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「音速の使い魔-01」(2008/02/13 (水) 16:31:30) の最新版変更点
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剣突き立つ大地・・・・・・そこは魔法と冒険の世界、アースティア
双月の浮かぶ世界・・・・・・そこは魔法が支配する大地、ハルケギニア
この物語は、アースティアを邪竜族の危機から救った一人の勇者と、ハルゲニアの一人の少女、二人の物語である。
「「ええと」・・・・・・あんた誰?「ここはどこだ?」」
ほぼ同時にお互いに向けて異なる質問をした二人。
誰かと問い掛けたのは少女。
桃色の髪に黒いマントを羽織った幼い(外見)の少女であった。
ここはどこかと問い掛けたのは少年。
オレンジ色の肩当てと腹当てに篭手、同じ色をした耳の様な物が付いている変な兜、深紅に染められたマントを羽織った、一見すると騎士にも見えなくも無い少年であった。
「質問してるのはこっちなの! あんた名前は!?」
「え!?あ・・・ええと・・・あ・・アデュー・・・」
「アデュー?変な名前ね。まあいいわ、あんた騎士みたいな格好してるけど、どこの家の人間?」
こっちの質問にも答えろよ! と叫ぼうとしたが、すんでの所で自制した。
・・・・・・落ち着け、クールになれアデュー。
自分は騎士なんだ、冷静になって事を荒立てない様にゆっくりと状況を確認するんだ。
「バイフロスト出身だ。騎士としての修行の為に旅をしている」
「バイフロスト?どこの田舎よそれは? あんたもしかして平民?」
「平民? なんだそりゃ? 俺は旅の騎士だ」
その瞬間、周りからどっと笑い声が沸いた。
「見ろ、ルイズが平民を召喚したぞwwさすがゼロのルイズだww」
「しかも騎士もどきの平民ときたもんだwww」
「なんだあの変な格好はwww騎士のつもりならもうちょっとマシな格好しろよwww」
なんだ、なぜ自分はこんなにも笑われているんだ?
全く持って状況が把握できない。
元々短気で音速のバカと呼ばれていた彼にとっては、これが冷静さを保つ限界であった。
「もう何なんだよ! 全部終わってまた旅に出たと思ったら変な鏡に吸い込まれて訳のわからない所に飛ばされるし! 何だかわからないけど笑われてるし!
これは夢か!? 夢なのか!? 夢だったら早く覚めてくれよ!」
「ああもう、うるさいわね! とにかく黙りなさい!」
少女はアデューと名乗った少年に向けて杖を向け『サイレント』の呪文を唱えた。
本来はただ周辺の音を消すだけの魔法のはずなのだが、なぜかアデューのいた位置を中心に大爆発が起きた。
もろに爆発に巻き込まれたアデューは・・・哀れ、生きてこそいたが、黒コゲになってそのまま気絶してしまった。
再び目が覚めた時、アデューは見知らぬ部屋に寝転がっていた。
「ここは・・・!」
目の前には先ほどの少女がベッドの上に座っていた。
「目が覚めたのね」
その表情は怒り半分、諦め半分といった感じだ。
そしてベッドから立ち上がり、徐に言い放った。
「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、あなたのご主人様よ」
これがかつて世界を救ったリュー使い、アデュー・ウォルサムのもう一つの物語の始まりであった。
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