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「GTA:LCS-0 23」(2008/02/06 (水) 08:57:41) の最新版変更点
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屋敷の母屋は、思ったほど広くはない。照明に所々蝋燭は立っているものの、継ぎ接ぎだらけで有っても無くても変わらない有様だった。
だから、軽い変装でも十分潜入が容易なのだ。それでも極力人には見つからずに目的の部屋を……どうせあの変態貴族は今頃物色した女と
イタしている真っ最中だろう。まぁ、そんな写真が流出しても制裁ものだろうから十分なんだろうけどな。
(……分かりやすいな、多分あれだ……)
難しく考える必要はなかった。母屋の屋敷の最上階は一面変態貴族の寝室になっているのだろうが、扉は全く閉められておらずに開けっぴろげ
られており、隠す気はサラサラ無いようだ。まぁ、隠したところでおかしな物言いをする家臣など居ないだろうから、好き勝手なものだ。
俺は見える距離まで近寄り、この乱痴気騒ぎを少々観察した。
(流石にイカレた光景だな)
真っ先にそう言う感想が思い浮ぶほど、滅多にお目にかかれない光景が広がっている。と言うのも、変態貴族は優雅に豪華なダブルベッドの
真ん中に寝そべり、ワインに舌鼓を打っている。その左右には際どいランジェリーに身を纏った美女が添え寄っていた。それに加えてベッドの
左右に同じように際どいランジェリーを纏っている美女が均一の間隔で並んでいる。流石にシエスタは居なかったが、やれやれ、こんな狂気に
満ちた状況は俺たちの世界でもそうお目に掛れるものではない。
「……」
ここには警護の者も関係者もあまり立ち寄らないようで、隠れてその様を窺い知るには十分だった。その中でも変態貴族は反吐が出るような
手つきで寄添っている女の尻やら胸を撫でまわしている様は、最早貴族と言うよりは単なるエロオヤジ以外の何者でもない。
「!!」
そんな見ている此方が不快になってくる様な情景が広がっている中で、変化が起こったのを俺は見逃さなかった。
「さて、そろそろストレス発散しようか」
変態貴族はワイングラスを立っている女に手渡すと、クローゼットを自ら開けて何かを取り出そうとしていた。
「………!?」
だが次の瞬間、俺は我が目を疑うよりも先に己の正気を疑うような光景が広がった。
「今日は、これで楽しもう」
左右に控えている女達は動揺を隠さない。変態貴族は腰に白い布を巻き、首元にはフリルの付いた白い前掛け、おしゃぶり、白い帽子を
被っている姿が現れた。
「あ…あの、伯爵様……それは何の御冗談で……?」
どうして良いのか分からない様子で左に控えていた女が口に出す……それもそうだろう、多少の差異はあれ、誰がどう贔屓目に見ても
『赤ちゃんプレイ』以外の何者でもないのだからな!人間の変態性癖なんて、どの世界でも変わらん。
「冗談じゃないぞ、今日は、誰がこの私のママになってくれるのかな?」
この言葉で場の空気は一気に緊迫し、女達はどう対処して良いのか分からずでいた。俺自身、吹くのを堪えてこの光景を見ている。
「は…伯爵様、私には子供が居りませんので……」
「私もです……お相手出来ず申し訳ありません……」
女達は当り障りの無い言葉で何とか逃げようとするが、それを見て逆に俄然やる気が出てしまった変態貴族は、こう言い放つ。
「では、私が捕まえた者がママになって貰おう」
この言葉が合図となり、女達は必死で、見ている此方がそう思えてしまうほど必死に部屋中逃げ惑っていた。そりゃそうだろう、こんな
変態の相手など、本能的に拒絶するなんて当たり前だ。
(よし、この光景を写真に収めてやる……)
俺はカメラを構え、連続写真で収めてやった。シャッターの音?そんなの、女達の必死な悲鳴に全て掻き消されて、変態貴族には気取られ
なかったようだ。
絶好のトラウマ、いや文字通り立ち直れなさそうな写真を収めた俺は、何事も無かったかのようにその場を離れて母屋に出ようとしたとき、
予想外の出来事に出くわしてしまった。
「きっ…貴様、そこで何している!?」
手薄だと思っていた邸内は、何故か先程とは思えぬほど警備が重くなっていた。
「おっお前はっ!!トニー・シプリアーニ!!貴様だな、俺たちの仲間を殺りやがったのは!!」
どうやら俺を監視していた、始末した兵士の死体が見つかったらしい。この為警備が厳重になってしまったのか。
「俺は知らん、便所を借りていただけだぜ」
「つまらぬ御託は要らん!!ぶっ殺してやる!!」
★★☆☆☆☆
どうやら言いくるめも出来ない有様なくらいに頭に血が上っているらしい。仕様が無い、適当にあしらって逃げ遂せるか。
「死にやがれ、トニー・シプリアーニ!!」
俺は咄嗟に取り出した手榴弾のピンを抜くと、集まっている中心目掛けて投げつける。この場を切り抜けるには、今の所は最も最適かつ
セオリーな方法かもしれない。容赦はないが。
「……これでも喰らえ!」
ドゴオオォォォォォォォォォォオオン……!!
手榴弾が炸裂すると、その場に集まっていた警備兵達を無慈悲に薙ぎ倒して行った。だが安心は出来ない。さっさとこの地を離れないと
これの繰り返しになりそうだからな。
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