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#navi(ルイズVSマジク~史上最哀の会合~)
第2話『音声魔術とは』
マジクは驚いた。何を驚いたかと聞かれれば今ギーシュの言った
『ゴーレム』についてである。
(確か記憶が正しければ――ゴーレムそれはドラゴン種族が1つ「天人≪ノルニル≫」がかつて作ったものだ。)
(そうだよ。アレンハタムで地人兄弟がクリーオウにぶんどられたアレだ。)
あのときマジクではなく彼の師がこともなく,本当にこともなくぶっつぶしたアレ。
(アレに比べると小さすぎるけど,代わりになんか無駄に細かいな?)
てっとりばやく魔術を使って終わりにしようと思ったが,マジクはそれをしなかった。
(でも,あれくらいのサイズなら魔術をつかわなくてもコレを使えば何とかなるよね?)
マジクは自分のブーツに目線をやる。
「ふっ。どーした平民?今さら怖気づいたのかね。何今回のことに…」
ギーシュはまだ戦ってもないのにすでに勝った気でいた。
(お師さまなら――やる。絶対にやる。それにさっきいってたよね。)
「懲りてこれから貴族に対する態度を改めるなら…」
(あれ青銅なんだよね。)
マジクは突然走りだす。ギーシュ自慢の青銅のゴーレム『ワルキューレ』に向かって。
ワルキューレはマジクに向かって大ぶりに右の拳を繰り出す。
それなりに速度はあるがあまりにも単純に,そして正直に。
これが魔法に頼りっぱなしの魔法学院の生徒や,メイジというだけで恐れをなす平民なら
十分だっただろう。
だが仮にも世界を滅ぼす戦いに関係ないのに巻き込まれ,また世界は違えど
大陸一の魔術士養成機関で年間首席をとった者にはぬる過ぎた。
紙一重というにはやや遠すぎる――経験不足ゆえにひきつけるのが足りなかったが
なんとかマジクは右に避ける。そしてそのまま反転して拳をふるため重心を寄せていた
ワルキューレの左足に自分の右足の踵をぶち当てた――鉄骨をしこんだブーツで。
「許さないわけでもないよ。うん。あれっ?」
ギーシュが気づいたときにはワルキューレは左足を粉々に砕かれていた。
【注】ほんとに鉄骨ブーツで青銅が粉々になるかはしりません。
誰かが言ったように,世界いろいろ神様いろいろ,ついでに金属いろいろ,な方向で
思い描いたとうりになってふぅとマジクは息をつく。
(いつか旅にでるときは僕も買おうと思ったけどこのブーツ高いよなぁ。)
牙の塔をでてマジクが最初にやったことは持ち金はたいて特注のブーツを作ることだった。
「ねぇ,今の動きみた?まだぎこちないけどそれなりじゃなかった?」
野次馬が一人で誰かとは正反対の胸をもつキュルケが隣の青い髪のタバサに話しかける。
「ビックリあったくには程遠い…」
「何?それ…」
「知らない。言ってみただけ。」
「あら,そう。」
ギーシュはやっと事態をのみこんでキレた。
「ぐぬううう。いや,まずは誉めよう。よくそんな動きで僕のワルキューレを
とめたものだと。」
「だが君は…僕を本気にさせたのだよ。」
ギーシュは冷たく微笑み,手に持ったバラをふった。
花びらが舞い,こんどは6体のゴーレムが現れた。
最高で7体までしかギーシュは呼び出せないのである。
「もういいでしょっ。早く謝りなさいよ。あんな動きで,今度は6体も…
相手にできるわけないじゃない。」
「おおっと。ヴァリエール残念だが今さら謝っても許しはしないよ。」
ギーシュの残酷な宣言に凍りつくルイズ。
いよいよクライマックスだと騒ぐ野次馬達をマジクは他人事のように見ていた。
ギーシュが新たなゴーレムをだした時点ですでにある決心をしていた。
――魔術を使うと。
(そういえば,こっちにきてから使ってなかったな。)
こちらで言う魔法とマジク達の世界でいう魔法。ならびに魔術が違うものだと
いうのは数日来の生活で分かっていた。
なるべくなら使いたくはなかった。先ほど魔術を選ばなかったのにも関係している。
だが,いい加減ガマンするのも限界だった。
(実際僕は我慢した方なんだ。そうに違いない。お師さまを含めて
僕の知ってる魔術士ならとうの昔に使っているに違いない。)
魔法とは,神々の使う力。
魔術とは,神々からドラゴン種族とよばれる力ある種族が盗みだし,
自分達に使えるようにしたもの。
魔術とは,魔力により限定された空間に自らの理想の事象を起こすこと。
音声魔術とは,人間種族が使う力。
魔術の設計図――構成を編み,声を媒介にして発動する。
そのため魔術の効果は声が届く範囲でしか発動しない。
又,声が霧散したら効果が消えるため効果は長くて数秒。
そんなことは関係なくマジクは意識を集中する。
もっとも使い慣れた構成を――
まだ意識をしなくても使えるわけではないあの構成を。
右手を上げ,高らかに叫ぶ。
「我は放つ光の白刃っ!」
光の帯がのびる。高熱と衝撃波の渦が,6体のゴーレムのもとへ到達した。
瞬間,つんざくような轟音と跳ね返る光が,熱が,あたりすべてを純白に焼き尽くす。
光が消えたあとにはかろうじて燃え残った何かの小さな破片があるだけだった。
あたりは静まりかえる。
マジクはゆっくりギーシュのもとへ歩いて行く。震える彼のもとへ。
「えっと,こういうとき何ていうのか分からないけど。」
いったん区切ってから
「続ける?」
つぶやくようにマジクはいった。
「ま,参った」
ギーシュは犬どころか狼に噛まれた気持ちになった。
…絶対に忘れられない,と思ったかはさだかではない。
#navi(ルイズVSマジク~史上最哀の会合~)
#navi(ルイズVSマジク~史上最哀の会合~)
第2話『音声魔術とは』
マジクは驚いた。何を驚いたかと聞かれれば今ギーシュの言った
『ゴーレム』についてである。
(確か記憶が正しければ――ゴーレムそれはドラゴン種族が1つ「天人≪ノルニル≫」がかつて作ったものだ。)
(そうだよ。アレンハタムで地人兄弟がクリーオウにぶんどられたアレだ。)
あのときマジクではなく彼の師がこともなく,本当にこともなくぶっつぶしたアレ。
(アレに比べると小さすぎるけど,代わりになんか無駄に細かいな?)
てっとりばやく魔術を使って終わりにしようと思ったが,マジクはそれをしなかった。
(でも,あれくらいのサイズなら魔術をつかわなくてもコレを使えば何とかなるよね?)
マジクは自分のブーツに目線をやる。
「ふっ。どーした平民?今さら怖気づいたのかね。何今回のことに…」
ギーシュはまだ戦ってもないのにすでに勝った気でいた。
(お師さまなら――やる。絶対にやる。それにさっきいってたよね。)
「懲りてこれから貴族に対する態度を改めるなら…」
(あれ青銅なんだよね。)
マジクは突然走りだす。ギーシュ自慢の青銅のゴーレム『ワルキューレ』に向かって。
ワルキューレはマジクに向かって大ぶりに右の拳を繰り出す。
それなりに速度はあるがあまりにも単純に,そして正直に。
これが魔法に頼りっぱなしの魔法学院の生徒や,メイジというだけで恐れをなす平民なら
十分だっただろう。
だが仮にも世界を滅ぼす戦いに関係ないのに巻き込まれ,また世界は違えど
大陸一の魔術士養成機関で年間首席をとった者にはぬる過ぎた。
紙一重というにはやや遠すぎる――経験不足ゆえにひきつけるのが足りなかったが
なんとかマジクは右に避ける。そしてそのまま反転して拳をふるため重心を寄せていた
ワルキューレの左足に自分の右足の踵をぶち当てた――鉄骨をしこんだブーツで。
「許さないわけでもないよ。うん。あれっ?」
ギーシュが気づいたときにはワルキューレは左足を粉々に砕かれていた。
【注】ほんとに鉄骨ブーツで青銅が粉々になるかはしりません。
誰かが言ったように,世界いろいろ神様いろいろ,ついでに金属いろいろ,な方向で
思い描いたとうりになってふぅとマジクは息をつく。
(いつか旅にでるときは僕も買おうと思ったけどこのブーツ高いよなぁ。)
牙の塔をでてマジクが最初にやったことは持ち金はたいて特注のブーツを作ることだった。
「ねぇ,今の動きみた?まだぎこちないけどそれなりじゃなかった?」
野次馬が一人で誰かとは正反対の胸をもつキュルケが隣の青い髪のタバサに話しかける。
「ビックリあったくには程遠い…」
「何?それ…」
「知らない。言ってみただけ。」
「あら,そう。」
ギーシュはやっと事態をのみこんでキレた。
「ぐぬううう。いや,まずは誉めよう。よくそんな動きで僕のワルキューレを
とめたものだと。」
「だが君は…僕を本気にさせたのだよ。」
ギーシュは冷たく微笑み,手に持ったバラをふった。
花びらが舞い,こんどは6体のゴーレムが現れた。
最高で7体までしかギーシュは呼び出せないのである。
「もういいでしょっ。早く謝りなさいよ。あんな動きで,今度は6体も…
相手にできるわけないじゃない。」
「おおっと。ヴァリエール残念だが今さら謝っても許しはしないよ。」
ギーシュの残酷な宣言に凍りつくルイズ。
いよいよクライマックスだと騒ぐ野次馬達をマジクは他人事のように見ていた。
ギーシュが新たなゴーレムをだした時点ですでにある決心をしていた。
――魔術を使うと。
(そういえば,こっちにきてから使ってなかったな。)
こちらで言う魔法とマジク達の世界でいう魔法。ならびに魔術が違うものだと
いうのは数日来の生活で分かっていた。
なるべくなら使いたくはなかった。先ほど魔術を選ばなかったのにも関係している。
だが,いい加減ガマンするのも限界だった。
(実際僕は我慢した方なんだ。そうに違いない。お師さまを含めて
僕の知ってる魔術士ならとうの昔に使っているに違いない。)
魔法とは,神々の使う力。
魔術とは,神々からドラゴン種族とよばれる力ある種族が盗みだし,
自分達に使えるようにしたもの。
魔術とは,魔力により限定された空間に自らの理想の事象を起こすこと。
音声魔術とは,人間種族が使う力。
魔術の設計図――構成を編み,声を媒介にして発動する。
そのため魔術の効果は声が届く範囲でしか発動しない。
又,声が霧散したら効果が消えるため効果は長くて数秒。
そんなことは関係なくマジクは意識を集中する。
もっとも使い慣れた構成を――
まだ意識をしなくても使えるわけではないあの構成を。
右手を上げ,高らかに叫ぶ。
「我は放つ光の白刃っ!」
光の帯がのびる。高熱と衝撃波の渦が,6体のゴーレムのもとへ到達した。
瞬間,つんざくような轟音と跳ね返る光が,熱が,あたりすべてを純白に焼き尽くす。
光が消えたあとにはかろうじて燃え残った何かの小さな破片があるだけだった。
あたりは静まりかえる。
マジクはゆっくりギーシュのもとへ歩いて行く。震える彼のもとへ。
「えっと,こういうとき何ていうのか分からないけど。」
いったん区切ってから
「続ける?」
つぶやくようにマジクはいった。
「ま,参った」
ギーシュは犬どころか狼に噛まれた気持ちになった。
…絶対に忘れられない,と思ったかはさだかではない。
次回予告
シエスタ「ビームで簡単にミスタ・グラモンを倒したマジクさん。」
「だけど,すぐにミス・ヴァリエールに連れていかれ…」
ルイズ「きっちりかっちり説明してもらうわよ。」
マジク「うぅっ。面倒だなぁ。」
「こんなとき…都合よく説明してくれる神様がいたらなぁ。」
???「そうであろ。そうであろ。」
「余のありがたみが,こう…背筋のあたりからゾクゾクっとのぼってきたであろ?」
シエスタ「そんなことは放っといて。」
「次回,第3話『今になって分かる説明役っぽいものの大切さ』に…」
コルベール「我は癒す斜陽の傷痕。」
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