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「ゼロの因果導体-02」(2008/01/17 (木) 17:48:28) の最新版変更点
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「で、アンタは別の世界から来たって言うのね?」
「ああ、そういうことだ」
武はルイズの部屋に連れて来られ、どこから来たのか、元居た所では何をやっていたのか等を聞かれていた。
「信じられないわね……」
「俺も最初は信じられなかったさ。だけど俺の世界には月は1つだけだし、魔法なんてものも存在しないからな」
しかし、どこからやってきたか分からない宇宙からの侵略者『ベータ』は存在していたが。
「……、アンタ、私を馬鹿にしているでしょ」
「疑うのは分かるが本当だ。この世界にこんな銃はあるのか?」
そう言い、机の上にピストル2丁と自動小銃、背嚢に入っていた短機関銃を机の上に置いた。
ルイズは自動小銃を手に取り、しげしげと眺めた。
「確かに無いわね……」
この世界はまだ薬莢という概念が無く、銃はマッチロック式かフリントロック式である。
武が召喚された時、ルイズに対して発砲したオートマチックのピストルはルイズが今まで持っていた「銃は一度撃つごとに次の弾を先端から込めなくてはならない」という固定観念を打ち破るには十分であった。
何しろ一度撃つごとに発射時のエネルギーで自動的に排莢と次弾の装填が行われるのであるから。
「……、信じるしかないようね、こんなもの見せられちゃ」
自動小銃を机に置きながら、未だに半分信じていないような顔で言った。
「今度はこちらが聞く番だ。俺が元の世界に戻る方法は?」
「無いわね。『サモン・サーヴァント』は呼び出すだけで、元に戻す呪文なんて存在しないわ」
「それじゃあその『サモン・サーヴァント』と言うのをもう一度やってみるというのは?」
「それも無理ね……」
「何でだ? やってみなくちゃ分からないだろ?」
「『サモン・サーヴァント』をもう一度使うには呼び出した便い魔が死なないといけないの。アンタ死にたい?」
……、もう一度死ぬなんて絶対にお断りだ。
「どうやら使い魔と言うのをやる以外に選択肢は無いみたいだな……。で、具体的には何をやればいいんだ?」
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ。でも、何にも見えないし、聞こえないわね」
「他には?」
「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」
「秘薬?」
「特定の魔法を使うときに使用する触媒よ。硫黄とか、コケとか……」
「残念だが俺は食用の野草を探すぐらいしかできないぜ」
ルイズは苛立たしそうに言葉を続けた。
「そしてこれが一番なんだけど、便い魔は、主人を守る存在であるのよ! その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目!」
「それぐらいしか無理だな」
自分は戦術機のパイロットではあるが歩兵戦訓練は受けている。そんな事など朝飯前だ。
「それと最後に洗濯、掃除、その他雑用。用は私の身の回りの世話ね。さてと、喋ったら眠くなっちゃったわ」
「おい、俺はどこで寝ればいいんだ?」
ルイズが右手で毛布を差し出し左手で下に向けて指差す。指差したのは、どう見ても床です。本当に(ry
「ハァ……、まあいいさ、床や地面の上で寝るのは慣れてるからな……」
しかしベッドの上で眠るのが一番であることは言うまでも無いのだが。
「文句があるのなら外で寝てもいいのよ」
非常にもそう言い放ちながらブラウスのボタンに手をかけ……っておい!
「ちょ、ちょっと待て! な、な、何やってんだよ!」
きょとんとした声で、ルイズが言った。
「寝るから、着替えるのよ」
「か、仮にも俺は男だぞ! 恥ずかしいとかそういう考えは無いのかよ!」
「男? 誰が? 便い魔に見られたって、なんとも思わないわ」
傷ついた、男として非常に傷ついた。謝罪と賠償を(ry
そんな事を考えているうちにルイズがショーツにまで手を伸ばし始めてたのであわてて向こうを向いた。
「ああ、そうそう」
何かが頭に投げつけられる。
「それ、洗濯しといて」
手に取ってみるとレースのついたキャミソールに、ショーツであった。
人使いの荒いご主人様である。
「……、俺も寝るか」
腕時計のアラームをセットし、毛布を被った。
目を瞑ると色んなことが頭に浮かんできた。
自分が戦っていた朝鮮半島戦線はどうなっているだろうか、自分の仲間たちは無事だろうか、そんな事ばかりが浮かびながら夢の世界へと潜った。
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