「三人07」(2009/04/08 (水) 08:15:31) の最新版変更点
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ヴァリエール家の応接間、テーブルを挟み、今、史上最大の対決が始まろうとしていた。
「お茶が入りました」
給仕の運ぶ茶が何かの合図だったかのように、高町なのはが口火を切って議論が再会する。
「カリーヌさん、どうしてもルイズちゃんの留学は許可できないんですか?」
「当然です。得体の知れない輩にルイズを預けるわけにはまいりません」
「でも!ルイズちゃんは現実に魔法が使えなくて苦しんでるんですよ!」
「この先、使えないと決まった訳ではありません。我が家の教育は、どこまで行っても我が家の責任です」
「……ルイズちゃんが決めた道を閉ざして、貴女の思い通りの娘に教育しようってことですか?」
「……貴女が心配する事ではありません。さあ、どうかお帰り下さい」
その返答を受けとめた高町なのはは音を立てて立ち上がり、悠然と座るカリーヌに対し杖を向ける。
「どうして……話を聞こうとしないんですか?そんなの、そんなの……ないよ……」
ルイズ達は動けなかった。二人の圧力を向けられたくないというのもそれだが、高町なのはの哀しく淀んだ目が、皆を黙らせたのだ。
(ミス・タカマチ……な、なんて眼をしやがる!ゴクリ)
約一名、マリコルヌだけは何か新しい感覚を目覚めさせたが、それはまた別の話。
「何と言う思い上がった態度……既に戦場に在らずとはいえ、杖を向けられて答えぬ訳にはまいりません」
カリーヌも立ち上がって、ドレスをするりと落とす。その下から、簡素な甲冑が姿を現す。
「ヴァリエール家の、『烈風』の名にかけてその決闘、受けましょう!窓を開けなさい!」
窓の外の老いたマンティコアが、咆哮を放った。
二人の魔法使いが空に消えた後、中座していたはやてがようやく姿を現す。
「おー、やっとるなあ。なんかこうなるような気はしてたんやけど」
「ハヤテ!」
はじかれたように立ち上がって、はやてに駆け寄るルイズ。
「ルイズちゃん、何があったん?」
「あ、ありのまま、今起こった事を話すわ。『お茶が入ったら二十秒でガチンコバトルが始まった』
な、何を言ってるのかわからないと思うけど、私も何が起こったのかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……お母様とか魔法少女とかじゃ断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ」
「そうなんか……まあ、怪我をしてもすぐ治療できるやろし、ブリミルさんもおるし大丈夫なんと違うかな?」
「それはそうだけど、でもハヤテは『あれ』を非常識だとは思わないの!?」
「シューーート!」
「小賢しい!」
なのはの放った無数の光球が、カリーヌの杖一振りで霧散する。
「え、ええええ!?な、何なの!?レイジングハート!」
『Air hammer.』
「え、エアハンマーって、もっと狭い範囲の攻撃魔法だって聞いたけど……」
その巨大さは、カリーヌの実力を示しているのだろうか。
「でも、負けるわけにはいかない!」
なのはは杖を構え直して、新たな魔法陣を展開する。
「あー、たしかになー、ちょっと非常識やなーて思うことはあるよ」
「だったら、止めるとか何とか!」
「なあ、ルイズちゃん」
はやてはルイズをしっかと見据えて言った。
「あれはな、なのはちゃんの……なんていうか習性なんよ」
「へ?」
「初対面で敵対した人には、とりあえずぶつかって力を量らないと気が済まない。
ルイズちゃんのお母さんも、そゆとこあるんと違うかな?」
「まあ、何だか憶えがあるような、ないような……」
「確かに、若い頃のカリーヌはそのように振舞っておりましたな」
「父様」
ルイズの父、ラ・ヴァリエール公爵がのっそりと顔を出し、口を挟む。
「頭の中まで魔力が詰まってそうな二人の争いは良いとして、ミス・ヤガミ」
「なんでしょう」
「ルイズが魔法を使う方法があるとはどういうことですかな」
はやてはまず頷いてから、言葉を切り出す。
「せやから、ルイズちゃんの魔力は相当なもんです。ただ、それを上手く引き出せていない」
「うむ」
「極端に狭い魔力変換資質とか……ハルケギニア式の術式が性に合わんのか、あるいは限定条件のきつい希少スキル持ちなのかもしれません」
「ふむ……神官のたわごとと聞き流していたが、外の世界が実在するとなれば……」
公爵は考えるように一息ついて、顎を撫でた。
「ブリミルさんの協力もありますし、複数の術式を学べるあちらの世界の方が、修行にはええと思いますよ」
「そうですな……しかし、カリーヌは反対のようですし」
やはりこの父も、娘を異世界に送り出すことには抵抗があるのか。
はやては少し考えて、自らのデバイス「夜天の魔導書」を取り出す。
「私のデバイス……この世界での『杖』に近い物です」
「ほう……」
公爵の目が、はやてを値踏みするように細くなる。
「ルイズちゃんには始祖の祈祷書型のデバイスが合ってるて。な、ブリミルはん?」
「左様。かぁーの女に合った『杖』を用意できたなああるあばあ、存分に才能を発揮することになああるであろーうぅ」
「……」
「何か、構造が似とるらしいて……せやから、私がルイズちゃんの助けになれると思うんです」
体を無駄に震わせる始祖ブリミルを怪しみつつも、公爵は悠然と顎を撫でて思索に耽る―――
「少々あなたを過小評価していたようですね……ここからは……」
カリーヌは一旦向き直ると、杖を構えルーンの詠唱に入る。
『Master!』
「うん、そうだね……ディバインシューター!」
牽制に放った光弾が、マンティコアの尾の一振りによって打ち落とされた。
「ええっ!?」
詠唱が完成する。
腕を組んだカリーヌとマンティコアが分裂し、分裂し、散開し……
最終的に、なのはの周囲を都合十二体の『烈風』が取り囲んだ。
「わが身一つ、そして我が十一体の遍在……『烈風の十二姉妹』。我が全力を持ってお相手いたしましょう」
十二体が一斉に杖を上げ、何か短いルーンを呟き……一体一体の目の前に、天地を貫く大竜巻が姿を現した。
「……ちょっと、非常識なの」
『That's right. but......』
「負けるわけには……いかないよね!」
十二本のカッター・トルネードが、まるで生きているかのようになのはの周囲を回り、その包囲網を徐々に狭めてゆく。
「ルイズを連れて行って教育してあげる、など。あの娘の母親にでもなったつもりですか」
「母親になったつもりなんかじゃない。ただ、助けになりたいから。私のわがままだとは思うけど」
なのはの自嘲を込めた心の叫びが、天空に響き渡った。
「それでも……子供は、おかあさんの人形じゃないんだから!!」
なのはの体が、バリアジャケットごと逃げ場のない風の檻に押し潰されたその時。
真空を孕む竜巻に飲み込まれ、切り刻まれながらも、なのはは天に向かって無数の光条を放った。
「……何を……」
一見無意味に見える行動にほんの一時、カリーヌの判断が停止するその刹那。
竜巻の内側を抜け、はるか上空の積乱雲をくぐり……
なのはの全力全開の光条が、十二人のカリーヌに降り注いだ。
「しまっ……」
その光条が正確にカリーヌだけを打ち抜いたことを確認し、なのはは意識を手放した。
意識を失ったなのはがリインフォースの展開した魔力の網に受け止められると同時に、主人の無力化を悟ったマンティコアが、駆け寄る使用人とカトレアに翼を向ける。
「相打ち……だな。あの若さにしては桁外れの能力」
公爵は泰然として、はやてに目を向ける。
「よろしい。娘を預ける事にしよう。まあ、連絡だけは絶やさぬようにしてくれたまえ」
その目線の先では、リインフォースとカトレアによる施療が行われていた。
ガリア王宮、プチ・トロワの一角。
タバサの帰還を待っていたイザベラは、飛び込んできた知らせに翻弄されていた。
「イザベラ様!」
「だから、何があったのよ!」
「ですから、シャルロット様がオレンジ色の奇怪な生物とともに母君を奪還したと……」
「奇怪な生物って何!?」
「は、本人は『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミル』と名乗り……あ、いえ、私が言ったわけじゃないですよ!?」
「そう。それで」
「は、はい。そこで彼は『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミルですー。今日ー、ここでー、重大な秘密が明かされルぅぅぅぅ!!実はー、タバサは本当のタバサではないー。イザベラ君はー、落ち着いて本当のタバサを探すべーきー……』などと叫び声を上げ……」
「始祖ブリミルが?わたしを名指しして訳のわからない事をほざいたって?」
「は、はい……はは……」
「っつざけんじゃないわよ!どうせ致命的ミスを隠すための嘘か何かでしょ!」
「ち、違いますよ!こんな嘘ついてどうするんですか!」
「だから、ごまかそうったってそうは……」
「違いますって!……」
「……!」
「……!」
押し問答は、『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミル』がガリア国境を越えた後も続いていたという。
当の『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミル』達は、と言えば。
「治る?」
「多分治せると思うんやけどな」
不安げに問うタバサに、このかが頼りない答えを返す。
言葉の足りなさを察知したはやてが、素早くフォローを入れた。
「それが魔法の呪いでも、化学的な作用でもな、この状況で死ぬのを待つよりはましなはずや。
私一人じゃわからんけど、私の世界とこのちゃんの世界の知恵を合わせれば何とかなる。
帰ったらまずシャマルにでも相談してみよか」
詳細な説明に満足したのか、タバサはこくりと頷いて持ってきた本に視線を落とす。
「タバサちゃんはその間なのはちゃんに鍛えてもらうって事になってるけど、それでええんかな?」
「いい」
タバサは視線を本に落としたまま、静かに宣言した。
「私は、強くなる」
皆の心の隅々にまで響き渡るようなその一言に刺激されたのか、マリコルヌが気色ばんで身を乗り出す。
「ぼ、僕だって強くなる!強くなって、故郷に……に、錦を飾ってやるんだ!」
……の間に彼が言いたかった事、それはもちろん両親に紹介する女性の事であるわけだが……
未だその時ではないと、彼は言葉を飲み込んだ。その分別がつくぐらい僅かにだが、彼は進歩していた。
そうして彼らは、ハルケギニアに別れを告げた。
それから……時は流れ。
ただのふとっちょから固太りの紳士へと微妙な進化を遂げたマリコルヌが、背中に羽を広げた剣士と対峙していた。
ハルケギニアを離れてから毎日行われている戦闘訓練が、彼の微妙なレベルアップに貢献しているのだ。
「今日の僕は一味違うぞ!」
マリコルヌは体を真っ赤にして震わせながら、杖に渾身の力を込めて魔法を放った。
「遍在?」
マリコルヌにそっくりな『遍在』が一体、マリコルヌの脇に出現したようだ。
「マギステル・マギになって、このかを僕の嫁にするんだああああああ!!!」
みじめな現実にようやく差した一筋の希望。
それが、マリコルヌをして微妙な進化をさせる大きな原動力になっていた。
しかし。
「……変態一人が二人になったところで!」
軽く一蹴される。
今日の訓練も、マリコルヌの一方的な敗北に終った。
「僕は変態じゃないよ。仮に変態だとしても、変態という名の紳士だよ」
いじけるマリコルヌにばつの悪さを感じながら、刹那は苦言を呈そうとこのかに向き直る。
「お嬢様、差し出がましいようですが、彼と私ではレベルの差がありすぎるのでは」
「んー、そうなんやけどな、なんかそのほうがええ気がしてな」
「しかし……」
「お友達がすごすぎてアレやけど、この年で遍在が使えるのは何や、結構すごい事らしいやん?」
「たしかに、あの始祖ブリミルとかいう生き物はそう言ってましたけど」
「まあ、どこまで真剣に強うなりたいとか、僕の嫁とか考えてるのかはわからんけどな。
そこらは、マルコメちゃんがマギステル・マギになってから考えたらええんとちゃうかな?」
「まあ、私は絶対に無理だと思いますから、そこには異存はないですが」
いじけたままのマリコルヌに視線を送る二人。
このかは脇に置いた手紙を持って、刹那に話しかけた。
「あゆむちゃんから手紙が来とってな」
「大阪さんからですか?」
「せや。高校を出たら魔法使いになるねんゆうてたけど、ほんまに夢をかなえたんやなあ」
そういいながら、感慨深げに手紙を開くと、そこには。
>わたしはもっと
>敏しょうにならなあかん
とだけ、記されていた。
「……それだけですか?」
「それだけやなあ」
「何を…」
「何を考えてるんやろなあ」
庭には梅の花が咲き、空にはうぐいすの啼く……
思わず眠くなるような日和であった―――
「―――あゆむちゃん」
「ねてへんよー?」
大阪はきょろきょろとあたりを見渡し、声をかけた教導官……なのはを見つけると、とりあえず……謝っておいた。
「すいませんねてましたー」
ここはミッドチルダ地上の訓練領域。大阪となのは、そしてタバサの三人は、大阪の高校卒業から毎日のように訓練に明け暮れていたのだ。
「さて、今日はまず新しいデバイスの動作確認なんだけど……」
なのはの指摘に、大阪はもそもそと懐を探り、なにやら楕円形の物体を二つ取り出す。
「ええと……それは、何なのかな?」
「これは、通天閣です」
「通天閣?」
「ほんでな、こっちは阪神」
「阪神?」
困惑するなのはを意にも介さず、大阪はもう一度、そのデバイスの名前を呼んだ。
「阪神」
「……ええと、それじゃあ、訓練を始めようか?」
「てやー」
大阪が二つのデバイスを前に突き出すと、そこにはなんだか形容しがたい色、ちよちゃん言うところの『大阪さん色』の光が生まれ、周囲の魔力を吸収し始めた。
「スターライトブレイカーやー!」
「ええっ!?」
いつのまに習得したのだろう!?思わず驚愕に叫ぶなのは。
だが。
「みゅーんみゅーんみゅーん」
『通天閣』と『阪神』の間から発射された極太ビームが、タコが這うぐらいのスピードでのろのろと発射される。
「……スターライトブレイカー?」
「……一応、原理としてはそのものだけど……」
「みゅーんみゅーんみゅーん」
呆然と見つめるなのはと、冷静なようで実は驚愕に固まっているタバサ。
極太ビームはその威力を保ったまま、既に一分近くじりじりと前進し続けていた。
「ある意味すごいというか、すごくないというか……この魔法をこんなに長時間持続させるとか、
それだけで凄いと言ってもいいとは思うんだけど」
「みゅーんみゅーんみゅーん」
「先は……長そうだなあ」
大阪の『スターライトブレイカーやー!』は、都合十分かかってようやく的に到達したという。
「さて……今度はタバサちゃんだね。待った?」
「別にいい」
タバサは端的に答え、母の手製のマフラーを整えつつ、詠唱を開始する。
「風は遍在する……」
ベルカとハルケギニアの魔法を組み合わせたタバサは既に騎士と呼ばれ、ハルケギニアにおけるスクウェアクラスの限界を超える実力を身につけていた。
その過程で魔法の研究そのものにも興味を憶えたようで、心の中に抱える怨讐を薄れさせつつあるが、それを完全に無くすまでには至っていないようだ。
「すごいね。私もちょっと本気にならなきゃ、かな」
計四人に分かれたタバサに、なのはは杖を構え直して気合を入れる。
かつての『遍在』との交戦が、なのはに何かをもたらしたのは確かなようだ。
「タバサちゃんもなのはちゃんも、なんやすごいなぁ」
二人の激戦を眺めながら、大阪はいつものごとく唐突な想いを口に出す。
「ルイズちゃんは希少スキル持ちやから別枠やゆうてたけど……希少スキルってなんやろ」
すでに大阪は二人の戦いは眼中にないようだ。
「レアスキル……レアスキル……」
大阪はただぼーと、虚空を見上げる。
「レアステーキの親戚やろか」
レアステーキを食べに行くルイズとはやての姿が、見えたような気がした。
ちょうどその頃。当のルイズとはやては何をしていたかというと。
(大丈夫。ルイズちゃんはな、これから多くの人を救える。今日はその第一歩や)
はやてからの念話が、ルイズの心に届く。
ユニゾンデバイス『お父さん・ツヴァイ』と融合したルイズは、はやてと共にミッドチルダで起こった大規模火災の現場上空に飛び、ルイズにとっては初めての広域攻撃魔法を行使することになっていた。
心を落ち着かせ、自らのデバイスに目を落とすルイズ。
夜天の魔道書と始祖の祈祷書を参考に作られたストレージデバイス『始祖の魔道書』を開き、しっかと眼下の火災を見据えて、詠唱を開始する。
(訓練どおりやれば……いける!)
「アーテム・デス・アイセス!」
ハルケギニア式に合わせて気持ち小さく作られた片手用杖の先から、極寒の冷気が迸る。
氷が火災を包み込み、ルイズは担当区域の鎮火に成功した。
「私にもできたわ!」
(良かったなあ。今日はお赤飯やね)
「オセキハン?」
(あ、や、何でもないよ? )
はやてのごまかし笑いに怪訝な顔をするルイズ。
オセキハンとは何だろうか。今度誰かに聞いてみよう。
疑問を保留して飛び去ろうとするルイズの目に、倉庫の影からふらふらと迷い出る人影が飛び込んできた。
「嘘!」
広域攻撃魔法発動の前段階として、ルイズなりの確認はした筈なのだが……
要救助者を見落とした自らの失態に後悔を覚えながら、それでもルイズはルイズなりに、少年を救おうと空を蹴った。
「誰?」
「う……」
広域攻撃魔法を直接食らったわけではない……
いや、どうやらルイズの魔法ではなく火災の煙の影響で迷い込んだだけのようだ。
自らの魔法で傷ついたわけではないことに若干の安堵を覚えながら、とりあえずルイズは少年を背負って、臨時の医療テントへと向かう。
「あなた、名前は?」
「お、俺は……」
「平賀才人……」
少年はそれだけ言い残して、意識を手放した―――
さて、この新たなる物語を孕んだ奇跡の情景で、三人の物語はおしまいです。
この先色々なことがあるでしょうが、三本の矢は三人の枝豆より大豆や……あれ?なんかちゃうねん……
「どうしたの?あゆむちゃん」
「あ、なのはちゃん、その、これはな、ちゃうねん。ちょっとぼーとしとっただけでな、寝てはないからなー」
「もー、寝ててもボーっとしてても、話を聞いてないってのは一緒だよ?」
「……すんませんー、ねてましたー」
ミッドチルダの青空を、始祖ブリミル(CV.若本)が横切ってゆく。
三人の世界は、今日も平和だった。
#navi(三人)
ヴァリエール家の応接間、テーブルを挟み、今、史上最大の対決が始まろうとしていた。
「お茶が入りました」
給仕の運ぶ茶が何かの合図だったかのように、高町なのはが口火を切って議論が再会する。
「カリーヌさん、どうしてもルイズちゃんの留学は許可できないんですか?」
「当然です。得体の知れない輩にルイズを預けるわけにはまいりません」
「でも!ルイズちゃんは現実に魔法が使えなくて苦しんでるんですよ!」
「この先、使えないと決まった訳ではありません。我が家の教育は、どこまで行っても我が家の責任です」
「……ルイズちゃんが決めた道を閉ざして、貴女の思い通りの娘に教育しようってことですか?」
「……貴女が心配する事ではありません。さあ、どうかお帰り下さい」
その返答を受けとめた高町なのはは音を立てて立ち上がり、悠然と座るカリーヌに対し杖を向ける。
「どうして……話を聞こうとしないんですか?そんなの、そんなの……ないよ……」
ルイズ達は動けなかった。二人の圧力を向けられたくないというのもそれだが、高町なのはの哀しく淀んだ目が、皆を黙らせたのだ。
(ミス・タカマチ……な、なんて眼をしやがる!ゴクリ)
約一名、マリコルヌだけは何か新しい感覚を目覚めさせたが、それはまた別の話。
「何と言う思い上がった態度……既に戦場に在らずとはいえ、杖を向けられて答えぬ訳にはまいりません」
カリーヌも立ち上がって、ドレスをするりと落とす。その下から、簡素な甲冑が姿を現す。
「ヴァリエール家の、『烈風』の名にかけてその決闘、受けましょう!窓を開けなさい!」
窓の外の老いたマンティコアが、咆哮を放った。
二人の魔法使いが空に消えた後、中座していたはやてがようやく姿を現す。
「おー、やっとるなあ。なんかこうなるような気はしてたんやけど」
「ハヤテ!」
はじかれたように立ち上がって、はやてに駆け寄るルイズ。
「ルイズちゃん、何があったん?」
「あ、ありのまま、今起こった事を話すわ。『お茶が入ったら二十秒でガチンコバトルが始まった』
な、何を言ってるのかわからないと思うけど、私も何が起こったのかわからなかった……
頭がどうにかなりそうだった……お母様とか魔法少女とかじゃ断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ」
「そうなんか……まあ、怪我をしてもすぐ治療できるやろし、ブリミルさんもおるし大丈夫なんと違うかな?」
「それはそうだけど、でもハヤテは『あれ』を非常識だとは思わないの!?」
「シューーート!」
「小賢しい!」
なのはの放った無数の光球が、カリーヌの杖一振りで霧散する。
「え、ええええ!?な、何なの!?レイジングハート!」
『Air hammer.』
「え、エアハンマーって、もっと狭い範囲の攻撃魔法だって聞いたけど……」
その巨大さは、カリーヌの実力を示しているのだろうか。
「でも、負けるわけにはいかない!」
なのはは杖を構え直して、新たな魔法陣を展開する。
「あー、たしかになー、ちょっと非常識やなーて思うことはあるよ」
「だったら、止めるとか何とか!」
「なあ、ルイズちゃん」
はやてはルイズをしっかと見据えて言った。
「あれはな、なのはちゃんの……なんていうか習性なんよ」
「へ?」
「初対面で敵対した人には、とりあえずぶつかって力を量らないと気が済まない。
ルイズちゃんのお母さんも、そゆとこあるんと違うかな?」
「まあ、何だか憶えがあるような、ないような……」
「確かに、若い頃のカリーヌはそのように振舞っておりましたな」
「父様」
ルイズの父、ラ・ヴァリエール公爵がのっそりと顔を出し、口を挟む。
「頭の中まで魔力が詰まってそうな二人の争いは良いとして、ミス・ヤガミ」
「なんでしょう」
「ルイズが魔法を使う方法があるとはどういうことですかな」
はやてはまず頷いてから、言葉を切り出す。
「せやから、ルイズちゃんの魔力は相当なもんです。ただ、それを上手く引き出せていない」
「うむ」
「極端に狭い魔力変換資質とか……ハルケギニア式の術式が性に合わんのか、あるいは限定条件のきつい希少スキル持ちなのかもしれません」
「ふむ……神官のたわごとと聞き流していたが、外の世界が実在するとなれば……」
公爵は考えるように一息ついて、顎を撫でた。
「ブリミルさんの協力もありますし、複数の術式を学べるあちらの世界の方が、修行にはええと思いますよ」
「そうですな……しかし、カリーヌは反対のようですし」
やはりこの父も、娘を異世界に送り出すことには抵抗があるのか。
はやては少し考えて、自らのデバイス「夜天の魔導書」を取り出す。
「私のデバイス……この世界での『杖』に近い物です」
「ほう……」
公爵の目が、はやてを値踏みするように細くなる。
「ルイズちゃんには始祖の祈祷書型のデバイスが合ってるて。な、ブリミルはん?」
「左様。かぁーの女に合った『杖』を用意できたなああるあばあ、存分に才能を発揮することになああるであろーうぅ」
「……」
「何か、構造が似とるらしいて……せやから、私がルイズちゃんの助けになれると思うんです」
体を無駄に震わせる始祖ブリミルを怪しみつつも、公爵は悠然と顎を撫でて思索に耽る―――
「少々あなたを過小評価していたようですね……ここからは……」
カリーヌは一旦向き直ると、杖を構えルーンの詠唱に入る。
『Master!』
「うん、そうだね……ディバインシューター!」
牽制に放った光弾が、マンティコアの尾の一振りによって打ち落とされた。
「ええっ!?」
詠唱が完成する。
腕を組んだカリーヌとマンティコアが分裂し、分裂し、散開し……
最終的に、なのはの周囲を都合十二体の『烈風』が取り囲んだ。
「わが身一つ、そして我が十一体の遍在……『烈風の十二姉妹』。我が全力を持ってお相手いたしましょう」
十二体が一斉に杖を上げ、何か短いルーンを呟き……一体一体の目の前に、天地を貫く大竜巻が姿を現した。
「……ちょっと、非常識なの」
『That's right. but......』
「負けるわけには……いかないよね!」
十二本のカッター・トルネードが、まるで生きているかのようになのはの周囲を回り、その包囲網を徐々に狭めてゆく。
「ルイズを連れて行って教育してあげる、など。あの娘の母親にでもなったつもりですか」
「母親になったつもりなんかじゃない。ただ、助けになりたいから。私のわがままだとは思うけど」
なのはの自嘲を込めた心の叫びが、天空に響き渡った。
「それでも……子供は、おかあさんの人形じゃないんだから!!」
なのはの体が、バリアジャケットごと逃げ場のない風の檻に押し潰されたその時。
真空を孕む竜巻に飲み込まれ、切り刻まれながらも、なのはは天に向かって無数の光条を放った。
「……何を……」
一見無意味に見える行動にほんの一時、カリーヌの判断が停止するその刹那。
竜巻の内側を抜け、はるか上空の積乱雲をくぐり……
なのはの全力全開の光条が、十二人のカリーヌに降り注いだ。
「しまっ……」
その光条が正確にカリーヌだけを打ち抜いたことを確認し、なのはは意識を手放した。
意識を失ったなのはがリインフォースの展開した魔力の網に受け止められると同時に、主人の無力化を悟ったマンティコアが、駆け寄る使用人とカトレアに翼を向ける。
「相打ち……だな。あの若さにしては桁外れの能力」
公爵は泰然として、はやてに目を向ける。
「よろしい。娘を預ける事にしよう。まあ、連絡だけは絶やさぬようにしてくれたまえ」
その目線の先では、リインフォースとカトレアによる施療が行われていた。
ガリア王宮、プチ・トロワの一角。
タバサの帰還を待っていたイザベラは、飛び込んできた知らせに翻弄されていた。
「イザベラ様!」
「だから、何があったのよ!」
「ですから、シャルロット様がオレンジ色の奇怪な生物とともに母君を奪還したと……」
「奇怪な生物って何!?」
「は、本人は『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミル』と名乗り……あ、いえ、私が言ったわけじゃないですよ!?」
「そう。それで」
「は、はい。そこで彼は『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミルですー。今日ー、ここでー、重大な秘密が明かされルぅぅぅぅ!!実はー、タバサは本当のタバサではないー。イザベラ君はー、落ち着いて本当のタバサを探すべーきー……』などと叫び声を上げ……」
「始祖ブリミルが?わたしを名指しして訳のわからない事をほざいたって?」
「は、はい……はは……」
「っつざけんじゃないわよ!どうせ致命的ミスを隠すための嘘か何かでしょ!」
「ち、違いますよ!こんな嘘ついてどうするんですか!」
「だから、ごまかそうったってそうは……」
「違いますって!……」
「……!」
「……!」
押し問答は、『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミル』がガリア国境を越えた後も続いていたという。
当の『始祖ー、ブゥゥゥゥゥリミル』達は、と言えば。
「治る?」
「多分治せると思うんやけどな」
不安げに問うタバサに、このかが頼りない答えを返す。
言葉の足りなさを察知したはやてが、素早くフォローを入れた。
「それが魔法の呪いでも、化学的な作用でもな、この状況で死ぬのを待つよりはましなはずや。
私一人じゃわからんけど、私の世界とこのちゃんの世界の知恵を合わせれば何とかなる。
帰ったらまずシャマルにでも相談してみよか」
詳細な説明に満足したのか、タバサはこくりと頷いて持ってきた本に視線を落とす。
「タバサちゃんはその間なのはちゃんに鍛えてもらうって事になってるけど、それでええんかな?」
「いい」
タバサは視線を本に落としたまま、静かに宣言した。
「私は、強くなる」
皆の心の隅々にまで響き渡るようなその一言に刺激されたのか、マリコルヌが気色ばんで身を乗り出す。
「ぼ、僕だって強くなる!強くなって、故郷に……に、錦を飾ってやるんだ!」
……の間に彼が言いたかった事、それはもちろん両親に紹介する女性の事であるわけだが……
未だその時ではないと、彼は言葉を飲み込んだ。その分別がつくぐらい僅かにだが、彼は進歩していた。
そうして彼らは、ハルケギニアに別れを告げた。
それから……時は流れ。
ただのふとっちょから固太りの紳士へと微妙な進化を遂げたマリコルヌが、背中に羽を広げた剣士と対峙していた。
ハルケギニアを離れてから毎日行われている戦闘訓練が、彼の微妙なレベルアップに貢献しているのだ。
「今日の僕は一味違うぞ!」
マリコルヌは体を真っ赤にして震わせながら、杖に渾身の力を込めて魔法を放った。
「遍在?」
マリコルヌにそっくりな『遍在』が一体、マリコルヌの脇に出現したようだ。
「マギステル・マギになって、このかを僕の嫁にするんだああああああ!!!」
みじめな現実にようやく差した一筋の希望。
それが、マリコルヌをして微妙な進化をさせる大きな原動力になっていた。
しかし。
「……変態一人が二人になったところで!」
軽く一蹴される。
今日の訓練も、マリコルヌの一方的な敗北に終った。
「僕は変態じゃないよ。仮に変態だとしても、変態という名の紳士だよ」
いじけるマリコルヌにばつの悪さを感じながら、刹那は苦言を呈そうとこのかに向き直る。
「お嬢様、差し出がましいようですが、彼と私ではレベルの差がありすぎるのでは」
「んー、そうなんやけどな、なんかそのほうがええ気がしてな」
「しかし……」
「お友達がすごすぎてアレやけど、この年で遍在が使えるのは何や、結構すごい事らしいやん?」
「たしかに、あの始祖ブリミルとかいう生き物はそう言ってましたけど」
「まあ、どこまで真剣に強うなりたいとか、僕の嫁とか考えてるのかはわからんけどな。
そこらは、マルコメちゃんがマギステル・マギになってから考えたらええんとちゃうかな?」
「まあ、私は絶対に無理だと思いますから、そこには異存はないですが」
いじけたままのマリコルヌに視線を送る二人。
このかは脇に置いた手紙を持って、刹那に話しかけた。
「あゆむちゃんから手紙が来とってな」
「大阪さんからですか?」
「せや。高校を出たら魔法使いになるねんゆうてたけど、ほんまに夢をかなえたんやなあ」
そういいながら、感慨深げに手紙を開くと、そこには。
>わたしはもっと
>敏しょうにならなあかん
とだけ、記されていた。
「……それだけですか?」
「それだけやなあ」
「何を…」
「何を考えてるんやろなあ」
庭には梅の花が咲き、空にはうぐいすの啼く……
思わず眠くなるような日和であった―――
「―――あゆむちゃん」
「ねてへんよー?」
大阪はきょろきょろとあたりを見渡し、声をかけた教導官……なのはを見つけると、とりあえず……謝っておいた。
「すいませんねてましたー」
ここはミッドチルダ地上の訓練領域。大阪となのは、そしてタバサの三人は、大阪の高校卒業から毎日のように訓練に明け暮れていたのだ。
「さて、今日はまず新しいデバイスの動作確認なんだけど……」
なのはの指摘に、大阪はもそもそと懐を探り、なにやら楕円形の物体を二つ取り出す。
「ええと……それは、何なのかな?」
「これは、通天閣です」
「通天閣?」
「ほんでな、こっちは阪神」
「阪神?」
困惑するなのはを意にも介さず、大阪はもう一度、そのデバイスの名前を呼んだ。
「阪神」
「……ええと、それじゃあ、訓練を始めようか?」
「てやー」
大阪が二つのデバイスを前に突き出すと、そこにはなんだか形容しがたい色、ちよちゃん言うところの『大阪さん色』の光が生まれ、周囲の魔力を吸収し始めた。
「スターライトブレイカーやー!」
「ええっ!?」
いつのまに習得したのだろう!?思わず驚愕に叫ぶなのは。
だが。
「みゅーんみゅーんみゅーん」
『通天閣』と『阪神』の間から発射された極太ビームが、タコが這うぐらいのスピードでのろのろと発射される。
「……スターライトブレイカー?」
「……一応、原理としてはそのものだけど……」
「みゅーんみゅーんみゅーん」
呆然と見つめるなのはと、冷静なようで実は驚愕に固まっているタバサ。
極太ビームはその威力を保ったまま、既に一分近くじりじりと前進し続けていた。
「ある意味すごいというか、すごくないというか……この魔法をこんなに長時間持続させるとか、
それだけで凄いと言ってもいいとは思うんだけど」
「みゅーんみゅーんみゅーん」
「先は……長そうだなあ」
大阪の『スターライトブレイカーやー!』は、都合十分かかってようやく的に到達したという。
「さて……今度はタバサちゃんだね。待った?」
「別にいい」
タバサは端的に答え、母の手製のマフラーを整えつつ、詠唱を開始する。
「風は遍在する……」
ベルカとハルケギニアの魔法を組み合わせたタバサは既に騎士と呼ばれ、ハルケギニアにおけるスクウェアクラスの限界を超える実力を身につけていた。
その過程で魔法の研究そのものにも興味を憶えたようで、心の中に抱える怨讐を薄れさせつつあるが、それを完全に無くすまでには至っていないようだ。
「すごいね。私もちょっと本気にならなきゃ、かな」
計四人に分かれたタバサに、なのはは杖を構え直して気合を入れる。
かつての『遍在』との交戦が、なのはに何かをもたらしたのは確かなようだ。
「タバサちゃんもなのはちゃんも、なんやすごいなぁ」
二人の激戦を眺めながら、大阪はいつものごとく唐突な想いを口に出す。
「ルイズちゃんは希少スキル持ちやから別枠やゆうてたけど……希少スキルってなんやろ」
すでに大阪は二人の戦いは眼中にないようだ。
「レアスキル……レアスキル……」
大阪はただぼーと、虚空を見上げる。
「レアステーキの親戚やろか」
レアステーキを食べに行くルイズとはやての姿が、見えたような気がした。
ちょうどその頃。当のルイズとはやては何をしていたかというと。
(大丈夫。ルイズちゃんはな、これから多くの人を救える。今日はその第一歩や)
はやてからの念話が、ルイズの心に届く。
ユニゾンデバイス『お父さん・ツヴァイ』と融合したルイズは、はやてと共にミッドチルダで起こった大規模火災の現場上空に飛び、ルイズにとっては初めての広域攻撃魔法を行使することになっていた。
心を落ち着かせ、自らのデバイスに目を落とすルイズ。
夜天の魔道書と始祖の祈祷書を参考に作られたストレージデバイス『始祖の魔道書』を開き、しっかと眼下の火災を見据えて、詠唱を開始する。
(訓練どおりやれば……いける!)
「アーテム・デス・アイセス!」
ハルケギニア式に合わせて気持ち小さく作られた片手用杖の先から、極寒の冷気が迸る。
氷が火災を包み込み、ルイズは担当区域の鎮火に成功した。
「私にもできたわ!」
(良かったなあ。今日はお赤飯やね)
「オセキハン?」
(あ、や、何でもないよ? )
はやてのごまかし笑いに怪訝な顔をするルイズ。
オセキハンとは何だろうか。今度誰かに聞いてみよう。
疑問を保留して飛び去ろうとするルイズの目に、倉庫の影からふらふらと迷い出る人影が飛び込んできた。
「嘘!」
広域攻撃魔法発動の前段階として、ルイズなりの確認はした筈なのだが……
要救助者を見落とした自らの失態に後悔を覚えながら、それでもルイズはルイズなりに、少年を救おうと空を蹴った。
「誰?」
「う……」
広域攻撃魔法を直接食らったわけではない……
いや、どうやらルイズの魔法ではなく火災の煙の影響で迷い込んだだけのようだ。
自らの魔法で傷ついたわけではないことに若干の安堵を覚えながら、とりあえずルイズは少年を背負って、臨時の医療テントへと向かう。
「あなた、名前は?」
「お、俺は……」
「平賀才人……」
少年はそれだけ言い残して、意識を手放した―――
さて、この新たなる物語を孕んだ奇跡の情景で、三人の物語はおしまいです。
この先色々なことがあるでしょうが、三本の矢は三人の枝豆より大豆や……あれ?なんかちゃうねん……
「どうしたの?あゆむちゃん」
「あ、なのはちゃん、その、これはな、ちゃうねん。ちょっとぼーとしとっただけでな、寝てはないからなー」
「もー、寝ててもボーっとしてても、話を聞いてないってのは一緒だよ?」
「……すんませんー、ねてましたー」
ミッドチルダの青空を、始祖ブリミル(CV.若本)が横切ってゆく。
三人の世界は、今日も平和だった。
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