「ゼログゥ」(2007/07/25 (水) 18:56:25) の最新版変更点
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「貴女の名前は?」
「グゥです。これからよろしくお願いします、ご主人様」
愛らしく答えた使い魔を連れて、ルイズは自室に戻っていた。
普段なら一人で学科の学習をするところなのだが、今日は使い魔がいるのだ
から、何をできるのか聞き、やらせてみようと思い立つ。
「ねえ、貴女。何か特技はあって」
そう言って振り向いたルイズは、我が目を疑った。
目の前にいた少女の顔が、目つきの悪い三白眼で大口をむすんだものに変わ
っていたではないか!
のっぺらぼうの方が、まだ驚かずにいられたかもしれない。
「そうだな。魔法・・・って言うか、手品?はできるぞ」
そんな、口調まで変わって。第一、その微妙な疑問符は何?
混乱するルイズの思考とは無関係に、グゥは言葉をつむいでいく。
「両目、見てみ」
「両目?」
ようやく口をきくことができたルイズが両目を見てみると。
『お願いっ。お願いだからここから出して』
『こいつ!メアリーを、彼女をどこへやったんだ?』
―――人がいた。右目に女が一人。左目に男が一人。
「あ、あがががが。なっ、なんなのよそれは!どうして両目にそれぞれ1人
ずつ人がいんのよっ!!?」
「ジャックとエリザベス。1人ずつでは不服か?そうか、増やしたいのか。」
そう言ったグウが浮かべた不適な笑みを見て、ルイズは意識を手放した。
翌朝、藁床の上でルイズは目を覚ました。
「おはようございます。ご主人様」
目の前にいる美少女を目にして、ルイズは昨日のことを思い出していた。
自分がこんな所にいた理由はともかく、あんなことは夢に違いない。
着替えを手伝わせようとした時、背後から「例の声」が聞こえて来た。
「ちゃあんと1人増やしておきましたから」
ルイズは物凄い勢いで1人で着替え終わると、脱兎の勢いで部屋の外に飛び
出した。途中、メイドが1人行方不明になったと聞いたような気がした。
「よお」
食堂についてみると、なぜかグゥが先にきていた。
顔は例の三白眼の顔。しかも、頭に何か黒い塊をかぶっている。
「何よ、それ。まさか、人の体の一部だったとかじゃ」
「正解。アフロ。さっき家まで戻ってとってきた」
もう、言葉の意味を深く考えることはしなかった。
そんな「主」の様子を見て、グゥはつぶやく。
「長飛丸よ・・・・こっちもそれなりに面白くなりやがったぜ?」
日本妖怪か、あんたは。
「ハレも連れてくるか」とか、不吉なことをつぶやいている少女は、無表情
でありながら、楽しそうに見えた。
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