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#navi(ゼロのロリカード)
その日情報収集の為にアーカードが夜の街を歩いていると、様子がいつもと違っていた。
何人もの兵士が街中にいて、ただならぬ様相を呈している。なにやら誰か人物を探しているようであった。
誰を探しているのかは一向に聞き取れない。迂闊に名前を出してはいけない者なのか。
名家の貴族でもいなくなったのか、などと思いつつアーカードが歩いていると路地の方から走ってくる音が聞こえた。
丁度曲がり角でぶつかりそうになるが、予め来るのがわかっていたので難なく避ける。
しかし走ってきた人影は、驚いたのか「あっ」と声を上げた。
「申し訳ありません、急いでいたもので」
「気にするな」
アーカードは現れた人物に向かって一言だけ言った。その女の声に何か引っ掛かりを感じたところで、女は続ける。
「あの、この辺りに『魅惑の妖精亭』というお店はありますか?」
もう一度その声を聞き、覚えのあることにアーカードはピンときた。
「・・・・・・女王陛下?」
人影はハッと気付いたように、踵を返して走り出す。咄嗟にアーカードはその手を掴んだ。
†
走り出したところでその腕を掴まれる。アンリエッタはしまったと思った。迂闊に聞くべきではなかった。
「人違いです、すいません!急用を思い出しまして、離して下さい!!」
まさか自分の声で気付かれるなんて、だけど目の前の"長身の男"は見たことがなかった。
しかし人前に出ることは少なくない。その声を覚えている、知っている者が平民にいてもおかしくなかった。
「なるほど、探していたのは・・・・・・女王だったか」
男は腕を掴んだまま口を開く。その手から逃れようとしてもビクともしない。
なんで兵士達が街中にいるのかも、男は気付いている。このままでは引き渡されてしまう。
(くっ・・・・・・こんなケアレスミスで・・ッッ!!」
アンリエッタは歯噛みした、策が台無しになると。しかし男の口から出てきたのは意外な言葉だった。
「アーカード」
「は?」
自分の掛け替えのない友人であるルイズの使い魔『アーカード』。何故その名前が突然出てきたのかアンリエッタは困惑する。
「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールが従僕、アーカード・シュヴァリエ・ド・ツェペシュです。ご安心を、アンリエッタ女王陛下」
◇
「なるほど、姿形は関係ないのですか」
魅惑の妖精亭、ルイズとアーカードが寝泊りしている屋根裏部屋に二人はいた。
「情報収集はこちらの方が都合がいいのでね」
少女姿では集まるものも集まらない。無論適材適所ではあるが、情報収集に関しては基本的に青年モードの方が都合が良かった。
「何故お一人でこんな所まで」
「用事があるのです、あなたに」
棺桶に座ったアーカードは、「ふむ」と声を漏らす。わざわざ姿を隠してまでここに来る理由とは。
「何か不都合な情報でも・・・?」
「いえ違います、明日までで構わないのです。わたくしを護衛してくださいまし」
「護衛・・・アニエスでは不足なのですか?」
「アニエスはまた別の用があります、また宮廷の誰にも知られてはならないのです」
「それで私にお鉢が回ってきたと・・・・・・?」
「はい、若くして女王に即位した私の味方は・・・ほんの一握りです。ワルド子爵のような裏切り者も・・・・・・おりますゆえ」
アンリエッタは、少し悲しげな表情を浮かべ悲しげに呟く。
(我々が情報収集しているのだ、直々の偵察というのは考えにくい。ならば――――)
「・・・・・・囮か」
「はい、そうですね・・・そう、狐狩りです。私を餌にして、燻り出します」
アーカードは愉快に笑った。
「ククッ、おてんばなお嬢さんだ」
「アーカードさん、引き受けて下さいますか?」
アーカードは胸に手をやり答える。
「Yes, your Majesty.」
◇
「アン、本当にこんな部屋でいいのか?」
「ええ、わくわくします。不謹慎かもしれませんが、これが市民にとって普通の生活なのですね」
アーカードとアンリエッタは厳戒態勢の街中をやり過ごし、安宿の部屋を取った。
「あの場に留まっていては、ルイズがいずれ戻ってきますからね。あの子をがっかりさせたくありませんから」
アーカードは何も言わなかった。アンリエッタにはアンリエッタなりの配慮があることに、とやかくは言うのは無粋。
情報収集で朝帰りはデフォルトなので、特にルイズに報告する必要性もなかった。
「ルイズはお元気?」
「最初はかなり駄々を捏ねていたが、今ではすっかり慣れている」
「そうですか」
アンリエッタはベッドに座る。アンリエッタに促されてアーカードもその隣へと座った。
「我々の集めている情報は役に立っているのか?」
「えぇ、フィルターをかけずに届けられる情報は、とても役に立ってます」
アンリエッタは表情を沈ませて続ける。
「もちろん内容はご存知の通り耳が痛いです、その一つ一つがプレッシャーとなって圧し掛かってきます。耳を塞ぐのは簡単です・・・・・・。
ですが、私はそういった事も全て知りたいのです。聖女などと言われてますが、その裏、民の本音を私なりに受け止めていきたいのです」
沈黙が流れる、しばらくするとアンリエッタが静かにゆっくりと口を開いた。
「・・・・・・愚痴を、少しよろしいですか?」
アーカードは少し逡巡した後に答える。
「・・・・・・、少々お待ちを」
そう言うとランプに照らされて伸びた影がアーカードを包み、その姿を変化させる。
少女姿になったアーカードは、首をコキコキと鳴らす。
「愚痴や相談事を聞く時は、こちらの方が都合がいい。気分的な問題だが、の」
そう言ってもう一度ベッドに座った。
「アーカードさんは、たしか異世界の吸血鬼・・・・・・でしたね」
「んむ」
「我々は戦争をするべきなのでしょうか」
アーカードの眉間に皺が寄る。
「民あっての国です。増税し窮乏を強いてまで戦争をするべきなのか、確実に勝つという保証ありません。犠牲も当然出ます。
空にあるアルビオン大陸を攻めるのは、とても大変なことです。一度決意したことなのですが、民の声を聞いていると少し迷ってしまっていて・・・・・・」
(迷いか、まだ若輩だし仕方のないところもあるのか喃)
アーカードは腕を組む、端的に助言をすべきか否かを考えているとアンリエッタが口を開く。
「アーカードさんの世界でも・・・・・・その・・・戦争はありましたか?」
「・・・・・・そうだな、いつの時代も、どこの土地でも戦争が絶えることはない」
「そう、ですか」
アンリエッタは何かを考えている様子だった。
「このハルケギニアの世界は、宗教戦争がないだけマシだな。殆どが始祖ブリミルを信仰しているおかげでそういった紛争がない。
私の元の世界では酷いものだったぞ。自爆テロで一般人も巻き添えになったり、宗教だけではなくそこに利権も絡んできたりな。
大量破壊兵器がこの世界にはないようだから、それらを鑑みてもこっちは平和過ぎる。私が王だった頃と比べたとしても、てんで足りんよ」
「アーカードさん、王だったのですか?」
「んむ、戦争も相当数こなしたものだ。とある大国の、侵略戦争に対抗する為に。・・・・・・信じた神の為に、『祈り』の為に戦った。
断固たる決意と、強固な意志、そして限りない信仰心。あらゆる犠牲も厭わず闘い、戦い抜き、勝つ為に出来ることは全て成した。
兵力差は絶望的、さらには練度の差も圧倒的だった。だがゲリラ戦を基本戦術として、私は勝ちまくったよ。まさに獅子奮迅というやつだった。
相手方の士気を下げる為に、奇襲は非常に効果的だ。さらに敵の大兵力ゆえの現地調達を逆手に取り、侵攻する村の食糧を予め焼き払い、水には毒を入れたりした。
他にも捕らえた敵兵を串刺しにして林立させたりしてな。戦略レベルでも、あの手この手に掻き回したものだ。そして自国では英雄、他国からは悪魔と呼ばれ忌み嫌われた」
神妙な面持ちアンリエッタは話を聞いている。
「皆戦った。百人のために一人が死に、千人のために十人死に、万人のために百人が死んだ。その果てに神が降りてくると信じて。
皆死んだ。私のために、私の信じたもののために、私の楽園のために、私の神様のために、私の祈りのために、皆死んでしまった。
負けて、王でなくなり、神の従僕ですらなくなり、もはや人ではなくなった。そして・・・・・・化け物と成り果てた。そんな私が講釈を垂れるのも、少々どうかと思うがの」
アーカードは一拍置く、郷愁に浸りながらもゆっくりと続けた。
「上に立つ者は迷ってはいけない、断固たる意志を持て。ウェールズの分まで強く生きると誓ったのではないのか?私を失望させてくれるな」
「す・・・・・・すいません」
「どのような選択をしたとしても、それは吟味し悩み抜いた結果だろう。なればこそ女王、少なくとも私とルイズはいつだって貴方の味方だ」
「・・・・・・ありがとう、アーカードさん」
「尤も気紛れで戦争しようとか、まぁ私はそれでも構わんが。手段の為ならば目的を選ばないという様な戦争をするなら、また話は変わってくるがな」
アンリエッタは首を傾げる。
「手段の為なら目的を選ばない・・・?」
「そういうどうしようもない連中も、確実に存在するのさ。敵を殺し、味方を殺し、守るべき民も、治めるべき国も、自分までも殺しつくしてもまだたりぬ」
アーカードは黒い笑みを浮かべた。
「そんな私と同じ。全く以って度し難い、執念深い戦争狂がな」
アンリエッタはアーカードの言ってる意味がよくわからないでいた。
するとポツポツと雨が降り始める、外からはぼやきが聞こえてくる。次第に雨足は強くなり、アンリエッタは口を開いた。
「戦争をすることで、人が死にます。私の命令一つで兵は死地へと向かい、残された者は悲しみます。私が殺すようなもの、殺したようなものです。
赦しを請おうとは・・・・・・思いません。ですが私は・・・自分というものが、女王という立場というものがわからなくなります。戦争をする意味が、その意義を」
アンリエッタは肩を震わせる。若くして女王になった者の苦悩がそこにあった。
「兵士というその道程を選んだのは自分、そして常に選び続けるのも自分自身だ。人間はいつか死ぬ、いずれ死ぬ、簡単に死ぬ、そして死んだらそこでお終いだ。
だからこそ、諦めてはいけない。人であるからこそ、死を、諦めを、踏破しなくてはならない。いつ死ぬのも同じなら、いつだって死には抗ってなくてはならない」
アーカードは強い口調で続けた。
「それに・・・戦争をすべきか否かなど、それは私が言うことではない。助言はするが進言をするつもりはない。上に立つ者の重圧も、自身で耐えねばならぬものだ」
しかしそこでアーカードは「一つだけ言うなら・・・」と付け加える。
「間違った方向へ進みたくないのなら、自分の判断に自信を持ちたいのならば、学べ。失敗から学ぶこともある、成功から学ぶこともある。
勝つ為に、勝利以外の方法を見つける為、よりよい結果へと導く為に、学び続けろ、模索し続けろ、死ぬまで。人には可能性があるのだから・・・な」
「可能性・・・」
「何故私が圧倒的な戦力差と、大多数の予想を覆して常勝したのか・・・・・・、学んだからだ。
信じる神に慈悲を乞わず、何者にも頼らず。尻穴を掘られながらも、必死に学んだからだ」
「掘っ・・・」
アンリエッタが思わずその言葉を繰り返そうとして、踏みとどまったその時、大きな声と足音が聞こえた。
魅惑の妖精亭の屋根裏部屋のそれより酷い、金を取るのも痴がましいその宿屋は存外に喧騒を響かせる。
扉を次々に開ける音が聞こえて、ついにはアーカードとアンリエッタがいる部屋のドアノブをガチャガチャと動かしている。
中に人がいることを確認した来訪者は、すぐにドンドンと激しいノック音をさせる。
「直ちにここを開けろ!王軍巡邏のものだ!犯罪者が逃げていて順繰りに全ての宿を当たっているところだ!早急にここを開けろ!」
アーカードとアンリエッタは互いに目を見合わせる。
女王捜索しているのは明らかである。悪天候ゆえに、どこかの宿にいると踏んでのことだろう。
(放っておくわけにもいかんか・・・・・・)
立ち上がったアーカードの手を、アンリエッタは引っ張り首を横に振る。
このままやり過ごしたほうがいいと、その目が訴えていた。しかし、その目算は甘かった。
「無理やりにでも開けさせてもらうぞ!」
そう言うとすぐに、一際大きな音が響いた。ドアノブが壊れ扉が開け放たれる。
「お姉ちゃん!怖い!!」
そう言ってアーカードはアンリエッタへと抱きつく。
ハッとしたアンリエッタは咄嗟に顔を下げて隠すように、アーカードの頭を撫でる。
二人で姉妹の演技を続けつつ、小声で「よしよし」と撫で続ける。怖がる少女を見て兵士達は一瞬尻込みするが、すぐに気を取り直す。
「声を荒げてすまない、だが一応確認させてもらいたい」
怪訝な顔で見つめる兵士達をアーカードは横目で窺う。
(やり過ごすのは無理・・・・・・か)
「もし、そちらのお嬢さん。顔をよく見せていただけませんか?」
その瞬間アーカードは、アンリエッタに問いかける兵士を見る。
「問題ない」
アーカードはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「は?」
「なにも、問題は、ない」
淡々と、真紅の双眸で相手を見据える。
「な・・・・・・にも・・・問題・・ない」
兵士が口にする、少女の瞳から逸らすことができない。無意識にその言葉を繰り返していた。
「何も問題はない」
「何も、問題、ありません」
憑かれたような目を浮かべ、兵士は踵を返す。
「どうしたピエール?」
扉側に立っていた兵士が言う。
「何も問題ない」
「お・・・ぉぉ、そ・・そうか」
虚ろな瞳と抑揚のない声、そんな異様な態度にもう一人の兵士は一瞬たじろぐが、すぐにピエールに促され出て行った。
「な・・・何をしたんですか、魔法ですか?」
アンリエッタが疑問符を浮かべて、アーカードに問う。
「エロ光線だ」
アーカードはそう一言だけ言って、アンリエッタは首を傾げていた。
◇
「待って!待った!お待ちなさい!」
ルイズは雨の中、街を駆け回った所為で泥だらけであった。
時を遡ること少し前、街中に漂う不穏な雰囲気に何かを感じたルイズは、仕事を切り上げて外へと出た。
街にいた兵士に女王直属の女官である事を告げて事情を聞くと、なんと姫さまがいなくなったと言う。
いてもたてもいられなくなったルイズは、雨にも拘らず街中を走り回った。
疲労も溜まり最初に馬を借りておけば良かったと気付いたルイズは、丁度見つけた者に向かって叫んでいた。
「ラ・ヴァリエール殿?」
「へっ?・・・・・・アニエス?」
なるほど、雨の中で見づらいがよく見ればそれはアニエスだった。
「アニエス、あなたいったいなにをしていたの!?姫さまは一体――――」
「陛下は無事だ」
「え?」
「説明しよう、とりあえずここにいつまでもいてはまずい」
ルイズは当然納得のいかない顔のまま、馬に乗りアニエスの後ろに跨った。
◇
高等法院長リッシュモンの屋敷から出てきたフードの男を追跡し、着いた先はとある酒場。
男はその二階の部屋へと入っていった。ねずみ捕り、レコンキスタの間者を探る為に姫さまは身を隠したらしい。
「なるほど、大体把握したわ」
「マントを脱いで酒場女のように、わたしにしなだれかかれ」
説明を終えた途端、淡々とアニエスは言った。ルイズはとりあえず言われた通りにする。
暫くするとフードの男が出てきた。するとアニエスは、突然ルイズの体を引き寄せた。
その瞬間ルイズは咄嗟に反応した。自分の顔へと近付くアニエスの額を右手で押さえ、肩を左手で止める。
「んなっ・・・なにをッ!?」
ルイズはいきなりのことに狼狽えた声を出す。アニエスは無視してなおも引き寄せようとするも、ルイズは渾身の力でそれを拒む。
「ぐっ・・どういうつもりかしらないけど、アニエス。不意討ちでキスしようなんて、アーカードで慣れてるんだから!」
「ばっ・・・!」
『馬鹿』、と言おうしたのだろうか。しかし時既に遅し。
部屋から出てきたフードの男に怪訝な目で見られていた。男は踵を返し走り出す。
「ッチ・・・気付かれた」
アニエスは毒づくと、ルイズを突き飛ばし走り出す。
ルイズもそこでようやく気付いた。相手を欺く為の芝居だったのだと、それを自分がガードしてしまった為に台無しにしてしまったことを。
せめてアニエスをアシストしなくてはと思い、ルイズも走り出す。
アニエスが扉に入るのが見えたと同時に、アニエスは反対に吹き飛ばされ、扉を破壊して向かいの部屋へと転がっていく。
次に二人の男が出てくる、フードの男が杖を持っているのが見えた。
フードの男は向かいの部屋に向かって杖を向けている、アニエスへの追撃だろう。
後から出てきた商人風の男がルイズへと鋭い目を向けた。思わずルイズは一歩後退る。
その様子を見て、商人風の男はルイズを一般人だと思ったのか、アニエスがいる部屋の方へと視線を移す。
その後のルイズの反応は素早かった。自分の所為でバレてしまい、今アニエスがピンチなのだ。
すぐに杖を取り出しルーンを唱える。男二人が気付いてこちらを向いたその瞬間、エクスプロージョンが炸裂した。
目を眩ませるだけの小さな爆発、しかし眼前で起きた爆発に男二人は次の反応が遅れる。
ルイズは続いて詠唱する、二度目のエクスプロージョンがフードの男の杖を吹き飛ばし弾いた。
その時商人風の男がいち早く回復し、杖を取り出してこちらに向け詠唱をしていた。
(うそッ・・・!?)
しくじった、商人風の男もメイジだった。詠唱は向こうの方が早く、ルイズは間に合いそうもない。
ルイズは反射的に目を瞑り、腕を顔の前に出して防御する。次に聞こえてきたのは男の魔法開放の声ではなく、銃声だった。
目を開けると商人風の男の手から杖がなくなっていて、かわりに血がボタボタと床を濡らしていた。
そして部屋から飛び出してきたアニエスが、未だ回復してないフードの男の足をかけて転ばせる。
次に商人風の男を引きずり倒した。抜いた剣を商人の首筋に突きつけ、倒れているフードの男の鎖骨を踏み抜く。
骨が砕ける嫌な音と、絶叫が響き渡る。フードの男は完全に我を失い、商人風の男はそれでも尚アニエスを睨みつけている。
アニエスは冷ややかな眼差しで、静かに言った。
「選べ。生か、誇りか」
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