいいし、授業は午前まで、目立つ宿題も出ていない中、この3人が何をしているかというと…
カポーン
話を前日の女湯まで戻さねばならない
映像ならばサービスシーンとなるワザとらしい場面転換だが、
文章だけではそうはいかない
ただ、一昔前に流行った歌で言うところの、
「どれもみんなきれいだね♪」の「オンリーワン♪」で大変よろしかった、
とだけここでは言及しておこう。深い意味はまったく無い
さてさて閑話休題、
ここでなされた会談の内容であるが…
「あ~、肩が凝るわ~♪」
「…げ、下品な自慢はやめなさいよ、キュルケッ!わ、わたしだって、私だって…」
「あ、ゴメンなさいね~、慎ましやかなカラダでは言えない悩みだったわね、ル・イ・ズ♪」
「そ、そんなモンね、あ、後で絶対垂れるんだから!」
「フフフッ、このハリと柔らかさを見てもそんなことが言えるのかしらっ!!」
「くっ…私だってぇぇぇ!!」
「…自慢、自重」
…コホン、重要なのはこの会話ではなく…
「あぁ、ところでルイズ?ビビちゃんのことなんだけど」
「ビビの?…また自分のところに寄越せとか寝ぼけたこと言うんじゃないでしょうね、キュルケ」
「それもあるけどね?…気にならない?」
「気になるって何よ?私の使い魔にケチつける気?」
「んもー、そうじゃなくってー、ホラ…」
「帽子の下」
「帽子の下…?あぁ…」
そう、ビビの帽子の下である
何しろいつでもきゅっきゅと念入りにかぶりなおし、
おまけに寝るときまでずっとそのままなのだ
…帽子の下に何があるのかは誰も知らない…
「ん~…でもビビの出生の秘密知っちゃったし…何となく『見せて』とは言いにくいし…」
「いや私もそうだけどね、ルイズ…でも、使い魔の主として、使い魔のことを深く知るってことは大事じゃない?」
「…つまりただの好奇心」
「よ、要約しなくていいわよタバサッ…ねぇ、どう思う、ビビちゃんの帽子の下…どんな顔があるのか…」
「う~…き、気にならないとは言わないけど…でも『何があってもビビはビビ』だし…」
ブクブクと顔を湯に沈めるルイズ
「ん~…私の読みではすっごい美少年だと思うのよね~…声がいいし…タバサはどう思う?」
「…案外、コルベール先生と同じ髪型」
ブホッと湯に吹き出すルイズ 同時刻、遠く離れたある小屋で禿頭がクシャミした
「た、タバサ…あんたねぇ、人の使い魔をなんだと…」
「可能性の問題、観測するまで中身は不定」
「う」
何気なくタバサが量子力学の概念に到達したところでルイズがうなる
つまるところ、「見てみなきゃ何も分からん」ってだけなのだが
「…と、いうわけで…ビビちゃんの顔、見てみたくない?」
「そ…そりゃぁ…で、でもでも無理やりひっぺがすワケには…」
「あらぁ~、ルイズ、あなた実は乱暴にされる方が好きなわけ?」
「っ!?!?こ、この色欲魔っ!!何考えてんのよっ!!」
「コッソリ見る」
「コッソリって…帽子が取れるのを待つっていうわけ?そんなのいつになるか…」
「…なるほど、偶然を装って…それはいけるわね、ナイスアイディアよ、タバサっ!」
「ちょ、ちょっと何を勝手に…」
「見るか、見ないか、二つに一つ」
「う…わ、分かったわよっ!私の使い魔なんだしっ!私が全て把握しないとねっ!!」
「じゃ、決まりっていうことで♪」
「状況は明日開始」
…ここに、『女湯の誓い』別名『ビビちゃんの、ちょっといいとこ見てみ隊結成式』が執り行われた…
そも、三人寄れば色々なことが可能になるとは諸君も周知のことであると存じる
歴史上の故事にならえば『桃園の誓い』であるし、『毛利元就の三本の矢』がその例に当たる
…どちらも結果的にどうなったかは触れないでおこう…
さてさて舞台は現在のトリステイン魔法学院の中庭に戻り…
「…あ、フレイムー、こんにちは!いい天気だね~…」
「ブホッ」
…何も知らない今回のターゲット、フレイム相手にまずは和やかに挨拶
「きゅるきゅる♪」
「あ、シルフィードも来てたんだ。こんにちは!もうご飯食べたの?」
「きゅいっ!」
…実はこのシルフィード、今回の仕掛け人
何も知らないターゲット、やはり和やかに挨拶
和やかな空気が中庭を満たしていく…
と、ここで、次の瞬間っ!
「きゅ~いっ♪」ペロンッ
「うわっ!?く、くすぐったいよぉ…」
仕掛け人、ターゲットの顔を舐める、舐める、これでもかと舐めるっ!
「…まぁ、『シルフィードにじゃれさせて帽子を取らせる』ってシンプルだけど…大丈夫なの?」
「作為が発覚されない作戦が今回の要」
「今朝からちょこちょこってタバサが風魔法て取ろうとしてみたけどビビちゃん、しっかり帽子押さえて飛ばないようにしちゃってたしねぇ…」
そう、これこそが今回の作戦なのだ
仕掛け人、まだ舐めるっ!なんという舐めっぷりだ、
それともターゲットはアイスクリームのように甘いというのか
ターゲットが涎でベトベトになっていく
ここでターゲットたまらず
「う、と、とんずらぁぁっ!!」トトトッ
ターゲット、逃走を開始する
が、しかし仕掛け人がすかさずこれを追うっ!
しかしこの仕掛け人、ノリノリである
カプッ
「うわぁぁっ!?」
ここでついにターゲットを確保、
あえなく逃走劇はここまでとなってしまった
仕掛け人、ターゲットを口にくわえてご満悦
ターゲットこれには呆然、手も足も出ない
「あとはそのまま帽子をとるだけ」
「決定的瞬間ねっ!」
「な、何があってもビビはビビなんだから…」
ギャラリーの誰もが期待した と、次の瞬間っ!
帽子がずれて、ついに全容が明かされる…
とここで、アクシデントが発生
「おや、ビビ君、こんなところにいたのかい?」
「コルベール先生?…た、助けて…」
なんと第三者が乱入、これには仕掛け人渋い表情だ
「おやおや…仲のいいのは結構ですが、ビビ君も嫌がってますし、その辺にしてくださいね?」
優しいぞ、コルベール!
輝いてるぞ、コルベール!
困った仕掛け人、ここでギブアップ
「きゅぃ~…」
ドサッ
「あうっ!?」
ターゲットの身柄は解放された
「あっちゃ~…作戦失敗?」
「禿、邪魔」
「…うー…よかったような悪かったような…」
「あぁ、そうそうビビ君、君は魔法を使うときに杖などは使わないのかい?」
「え?えぇと…あれば使いますけど、別に無くても使えます…あった方が強力ですけど…」
この第三者、ギャラリーにはまったく気づいていない
「ふむ、根本的にこちらの魔法とは違うのかな?…それでは例えば火の魔法で…」
しかしこの第三者、己の研究欲のためか色々と聞いてくる
ギャラリーが「自重しろコッパゲ!」と心で叫ぶが、まったく気にしない
元々の仕掛け人、企画者に対して「どうすればいいのか」と軽くジェスチャー
企画者はこれに「とりあえず待機」と合図を送る
仕掛け人・企画者共に焦りが生じる…
「…う、うん…そうです、大体『ラ』の上に『ガ』があって…あ、でも呪文の詠唱は…あと『ジャ』があるという話を…」
「ほう!つまり『ファイア』の上に『ファイラ』でさらに『ファイガ』と!!いやはや、おもしろいですなぁ…で、その『ジャ』魔法というのは…」
何がおもしろいんだ、コルベール!
何が楽しいんだ、コルベール!
これには仕掛け人も呆れ顔
このコルベールまったく留まる気配が無い
実にイキイキとした表情だ
「あぁ、そういえば君は武器などを使ったことは?例えば剣とか槍とか…」
「え、うーん…ボクはだいたい後ろからの援護とかだったから…あの、どうしてそんなことを…?」
「ふむ、いや、君はガンd…ケホケホ…そ、そう君は使い魔なんだし、ミス・ヴァリエールを守るために武器を使うという場面が出るかもしれません、一度使ってみてくれませんか?」
「…?んー…ルイズおねえちゃんを守るために必要なら…わかりました、使ってみます…」
「そうかっ!ぜひ使った場合は結果を教えてくれたまえ!…おぉ、もう日が暮れますな…それでは、私はこの辺で…」
「あ、はーい!コルベール先生、さようなら」
と、ここでタイムアップ
記録は…なんと5時間34分22秒!
もちろん今日の最高記録だ
仕掛け人は既に疲れて寝てしまった!
すごいぞ、コルベール!
ありえないぞ、コルベール!
「…な、長かったわねぇ…」
「…貴重な話は聞けた…でも禿自重」
「腰が痛い~…ビビちゃんもよく付き合ったわねぇ…」
企画者達があきらめて帰ろうとした…
次の瞬間っ!
「う~…ベトベトで気持ち悪い…水浴びしたほうがいいよね…」
なんとターゲット、自ら水浴びを宣言
これには企画者達も目が覚めた
「み、水浴びっていうことは」
「通常、服は脱ぐ」
「覗くみたいだけど…これはチャンスねっ!」
覗きであるということは最初からだと思うのはともかく事態は進行する
ターゲットは周りを気にしている
まさかここで水浴びをしてしまうのか?
案外露出の趣味でもあるのか?
そんなことをルイズが気にし始めた…
次の瞬間っ
「大気に集いし溢るる涙よ、
集いて固まり満ちるがいい! ウォータ!」
なんとターゲット自分の頭上に水球を出現させたではないか
ザバーンッ
加減しているとはいえものすごい水量だ
これには仕掛け人も起きだし目を丸くする
これを数回繰り返しあらかた汚れが取れたところで
今度はターゲット、近くにあった木切れを集めてきたではないか
一体何をしようというのか
「岩砕き、骸崩す、地に潜む者たち
集いて赤き炎となれ! ファイア!」
なんと焚き火である
そう、実はこの一連の動作、
旅の途中でモルボルなどに襲われた後に行われる野外での洗濯方法なのだ
これならばたとえ水などのない屋外でも汚れが取れるとあって奥様方にも実に好評
だが魔力をかなり消耗するので、テントの無いときには使用できない
そんなちょっと珍しい魔法の使い方、あなたは許せる?許せない?
「んー…サッパリしたー…あ、シエスタのところに洗濯物とりにいかなきゃ…じゃ、またね、フレイム、シルフィード」
「ブフォッ」
「きゅ、きゅぃぃ~…」
「今日はもうダメね…う~ん、でもビビちゃん、便利よね~…」
「作戦失敗、後でおしおき」
「くっ…うー…見たかったような見たくなかったような…」
少女達のあくなき挑戦は続く…かもしれない
――
…あれ?男の子が草むらの影にいる…?学生さんかなぁ…?ちょっとぽっちゃりしてる…
「あのー…どうしたんですか…?」
「うわぁぁっ!?な、なんでも無いよ!?べ、別に何かに集中していた少女達のパンチラをスケッチしたりなんかしてないよっ!?」
…????貴族の人たちって…やっぱりどこか変なのかなぁ…?
…ルイズおねえちゃんたちも何やってるんだろ…?宿題っていうのは終わったのかなぁ…?
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