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&setpagename(ゼロのコードギアス 第一章 『魔人が 喚ばれた 日』その9)
「ここは…」
三人は意外な場所に連れて行かれた。
学園の中の図書館だ。もちろん今日などは全く人がいない。
王女用の馬車は囮だったのだ。
「今回のことでよくわかっただろう、トリステイン王国は貴様らが仕える国ではない」
男は口を開いた。
「そうかもしれない…でも私たちはこんな方法を望んでいないわ…」
だがルイスは言う。そして背を向け…
「馬鹿か!貴様は!このままだとお前たちは裁判にかけられ間違いなく有罪だ!」
「それでも行くわよ。このままだと貴族のとしての示しがつかないのよ…」
「だがお前たちは間違いなく!」
「かまわないわ!使い魔にも言われたわよ…私が貴族を名乗る以上、後姿を見せることはできないわ!」
くっ!
ルルーシュが言葉につまるとキュルケが
「話は終わったかしら?まっ、顔をみせない殿方についていく気はないわね。いざとなったら私は国に帰れるし。さ、ギーシュ行くわよ?!」
「ま…待ってくれたまえ!」
去っていく二人、そしてルイズが…
「本来ならあんたを捕まえなきゃいけないんだろうけど…さすがに無理よね…でも言っておくわ…ありがと…助けてくれて」
(この馬鹿が!)
再度、兵士に逮捕されたが三人は短い取調べ、拘留の後、お咎めなしとされた。
王女も居た為大きなニュースとなったこと、ゼロの言っていたことが図星だったこと。
そして三人の家からの抗議(キュルケがゲルマニア出身ということも関係した)
以上の結果からトリステイン政府は更なる腐敗の追及の手を避けるため司法に圧力をかけた為であった。
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フーケことロングビルはまたまた悩んでいた。
(破壊の杖を奪うのには失敗しちまうし…)
そして
「いいでしょう!お話します!本来この杖は第三者が、おそらくは土くれのフーケが狙っておりました!私はそれを見越して先に確保しておいたに過ぎません!」
(くそ!なんであいつは知っているんだい!)
ゼロという男が現れ、フーケの存在を示唆したからである。
(まったく…あいつのせいで警備は厳しくなってるし…これは諦めた方がいいねぇ…)
破壊の杖が手に入らなくなった今、フーケは新しい盗みをするためモット伯の家に下見に来た。
が、案の定警備は強化されている。
(ま…あの子らの罪は晴れたし…学園で落ち着いて考えるのも手かねぇ…)
そして学園の自室に戻ろうとした其の時。
「早速下見とは余念がないな、土くれのフーケ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルルーシュはタバサを仲間にした後説明をした。
「俺がこの台詞を言ったら竜巻を起こしてくれ」
「わかった…」
「起こした後は学園にある馬車を放ち騒ぎを大きくするんだ。これは陽動でいい目くらましになる」
「あなたはどこに…?」
「俺は騒ぎになったところで学園内に戻り仮面をはずし人ごみにまぎれる」
「わかった…でも…こんなにうまくいかないかもしれない…」
「安心しろ。こういうことは何度も経験している。強力な協力者、強力な武器…条件はクリアしたも同然だ」
そして、全てが終わりルルーシュの思い道理になった後、
タバサはもう一度ルルーシュを呼び出した。
期待をこめて…
「タバサ。今回は何の用だ?」
「…納得がいかない…」
「納得とは…?」
「地下水を殺した力は…?いつ私のこと調べて知ったの…?あなたは何者…?」
「それは」
ルルーシュは説明する。もはやタバサとは共犯であるためだ。
それにタバサの性格と生い立ちから他言するような性格ではないと判断したからである。
そして話す。彼の自身の事を。
だが、肝心なこと
「君を調べたのと、地下水を殺したのは…王の力だ」
「王…?」
「そうだ、四つの系統のどれにも当てはまらない力だ」
「虚無……あなた…虚無の使い手なの…?!」
「さあ、俺は俺以外に似た力を使う者を知らないし、これがその虚無とやらかも知りはしない」
「そう…」
ギアス、どんな相手にでも一度だけ命令を下せる絶対遵守の力についてだけははぐらかし、言わなかった
タバサはルルーシュに、異世界の王族に驚いた。
自分とほぼ同じ境遇。
絶対的な謎の力の存在。
エルフの先住魔法にすら勝てるかもしれない。
そして、ルルーシュさえいれば自分の目的は大いに近づくだろう…と。
ルルーシュの手腕は先の出来事で確認済みだ。
絶対的な力を持ち、なおかつ其れを躊躇せず行使できる意思。
「わかった…」
「そうか。ではこれで俺は」
「待って…まだ話は終わっていない…」
「話とは?」
「今度は私の目的に力を貸してもらう…あなたは言った…私なら君の願いをかなえられる…と」
「…ガリアの…ジョゼフ派の抹殺か…?」
「違う…!……母を治すのを…手伝ってほしい…」
ルルーシュは…思案した後
「タバサ。言ったはずだ。あんなやり方では君の母は救えないし君も国も救われない。やるなら徹底的にだ!戦争をしろ!反逆だ!正義を持って!とな」
「私は…」
「例え君の母上を救ったところで、ジョゼフ派がいる以上再び…それどころか第二、第三の君が生まれるのは確実」
「っ…!」
「相手を間違えるな。敵はジョセフではない、ガリアだ!封建制度だ!」
「…」
「いいだろうタバサ。君に力を貸そう。だが覚悟を決めろ」
ルルーシュは決めた。タバサに力を貸そうと。
ルルーシュの野望の果てにはタバサの願いもある、それは優しい世界の創造という結果に付随してくる
ルルーシュはこの世界そのものを壊そうとする。腐りきった封建社会を。
そう、創造の前には破壊が必要だから
(世界を手にすれば…もといた世界に返れる方法が見つかるかもしれない…ナナリーを直せるかもしれない)
(それどころか…ナナリーをこちらの世界に連れて来れば…ナナリーは平和に…)
(万が一こちらで失敗しても・・・いや、やるまえからこんな気持ちではだめだな)
(だが、俺は使えるものはなんでも使う。そのためには修羅にならなくては・・・)
「…ガリアを…ぶっ壊す……!」
「そうだ!」
(それでいい…)
人々の思惑は動き出す、その内に愛、憎しみ、善意、悪意を秘めて
もしもこの世界の善意と悪意を天秤の皿に乗せたら、天秤はどちらに傾くのだろうか
ルルーシュの起こす行動は、その結果はいったいどこへと向かってゆくのだろうか
今はまだ誰も知らない
第一章 完
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