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#navi(蒼炎の使い魔)
決闘の数分前
場所は学院長室
そこには一人考え込んでいた者がいた。
とても、真剣に今だけは誰からの言葉も受け付かないようだった。
なにを考えているのかというと、
(今日はどうやってミス・ロングビルの下着を覗こうかの~)
まあロクでもない考えだったが。
彼の名はオールド・オスマン。
この学院で一番偉い立場にいる男である。…たぶん。
今日も平和にどうやってセクハラをしようかと考えているところに、
一人の男性が古い本を片手に入ってきた。
「なんじゃね、騒々しいぞ。コルベール」
作戦が決まりかかってきていた時に邪魔をされたのかオスマン氏は顔をしかめていた。
だが、それもかまわずコルベールは血相を変えて報告する。
「伝説が現れました…」
「なんじゃと?」
コルベールは先日ルイズが召喚した使い魔、カイトに刻まれたルーンについて調べていた。
自分が見たこともなく、使い魔についての教科書にも載っていなかったからだ。
彼は気になることは追求するタイプである。
色々な文献を見たが、人を使い魔にした例とそのルーンについては何も分からなかったのだ。
すでにあきらめ半分でひとつの本を手に取り、中を開いた。
それは伝説についての本だった。
そして彼が知りたかったものが見つかることになる。
「彼はガンダールヴです!」
それは始祖の伝説の使い魔の名前だった。
更に詳しく話を聞こうと、コルベールに質問をしていく。
数分立っただろうか。
更に一人の女性が入ってくる。
「ミス・ロングビル、どうしたのかね?」
彼女の名前はミス・ロングビル。二つの顔を持ち、恐らくあらゆる世界で2番目に可哀想な目にあっている女性である。
学院長からの質問に少し息を切らせながらも答える。
「広場で決闘が行われています」
その報告にオスマン氏はあきれたようにため息を吐いた。
「まったく、暇をもてあます貴族ほどタチがわるいわい。ああ『眠りの鐘』なんて使わなくていいぞ」
もったいないからのう、と続けた。
「で、誰と誰が暴れておるんじゃ?」
「はい。ギーシュ・ド・グラモンとミス・ヴァリエールの使い魔です」
オスマン氏にとってはグッドタイミングと言ったところだろうか。
今話していた話題の少年が決闘しているのだから。
そして、もう一人。ギーシュの調子が最近おかしい。
感情をもてあましているというか、切れやすくなっているというか。
性格が歪んでしまったのだと最初は片付けた。しかし、それだけじゃないようだ。
魔法の質が上がっているのだ。それを操る様は悪魔に魂を売った男のような目つきだった。
大方、調子に乗っているのだろう、いつかお灸を据えてやろう。
そう思っていたときにこの報告。
2人ともこの学院で今問題になっているため少しだけ興味を抱いた。
「ミスタ・コルベール、百聞は一見にしかずじゃ。ちょっと覗いてみようかの」
そういって杖を振り広場の様子が見える鏡を作り出した。
広場ではすでに決闘が始まっていた。
ギーシュはゴーレムを召喚し、使い魔の少年--カイトが武器を取り出している。
カイトが何か挑発でもしたのだろうか、ギーシュが怒声を上げながらゴーレムを走らせる。
「ほう…」
最初、オスマン氏は決闘の結果はギーシュの勝利だと思っていた。
しかし、目の前の現実はそれをはるかに凌駕していた。
使い魔の少年のほうが、そこから一歩も動いていないのだ。
数で攻めてくる連撃をいともたやすく片手で受け続けている。
腕を振るったかと思えば、ワルキューレはバラバラになっている。
そして、
『ぎゃあああああああああ!!』
鏡の向こうの少年が悲鳴を上げ倒れた。気絶したらしい。
「オールド・オスマン、彼は…」
その光景を見て震えながらコルベールは声を出した。
「むう…」
オスマン氏も信じられないのだろう。
言葉が出せないでいた。
ミス・ロングビルにいたっては顔が青くなっている。
しばらくするとオスマン氏が口を開いた。
「2人とも、この件については一旦保留じゃ。」
「しかし…」
渋るコルベールに続けて言う。
「分かっておる。あの腕から出した光は危険じゃ。我々は彼のことを知る必要もある」
ルーンのことについてものう。
ミス・ロングビルがいたため、ルーンのことはあえて言わなかった。
だが、彼も察したのだろう。渋々だが学院長の提案に了承した。
2人を退室させ、彼は1人残った部屋でつぶやいた。
「近いうちに、彼と話さなければならんのう」
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