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&setpagename(ゼロのコードギアス 第一章 『魔人が 喚ばれた 日』その3)
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは憂鬱な日々が始まることを自覚していた。
自分が召還した男ルルーシュ・ランペルージとの日々についてだ。
短慮な言動が目立つルイズだが、生まれはさすがのヴァリエール家。落ち着いて考えた結果、ルルーシュには何かがあると感じている。
召還した彼はかなりの長身で美形。それ以外はただの普通。それだけだと思ってはいたが学園長との会談で一変した。
物怖じしない性格、頭の回転は優秀、異世界から来たというが…交渉術はいっぱしのもの。飲み込みが早くこれからの生活、帰還への研究を取り付けた。
しかし自分と二人だけになると尊大な態度をとり、鋭い目を向けてくる。
あれは口だけで人を手玉に取るタイプだ。
異世界の平民とはいうが…彼には何かがある。
今日は彼が起きるより早く目を覚まし、着替えも済ませておいた。
主失格とはいえ、下手をすれば「こちらが食われる」と心の奥が警告をしたからだ。
おそらくは有能である彼を無理にでも使い魔にするか、それとも早々に使い間としての契約を無視し、元いた世界?へと帰ってもらうか。
どうせ平民を召喚したなどという前代未聞の話もすぐに広まる…魔法使いとしての人生は立たれたも同然…アカデミーにでも行こうか…
授業中に考えをめぐらせこれからのことを考えている時
「…ず。ルイズ!」
「…何よツェルプストー…」
「あんた。当てられてるわよ…」
学園に爆音が響き渡った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルイズに暇を出されルルーシュは学園を探索し始めた。先ずは自分の力の確認である。
庭らしき広場を歩き、初老の造園職人と思しき人物、格好からして貴族とは
当てはまらないことを確認する
ルルーシュの左目、その瞳に奇妙なマークが浮かんでいた
その紅い羽ばたいた鳥のようなマークが光を放つ
そうして静かに命じた
【貴様の名前を言え!】
キーーーーーーーーーーーーーーーン
「名前は…ボルドーといいやす…」
ボルドーの目に羽ばたいた鳥が飛び込んだように男の目にも紅い光がやどり、ボルドーの意識を朦朧とさせる
よし!と心の中でガッツポーズ。念のためもう一度試してみる。
【貴様の年を言え!】
キーーーーーーーーーーーーーーーン
「はぁ…あんたぁ…ここの学園の貴族の生徒さんですかのー…わしの年は…」
最後まで答えを聞かず背を向ける。問題はないようだ、一人に対して一回のみ使用可能
その本質も変わってないと分かった、この分ならギアスにかかっている最中の記憶の欠落も以前と同じくあるだろう。
やはり無駄うちも出来ない上、使用する人物には注意を払っていかなければならない。
そのとき向こうからかごを持ったメイド、シエスタが歩いてくるのが見える。
「ルルーシュさんですか?使い魔の皆さんは今は一緒に皆さん授業ですよ?」
「それがルイズに暇を出されて昼も抜かれてしまったんだ…」
「そうなんですか…何か困ったことがあったら言ってください。同じ平民同士がんばりましょう!お昼ごちそうしますよ!」
「すまない…ありがとう」
まともな人間は平民なのかこの国家は!?
ルルーシュはギアスの考えを一先ずおいておきシエスタについていった。
今はギアスを使い世界を変えるなんて使命などではなく、自分自身の衣食住のほうが重要。ギアスはあくまでも非常の備えなのだ。
ルルーシュがシエスタに連れて来られたのは、食堂の裏にある厨房だった。
厨房の椅子に座らされたルルーシュにシエスタはシチューを持ってきてくれた。
「余り物で作ったシチューなんですけど…」
「ありがとう。ご馳走になるよシエスタ」
期待はしていなかったがその味は現代のものよりとてもおいしく感じた。
「おいしい…」
「ありがとうございます!きっとコック長も喜びます。ところでルルーシュさんはどちらで生まれたのですか?」
「あ、あぁ。トリステインから遠いところさ」
「そうなんですか…いきなり使い魔なんかに…あ!すいません!そのヴァリエール様をけなすのではなく…」
「いいんだシエスタ。あんな横柄なやつ。貴族としても格が知れてる」
「そんな…ヴァリエール様は私たち平民にも優しく接してくださいますしとても努力家なんですよ?ちょっと魔法が使えないようなんですが…」
「ふむ…そうなのか…」
ルルーシュはここでシエスタの意見を聞きルイズに関する考えを改めようかと考えた…
朝、黒髪のメイドと言った時点で少なくともルイズはシエスタのことを知らない。
となると、この人望は自然とルイズに向けられているものなのだろうと。
魔法を使い自分に命令させないのかとも考えたが、どうしてもともと使えないのかと…
ルルーシュはこのあたりで思考を打ち切りシエスタに向き合う。
「シエスタありがとう。ルイズも慕われていると知れば喜ぶさ。ところで今朝から君に頼りっきりになっているね。
この穴埋めとして何か俺に手伝えることがないかな?」
「そんな…あ!ならルルーシュさんデザートを運ぶのを手伝っていただけますか?」
「そんなことならお安いごようさ!」
貴族は昼食が終わり、その後庭でお茶を飲みながら思い思いにくつろぐ。
「こちらはデザートになります。」
内心はうんざりはしていたが…この男、ルルーシュ・ランペルージは微塵も顔に出さずに仕事をこなす。
ひとつひとつのテーブルにデザートを出しながらふと見ると、年のころは12、3だろうか。二人の男子生徒がなにやら白熱しながらボードゲームをしている。
見覚えのある、駒、ボード…
「シエスタ。あそこの生徒がしているボードゲームは…なんだい?」
「あぁ。あれはチェスですよ。ルルーシュさん知らないんですか?」
ルルーシュにとってはいい驚きだった。
「チェスにはキング、クイーン、ビショップ…」
シエスタが説明してくれている内容は、自分が知るものとまったく一緒だったからだ。
(チェスは紀元前からあったとされるが…人間が作り、発達させていく物は異世界でも同じなのか?まぁいい…退屈しのぎにはなりそうだ…)
ルルーシュは、ルイズの部屋で、この世界の文字が理解できないことは悟った。
自ら本を読むことも出来ず、帰還までは退屈することになりそうだと考えていたからだ。
「ありがとう。シエスタ」
にこやかに答え、幼い貴族の生徒のもとにデザートを持ち歩いていく。
瞬間、こまの配置を見る。
戦略も何もない幼い配置。手前の生徒がやや不利なようだ。
「お茶をお持ちいたしました」
「あぁ。置いといてくれたまえ」
「かしこまりました」
頭を下げた瞬間、聞こえるか聞こえないかぎりぎりの声で、尚且つ耳元で
「ルークd4、ポーンg5」
今指す手、そのあとの手、二度連続でつぶやいた。勘が鋭ければわかるだろうが…あんな程度の低いレベルの子供だ。わかろうとわかるまいとどうでもいい…
ある種の嫌がらせの後ルルーシュは再びデザートを置き始めた。
そして向こうのほうから、この時間に似つかわしくない大声が聞こえる。
金色の巻髪に薔薇をシャツに刺した勘違い貴族がいた。
周りの友人が彼を取り巻き冷やかしている。
to be continued
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