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#navi(いぬかみっな使い魔)
いぬかみっな使い魔 第9話・後編(実質8話)
「むう、これが服屋だって? ムードのへったくれも無いね。」
汚くは無いが実用一点張りのそっけない店。ギーシュが不満を漏らした。
「ふ~~ん、こんな服屋で私にどんな服をプレゼントしてくれるの?」
モンモランシーが、冷ややかな目でギーシュを見ている。
「二股、平民に気絶させられた上に甲斐性なし。ダメね。」
「い、いや、それはだね!?」
ギーシュが、すがるような目を啓太に向け…
ようとして絶望のうめきを上げた。すでに啓太達が店に入っていたのである。
「馬車番なら私がしてますからお二人とも買い物楽しんできてください。」
髪をツインテールにまとめ、犬耳と二股の犬尻尾な美少(幼)女の
ともはねが、屈託の無い笑顔で勧める。
「う、うむ、ここで待っているのもつまらないし、見聞を広めるつもりで
入ってみようじゃないか、我が愛しのモンモランシー!」
ギーシュは強引に誘って店に入った。
所狭しと置かれた棚にうずたかく積まれた多数の布地、多数の服。
そのどれもがとても貴族の着る服ではなく、木綿や麻、毛糸で織られている。
色もくすんだような地味な色ばかりで、鮮烈な赤や強い青などの
原色系はほとんどない。
その店の奥で啓太達は大量の服を検品していた。
「おう、ギーシュ、モンモランシー、お前達も手伝ってくれ。」
「あ、ああ。しかし、こんな大量に何の服を頼んだんだい?」
「作業着兼練習時の服さ。お前ら、武芸の鍛錬のときも風呂場工事のときも
学校の制服だったろう? けど、あれじゃあ布地が弱くてすぐ破けるし
汚れにも弱いから思い切った事が出来ない。棒術教えていて
投げ出したくなったぜ。だからサイズ聞いて注文したのさ。」
「なるほど、藍色にそめられたこの布地、随分頑丈そうだね。」
「見たことの無い布地ね?」
「カンバス布さ。」
「カンバス布!?」
「おう、ニーム製のセルジュを藍で染めたんだ。すごく丈夫で
ちょっとした鞭程度ならこれで防げる。少しだが防虫効果もある。
縫製がしっかりしてるか、サイズが合っているか、確かめるの手伝ってくれ。」
「ウィ。」「わかったわ。」
最上級生よりも年上で、一説によればスクウェアクラスの魔力を持つとされる
啓太の頼みは、とりあえずは聞くのが薬草クラブの不文律だ。
リベット補強がされていないものの、地球のデニムのジーパンとジージャンに
酷似したこれらの服は、後に水霊騎士団の普段着となる。
※セルジュ(サージ)・ドゥ・ニーム→ドゥ・ニーム→デニム らしい。
その後、小洒落た服屋にも寄ると、ギーシュがモンモランシーに
服をプレゼントすると言ってあれこれ品定めしている間に、
啓太とともはねは既製服をいくつか買い込んだ。制服以外の着替えである。
ギーシュは服でモンモランシーの機嫌を直せたと大喜びだ。
落 胆 の 後 の 喜 び は 大 き い。
啓太がこの順番で二つの服屋を回った理由に、ギーシュはついに気付かなかった。
「さて、次は酒場で昼飯だが、ちょっと寄るぜ?」
そう言って、啓太はとある建設現場に馬車を寄らせた。
見ると、何人もの学院生が働いている。
この世界では江戸時代の日本よりも武士階級(≒貴族階級)の比率が高い。
7%に対して1割弱である。その代わりに農作業の一部、建設、医師、
薬剤師、製鉄や金属加工等の仕事がメイジの職業として門戸が開かれており、
特に驚く光景ではない。問題なのは、名門貴族の子弟が、
場末の建築現場で絹の服を着て働いている点にある。
「おうい! 服を持ってきたぞ!」
啓太が一声かけると、指導していた現場監督(≒大工の棟梁)がうなずいて
休憩を許可した。生徒達が一斉に駆け寄り、自分の服を探し出す。
「おいおい、お前らこんなとこでバイトしてたのか?」
ギーシュがあきれて突っ込んだ。
「バイトというより修行さ。学校に許可も取っている。」
「この前の風呂工事で未熟を痛感したからな。」「習うより慣れろさ。」
「現場の感覚を覚えたいのさ。」「実際の技術を学びたくてね。」
「賃金も目当てだけどな!」「ああ、それもある!」
「放課後の短時間に魔力使い切ってかまわないからな。」「重宝されてる。」
「へえ、そんないろいろな目的が工事のバイトにあるのか。」
口々に説明する学院生たちに、ギーシュは感心した。
「あれ? でもこの一石二鳥なやりかたって。」
啓太を見る。
「そう。この間の風呂場工事は、こうやって現実の仕事に興味を持たせて、
授業に身を入れさせるのも目的だったのさ。工事の修行と技術の習得、
魔法を使うペース配分習得。使用人に感謝されるのは3番目以下の目的さ。」
啓太は、何度も彼らに対して教えていた。
持ちうるリソースは常に足りない。上に立つものは、あるリソースを
有効に使うために常に一石二鳥も三鳥も狙わなければ大成できない、と。
それは軍事でも統治でも同じで、若いときから癖をつけたほうがいいのだと。
「へえ。この道を通ったのは酒場への移動、現場の様子を見る、
服を届ける、ギーシュにも建設への興味を持たせる、の4目的、というとこ?」
ルイズが、感心したような声で言う。
「ルイズは賢いな。80点をやるよ。」
啓太が、ルイズの頭をなでる。ルイズが、目を細める。最近素直なルイズだ。
ともはねがうらやましそうに見ている。
啓太は現場監督と少し話すと、今度こそ酒場に向けて移動した。
現場で働く生徒達には、ともはねが弁当を配っていた。
「そういえば。」
ルイズが、酒場まであと少し、というところで質問してきた。
「あの男子達、どうやって放課後に建設現場に通ってるの?
学校からトリスタニアまで馬で3時間よ? 無理じゃない。」
「その理由は今わかる。」
啓太は上を指差した。さっと上空を大きな影がよぎる。
ついで、雑踏のざわめきにかき消されてはいたが呪文詠唱の声が複数。
見上げると、タバサの使い魔、風竜のシルフィードから、6人ほどの
メイジが飛び降りたところだった。
酒場、ゼルマンの前に飛び降りる。丁度その時間に啓太達は酒場についた。
「よ、タイミングぴったりだったな、幸先いいぜ、お前ら!」
「「「サー・イエス・サー!」」」
「注文されたものは出来たのか?」
「サー・イエス・サー!」
そういって、各々手に持った物を掲げる。装飾された板やら建築工事で必要な
秘薬やら各種金具やら。これらを作るために到着が昼になったようだ。
「よし、上出来だ。よくやった! ほれ、これが例の着替えだ。」
「「「サー・イエス・サー!」」」
啓太が馬車の荷台を指差す。彼らはすぐに服に群がり、各々数着を取ると
先ほどの建設現場とは別の方向に駆けていった。
「あきれるほど感心するわね。昼ごはんすら複数の目的があったの!?」
「当然。とにかく時間も金も足りないんだ。」
啓太はにっと笑うと、降下してきた中一人残ったタバサに笑いかける。
風竜のシルフィードは飛び去った。
「いつもありがとうな。タクシー代は全部でいくらになってる?」
「今日が1エキューと62ドニエ。他に16エキューと52スウ。」
タバサが、無表情に答える。啓太は、エキュー金貨を20枚渡した。
「つりはいらないよ。タバサのおかげでいつも助かってるから端数はチップだ。
ありがとな。それと、昼ごはんを一緒に食べないか? おごるぜ。」
啓太がタバサの頭をなでながら食事に誘う。わずかに目を細めたタバサは、
コクリとうなずいた。
それを見て、ルイズはなぜかいらつく自分に戸惑った。
最近小さめだがベッドを購入し、薬草棚で仕切られた一角に
自分のスペースを作ったが啓太は何も言わない。黙認している。
もう屈辱がどうのは気にする事がなくなってきているあたりからこんな
気分に頻繁になるようになってきている。ルイズは、理由がわからなくて困った。
「う~~ん、ケータ。私、トリスタニアに一緒に来るの初めてだけど、
一体いくつの事に手を出してるの?」
「いくつ手を出す?」
啓太は、ともはねの頬についたソースをハンカチで
拭いてやりながらルイズに聞き返した。
「だって、午前中だけで工事に男子生徒の授業態度の向上、薬草。
通りの名前を聞いて地形を覚える、ギーシュ達の仲を取り持つ。
日用品の相場を調べる。風竜タクシーだってあなたが思いついたんでしょ?
さらに学院じゃ変な機械を作ってるし魔法の修行に社会の勉強に
戦闘訓練と指導。戦術授業に秘薬の開発までしてるそうじゃない?
とても一人でやってる仕事の量じゃないわ。何者なのよ?」
「啓太様はとにかくすごいんです! 当然です!」
ともはねが、ツインテールを揺らして小さな胸を張り、むふ~~と息を吐く。
実に誇らしげに、と言いたいところだが容姿のせいでかわいいポーズ、である。
知らぬ間に仲を取りもたれていたと聞いたモンモランシーが拗ね、
ギーシュは必死になだめている。一瞬ルイズを恨めしそうな目で見た。
だが余所見をしている場合ではないので突っ込みはしない。
「シティーボーイの俺には不満だらけのこの世界。なら楽しめる世界に
“すれば”いいんだ。当分こっちにいるしかない以上、やってみるか、
ってだけさ。そうすると時間は絶対足りない。だからやりくりしていただけさ。」
そう。この世界と啓太の世界の時間軸が違うのでも無い限り、
もはや啓太に獣医大現役合格現役卒業の可能性は無いも同然だ。
ならば、帰るまでの年月を無駄と後悔しないように過ごすしかない。
「??? どういうこと?」「きょろきょろきゅ~~?」
「啓太様、かっこいいです!」「もぐもぐ。」
「モンモランシー、つれないことを言わないで!」「いやよ!」
「無駄なもの、いらないと思えるもの、劣ったもの。役に立たないもの。
でも、別の面から見れば役に立つ優秀なものかもしれない。
あるいは、磨けば光る宝石の原石かもしれない。」
啓太は、ルイズを見据える。ルイズもまた、啓太が見いだした宝石だ。
ルイズは、傍若無人ながらも味方をし、かばい、才能を見出してくれた
啓太に見つめられ、ほんのりと胸が熱くなるのを感じる。
「俺の従兄弟の光は、そうやって10人の女の子の個性を花開かせた。
それを(世界に対して)やってみようってだけの話さ。」
そういって、どこか遠くを見つめる啓太。
啓太は、少しだけ、赤道斎の気持ちがわかった気がした。
己の理想とするもの、欲しいと思うものが無い世界。
世界を変えようとする傲慢と、それが出来る根拠。実に面白い。
そんな、遠い未来の理想を見据えた啓太の目は、実にりりしくかっこよかった。
ルイズの心臓が、また一つ、トクンと鳴る。
ともはねが、キャイキャイ啓太をほめているが気にはならない。
これは害にならないモノだ。ふと横を見ると、ひたすら食べていたタバサが、
手を止めて啓太を見ている。無表情な目。これも害にはならないだろう。
そう考えて、ルイズは、はたと困った。一体ナニが?
啓太は、先ほどから隣のテーブルで声高に話している商人達の話を聞いていた。
「また土くれのフーケが出たそうだぜ!」「今度はどこの貴族だ?」
「ローレシア男爵の水の羽衣だそうだ。」「金庫が土くれになってたそうだ。」
「その前はサマルトリア侯爵の力の盾だったか。」
「巨大ゴーレムで別荘ごと破壊して持ち去ったそうだ。」
「隼の剣は誰から取られたんだっけ?」「ルブカナ伯爵の城さ。」
「聖なるナイフはテバ侯爵の地下通路からトンネル掘って盗んだそうだ。」
「宝を持ってる貴族は皆震え上がって護衛に高い剣持たせてるってよ。」
「だから最近固定化のかかった武器がやたら高いのか。」
「土メイジ相手じゃ、安いただの剣は粘土と同じで役に立たんからな。」
「けど、なまじな武器で意味あるのか?」「気休めにはなるんじゃ?」
「フーケの巨大ゴーレムは見ただけでメイジも逃げ出す恐ろしさだというぜ。」
「誰も襲われたときの事を話したがらないそうだ。」「それほど怖いのかよ?」
「トラウマになって引きこもル奴。」「立たなくなっちまう奴。」
「対人恐怖症になっちまった奴。」「いろいろいるらしいぜ。」
「なんかほんとに恐ろしそうだな。」「手を出さなきゃ大丈夫らしいぜ。」
「一発当てると手加減やめて恐怖のゴーレムにバージョンアップするそうだ。」
「どんなゲームだ?」「なんだそれ?」「いや、気にするな。」
「ふ~~ん。」
啓太は、少し考える。物騒な怪盗が出没しているらしい。
パソコンというこの世界ではとんでもないお宝を持っている以上、
武器を手に入れることを考えたほうがいいのかもしれない。
武器を握れば強くなる、という特殊能力を得たのだ。使わない手は無い。
もっとも、ガンダールヴの力を発動中は霊力を呪符にこめるのに支障がでる。
霊力の流れが分散され、威力が多少落ちるし時間もかかる。
そのデメリットを上回るメリットがあるのだし。
「予定がずれるが、余裕があれば武器屋によって見るか。」
啓太が唐突につぶやいた。
「啓太様、おもちゃ屋より先にですか?」
「武器屋って、あんなに強いのに必要なの?」
ともはねとルイズが聞き返す。
「まずはおもちゃ屋さ。そのあと、時間があれば武器屋にも寄るだけさ。」
さて、それから啓太達はおもちゃ屋で品定めをしていた。
「ケータ様、これ! これ買ってください!」
ともはねが、ラメ入りゴムボールを啓太にねだるので快諾する啓太。
「う~~ん、プリキョ了変身グッズにセラムソ人形にハノレヒ学園キット。
どれも子供っぽいわね。やっぱり私にふさわしいのはもっと大人びた
ビスクドールね。口ーゼソメイデソ工房のがいいなあ。」
そういってちらりと啓太に目をやるルイズ。プレゼントして欲しい…
ってなぜ?ルイズは首をかしげる。
「今日は時間ないしな。今度来たときに寄るからその時買ってくれ。」
空振りである。
「………」
タバサが、無言でじっと人形を見ている。
「欲しいのか? ならプレゼントするよ。店主! これも頼む!」
なぜだかいらついてしまうルイズは、なんとなく店の一角にまとめて
積まれているおもちゃの剣の一つを手に取った。
「どうした、ルイズ。訓練用に買っていくか?」
「う、ううん、そんなんじゃないの。」
あわてて棚に戻すルイズ。その時。
「おい、そこのあんちゃん。」
「ん?」
自分と店主以外誰も男はいないのに聞こえる男の声。
「俺だよ俺。」
「幻聴じゃないよな、幽霊か?」
タバサが、ギクリとこわばって包んでもらった人形を取り落とす。
一方啓太は目を凝らした。大抵の幽霊は普通にしていても見えるが、
中には穏身の得意な幽霊もいるからだ。が、幽霊は見えない。
かわりに、見慣れすぎていて気にも留めなくなっていたもの、
すなわち目の前のおもちゃの剣の山の一本に気付いた。
「気付いたか、俺だよ俺。おめえ、ここによく来る太った貴族や
がきに甘いおばさんどもとは毛色違うな? なんでいめみたいなのが来た?」
「おもちゃにもかかわらず、なぜか強い霊力を放っているな。
おもちゃの剣に幽霊が取り付いてるのか?」
またタバサが人形の包みを取り落とした。
「怖いのか? 安心しろ、邪霊ならすぐに俺が昇天させてやるから。」
そういって、そっと抱きしめてやる。優しく、子供をあやすように。
「むむ!」「うう!」
ともはねとルイズが同時にうなった。ともはねは遠慮なく啓太に飛びつく。
「啓太様~~~私も怖いです~~~♪」
飛びつけないルイズは、なぜか負けたような気分になっていらついた。
さておき。
「うっうっうっ! なんてえひでぇいいぐさだぁ! 俺様を捕まえて幽霊だ
なんてよおぉ! 俺様はこれでも強えインテリジェンスソードなんだぜえ!」
なぜかおもちゃの剣が泣いている。
「おもちゃの剣をインテリジェンスソードにするなんて何考えてんだ?」
啓太は、じっと目を凝らして見た。悪い気はないようだ。
呪いの剣ではないようである。山から掘り出してみる。左手のルーンが反応する。
「おでれーた。おめえ、使い手か!」
「使い手?」
啓太は鸚鵡返しに聞いた。ガンダールヴの事だろうか。
「おう、使い手だ。おめえ俺を買え。損はさせねえ。」
「ふむ。しかしおもちゃを買ってもな。」「おもちゃじゃねーよ!」
錆びた剣がわめく。左手のルーンが発動するということは、
実際に戦うために作られたものなのだろう。悪くない。しかし。
「いや、だっておもちゃだろう? でなきゃなんでこんなとこに真剣が
あるんだよ。だよな、店主?」「真剣だ! デルフリンガー様だ!」
「まあ、おもちゃ以下といいますか。」「てめ、なにいってやがる!!」
「武器屋で口の悪さから店の売り上げを大幅に落としましてね。」「黙れこら」
「こりゃたまらんと二束三文で譲ってくれたのですよ。」「おきやがれ、殺すぞ!」
「子供の練習用木剣の山と一緒にね。木剣はどっちでも扱いますからその縁で。」
「ふうん、一応本物の剣なのか。しかしこんな錆びついた口の悪い剣か。
安かったら買ってもいいが…」「うおおお!おもちゃ扱いはもういやだ!」
魔法のかかった剣はとても高い。今の予算ではとても手が出ない。
「それなら新金貨で15枚でいいですよ。うちの売り上げも落ちてましてね。」
「う~~ん、しかしな、戦場で隠密行動取ってるときにわめかれたりしたら…」
啓太と店主の、値切り合戦が始まった。
結局啓太は、5エキュで“自称デルフリンガー”を購入した。
人形とゴムボール他のおもちゃ数個よりも安価に魔剣を手に入れたのである。
「うっうっうっ、ひでえぜ相棒。この俺様をあんなに買い叩きやがって!」
「安物。」
ボソッとタバサが一言言う。
「安もんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!!」
デルフリンガーが絶叫する。
「いや、事実だろ。欠点が酷けりゃ安くもなるさ。」
「欠点じゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「じゃ、欠陥。」
またタバサがぼそっとつぶやく。
「欠陥でもねぇぇぇぇぇl!!!」
「うるさいわね、ほんとに」
ルイズも辟易してきたようだ。
「やっぱ返品したほうが「おねがい、それだけはやめて」いいんじゃねえか。」
おもちゃの同類扱いという屈辱だけには、
もううんざりなデルフリンガーであった。
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