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「PSYFER THE BLAZE-03」(2008/02/28 (木) 16:23:46) の最新版変更点
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真夜中、突如として火柱が上がる。
敵兵を瞬く間に焼き尽くす炎。
その炎を生み出したメイジは、自らの頭皮に炎を纏わせ、オールバックにしていた。
「わあああっ!!」
自分の部屋で寝ていたそのメイジは、昔の事を夢で見ていた。
かつて特殊部隊の隊長だったそのメイジは、時折、当時の記憶を夢という形で度々見ていた。
鏡を見たメイジは自分自身に対して愚痴をこぼした。
「まただ……、もう何度目か……。軍を抜ける前はこのようなことは無かったのだが」
(やはり『あれ』が原因か? )
メイジはイスに座り、日が昇るまで本を読む事にした。
このメイジ、火のトライアングルクラスで、名前はジャン・コルベール。
42歳、未だ独身。
妖しい善人
その日は最悪な形で目覚めたが、コルベールはすぐに立ち直った。
昔の事を夢で見た挙句、飛び起きることに少し慣れたからだ。
そしてコルベールは、修太のルーンのことを思い出した。
「ルーンの位置も形状も、あの本に記されていたのと一致していた……。さて、二人にはどう伝えるべきかな」
日が昇り、時が過ぎ、場所は学院長室に移る。
コルベールが学院長室に入ると、いつもの如くロングビルがオスマンの首を絞めていた。
「ミス・ロングビル、それ位にしておきなさい」
「ミ、ミスタ・コルベール、これは見苦しいところを……」
オスマンの首から手を離したロングビルは、そそくさと自分の仕事に戻った。
「オールド・オスマン、今度は何をしたんですか?」
「まあ、別に良いじゃん。ところで何用かの?」
蔑みの目でオスマンを見ながらコルベールは尋ねたが、これまたいつもの如くはぐらかされてしまった。
「全く……。実は……」
コルベールが耳元で言った言葉を聞いたオスマンの表情は、急に険しいものになった。
「ミス・ロングビル、少しの間席を外してくれんかの」
オスマンにそう言われたロングビルは無言で退室した。
「で、ミス・ヴァリエールが虚無の使い魔を召喚したそうじゃの」
「はい」
コルベールが一冊の本を開き、机に置いた。
そのページには虚無の使い魔の名前とルーンの形状が記されていた。
コルベールはその中で唯一名前が記載されていない使い魔のルーンを指差した。
それを見たオスマンはこう言った。
「では、ミス・ヴァリエールは「四人目」を召喚したと?」
時間は少しさかのぼり、場所は食堂に。
ヴィリエが修太に決闘を挑むシーンから始まる。
「平民の血でここを汚すわけにはいかんからな。ヴェストリの広場に来い、そこで待っている」
一方的に吐き散らし、修太の返答も聞かずにヴィリエは食堂を出た。
周囲にはそんな彼に冷たい視線を向ける者も少なくなかった。
その内の三人であるギーシュ・ド・グラモンとマリコルヌ・ド・グランドプレ、そしてケティ・ド・ラ・ロッタはバカバカしいと言わんばかりに食堂を出た。
しかし、ケティが急に立ち止まったため、何事かと思った二人が立ち止まって振り返ると、修太がケティのマントの端を掴んでいるのが見えた。
何事かとギーシュが尋ねる。
「君はルイズの使い魔じゃないか。どうした?」
「ヴェストリの広場ってどこ?」
三人は顔を見合わせた。
この子はあの大馬鹿者との決闘に応じる気だ。
当然、修太の能力を知らない三人は止めた。
「正気か? 幼子の君が挑んだところで…」
「勝算ならあるよ」
ギーシュの言葉を遮り、修太は指から炎を出し、数秒後に消した。
「人を殺せるぐらいの炎は出せるよ」
驚いた三人は再び顔を見合わせた。
そして、ギーシュは修太の目を見た上でこう言った。
「僕はギーシュ・ド・グラモン。君の名前は?」
「シュータ・ホムラ」
「シュータ、案内する。付いて来たまえ」
「うん」
ギーシュの案内で修太はヴェストリの広場へと向かった。
成り行きでマリコルヌとケティも同行した。
修太を見失い、必死に探していたルイズがもしやと思ってヴェストリの広場へと向かったのは数十秒後である。
そしてヴェストリの広場へと場所は移る。
決闘が行われること自体は聞いているが、幼児相手だとまでは知らない生徒が多かったのか、結構な数の観衆が集まっていた。
ギーシュたちに連れられて、修太が来たのと同時に観衆のざわめきが更に大きくなった。
全員、(彼らにしてみれば)平民の、しかも幼児である修太に決闘を挑んだヴィリエに呆れ果てたのだ。
そんな周囲の反応などお構い無しにヴィリエが叫ぶ。
「諸君、決闘だ!」
観衆からブーイングが上がるのも気にせず、ヴィリエは喋り続けた。
「逃げずによく来たな」
修太は無言でヴィリエを睨みつけるだけであった。
こうして、決闘が始まった。
ヴィリエが呪文を唱えるよりも早く、修太が指から炎を放つ。
「杖も詠唱も無しで炎を!?」
驚愕しつつも、自分に向かって来た火柱を避けた
ギャラリーがざわめき、「先住魔法か?」と疑問の声まで上がった。
「エア・ハンマー!」
修太は飛んでくるエア・ハンマーを避け、今度は両手の人差し指から更に激しい炎を出した。
必死で回避しながらヴィリエは内心焦っていた。
チャンスを何とか窺っていたヴィリエに好機が訪れた。
「シュータ!」
観衆を押しのけて修太の姿を確認したルイズが叫んだのだ。
「ルイズ姉ちゃん……」
ヴィリエが放った二度目のエア・ハンマーを回避した直後、ルイズの絶叫を聞いた修太は声がした方を向いた。
半狂乱になったルイズを、マリコルヌが必死で静止していた。
「離せ、風っぴきぃ!!」
「僕は「風上」だ! って、それ所じゃなかった。危ないってば!」
それを見ていたヴィリエは不愉快な笑みを浮かべながら詠唱を始めた。
「エア・ハンマー!」
ヴィリエは修太ではなく、ルイズ目掛けてエア・ハンマーを放ったのだ。
そしてヴィリエの読みどおり、修太は自分を盾にしてルイズをエア・ハンマーから守った。
ルイズだけでなく、彼女を制止していたマリコルヌ、そして観衆が絶句した。
決闘が始まる直前より遥かに激しいブーイングが響く中、ヴィリエは止めを刺そうと詠唱しながら修太に近づいたが、ルイズが凄い勢いで殴りかかってきた。
「ヴィィリエェェッ!!」
ヴィリエは顔色一つ変えずにエア・ハンマーを放ち、ルイズを吹き飛ばした。
何とか立ち上がった修太に杖を向けたヴィリエは再び呪文を唱えたが、今度はエア・ハンマーではなかった。
「エア・カッター!!」
風の刃が、修太をアッサリと切り刻んだ。
服ごと皮膚が深く切り裂かれ、いつもの園児服は使い物にならなくなり、ルイズの部屋に置いてきたバッグと、履いている靴以外で無事だったのは、半強制的に着用させられたルイズのパンツだけであった。
激痛が身体を走るが、それでも修太は倒れなかった。
ルイズを罵り、更に負傷させたヴィリエに対する怒りが激しすぎて激痛に苦しむ余裕がなかったのだ。
「おまえ、ルイズ姉ちゃんを……。ルイズ姉ちゃんをっ!!」
修太は、右手の掌をヴィリエに向け、火の玉を放った。
「うわあっ!」
ヴィリエは紙一重で回避したが、続けた発射された火の玉の内の数発が脚や肩に当たり、火傷ができていた。
修太は、昨日感じた、自分の能力の違和感の正体に気付いた。
以前より強力に、以前より器用に火を操れるようになっていたのだ。
修太は数個の火の玉を周囲に浮かばせた。
数秒後、火の玉は大きくなり、やがて人の形に変わった。
そして、人の形をした炎たちの内の一体がヴィリエ目掛けて突撃し、眼前に接近してから……爆発した。
皮膚が焼ける痛みが走る中、ヴィリエには、自分目掛けて人の形をした炎たちの残りが一斉に突撃するのが見えた
凄まじい爆音がヴィリエの絶叫をかき消し、周囲を紅く染めた。
修太の側には、何故か人の形をした炎が一体だけ残って踊っていた。
観衆からの割れんばかりの拍手が響く中、修太はやっとへたり込んだ。
そこへ、エア・ハンマーが直撃したみぞおちをさすりながらルイズがやって来た。
「シュータ、しっかり!」
「ちょっと、頭がボーってしてきた……」
流れた血の量が思ったより多かったらしく、修太の顔には殆ど生気は感じられなかった。
遠見の鏡を見て駆けつけて来たコルベールによって修太が医務室へ運ばれていき、ルイズは黒コゲになって倒れているヴィリエの股間を思いっきり蹴ってから後を追った。
「う~む……、今日の予定が……。医務室で伝えるべきか、それとも別の日に伝えるべきか……。困りましたぞぉ~」
今日自分の研究室で、修太が「四人目」であることを本人とルイズに伝える予定だったが、肝心の修太が重傷を負ったため、予定をどう変更するかでコルベールは頭を悩ませた。
死相が出始めている修太を背負って、医務室へと急ぎながら。
そんなコルベールの背後で、人の形をした炎の最後の一体が爆発する音が轟いた。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ。
四番手になる者、共通点有りや。
それは「サイファー」と呼ばれる者である事に候。
キュルケという女がいる。
好き者ぞろいのツェルプストー家の跡取り娘である。
ここ最近は修太を狙っているようで……。
次回、「微熱の熱情」。
現実世界では、幼児に手を出すことは犯罪です。
キュルケの真似は絶対にしないでください。
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#navi(PSYFER THE BLAZE)
真夜中、突如として火柱が上がる。
敵兵を瞬く間に焼き尽くす炎。
その炎を生み出したメイジは、自らの頭皮に炎を纏わせ、オールバックにしていた。
「わあああっ!!」
自分の部屋で寝ていたそのメイジは、昔の事を夢で見ていた。
かつて特殊部隊の隊長だったそのメイジは、時折、当時の記憶を夢という形で度々見ていた。
鏡を見たメイジは自分自身に対して愚痴をこぼした。
「まただ……、もう何度目か……。軍を抜ける前はこのようなことは無かったのだが」
(やはり『あれ』が原因か? )
メイジはイスに座り、日が昇るまで本を読む事にした。
このメイジ、火のトライアングルクラスで、名前はジャン・コルベール。
42歳、未だ独身。
妖しい善人
その日は最悪な形で目覚めたが、コルベールはすぐに立ち直った。
昔の事を夢で見た挙句、飛び起きることに少し慣れたからだ。
そしてコルベールは、修太のルーンのことを思い出した。
「ルーンの位置も形状も、あの本に記されていたのと一致していた……。さて、二人にはどう伝えるべきかな」
日が昇り、時が過ぎ、場所は学院長室に移る。
コルベールが学院長室に入ると、いつもの如くロングビルがオスマンの首を絞めていた。
「ミス・ロングビル、それ位にしておきなさい」
「ミ、ミスタ・コルベール、これは見苦しいところを……」
オスマンの首から手を離したロングビルは、そそくさと自分の仕事に戻った。
「オールド・オスマン、今度は何をしたんですか?」
「まあ、別に良いじゃん。ところで何用かの?」
蔑みの目でオスマンを見ながらコルベールは尋ねたが、これまたいつもの如くはぐらかされてしまった。
「全く……。実は……」
コルベールが耳元で言った言葉を聞いたオスマンの表情は、急に険しいものになった。
「ミス・ロングビル、少しの間席を外してくれんかの」
オスマンにそう言われたロングビルは無言で退室した。
「で、ミス・ヴァリエールが虚無の使い魔を召喚したそうじゃの」
「はい」
コルベールが一冊の本を開き、机に置いた。
そのページには虚無の使い魔の名前とルーンの形状が記されていた。
コルベールはその中で唯一名前が記載されていない使い魔のルーンを指差した。
それを見たオスマンはこう言った。
「では、ミス・ヴァリエールは「四人目」を召喚したと?」
時間は少しさかのぼり、場所は食堂に。
ヴィリエが修太に決闘を挑むシーンから始まる。
「平民の血でここを汚すわけにはいかんからな。ヴェストリの広場に来い、そこで待っている」
一方的に吐き散らし、修太の返答も聞かずにヴィリエは食堂を出た。
周囲にはそんな彼に冷たい視線を向ける者も少なくなかった。
その内の三人であるギーシュ・ド・グラモンとマリコルヌ・ド・グランドプレ、そしてケティ・ド・ラ・ロッタはバカバカしいと言わんばかりに食堂を出た。
しかし、ケティが急に立ち止まったため、何事かと思った二人が立ち止まって振り返ると、修太がケティのマントの端を掴んでいるのが見えた。
何事かとギーシュが尋ねる。
「君はルイズの使い魔じゃないか。どうした?」
「ヴェストリの広場ってどこ?」
三人は顔を見合わせた。
この子はあの大馬鹿者との決闘に応じる気だ。
当然、修太の能力を知らない三人は止めた。
「正気か? 幼子の君が挑んだところで…」
「勝算ならあるよ」
ギーシュの言葉を遮り、修太は指から炎を出し、数秒後に消した。
「人を殺せるぐらいの炎は出せるよ」
驚いた三人は再び顔を見合わせた。
そして、ギーシュは修太の目を見た上でこう言った。
「僕はギーシュ・ド・グラモン。君の名前は?」
「シュータ・ホムラ」
「シュータ、案内する。付いて来たまえ」
「うん」
ギーシュの案内で修太はヴェストリの広場へと向かった。
成り行きでマリコルヌとケティも同行した。
修太を見失い、必死に探していたルイズがもしやと思ってヴェストリの広場へと向かったのは数十秒後である。
そしてヴェストリの広場へと場所は移る。
決闘が行われること自体は聞いているが、幼児相手だとまでは知らない生徒が多かったのか、結構な数の観衆が集まっていた。
ギーシュたちに連れられて、修太が来たのと同時に観衆のざわめきが更に大きくなった。
全員、(彼らにしてみれば)平民の、しかも幼児である修太に決闘を挑んだヴィリエに呆れ果てたのだ。
そんな周囲の反応などお構い無しにヴィリエが叫ぶ。
「諸君、決闘だ!」
観衆からブーイングが上がるのも気にせず、ヴィリエは喋り続けた。
「逃げずによく来たな」
修太は無言でヴィリエを睨みつけるだけであった。
こうして、決闘が始まった。
ヴィリエが呪文を唱えるよりも早く、修太が指から炎を放つ。
「杖も詠唱も無しで炎を!?」
驚愕しつつも、自分に向かって来た火柱を避けた
ギャラリーがざわめき、「先住魔法か?」と疑問の声まで上がった。
「エア・ハンマー!」
修太は飛んでくるエア・ハンマーを避け、今度は両手の人差し指から更に激しい炎を出した。
必死で回避しながらヴィリエは内心焦っていた。
チャンスを何とか窺っていたヴィリエに好機が訪れた。
「シュータ!」
観衆を押しのけて修太の姿を確認したルイズが叫んだのだ。
「ルイズ姉ちゃん……」
ヴィリエが放った二度目のエア・ハンマーを回避した直後、ルイズの絶叫を聞いた修太は声がした方を向いた。
半狂乱になったルイズを、マリコルヌが必死で静止していた。
「離せ、風っぴきぃ!!」
「僕は「風上」だ! って、それ所じゃなかった。危ないってば!」
それを見ていたヴィリエは不愉快な笑みを浮かべながら詠唱を始めた。
「エア・ハンマー!」
ヴィリエは修太ではなく、ルイズ目掛けてエア・ハンマーを放ったのだ。
そしてヴィリエの読みどおり、修太は自分を盾にしてルイズをエア・ハンマーから守った。
ルイズだけでなく、彼女を制止していたマリコルヌ、そして観衆が絶句した。
決闘が始まる直前より遥かに激しいブーイングが響く中、ヴィリエは止めを刺そうと詠唱しながら修太に近づいたが、ルイズが凄い勢いで殴りかかってきた。
「ヴィィリエェェッ!!」
ヴィリエは顔色一つ変えずにエア・ハンマーを放ち、ルイズを吹き飛ばした。
何とか立ち上がった修太に杖を向けたヴィリエは再び呪文を唱えたが、今度はエア・ハンマーではなかった。
「エア・カッター!!」
風の刃が、修太をアッサリと切り刻んだ。
服ごと皮膚が深く切り裂かれ、いつもの園児服は使い物にならなくなり、ルイズの部屋に置いてきたバッグと、履いている靴以外で無事だったのは、半強制的に着用させられたルイズのパンツだけであった。
激痛が身体を走るが、それでも修太は倒れなかった。
ルイズを罵り、更に負傷させたヴィリエに対する怒りが激しすぎて激痛に苦しむ余裕がなかったのだ。
「おまえ、ルイズ姉ちゃんを……。ルイズ姉ちゃんをっ!!」
修太は、右手の掌をヴィリエに向け、火の玉を放った。
「うわあっ!」
ヴィリエは紙一重で回避したが、続けた発射された火の玉の内の数発が脚や肩に当たり、火傷ができていた。
修太は、昨日感じた、自分の能力の違和感の正体に気付いた。
以前より強力に、以前より器用に火を操れるようになっていたのだ。
修太は数個の火の玉を周囲に浮かばせた。
数秒後、火の玉は大きくなり、やがて人の形に変わった。
そして、人の形をした炎たちの内の一体がヴィリエ目掛けて突撃し、眼前に接近してから……爆発した。
皮膚が焼ける痛みが走る中、ヴィリエには、自分目掛けて人の形をした炎たちの残りが一斉に突撃するのが見えた
凄まじい爆音がヴィリエの絶叫をかき消し、周囲を紅く染めた。
修太の側には、何故か人の形をした炎が一体だけ残って踊っていた。
観衆からの割れんばかりの拍手が響く中、修太はやっとへたり込んだ。
そこへ、エア・ハンマーが直撃したみぞおちをさすりながらルイズがやって来た。
「シュータ、しっかり!」
「ちょっと、頭がボーってしてきた……」
流れた血の量が思ったより多かったらしく、修太の顔には殆ど生気は感じられなかった。
遠見の鏡を見て駆けつけて来たコルベールによって修太が医務室へ運ばれていき、ルイズは黒コゲになって倒れているヴィリエの股間を思いっきり蹴ってから後を追った。
「う~む……、今日の予定が……。医務室で伝えるべきか、それとも別の日に伝えるべきか……。困りましたぞぉ~」
今日自分の研究室で、修太が「四人目」であることを本人とルイズに伝える予定だったが、肝心の修太が重傷を負ったため、予定をどう変更するかでコルベールは頭を悩ませた。
死相が出始めている修太を背負って、医務室へと急ぎながら。
そんなコルベールの背後で、人の形をした炎の最後の一体が爆発する音が轟いた。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ。
四番手になる者、共通点有りや。
それは「サイファー」と呼ばれる者である事に候。
キュルケという女がいる。
好き者ぞろいのツェルプストー家の跡取り娘である。
ここ最近は修太を狙っているようで……。
次回、「微熱の熱情」。
現実世界では、幼児に手を出すことは犯罪です。
キュルケの真似は絶対にしないでください。
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