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&setpagename(ゼロのミーディアム 第一章 -01)
何度も失敗した末、ついに使い魔の召喚に成功したかと思われたルイズ。しかし現れたのは
まきますか? まきませんか?
と、書かれた謎の契約書。
流石に困惑を隠せないルイズだがそれは今回のサモン・サーヴァントを受け持ったコルベールもまた同じだった
「姿を見せる前に契約を求めるなんて…先生、今までにこんなことって…」
「いや、こんな前例は…なんとも面妖な…」
通常サモン・サーヴァントでは使い魔となり得る者が直接呼び出される。
姿を見せずにいきなり契約を迫るケースは未だかつて無いことだ
「あの、先生…やっぱり私、これに契約しなきゃいけないんですか…?」
ルイズは不安を隠せなかった。しかし無理もない。基本的にサモン・サーヴァントにおいて使い魔との契約に二度目は無い。
何者であろうと呼び出した者と契約を結ぶのが掟なのである。失敗する以外にやり直しは許されないのだ。
「ミス・ヴァリエール。先程説明したが春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールの中で侵すことのできない最も神聖な物の一つ。
出てきたものが何であれ例外は認められない…
…が、今回ばかりはそうも言ってはられないか…」
険しい顔を崩ししコルベールはため息をついた
「と言うことは…」
「これまでに無い事態の上に得体の知れないことが多すぎる。
儀式のやり直しも認めよう。まあ最終的な判断は君に任せるがね」
「儀式のやり直し…」
確かにこのままコントラクト・サーヴァントを行うのは危険かもしれない。
あまり考えたくないが契約後、凶悪な悪魔を呼び出した末に魂を取らる等の可能性もありえる。
やはりやり直すべきか…
「なんだ?また結局失敗かよ!」
「あんだけ派手にやっといて…さすがゼロのルイズよね!」
「はいはい、ルイズルイズ」
ルイズは周りの好き勝手な物言いに腹が立った
(今回は失敗したんじゃないのに!)
…そう、儀式は失敗した訳では無い
何者かは確かに自分の呼び掛けに答えた
それもこんな特殊な方法で契約を求めてくるような使い魔なのだ、ただ者ではあるまい
もしかしたら自分の望んだ強大な力の持持ち主なのかもしれない
――腹は決まった
「いいでしょう、結ぶわ…この契約!」
「良いのだね?一度契約したが最後、後戻りはできないのだよ?」
「ヴァリエール家の三女たる者何が来ようとも後ろは見せません!」
「…わかった、君の意見を尊重しよう」
ルイズは懐から羽ペンを取り出し周りの生徒達を見回す
「見てなさい!アンタ達ををアッと言わせてやるんだから!」
そして「まきます」をに○をつける
――契約は結ばれた
「…何も起こらないじゃないの」
そう、何も起こらなかった。
天が割れ巨大な竜が光臨することもなく
地が裂け荒ぶる巨人が現れることもなく
澄み切った空には鳥が鳴き大地は爽やかな風が草木を揺らしている
肩すかしを食らった気分だ。何かの悪い冗談だと思いたい
「…また失敗なのね」
落胆を隠せないルイズ
あれだけ大見得きってこの様とは…
また皆の笑い物になるのかと思った矢先――
ドサッ
何かが落ちた音
振り返ってみるとそこには一つの鞄が…
ルイズはおろかルイズを見ていた周りの生徒やコルベールすらどこから現れたのか気づかなかった
ルイズは突然の鞄の出現に戸惑いを隠せなかった。だが契約をした後に現れたのを見ると…
「これが…私の使い魔?」
見た目は変哲もないただの鞄のようだ
不安ではあるがルイズは鞄に手をかけた。後ろではコルベールが待機し、不測の事態に備えている
(何を迷ってるのルイズ?もう後戻りは出来ないのよ!)
自分に言い聞かせそして意を決しついに鞄を開けた!!
「出てきなさい!私の使い魔!!」
――鞄の中には一人の少女が眠っていた
「これが私の使い魔…」
その少女は流れるような銀色の髪に雪のような白い肌、
服は黒を基調とした優雅なドレスを纏い静かに横たわっていた
だが一番目を惹いたのは…
「黒い…翼……!!」
。まるで天使、いや、堕ちた天使を思わせる一対の黒翼。
自分は堕天使を召喚してしまったのか!?
しかし起きる様子がまるでない。
不穏に思いそっと抱き上げてみる。ルイズよりもさらに小柄な少女だったが…
「この子…息してない!心臓も止まってる!?」
「ル、ルイズが…ルイズが堕天使の死体を召喚したぞ!」
「何呼び出してんだ!」
「なんて罰当たりな!」
ルイズはおろか他の生徒までパニックになり辺りは騒然となった
そんな中コルベールだけがルイズに悠然と歩み寄りルイズの抱いている少女を調べ始めた
「これは…安心するんだミス・ヴァリエール、落ち着きたまえ。
君が呼び出したのは天使の亡骸などではないよ。これを見てみるんだ」
コルベールが少女の袖を上げ腕の間接部を見せる
「球体型の間接…ってことはこれは人形!?」
「ああ、そのようだね。見たまえ、ここにネジもある」
まきますか?まきませんか?とはこのことだったのだろう。
「これが人形だなんて…?肌なんか人間のそれと全く変わらないわ」
人形の頬に手をあてルイズは呟いた
「さあ、このネジを巻くんだ。恐らくはそれで動き出すのだろう」
「はい」
後ろの首元にあるネジ穴にネジを入れ何度か巻いてみる
「…うわっ!」
直後人形は紫色の妖しい光に包まれ、ルイズは思わず手を離してしまった
しかし人形は倒れること無く自らの足で大地に立つと
俯いたままぎこちなさそうに一歩一歩ゆっくりと歩き始た
そして俯いた顔が上がり遂にその瞳が開かれる
紫色の瞳をした鋭い眼孔そして――
「…64万、4690時間と16分ぶりの目覚めね…」
どこか艶のある少し低めの声で人形は呟いた
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