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「蒼炎の使い魔-15」(2011/03/07 (月) 00:29:56) の最新版変更点
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#navi(蒼炎の使い魔)
あれから数分。
怒りの言葉をぶつけまくった2人はようやく冷静になり始めた。
カイトは何時ものボロボロの服装に更に輪を掛けたような悲惨な姿になっているが
落ち着いた2人を見て、デルフを取り出し話をする体制に入る。
まず最初に、シエスタの件は優先順位を考えて後で話すと告げた。
ルイズが睨むが、それよりもミス・ロングビルと呼ばれた女性のほうが重要だ。
カイトはあの時、いきなりデータドレインの体制に入った理由を話し始めた。
そして、ルイズとギーシュはその『理由』に驚愕した。
「な、ななななな何ですってぇ!」
「み、ミス・ロングビルが!?」
そう、カイトが言うにはミス・ロングビルは、以前のギーシュと同じ『状態』なのだ。
「で、でもギーシュと違っていつもどおりだったじゃない!」
ルイズは以前のギーシュを思い返す。
ギーシュも渋い顔をしたが、やはりあの時の自分と重ならないのだろう。
カイトはその理由を知っていたのか訳をデルフを使って話し始めた。
「ん~、何でも坊主とは違って強力なモノに『感染』してるらしいってさ。
それで、あの女はそれに『気がついてる』可能性がある。
しかもアレは、何処か『特別』な感覚がするんだとよ。
ただ、感染したタイミングは分からない、これでいいのか?」
デルフがカイトに確認を求めながらポツリポツリと話していく。
「感染? まるで病気みたいね。
それに気がついているって・・・」
ルイズは、訳が分からないと言った表情で首を傾げる。
ギーシュも同様の表情だ。
「そう言えば、君はアレを知っているんだね?」
カイトはそこで思い出した。
まだ黒点の名称すらも教えていなかった事を。
「・・・ハアアアアアア」
「ん。 あれは『AIDA』っていうネットワークトラブルなんだと。
・・・ネットワークって何だ?」
「あい・・だ?」
「ねっとわー・・く?」
2人は始めて聞いた単語に?マークを数十個ほど頭の上に浮かべた。
この世界に『電脳世界』など無いのだから2人の反応は当然だ。
そして・・・
「ま、まあそんな話は後でしましょう、うん。」
「そ、そうだね。とりあえずはこれからの事を話し合おうじゃないか」
無理やり話を変えた2人だった。
「そうね、先に土くれのフーケについて話し合いましょう。」
とにかく、今は土くれのフーケだ。
『土くれのフーケ』
時に大胆に、時に静かに、貴族の財宝を盗む、大怪盗だ。
姿を見たものはおらず、盗んだ後には犯行声明を残していく貴族達にとっては恐ろしい盗人だ。
「ゴーレム・・・か。」
ギーシュが呟く。
「ギーシュ、あんたはアレくらいのモノが作れる?」
ルイズは対策を立てようと提案して、ギーシュにたずねる。
一番手っ取り早いのはギーシュが同じくらいのものを作って相手にぶつけるというものだ。
カイトとルイズが援護に入れば、相手も只ではすまないだろう。
しかし、ギーシュは少し沈んだ声をだす。
「いやあ、流石に魔力が足りないよ。
アレと真っ向勝負は難しいね」
ルイズもそれは予想していたのか別の作戦を提案する。
ギーシュも考えられる範囲の作戦を出し合っていく。
カイトは・・・静かにその様子を見ていた。
何せ、目に付いた敵を片っ端から消していくような存在である。
戦い方など考える必要がなかったのだろう。
対策も・・・あるにはあるが入り込む余地が無かった。
仕方なしに黙ってそのやり取りを聞いていく。
変に口を出したら相手にされない可能性があるのだ。
以前、こんな事があった。
カナードと呼ばれるギルドのホームでアトリと揺光が口喧嘩をした事がある。
内容はハセヲの取りあいらしい。
「だから!ハセヲはあたしと一緒に狩りに行くんだってば!」
「何を言っているんですか! ハセヲさんは私と一緒に景色を堪能しに行くんですよ!」
「ハセヲはあたしと一緒に居るほうが良いんだ!」
「いいえ! 私のほうが!」
流石にこれ以上は不味いと思ったのかハセヲが口を開いた。
「お、おい、もうその辺で・・・」
「ハセヲ(さん)は黙ってて!(下さい!)」
「あ・・・はい。」
そう言ってスゴスゴとハセヲは後ろに下がってしまった。
「お前も大変だねえ・・・モ・テ・ヲ・君?」
「うるせえよ・・・クーン。」
「それにしても貴方はどっちが本命なのかしら?」
「パイまで・・・」
どんどんとアトリと揺光の口論がヒートアップしていく。
遂には、ハセヲが自分に何をしてくれたという自慢話になっていく。
「私はハセヲさんに助けてもらいました!」
「ふん! 私だって未帰還者になったときに涙を流してくれたんだよ!」
その様子を見てシラバスとガスパーが笑う。
「うわあ~ハセヲってばそういう事したんだぁwww」
「モテモテだなあ~、ハセヲは♪」
「もう勘弁してくれえ~!!」
ちなみに、その喧嘩の結末はエンデュランスの漁夫の利による一人勝ちだったそうな。
後日、彼は謎のPC2人にPKされたらしいが、物語には関係ないので省かせていただこう。
そんな事を思い出しながら、目の前のやり取りを見る。
話の内容は、どうやってゴーレムに致命的な一撃を与えるか・・・だ。
「ルイズの失敗魔法でゴーレムを爆発させる。」
「失敗言うな。 ・・・威力は高いんだけど、命中率が悪いのよ。
一応、何発かは撃つつもりだけど、そればかりに頼ったら失敗するわ。
・・・あんたのワルキューレ全てを突撃させる。」
「ゴーレムの特性は再生力だ。 例え壊しても直ぐに戻ってしまう。
周りに罠を仕掛ける・・・とか?」
「敵地に行こうって言うのに罠なんて仕掛けられる訳が無いわ。
土くれのフーケを先に追い詰める。」
「相手はあらゆる手を使ってくると思う。 きっとゴーレムを囮にして逃げるだろう。
ミス・ツェルプストーとタバサに救援を頼む。」
「それは嫌! それにゴーレムを倒せるかどうかも微妙よ。
ミス・ロングビルはどう?」
「さっきカイト君が言ってただろう。 ミス・ロングビルは『感染』してるって。
何時暴走するかが分からない者を信用するのは不味い。」
「まあ・・・そうね。
それだったら・・・」
そのような感じで2人は意見を出し合っていく。
ありとあらゆる方法を話し合っていく。
そしえ、とうとう意見が思いつかなくなって来た時、
頃合を見計らったカイトがルイズの肩をポンと叩いた。
「ひゃっ!? ってカイト? どうしたの?」
ルイズは驚いたもののすぐに冷静を取り戻す。
カイトはデルフを取り出して左手に持つと右腕を顔の辺りまで上げた。
キラリとカイトの手首が光る。
2人は不思議な顔でカイトの手首を見つめる。
それは、綺麗な腕輪だった。
そして、カイトはデルフに通訳を頼む。
「自分の『データドレイン』ならどうか?ってさ。
データドレインの力ならそのゴーレムって奴を無力化出来るかもしれないんだと。」
データドレインは相手のシステムを奪うのとは別に相手のシステムを『無力化』させる事が出来るらしい。
この世界ではまだAIDAにしか放った事は無いが、それでも無傷というわけではないだろう。
ただし、そんなに上手くいくものかと言えばそうでもない。
データドレインを当てるには相手を弱らせる必要があるとの事だ。
そして、カイトというPCの性質上、乱発すれば自身の身に危険が伴うらしい。
以上、説明を聞いたルイズとギーシュの肩がワナワナと震えだした。
「「そう言う事は先に言いなさい!!(たまえ!!)」」
そして、カイトの脳天にルイズの拳骨が落ちた。
頭を押さえ苦しむカイトは訳が分からないと言った表情でルイズを見上げる。
ほんの少し涙目な気もする。
しかし、すでにルイズとギーシュはカイトのチカラを考慮した作戦を練っている。
「・・・まあ、強く生きろ。」
デルフの慰めの言葉がカイトに掛けられた。
「よし、じゃあカイトとギーシュのワルキューレで突撃、私の魔法でゴーレムの足止めと援護。
弱った瞬間にカイトの『でーたどれいん』とやらをゴーレムに食らわせる・・・」
ルイズの言葉にギーシュがコクリと頷いた。
カイトも気を取り直してルイズの作戦に了承する。
「しかし、これは作戦って言うよりは・・・」
「そこら辺はいいの。 始めての『実戦』なんだから・・・」
実戦、という言葉にルイズとギーシュの体が少し震え始める。
失敗すれば怪我だけでは済まない可能性があるのだ。
「あ、あら? 何震えてんのよ。」
「ば、馬鹿を言わないでくれ。 これはアレだ。武者震いさ。
そういう君こそ震え・・痛い!!」
見ればギーシュの足をルイズが踏みつけていた。
精一杯の虚勢なのだろう。
ギーシュからすればたまったものではないが。
そんな二人にカイトは声をかける。
「・・・ダイジョウブ。」
デルフを使わず、自分の声で。
その言葉に2人は落ち着きを取り戻したのか、ふうと息を吐く。
「いざって時は私を守りなさいよ?」
その言葉にカイトはコクリと頷く。
「僕のほうも頼むよ」
「自分の身は自分の身で守りなさいよ。」
「ちょ、それはひどいだろう!
いくら僕の使い魔も連れて行くからって!」
「な~に言ってんのよ。カイトは私の使い魔よ?」
二人の間に軽口が交わされる。
だが、そこに険悪な雰囲気は無かった。
「さ、それじゃあ、ある程度は決まったから部屋に戻って準備をしましょう。」
「ああ。 それでは、また後で!」
ルイズとカイト、そしてギーシュは遠征の準備の為、自室に戻っていった。
#navi(蒼炎の使い魔)
#navi(蒼炎の使い魔)
あれから数分。
怒りの言葉をぶつけまくった2人はようやく冷静になり始めた。
カイトは何時ものボロボロの服装に更に輪を掛けたような悲惨な姿になっているが
落ち着いた2人を見て、デルフを取り出し話をする体制に入る。
まず最初に、シエスタの件は優先順位を考えて後で話すと告げた。
ルイズが睨むが、それよりもミス・ロングビルと呼ばれた女性のほうが重要だ。
カイトはあの時、いきなりデータドレインの体制に入った理由を話し始めた。
そして、ルイズとギーシュはその『理由』に驚愕した。
「な、ななななな何ですってぇ!」
「み、ミス・ロングビルが!?」
そう、カイトが言うにはミス・ロングビルは、以前のギーシュと同じ『状態』なのだ。
「で、でもギーシュと違っていつもどおりだったじゃない!」
ルイズは以前のギーシュを思い返す。
ギーシュも渋い顔をしたが、やはりあの時の自分と重ならないのだろう。
カイトはその理由を知っていたのか訳をデルフを使って話し始めた。
「ん~、何でも坊主とは違って強力なモノに『感染』してるらしいってさ。
それで、あの女はそれに『気がついてる』可能性がある。
しかもアレは、何処か『特別』な感覚がするんだとよ。
ただ、感染したタイミングは分からない、これでいいのか?」
デルフがカイトに確認を求めながらポツリポツリと話していく。
「感染? まるで病気みたいね。
それに気がついているって…」
ルイズは、訳が分からないと言った表情で首を傾げる。
ギーシュも同様の表情だ。
「そう言えば、君はアレを知っているんだね?」
カイトはそこで思い出した。
まだ黒点の名称すらも教えていなかった事を。
「…ハアアアアアア」
「ん。 あれは『AIDA』っていうネットワークトラブルなんだと。
…ネットワークって何だ?」
「あい…だ?」
「ねっとわー…く?」
2人は始めて聞いた単語に?マークを数十個ほど頭の上に浮かべた。
この世界に『電脳世界』など無いのだから2人の反応は当然だ。
そして…
「ま、まあそんな話は後でしましょう、うん。」
「そ、そうだね。とりあえずはこれからの事を話し合おうじゃないか」
無理やり話を変えた2人だった。
「そうね、先に土くれのフーケについて話し合いましょう。」
とにかく、今は土くれのフーケだ。
『土くれのフーケ』
時に大胆に、時に静かに、貴族の財宝を盗む、大怪盗だ。
姿を見たものはおらず、盗んだ後には犯行声明を残していく貴族達にとっては恐ろしい盗人だ。
「ゴーレム…か。」
ギーシュが呟く。
「ギーシュ、あんたはアレくらいのモノが作れる?」
ルイズは対策を立てようと提案して、ギーシュにたずねる。
一番手っ取り早いのはギーシュが同じくらいのものを作って相手にぶつけるというものだ。
カイトとルイズが援護に入れば、相手も只ではすまないだろう。
しかし、ギーシュは少し沈んだ声をだす。
「いやあ、流石に魔力が足りないよ。
アレと真っ向勝負は難しいね」
ルイズもそれは予想していたのか別の作戦を提案する。
ギーシュも考えられる範囲の作戦を出し合っていく。
カイトは…静かにその様子を見ていた。
何せ、目に付いた敵を片っ端から消していくような存在である。
戦い方など考える必要がなかったのだろう。
対策も…あるにはあるが入り込む余地が無かった。
仕方なしに黙ってそのやり取りを聞いていく。
変に口を出したら相手にされない可能性があるのだ。
以前、こんな事があった。
カナードと呼ばれるギルドのホームでアトリと揺光が口喧嘩をした事がある。
内容はハセヲの取りあいらしい。
「だから!ハセヲはあたしと一緒に狩りに行くんだってば!」
「何を言っているんですか! ハセヲさんは私と一緒に景色を堪能しに行くんですよ!」
「ハセヲはあたしと一緒に居るほうが良いんだ!」
「いいえ! 私のほうが!」
流石にこれ以上は不味いと思ったのかハセヲが口を開いた。
「お、おい、もうその辺で…」
「ハセヲ(さん)は黙ってて!(下さい!)」
「あ…はい。」
そう言ってスゴスゴとハセヲは後ろに下がってしまった。
「お前も大変だねえ…モ・テ・ヲ・君?」
「うるせえよ…クーン。」
「それにしても貴方はどっちが本命なのかしら?」
「パイまで…」
どんどんとアトリと揺光の口論がヒートアップしていく。
遂には、ハセヲが自分に何をしてくれたという自慢話になっていく。
「私はハセヲさんに助けてもらいました!」
「ふん! 私だって未帰還者になったときに涙を流してくれたんだよ!」
その様子を見てシラバスとガスパーが笑う。
「うわあ~ハセヲってばそういう事したんだぁwww」
「モテモテだなあ~、ハセヲは♪」
「もう勘弁してくれえ~!!」
ちなみに、その喧嘩の結末はエンデュランスの漁夫の利による一人勝ちだったそうな。
後日、彼は謎のPC2人にPKされたらしいが、物語には関係ないので省かせていただこう。
そんな事を思い出しながら、目の前のやり取りを見る。
話の内容は、どうやってゴーレムに致命的な一撃を与えるか…だ。
「ルイズの失敗魔法でゴーレムを爆発させる。」
「失敗言うな。 …威力は高いんだけど、命中率が悪いのよ。
一応、何発かは撃つつもりだけど、そればかりに頼ったら失敗するわ。
…あんたのワルキューレ全てを突撃させる。」
「ゴーレムの特性は再生力だ。 例え壊しても直ぐに戻ってしまう。
周りに罠を仕掛ける…とか?」
「敵地に行こうって言うのに罠なんて仕掛けられる訳が無いわ。
土くれのフーケを先に追い詰める。」
「相手はあらゆる手を使ってくると思う。 きっとゴーレムを囮にして逃げるだろう。
ミス・ツェルプストーとタバサに救援を頼む。」
「それは嫌! それにゴーレムを倒せるかどうかも微妙よ。
ミス・ロングビルはどう?」
「さっきカイト君が言ってただろう。 ミス・ロングビルは『感染』してるって。
何時暴走するかが分からない者を信用するのは不味い。」
「まあ…そうね。
それだったら…」
そのような感じで2人は意見を出し合っていく。
ありとあらゆる方法を話し合っていく。
そしえ、とうとう意見が思いつかなくなって来た時、
頃合を見計らったカイトがルイズの肩をポンと叩いた。
「ひゃっ!? ってカイト? どうしたの?」
ルイズは驚いたもののすぐに冷静を取り戻す。
カイトはデルフを取り出して左手に持つと右腕を顔の辺りまで上げた。
キラリとカイトの手首が光る。
2人は不思議な顔でカイトの手首を見つめる。
それは、綺麗な腕輪だった。
そして、カイトはデルフに通訳を頼む。
「自分の『データドレイン』ならどうか?ってさ。
データドレインの力ならそのゴーレムって奴を無力化出来るかもしれないんだと。」
データドレインは相手のシステムを奪うのとは別に相手のシステムを『無力化』させる事が出来るらしい。
この世界ではまだAIDAにしか放った事は無いが、それでも無傷というわけではないだろう。
ただし、そんなに上手くいくものかと言えばそうでもない。
データドレインを当てるには相手を弱らせる必要があるとの事だ。
そして、カイトというPCの性質上、乱発すれば自身の身に危険が伴うらしい。
以上、説明を聞いたルイズとギーシュの肩がワナワナと震えだした。
「「そう言う事は先に言いなさい!!(たまえ!!)」」
そして、カイトの脳天にルイズの拳骨が落ちた。
頭を押さえ苦しむカイトは訳が分からないと言った表情でルイズを見上げる。
ほんの少し涙目な気もする。
しかし、すでにルイズとギーシュはカイトのチカラを考慮した作戦を練っている。
「…まあ、強く生きろ。」
デルフの慰めの言葉がカイトに掛けられた。
「よし、じゃあカイトとギーシュのワルキューレで突撃、私の魔法でゴーレムの足止めと援護。
弱った瞬間にカイトの『でーたどれいん』とやらをゴーレムに食らわせる…」
ルイズの言葉にギーシュがコクリと頷いた。
カイトも気を取り直してルイズの作戦に了承する。
「しかし、これは作戦って言うよりは…」
「そこら辺はいいの。 始めての『実戦』なんだから…」
実戦、という言葉にルイズとギーシュの体が少し震え始める。
失敗すれば怪我だけでは済まない可能性があるのだ。
「あ、あら? 何震えてんのよ。」
「ば、馬鹿を言わないでくれ。 これはアレだ。武者震いさ。
そういう君こそ震え…痛い!!」
見ればギーシュの足をルイズが踏みつけていた。
精一杯の虚勢なのだろう。
ギーシュからすればたまったものではないが。
そんな二人にカイトは声をかける。
「…ダイジョウブ。」
デルフを使わず、自分の声で。
その言葉に2人は落ち着きを取り戻したのか、ふうと息を吐く。
「いざって時は私を守りなさいよ?」
その言葉にカイトはコクリと頷く。
「僕のほうも頼むよ」
「自分の身は自分の身で守りなさいよ。」
「ちょ、それはひどいだろう!
いくら僕の使い魔も連れて行くからって!」
「な~に言ってんのよ。カイトは私の使い魔よ?」
二人の間に軽口が交わされる。
だが、そこに険悪な雰囲気は無かった。
「さ、それじゃあ、ある程度は決まったから部屋に戻って準備をしましょう。」
「ああ。 それでは、また後で!」
ルイズとカイト、そしてギーシュは遠征の準備の為、自室に戻っていった。
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